ダーク・ファンタジー小説
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- 翼を付けた悪魔 〜悪魔を知らない少女〜
- 日時: 2013/09/17 20:11
- 名前: 清楓ユズハ ◆AoQvVmjntM (ID: Ouicm1PF)
初めまして! 清楓ユズハ(サヤカユズハ)と言います!!
題名通りのことです。とにかく説明なんてありません。
荒らし・中傷・商売宣伝は禁止ですが、アドバイスや見てるだけの人、コメントは受け付けます!
下手なので広くて大きい心で見てください汗
登場人物からどうぞ!
——
§主な登場人物§
§水幻 海紗 スイゲン ミスズ§ ミスズ・レイ・カリン∮コレット
φ風吹 風花 イブキ フウカ φ フウカ・ラン・モリア∮イリナ
φ土里 徹平 ツチザト テッペイφ テッペイ・マキ・タキズ∮トウヤ
§織音 音羽 オリオト オトハ § オトハ・リネ・セレン∮トウカ
・碧空 夕泰 カイクウ ユウダイ § ユウダイ・ジーロ・ロイズ∮レン
・日原 陽架 ヒナハラ ハルカ ・ ハルカ・エリ・ミイナ∮クーナ
§植森 森 ウエモリ シン § シン・トーキ・クノル∮ケイト
※§は悪魔 φは天使 ・は人間
※生まれた時に自分の持つ魔法力に合わせた人間名・悪魔・天使名をつける
- Re: 翼を付けた悪魔 〜悪魔を知らない少女〜 ( No.9 )
- 日時: 2013/09/14 13:40
- 名前: 清楓ユズハ (ID: Ouicm1PF)
- 参照: 見てるだけの人 コメントください!
「ん?どうしたんだい」
ムーブが にっこり笑いかけてきた。
「あ、いえ…っ」
(私が…行けるならば 私に行く場所を与えてくれるなら)
そんなミスズの気持ちを察したのか、ケイトが言った。
「あの、ぜひ 通わせてください。」
「そうと決まったら、これどーぞ!サイズは合ってるはずだよ」
カウンターの下から 制服を三つ取り出した。
準備が早い。
さすがだ。
「サイズ…どうして?」
オトハが問うと
「さっきの悪魔名をつけるための検査とかで 分かってるんだよ」
とムーブがあっけらかんと言った。
ぱちん!
指をムーブがはじき、
「ブラックシャイニング」
そう言うと、三人は さきほどまでカウンターの上でビニール包装に包まれた服が、ビニール包装だけゴミ箱に捨ててあり、制服だけが自分らが身に着けていた。
そして 目の前には 三つの鏡が置いてある。
「わあ!かっわいい!!」
ミスズは少しはしゃいで 鏡の前の自分を見た。
白色のブラウスに黒色のノースリーブワンピースで、スカート部分がフレアになっていて、へんてこな形のポケットがある。
首元には 黒色のリボンスカーフだよ!
そしてすこし赤っぽくて黒いタイツと黒い革靴で☆
革靴には、幾何学模様が記されていて、つま先の部分に 大きなリボン付き!
髪色がなぜか銀色になって、右のところでサイドテール、前髪は編み込みしてある。
髪ゴムは、革靴のリボンを大きくしたようなものだった。
「ミスズの、可愛いなー」
オトハが横をちらりと見ながら はあ とため息をついた。
オトハの制服と言えば
黒いブラウスに白いベストを身に着けていて、黒のフレアスカート。赤っぽい黒レギンスに、白色のレース靴下
靴は黒のただの革靴
髪色は茶色のままで、髪はおろしていて、カチューシャの一つもついていない。
「え?」
ミスズと制服が違うのだ。
「ああ、身分によって 制服は違うからね。」
ムーブはのんびり答えた。
「——こういうのあんま着ないんだけど」
次は ケイト
黒いジャケットに白いブラウスで、黒いネクタイ
ズボンも黒で、似合っている。
靴と靴下は同じく黒。
ミスズのように靴にリボンはついていないが、オトハより キラキラと光った革靴だ。
髪の色が銀に変わって、さっきよりも びしっとしている。
「ミスズ、似合ってるよ」
「え…あ、ありがとう。ケイトも似合ってる!」
ミスズはちょっと赤くなりながらワンピースの裾をひっぱる。
オトハはそれを見て、面白くないのか、フンと そっぽを向いてしまった。
- Re: 翼を付けた悪魔 〜悪魔を知らない少女〜 ( No.10 )
- 日時: 2013/09/14 13:57
- 名前: 清楓ユズハ (ID: Ouicm1PF)
- 参照: 見てるだけの人 コメントください!
