ダーク・ファンタジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 廻る世界で。
- 日時: 2012/07/02 22:10
- 名前: +ふぁる+ (ID: 9cTKwbSo)
初めまして!
ふぁると申します!!
初心者ですが頑張っていきたいと思います^^
さっそくですが「廻る世界で。」の
オープニングです!!↓
〜オープニング〜
気がついたとき、世界は黒く染まってた。
・・・・いや、もともと色なんてなかったんだ。
そう思うことによって、自分を守った。
自分が正しいと思い込んだ。
だって、この世界は私がいることによって廻っている。
私は、この世界の軸となる中心のモノ。
私が踊ることをやめれば、世界も・・廻ることをやめるだろう。
- Re: 廻る世界で。 ( No.13 )
- 日時: 2012/06/19 09:39
- 名前: +ふぁる+ (ID: 9cTKwbSo)
その女の人がやってきたのは、私がこの月の館にすみついて数か月たったある日だった。
「ルナさんに会いたい?」
「ええ。会わせてもらえますか?」
その人はとても綺麗で、白く長い髪に真っ白なドレスを着た、ルナさんとは別の意味で、美しい人だった。
「でも、ルナさんは・・・・・」
喋られる状態ではない、といいかけて言葉を飲み込む。この月の館に来ているということは、おそらく彼女も“選ばれし者”。だから、ルナさんがどういう状態か分かっているはず。
「・・・・分かりました。案内します。」
そして私は、静かにルナさんの所へとむかった。
トントン
「ルナさん?入ってもいいですか?」
「いいよ。」
返事をしたのはユースさんだった。
ギギィー・・・・
「お客様が来ているのですが・・・・」
「客?」
「はい。・・・・あの、入ってきてください。」
そういって、入ってきた女の人を見た瞬間に、二人の顔つきが変わった。
「久しぶりですね。ルナ。」
「・・・・・・今更、なにしにきたの?セレティア。」
セレティアと呼ばれた人は、にっこりとほほ笑む。
「つれませんね。久しぶりの母子の再会なのに。」
「残念だけど、あなたを母親だと思ったことはないわ。」
ルナさんはとても不機嫌な顔をしているし、ユースさんも険しい顔でみている。・・・・っていうか、この人母親だったんだ・・・。
「ふう・・・・。あいかわらずですのね。まあいいでしょう。今日は話があってきました。・・・・・・・でも、そのままでは話ができませんね。」
そういうとセレティアさんは、すっと片手をかざす。しかし、その手をユースさんがとめた。
「なにを、なさる気ですか?」
「あら、別に怪しいことなんてしませんわよ?ただ、ルナと話ができる状態にするだけですわ。」
「妙な行為はやめてくださいね。あなたも分かってると思いますが、ここは月の館です。勝手な行動は慎んでください。」
ユースさんはそういって、手をはなす。
「分かっていますわ。」
セレティアさんは、かざした片手を十字架の形に動かす。すると、セレティアさんの指先から小さな光がでて、ルナさんのほうへ向かって飛んでいった。
「妙な行為はやめるよう言ったはずです!!」
ユースさんは大きな声で怒鳴った。
「妙な行為じゃありませんわよ?今から、ルナの代わりを作るだけです。」
セレティアさんは、ルナさんに呼びかける。
「ルナ、踊るのをやめなさい。」
「何を馬鹿なこといってるの?」
「今、あなたの化身を作りました。あなたの代わりにその化身が踊ってくれます。あなたは今すぐに踊るのをやめ、私と向き合ってください。ちゃんと、お話しましょう?」
そう言って、セレティアさんはにっこりとほほ笑んだ。ルナさんは素直に踊るのをやめる。
「ようやく、話を聞く気になりましたか。」
セレティアさんは、静かに目をとじ、そしてゆっくりと言った。
「・・・・・・・交代の、時間です。」
その言葉にルナさんの表情が、今まで見たことのない顔になった。ユースさんも驚いている。
「なにを・・・・・言ってるか、分かってるの?」
ルナさんが震える声で聞く。
「ええ。分かってますよ。なんなら、もう一度言ったほうがいいかしら?」
セレティアさんは楽しそうだ。
「私に代わる気はないわ。今すぐに帰ってちょうだい。」
ルナさんがきついまなざしで、セレティアさんをにらんだ。
「ふふ。そういうと思って、わざわざ化身まで作ってきたんですよ。ルナ、あなたに10カ月の猶予をあげます。その間に考えてください。交代するか、しないのか・・・。あと、その10カ月は仕事をしないでくださいね。化身が代わりに踊ってくれますから。」
セレティアさんは、それだけ言うとルナさんに背をむけた。
「帰ります。玄関まで案内してくれますか?」
「あ・・・・はい。」
扉を閉める時、ちらっと見たルナさんは、泣いてるような気がした。
- Re: 廻る世界で。 ( No.14 )
- 日時: 2012/06/20 22:10
- 名前: +ふぁる+ (ID: 9cTKwbSo)
★お知らせ★
えっと、誠に申し訳ありませんが、テストのためにしばらく休みます。
次に更新するのは、再来週ぐらいになるかと・・・((泣
・・・・でわ、頑張ってテストへ行ってきます!!
