ダーク・ファンタジー小説
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- 廻る世界で。
- 日時: 2012/07/02 22:10
- 名前: +ふぁる+ (ID: 9cTKwbSo)
初めまして!
ふぁると申します!!
初心者ですが頑張っていきたいと思います^^
さっそくですが「廻る世界で。」の
オープニングです!!↓
〜オープニング〜
気がついたとき、世界は黒く染まってた。
・・・・いや、もともと色なんてなかったんだ。
そう思うことによって、自分を守った。
自分が正しいと思い込んだ。
だって、この世界は私がいることによって廻っている。
私は、この世界の軸となる中心のモノ。
私が踊ることをやめれば、世界も・・廻ることをやめるだろう。
- Re: 廻る世界で。 ( No.3 )
- 日時: 2012/06/10 20:44
- 名前: +ふぁる+ (ID: 9cTKwbSo)
気がついたら雨が降ってきていた。
「やだっ・・・どうしよう・・」
私はあわてて森の中を走った。そして、その館にたどりついたのだ。
「なに・・・・ここ・・・・」
そもそもなんでこんな所に館が建っているのだろう。そんなことを思いながら、とりあえず此処以外に雨宿りするところも無いので、ベルを押してみることにした。
・・・・・・・・・って、ベルどこ??
それらしきものが、見えないんですけど・・・・。
しかたがないので、扉をおもいっきりたたいた。
ドンドン ドンドン
「すいません!!誰かいないでしょうか!もしよければ、一晩泊めてい ただきたいのですが・・・」
・・・・応答がない。私は、大きくため息をついた。
「誰もいないのかなあ・・・。」
しばらく考えてから、おもいきって扉を開けてみることにした。
ぎぎぃー・・・
不気味な音をたてて、ゆっくりと扉が開く。
「あれ・・・まじで開いちゃった感じ?」
不安ながらも私は、その屋敷へと入って行った。
。・+*。・+*・。+*。・+*・。+*。・+*・。+*。・+
中は、奇麗なアンティ—クで統一されていた。
「あのォー・・・誰かいないでしょうかァー・・・」
声をかけても、やはり返事はない。とりあえず部屋を一つ一つみてまわった。そして、とうとう最後の扉の前にたった。
ゴクリ・・・
つばを飲み込んで、その扉をあける。
するとそこにはーーーーーーーーー・・
・・・・・・・・・一人の女の人がいた。
紫色の長く美しい髪に、のびるように細長い手足。
そしてなにより、その綺麗で妖美な顔に、私はみとれた。
ドクンっーーーー・・・・
心臓が高鳴る。
この世にこんなに美しい人がいるなんて思ってもみなかった。
だが、疑問がひとつ・・・。
なぜ、踊っているの?
とっくに私の存在には気づいているはず。なのにどうして・・・?
そんな私の心を読み取ったかのように女の人はつぶやいた。
「・・・・踊らなければいけないのよ。」
「!?」
「ふふ・・・。意味が分からないでしょうね。でも、それが私の役目な の。いえ、“さだめ”と、言ったほうがいいかしら?」
女の人は、楽しそうに・・・それでいて、悲しそうにつぶやいた。
「あなた・・・名前はなんというの?」
「へ!?・・・は、はい!!リ、リアサです。リアサ=フェルエと申し ます。」
「そう・・・リアサ。もしかしたらあなたも・・・・。
いえ、何でもないわ。私の名は、ルナ。ルナ=イリアス=ジースよ。 よろしくね。」
「よろしく・・お願いします。」
ルナさんはやさしく微笑むと、そのままグラリと倒れた。
「ル、ルナさん!?」
私はあわててかけよった。
- Re: 廻る世界で。 ( No.4 )
- 日時: 2012/06/11 20:55
- 名前: +ふぁる+ (ID: 9cTKwbSo)
「ルナさん!?ルナさん!?」
顔には大量の冷や汗がうかんでいる。
「・・・・・だ、大丈夫よ・・。いつものことだし・・・。」
そう言ってルナさんは私を押しのけふらふらと立ちあがる。
「・・・こんなことで、止めちゃいけないの・・・。」
おぼつかない足を動かし、ルナさんはまた踊り始めた。
「や、止めてください!!今すぐに!そんな体じゃ・・・」
「死んでしまうとでも?」
「!!」
「ふふ・・・。心配してくれてありがとう。・・・・でも、私の体は死なないようにできてるから・・・・」
そんな・・・。なんで?どうして?