「真っ黒な制服ね」
オトハが言うと
「仕方ないですよ。魔界の学校ですからね。あ、オトハちゃん 気づきました?この制服を着たから、ケイトくんの姿が見えるでしょう?」
と ムーブが言い、オトハのニットベストから少し出た襟を治す。
「わっ!!ほんと!! すごーーー!って、あんたの制服 豪華ね」
「オトハの制服がカッコ悪いのでは?」
オトハの嫌味に対し、ケイトは笑顔でスルー
「でね、入学正式にするための生徒手帳 これ 渡しとくよ。いやあほんと、ごめんねミスズちゃんオトハちゃん 渡し忘れてて 来てくれてよかったよ」
ムーブは、全員のポケットに 生徒手帳を魔法で入れたのだけど…。
「銀色で 綺麗ですね」
「ほんと 銀色で 綺麗!」
という ミスズとケイトに対し、オトハは
「薄紫で 可愛い♪」
オトハは 銀と薄紫で差別されているのがわかっているが、今のブームが薄紫の オトハは それはそれで満足していた。
「入学式は 明後日。 もう寮は開いてるはずだから行ってみるといいよ。あと、正式登録のお土産ね」
ミニトートバックを 三人に渡して、オトハもリアを 10000リアずつ分けると、その場をあとにした。
「ふふっ、少し 満足ねえ」
「これ、電子地図なんだね! あたしたちが歩く道乗りによってあとどれくらいで到着するか 分かるし!」
二人ははしゃいでいるとケイトがしんみり言う。
「入学式までに 付くのかな。ずっと真っ暗だから、電子地図が便りだね。いまは、まだスズヤミだね・・・。サエデまでに 二つの場所を超えないと。」
「電子地図によると、レイアンとアンレイって双子の場所を超えると、サエデにつくみたいね。」
オトハは 複雑そうに言った。
ケイトの姿が見えるから なのだろうか。
「ここで 休憩する?」
「そうしようかな」
ケイトとオトハが 暗い森でそういうと、ミスズもうなずき、トートバックから物をだしはじめた。
「ほら ミスズちゃん ここの大木 このタオルを引いて 座っていいよ」
ケイトが、一枚のタオルを差し出してきた。
制服が汚れないように という配慮だろう。
「え?いいの?」
「いいよ。僕は、立ってるから」
「———嫌味なヤツ」
オトハはムッと言う。
「あ、ありがとう!ん? 何だろ!」
ミスズはトートバックから、薄く折りたたまれたものを発見した。
「わわわわ!」
どんどん広がっていくそれは、銀色の光をばらまいて、大きくなっていく。
そしてやがて黒色に回りの風景と一体化した。
「一人くらいなら は入れそうね。みんなも あるはずだから、開けてみたら? ケイト ありがとう このタオル 返すわ」
「分かった。持っててくれても構わないのに」
ケイトは トートバックから 銀色の ミスズと同じものを取り出して、大きく広げ、ミスズのものとつなげた。
「ここが開いているから 三人分のテントがつなげれそうだね」
ケイトがそういうそばで オトハは薄紫色のテントを広げていた。
(なんで 私だけ なにもかも ボロボロなんだろう)
- Re: 翼を付けた悪魔 〜悪魔を知らない少女〜 ( No.11 )
- 日時: 2013/09/14 15:42
- 名前: 清楓ユズハ (ID: Ouicm1PF)
- 参照: 見てるだけの人 コメントください!