By+ふぁる+
- Re: 廻る世界で。 ( No.15 )
- 日時: 2012/06/29 20:58
- 名前: +ふぁる+ (ID: 9cTKwbSo)
テストから帰ってきました!!
・・・・ということでさっそく小説を書きたいと思います!!
↓↓↓↓↓↓↓
- Re: 廻る世界で。 ( No.16 )
- 日時: 2012/06/29 22:21
- 名前: +ふぁる+ (ID: 9cTKwbSo)
帰り際に、私はセレティアさんにたずねた。
「あの・・・・・」
「なんですか?」
「・・・・・セレティアさんって、本当にルナさんの、お母さんなんですか?」
するとセレティアさんは、ふふっと笑った。
「私が母じゃ、可笑しいかしら?」
「!!い、いえ、そんなわけでは・・・。ただ・・・・」
「ただ?」
「ルナさんが・・・母親だと認めた覚えはないって・・・・・」
そういうとセレティアさんは、少し顔をしかめたが、すぐに元の笑顔になるといった。
「いろいろあったんですよ。あの子とはね。」
なぜだか、その表情は悲しそうで・・・・・・。
それ以上は、なにも聞くことができなっかた。
「・・・・・帰りますね。」
「あ・・・・はい。気おつけて。」
できるなら、ルナさんと仲直りしてほしい。
そう思ったけど、私には口出しする権利なんてない。そもそも、親のあたたかみを知らない私なんかが、そんなことを言ったって・・・・。
「・・・・・・あ。」
ふと、頭にさっきの出来事が思い浮かぶ。
「そうだ!!ルナさん、どうなったんだろう!?」
あわてて階段を駆けあがる。
「ル、ルナさん!!」
バンっといきおいよく、扉を開く。
「なによ。騒がしいわね。」
そこには、椅子に座ったルナさんがいた。
「え・・・い、いいんですが?」
「なにがよ。」
「その・・・・踊らなくて・・・。」
「今までの話、聞いてなかったの?」
ルナさんは、呆れたように、ため息をつく。
「化身が踊ってくれてるって、あのババアが言ってたじゃない。」
「バ、ババア!?」
私の驚きの声を聞いて、ユースさんがククっと笑う。
「キミが思っているよりも、あの人は歳をとってるよ。・・・・そうだね、ざっと千二百六十五歳ぐらいかな。」
「せ、千二・・・・」
私は驚きのあまり、腰を抜かしてしまった。
「に・・・・人間じゃない・・・」
「あの人は、化け物なのよ。人間の皮をかぶったね。
・・・・・ああ!!もうむかつく!なんなのよ、いきなりやってきて交代だ、とかふざけんじゃないわよ!!」
そういって、机に突っ伏す。
その様子をみていて、私は言った。
「キャラ・・・・違うくないですか?」
- Re: 廻る世界で。 ( No.17 )
- 日時: 2012/06/30 20:57
- 名前: +ふぁる+ (ID: 9cTKwbSo)
「そうかい?ルナはいつもそんな感じだよ。」
ユースさんが、お茶をすすりながら言った。
「でも・・・・踊ってるときのルナさんは、なんていうか、言葉の使い方が丁寧だったというか・・・・・」
「言葉使いが丁寧なのは、疲れている時のルナだよ。ルナは疲れてると、悪態をつくのも、めんどくさくなるんだってさ。」
呆れたように、ユースさんがルナさんを見る。
ルナさんは、そんなユースさんにかまわず、一言いいはなった。
「・・・・・・・・・・おなかすいた。」
「え?」
「おなかすいたの。数百年間、ろくに何も食べてなかったもの。そりゃ、おなかすくに決まってるわ。リアサ、なんか作ってくれない?できれば洋食のほうが、ありがたいけど。」
「えっと、和食じゃなくて・・・・・・ですか?」
ユースさんは、和食のほうが好きだったはずだ。
てっきり、ルナさんも和食が好きなんだと、思っていたけど・・・。
「私は、ユースとはちがうのよ。あんな奴と、いっしょにしないでくれる?虫唾がはしるわ。」
「それは、少し酷くないかい?僕だって、ルナといっしょにされたくないね。」
「それは、こっちのセリフよ。っていうか、あなたもリアサといっしょに、食事を作ってきてよ。」
「はあ!?なんで僕がそんなこと・・・・」
「あなたに、逆らう権利なんてないはずよ。ほら、分かったらさっさと行く!!」
ユースさんは、チッと小さく舌打ちしたあと、おとなしく部屋を出て行った。
「じゃあ、私も行きますね。」
そう言って、部屋を出て行こうとすると、ルナさんに呼び止められた。
「ちょっと待って。」
「なんですか?」
「・・・・・ぜえったいに、エビは入れないでね。大っきらいだから。」
ルナさんの、その言葉に、少し笑ってしまった。
エビが嫌いって・・・・なんだか、子供みたいで。
「あーー!!今少し、馬鹿にしたでしょ!」
「べ、別に馬鹿にしてませんよ!」
「嘘ね。絶対に馬鹿にしたわ。っていうか、このことユースにいわないでよ。」
「分かってますよ。」
少し苦笑まじりに言って、私は部屋をでた。
ルナさんに、少し近づけたようで、ちょっとだけうれしかった。