ダーク・ファンタジー小説

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人が本当に変わる時
日時: 2012/11/27 10:18
名前: 方瀬梨乃 (ID: rplIjWJE)
参照: http://yahoosiburikahana

「ばかやろーーーーーーー!!」私は青い空に向かって叫んだ。
ここは屋上だ。その上放課後だから、誰もいない。
なぜ私がこんな事をしているのか。理由は数分前にさかのぼる。
「托、部活終わったかなあ?」私には彼がいた。名前は托斗。中1のとき、付き合い始めたのだ。私はそろそろ部活が終わったであろう托の教室に向かった。「托ー?部活おわっ・・・え?」そこには学年1と名高い岡崎麗と抱き合う托がいた。「たく・・・?なにし・・・・」ガタン
と音を立てて立ち上がった托は呆然とする私にこう言った。「・・・
悪い美紀。俺、麗と付き合う事になったんだ。だから別れよう。」
信じられなかった。信じたくなかった。私はその一心で叫ぶ。「嘘だよ
ね!?托っっ冗談だよね!?」優しかった托。好きだと言ってくれた托
。その托が、私から離れていく。そんな私に生きていく意味なんてない
。絶望なんて、知らなかった私。知る必要もなかったはずの私が今立っているのは、絶望の底・・・そんな私に托はこう言った。「・・・ふん
。今まで付き合ってやったんだ。感謝しろよ?」そう言って托は教室
を出て行った。それが私の叫ぶ理由。「叫んでも仕方ないよね・・・」
1人つぶやく。


Re: 人が本当に変わる時 ( No.13 )
日時: 2012/10/27 22:54
名前: 方瀬梨乃 (ID: rplIjWJE)

そう思っていられたのもつかの間だったのだ。
私は托と麗の会話を聞いてしまった。
「麗。あいつを上手く騙せてるか?」「ええ。バッチリですわ!」
「そうか。ならいい。そろそろお前をaランクにしてやってもいいな。」
「嬉しいですわ!」キス、だ。舌をからめ、入れる。濃厚なキス。
私はこんなことしただろうか。うらやましい。くやしい。托。たく。
タク・・・頭が変になりそうだった。でも、忘れない。私の愛している
人はクロウだ。あの優しい深い藍の瞳。ああ、心が落ち着く。
私は考えた。麗は私を騙し、苦しめていたこと。
托は「彼女」という名の女を数多く持ち、ランク分けをしていること。
そして・・・私はランクにも入っていなかったこと。
信じられる人間なんていないかもしれない・・・そう悟った瞬間だった

Re: 人が本当に変わる時 ( No.14 )
日時: 2012/10/28 18:25
名前: 方瀬梨乃 (ID: rplIjWJE)

私は托と岡崎の前に出た。「!?」「春川!?」うざい。誰がお前の
姉になどなった。裏切ったくせに。
「・・・嘘だったんだな。托に利用されたなんて。」
「そっそんな訳ないでしょ!姉様ったら・・・」
「姉なんて呼ばないでよ!!大ウソつき!!!!」苦しい。胸がしめ
つけられる。悔しくて、悲しくて。自分が情けない。
「・・・騙してはいけないなんて、誰が決めましたの?」
「うるさい!お前人として最低だな!!」クスリ、と岡崎は笑う。
「そんなの、負け惜しみですわ!負けは素直に認めてほしいですわね!」「行こう、麗。馬鹿はほっとこうぜ。」「はい、托様❤」
ああ、またかと誰かが言った。おどろいて後ろを見るが誰もいない。
空耳だろうか。「フ・・・フフ、ハハハ、アハハハハ!!」また、か。
そうだ、まただ。後悔してからまだ一周間もたっていないのにこの
ありさまか、と自分をののしった。
その日、家に帰るとあの小瓶に新しいラベルが貼ってあった。
「!!」”モテる媚薬lv.2”「レベル・・・2?」「ああ。」
「!!クロウ!これは?」ああクロウ。優しい声。傷付いた私には
痛いほどの優しさ。クロウ知ってる?私が信じているのは彼方だけなんだよ、と恋愛ごとは心の読めないクロウに意味もなく話しかけた。
「書いてある通り、レベル2だ。どんな奴でもこれなら落とせるぞ。」
「ありがとう!」そう言うが早いか、私はグイ、と薬を飲み干す。
「!!」「?どうしたの??」たしかにクロウの顔は赤かった。
「じゃ、じゃあな!精々がんばれよっ」そう言い残してクロウはさっさ
と出て行ってしまった。「クロウ、変だったな・・・」と私は大切な事
に気付いていなかった。「どんな奴でも」と言うのにはクロウも含まれていることに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
タッタッタッタッとクロウは走っていた。顔を赤くして。
なんだよ、なんなんだよこの気持ちは!!なんでただのターゲットを
可愛いなんておもっちまってんだ!?あの薬のせいか!?・・・ちがう
本当は前からそう思ってた。ああ可愛いななんて・・・・
そんなことを考えながら時空のひずみを目指す。未来へ行くため・・・
好き、なんて考えてはいけないのだ。未来と過去の人間は相いれては
ならない。歴史を変えるからだ。まあ、過去の人間と接触している時点
でアウトなのだが、と考える。クロウは未来から来た人間なのだ。
・・・自分のために・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Re: 人が本当に変わる時 ( No.15 )
日時: 2012/10/28 20:38
名前: 方瀬梨乃 (ID: rplIjWJE)

翌日、私は不機嫌だった。クロウのことを考えていたら、眠れなかったのだ。だが、玄関を開けるときには、笑みを浮かべていた。
なぜなら、人気者の極意、”ファンの前では必ず笑え!!”のためだ。
「おはよう!」「!!」「お・・・俺と付き合って下さい!!」
「てめえ、美紀ちゃんと付き合うのは俺だぞ!?」「ちょっと、”美紀
ちゃん”だなんて、慣れなれしいわよ!」「そうよ!美紀様と呼びなさいよ!!」「美紀様〜!!」「お美しいわあ!」!?ええっ美紀様!?
・・・これがレベル2の効力か。面白いなあ!!
すでに機嫌は直り、むしろ上機嫌だ。「じゃ、行きましょうか!!」
学校に着いた時、托と会った。みるみる私を見る托の目が❤になる。
「美紀、俺の女にしてやる!!だから戻って・・・」「嫌!」ガーン
目に見えて托は落ち込む。私はツカツカと歩いて行った。
さんざん人の事振り回しておいて、いまさら何よ!
クロウの薬がなければ無視してたくせに!!
そう思うと、悲しくなってきた。自分じゃ何にもできないみたいで。

Re: 人が本当に変わる時 ( No.16 )
日時: 2012/10/28 21:43
名前: 方瀬梨乃 (ID: rplIjWJE)

家に帰って、窓を見ると。クロウがいた。
「よう!」「・・・・・」「?どっどうしたんだ!?元気ないじゃない
かっ!?」「あのね・・・私、クロウが好きっ!!」「!?」
あらら。まっかっかだ。クロウは耳まで赤くなっている。
「からかうなよ!」「本気」クロウが真剣な顔をする。
「・・・気持ちは嬉しい。が、俺は未来の人間なんだ。

Re: 人が本当に変わる時 ( No.17 )
日時: 2012/10/29 19:26
名前: 方瀬梨乃 (ID: rplIjWJE)

「うんそっか。」「!?驚かないのか?」「だってそんな気がしてたんだもん」当たり前、と私は笑って見せる。クロウの事なら何でも分かる。
そんな気がしていた。


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