黒いテントを三つならべて、荷物を持って中に三人は入った。
「お風呂とかどうするのかな?」
「ん〜。地図に 銭湯とかあればいいけど」
ミスズとケイトは しゃべりながら電子地図を触っている。
「そんなことしなくても大丈夫だって!二人とも、これ見てよ!」
トートバックを広げていたオトハは、お風呂を見つけたらしい。
「これ、お風呂になるんだよ。ちゃんと」
と言うオトハの手には一つのタイル
それを地面に置くと みるみるお風呂に変わっていく。
「黒いカーテンがついてるし、透けないから問題ないね。一人ずつ入れば、十分大きすぎるくらいだし ミスズ 先、入りなよ」
「え? いいの?オトハ」
「お風呂 まだないのか?」
ケイトは、自分のトートバックをあさる
「僕のは 三人分のパジャマとか 衣服とかタオルとか 布製品だらけなんだけど、しかも全部黒だし」
「着替えとかは ケイトから借りようか。 ミスズのは 何が入ってる?」
オトハは、ケイトとの憎まれ口を止めて、真剣に言う。
「ええっと、日用品とかが多いよ、歯磨き とか 小説とかもある。ちゃんと勉強道具もあるわ。 ほら」
ミスズの手の先には、三つの袋があり、ノートや鉛筆 筆箱なんかがありったけ入っていた。
「これだけあればいいわね。」
オトハは手に取りながら、薄紫色のものを、コレにする!と自分のカバンに入れる。
「じゃ、僕はマリンブルーにする」
とケイトもとり、残った銀色をミスズがもらう。
「私のに、キッチンとか、食べ物いっぱい入ってるから ってあのムーブって人 親切ね なにか害がなければいいけど」
「大丈夫よ。じゃあ 私 お風呂に行ってくるわ。」
ケイトから 衣服とタオルをもらい、ミスズはお風呂へ行った。
「おまえ 料理できるの?」
二人っきりになったケイトとオトハ。
「あたし? 料理はできるけど。あんたこそできるの?」
「僕はできるけど…オトハの料理は 最悪そうだな ミスズのほうが器用そうだな。」
「ま、酷いわね!じゃ いまからあたしが作るわよ。 デザートね」
「じゃ 僕も作るよ 御手並み拝見 だね。」
二人はいっせいに オトハの出すキッチンに飛びついた。
- Re: 翼を付けた悪魔 〜悪魔を知らない少女〜 ( No.12 )
- 日時: 2013/09/14 16:00
- 名前: 清楓ユズハ (ID: Ouicm1PF)
- 参照: 見てるだけの人 コメントください!
「あれ…二人とも どうしたの?」
ミスズがお風呂から上がってパジャマ姿で出てきた。
黒い長袖ワンピースで、黒襟・黒ボタンの黒ズボンを履いた なんだかパジャマにしてはおしゃれなかんじだ。
「オトハ ケイト どっちか お風呂いったら?」
「いや、今料理対決中だ」
「そうよ こいつのねじくれた性格を戻してやるから!」
二人は自信満々だ。
「私も作ろうかな。」
なんて、三人は料理をし始めた。
一時間後…
「よし 全員 できたね? 料理名を言ってから食べましょ」
オトハの出したテーブルと椅子に座って、三人はデザートを食べ始める。
「あたしが作ったのは、フルーツパフェ」
そう言いながら 指差した三つの豪華なお皿に、綺麗に クリームやフルーツが盛られている。
「見た目 まずそうじゃないな。」
なんだかんだ ケイトにも好評
「おいしそう!」
「いただきます」
「頂きます♪」
二人は 飛びついた。
「ナタデココが入ってるんだ♪プルプルでおいしい!桃とクリームの相性はバツグンだね!」
ミスズは いち早くコメントをつける。
「でしょでしょ? どうよ?」
ケイトも おいしそうに頬張りながら言う。
「おまえにしては いい出来してるんじゃねーの?」
「もう!あんた すなおに おいしいです って言わないの?」
「・・・」
「無視っ?!」
「まあまあ オトハ」
ミスズがなだめる。
「じゃあ 次は僕のだね。 これは カッテージチーズケーキ すなわち レアチーズケーキだよ。」
「わ、タルトがおいしそう!」
「おいしそ」
ミスズとオトハが目を輝かせる。
「いっただきまーす!」
「頂きます」
二人は、ケーキを食べ始めた。
「わ、美味しい!チーズの味がたまんないね!タルトの触感もいい!あんたの腕前、まあまあ認めてやるよ!」
オトハが大きいことを言う。
「おいしい…チーズがまろやかで、さわやかな味わい」
ミスズも真面目に返答して、ケイトが頭をかきながら照れくさそうに相槌を打つ。
「いい出来だろ?」
三人が食べ終わったところで、ミスズの出番だ。
「私はね、桜の紅茶とチョコロールケーキなの 紅茶も用意したから、お口直しにどうぞ あ、紅茶は お好みではちみつを」
「紅茶なんて気が利いてるじゃんって、おいしそー!フルーツたっぷりじゃん このロールケーキ!いっただきまーす」
オトハがいち早く ロールケーキに飛びつく。
「おいしそうだね。 見た目が鮮やか。 チョコレート生地の茶色に、苺やキウイは映えるし、この紅茶もいい香りがする… ではいただきます」
ケイトも丁重に感想を言い、食べ始める。
「おいしーい! スポンジが もっちもち! 紅茶がほんのり甘くておいしーい!」
「おまえ何回おいしい言ってるんだよ。桜の紅茶は、はちみつを入れると、コクが出て、もっとおいしくなるね。ロールケーキと相性がいいよ。ロールケーキも、フルーツのバラエティいろいろでいいと思う」
「二人ともありがとう!」
と、夜のティータイムが 終わりを告げ、ミスズの持つ キャンドルの火をつけて 夜は寝た。
- Re: 翼を付けた悪魔 〜悪魔を知らない少女〜 ( No.13 )
- 日時: 2013/09/14 16:15
- 名前: 清楓ユズハ (ID: Ouicm1PF)
- 参照: 見てるだけの人 コメントください!
