ダーク・ファンタジー小説
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- 白黒と虹色
- 日時: 2019/01/14 10:26
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
大昔、白の国と黒の国のバランスが崩れ大戦が起こった。白の姫、黒の王、黒の王子、
そして虹の守護者…。
虹の守護者「姫様、貴方が犠牲になるというのなら俺も共に犠牲になりましょう。いつか
必ず黒の王を倒しましょう。その時、これは—」
白の姫「ごめんなさい…」
これから彼らの過去が絡み合う。
【一章】エルフの島で >>01-06
ルナエラ会話 >>07-08
【第二章】謙遜の騎士 >>09-12
ジュード会話 >>13
【第三章】救恤の人形師 >>14-18
メーデル会話 >>19
【第四章】節制の獣人たち >>20-22
【第五章】純潔の剣士 >>23-26
【第六章】忍耐と慈愛、そして前世 >>27-32
- Re: 白黒と虹色 ( No.28 )
- 日時: 2019/01/13 15:14
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
???「アイセ」
アイセが顔を上げるとそこにはクロニア島で会った白髪の男だ。
ルナエラ「…やっぱりリングをアイセに届けたのはヴィルアだったんだな」
ヴィルアの首や肩には黒い鱗が張り付いていて竜人であることがすぐに分かった。
彼もアイセの前世、虹の守護者に仕えていたらしい。
ヴィルア「それとこれも渡しておく」
アイセは青い慈愛のリングを渡した。
イリス「これって…慈愛のリング!?」
ヴィルア「色々旅をしているときに見つけた。早く忍耐のリングも手に入れたほうが良い」
ヴィルアの案内である場所へやってきた。坂道を上り、やってきたのは綺麗な花々が咲いている
丘、そこにはポツンと一つ墓らしきものがある。名前は—。
エゼル「アイセリア・ゲイザー…」
ヴィルア「虹の守護者の墓場、ここにリングは埋まってる」
そういうとヴィルアは墓の近くを手で掘り始める。掘り始めて数十分、ヴィルアは手を止め
何かを手に取った。紫に光る忍耐のリングだ。
すると辺りの景色が変わる。変わった景色はルナエラとヴィルア、アイセにしか見えない。
アイセに似た男とルナエラ、ヴィルアがいる。過去のルナエラはアイセに似た男をアイセリアと
呼んでいる。
ヴィルア「アイセリア様、まさか本気で死ぬつもりですか!?」
アイセリア「私は嘘は言わないよ。すでに黒と白を量る天秤は黒側に傾き始めた。これから
もっと傾き始め元には戻せないだろう、ここで黒王を殺しても彼はまた動く。なら私に
できるのはこれしかないんだ」
アイセリアの手にはアイセたちが集めていた虹のリングが握られていた。
- Re: 白黒と虹色 ( No.29 )
- 日時: 2019/01/13 17:32
- 名前: azuno* (ID: .pdYDMor)
ヴィルアとルナエラはアイセリア、今のアイセに
救われたと言う。
エゼル「過去は過去、今は今だろ?アイセ」
エゼルはアイセの顔を見る。アイセの顔に
笑顔が戻ってきた。
イリス「ヴィルアさんは私たちに協力して
くれるんですよね?」
ヴィルアは頷く。彼が仲間になってくれると
なれば心強い。
ルナエラ「昔、認識を司る男がいた。彼は
今ゼイラル島に姿を隠し存在している。彼が
仲間に入れることができれば黒王に十分
対抗できる」
メル「なら次に目指す島はそこね」
次の目的地と目的が決まった。
刹那、ヴィルアの体がくの字に曲がり、真横に
吹き飛ぶ。
???「竜人ならもっと強い蹴りを入れたほうが
よかったか」
- Re: 白黒と虹色 ( No.30 )
- 日時: 2019/01/13 22:31
- 名前: azuno* (ID: .pdYDMor)
ヴィルア「黒虎ライデル...!」
前開きの上着を着た男が笑った。
ライデル「流石の頑丈さだな。だが俺の狙いは
お前だ」
彼が指差したのはアイセだ。
ライデル「俺は気まぐれでな、興味ある奴に
ついて行く」
ルナエラ「アイセ戦わせろ、と?」
ライデル「あぁ、俺を楽しませることが
できれば仲間になってやる。腕には自信が
あるからな」
アイセは考えた末、戦うことにした。
彼はハンデとして本気は出さないと宣言した。
ライデル「嘘に聞こえるか?」
アイセは頷く。
ライデル「安心しろ俺は嘘をつくのは
苦手なんだ。とっとと始めようぜ。あと、
飛び道具でも何でも使って構わないからな」
- Re: 白黒と虹色 ( No.31 )
- 日時: 2019/01/14 08:49
- 名前: azuno* (ID: .pdYDMor)
メル「...いやな予感がするのよね」
エゼル「予感?」
ルナエラ「戦況が傾き次第、加勢する」
アイセはライデルの攻撃を躱す。ライデルが
手加減していることは分かっている。
ライデル「...オイ」
アイセ「え?」
ライデルは構えを解いた。
ライデル「なんで攻撃してこない。魔法が
使えるんだろう、銃も使えるんだろう」
挑発気味だが殺意はない。アイセは息を吐く。
アイセ「なら...」
赤や青、緑などの魔法弾が放たれた。
高密度だがライデルは苦もなく躱しアイセとの
距離を詰めアイセの耳元で囁く。
ー舐めてるのか?
アイセの体が宙に浮く。彼女の首をライデルは
握り持ち上げている。
ライデル「魔法に関しては一人前、お前の
弱点は体力勝負だな?...早く本気を見せろ。
ここで全員殺されたくなければな」
その言葉でアイセの尾が切れた。リングが強く光を
放っている。
- Re: 白黒と虹色 ( No.32 )
- 日時: 2019/01/14 10:09
- 名前: azuno* (ID: .pdYDMor)
アイセ「力を貸して、焼き払う赤き謙遜の炎!」
赤い炎がライデルを呑み込む。アイセはライデル
から距離をとる。
ライデル「やっと本気になったのか」
アイセの手には炎の剣が握られている。ライデルの手には雷が帯電している。
イリス「アイセ...」
ヴィルア「大丈夫、勝てるさ」
アイセ「ここで引き下がることも負けることも
出来やしない!」
ライデル「なら!俺もこれで決めてやるよ!」
赤い炎と黄色の雷がぶつかり合う。どちらも
負けていないがライデルが笑みを浮かべ
力を抜いた。
****
ライデルが目を覚ますと全身に包帯が巻いて
ある。
アイセ「あ、ライデルさん怪我は大丈夫ですか?
ほんとにごめんなさい」
ライデル「甘いな、だが仕方ない。約束は
約束、手を貸してやる」