「ルナさん・・・死んじゃうじゃ・・・・ないですかっ・・・」
気がつけば大粒のしずくが、ぽろぽろと頬をつたっていた。
「・・・死んっ・・・じゃうん・・・ですよ?死ぬっ・・・・て・・・怖いんですよ?」
ルナさんは驚いた顔をしていた。もうこうなると、自分では制御できなくなる。
「そんなのっ・・絶対・・・だめですっ・・・うぅ・・・うわあああああああああああああん・・・うあああああああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
止まらなかった。思いのすべてを、その泣き声にぶちまけた。
どれほどの時がながれただろう。気がつけばさっきと違う部屋にいて、ルナさんのかわりに、男の人が隣にいた。
「大丈夫かい?」
そう言ってハンカチを渡してくれる。私は、それをありがたく受け取ってその人にたずねた。
「・・・・誰ですか?」
「それはむしろ、僕のほうが聞きたいけど・・・まあいいか。僕の名前はユース=ジース。よろしくね。」
私は軽くうなずく。
「さてと・・・。いろいろ説明してもらわないといけないな。まず、キミは誰?あと、なんでこの屋敷にいたの?」
うつむきながら、私は静かに答えた。
「名は、リアサ=フェルエともうします。雨が降ってきたので、雨宿りさせてもらおうとここに・・・。」
「ふーん・・・。どーでもいいね。」
はあ!?・・・・・と、私は絶句した。自分が聞いてきたくせに・・。
「僕が聞きたいのは、なぜこの屋敷が見えたの?・・っていうこと。」
「・・・はい?見えたの・・っていうかふつうに建ってましたけど。」
なに?この人?頭おかしいの?
「その、ふつうに建ってたっていうのがおかしいんだよね。ここ、普通の人にはみえないから。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え??
なんか今、さらりとすごいこと言いませんでした?
- Re: 廻る世界で。 ( No.5 )
- 日時: 2012/06/12 20:42
- 名前: +ふぁる+ (ID: 9cTKwbSo)
「え、えー・・・っと、もう一回言ってくれません?」
「だから、ここは普通の人には見えない。『月の館』とよばれる、“選ばれし者”だけが入れるところなんだよ。」
すみません。まったく理解できません。
「・・・・まあ、キミがここに入れたということは、キミも“選ばれし者”なんだろうけど・・・・・。」
ユースさんはいったん、そこで言葉をきる。
「?」
「まさか・・・この子が・・・・?」
そう言って、私をジッと見つめる。
「な、なんですか!?」
「・・・いや、なんでもない。ところで、キミはなんで泣いてたの?」
そう聞かれて、ウっと言葉につまる。
そして、恥ずかしそうに答えた。
「いや・・・・あの、ルナさんってずっと踊ってるじゃないですか。どれほど踊り続けてるかは知りませんが、さっきも倒れてしまったんです。多分、疲労がたまって・・・。だから、もっと自分を大切にしてほしいと思って、死なないでください・・・・・と」
今更ながら、自分はとても恥ずかしいことをしたのではないかと思い返す。
ユースさんはしばらく考えてから言った。
「キミが言ってることは、とても無理があるね。」
その言葉に私は驚く。
「え!?なんでですか!?人に死なないでくださいって、言っただけですよ?どこに無理があるんです?」
「う〜ん・・・。なんていうかそれって、ルナに踊りをやめて下さいって言ってるのと、同じことになるんだよね。」
それのどこがいけないんですか?という目で、私はユースさんを見た。
- Re: 廻る世界で。 ( No.6 )
- 日時: 2012/06/14 07:28
- 名前: +ふぁる+ (ID: 9cTKwbSo)
「ルナは、この世界の中心となる人物だから踊らなければいけない・・・意味わかる?」
ユースさんがたずねてきて、
私は首を横にふる。
「つまり、ルナがあの場所で踊ることによって世界は廻っている。
・・・・機能してるっていったほうがいいかな?」
あまり意味が分からないが、とりあえず私はうなずいた。
「ルナが踊ることによって、世界が廻る。ということは、ルナが踊ることをやめてしまうと、世界も機能することをやめてしまう。
『ルナが踊りをやめる』=『世界は破滅へとむかう』・・・・分かった?」
私は大きくうなずく。やっと意味が理解できた。ってことは、私はルナさんにとんでもないことを言ってしまったのでは?
そんな不安が頭をよこぎった。
- Re: 廻る世界で。 ( No.7 )
- 日時: 2012/06/14 20:29
- 名前: +ふぁる+ (ID: 9cTKwbSo)
私・・・・ルナさんにあやまらなきゃ・・・!
そう思い、立ち上がる。
「ユースさん。私、ルナさんにあやまってきます!!」
そう言って、ルナさんのいる部屋にいこうとした・・・・・・・・・・が、
どっしーーーーーん!!
マンガのような効果音をあげて、私は派手にころんだ。
気がつけば、足にはロープがまかれている。
「なっ・・・!?」
「あーあ、そんなに急ぐから転ぶんだよ。」
ユースさんはそういいながら、ロープをはずす。
「い、いつのまに・・・」
そんな私の問いに答えず、ユースさんはにっこりほほ笑んだ。
「急がばまわれ・・ってよく言うでしょ?」
「・・・・・・・・・・・・・・はい。」
もし、あの日のユースさんについて聞かれたら、迷わずこう答えるだろう。
「あれ、ぜっっったいに悪魔!!悪魔以外の何者でもない!!」