ふわり
いい香りがして 目覚めると すでにケイトが起きていて、朝食を作っていた。
「ったく、昨日寝ぼけたんだか 食料 そんなにねーぞ」
「仕方ないじゃない。 私今日 休憩ね。 地図でも見とくから あんた朝食係!」
オトハも起きていて、起きていないのはミスズだけだった。
ミスズは制服に着替えると、外へ出る。
「ああ、おはよー!ミスズ!」
「おはよう。ミスズ」
オトハとケイトが迎え入れた
「あ、ごめんね。 おはよう」
「もう 朝ごはんはできているから 座って」
ケイトに促され、オトハの隣に座った。
「おいしそう!頂きます。」
———
「じゃ、そろそろ行くか」
食べ終わり、三人は動き出す。
「ん〜っ。テントしまうの大変だったあ」
「こっちはこっちで洗い物してたんだから」
オトハとケイトはのんびりしゃべりながら 地図を見る。
「ここ 曲がれば もうすぐレイアン村じゃない?」
「霊暗むらだってよ。 怖そーじゃん」
「なんだ ケイト怖がってんの?」
「あ、いやそういうことじゃないけど」
やっぱり二人は憎まれ口をたたきながら。
「おー!看板見えるじゃんか」
「もうすぐだよ!はしろ!」
オトハに促され 三人は走り出す。
が、なかなか目的地までたどり着くことができない。
『悪の翼を持つものよ そこで止まれ』
『光の天使 フウカ・ラン・モリア∮イリナをお連れする』
「なんだ?どこから聞こえるんだ?」
「なんだろ…」
ケイトとミスズが不安になり始めたところで、先頭を歩いていたオトハの身体がぶっ飛び、後ろにいたミスズを超えて、後ろへとんでいった。
「キャ————!!」
「オトハ!」
ケイトが叫ぶが 叫んだところで状況は変わらない。
『あいつは いらぬ。悪魔は入れぬ。 悪いが 君たち二人だけ入室を可能とする。』
「そ、それはないだろ?どうしてダメなんだよ!」
『ナルホド ケイトというのは 貴様だな…』
「ねえ あなた オトハも一緒に連れて行ってくれないかしら?」
ミスズが頼む
『仕方あるまいな。ミスズ姫がそういうのなら仕方ないであろう……っ』
低い声でうなると、空から 白いパスポートが降ってきた。
「なんだこれ?」
ケイトがキャッチすると、いろんな動作をして 何も動かないのを確認する。
『なんだ。魔法ひとつも知らなかったか。まあいいだろう。いずれ 学ぶことになるのだからな。ハハハハ、これは オトハとやらが、あくまでも特別に認められる資格だ。』
『でも、ケイトやミスズ オトハが大事だと思う存在に 破られると友情が切れ、オトハは悪魔として扱われ こういうところには入れなくなる。こういうところはたくさんあるから気を付けるんだな ハハハハ』
「え?どういうことなの!オトハは 気絶しているだけ?大丈夫なの?」
『いずれわかる…ミスズ姫も…』
低い声で 空から降ってきた声は そこで途切れてしまった。