二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ネジと歯車とプライド〜「私達に心などいらない」〜
日時: 2014/08/04 20:49
名前: 猫科の犬 (ID: NFbvEd0b)

おはこんばんわ。猫科です☆
今は名前変えて鏡猫になっています。
今回ボカロの曲を小説化したいと思います
んじゃっルールもしくわ注意事項

1、出来れば5話構成で進めていきたいと思います。
  しかし曲があまりにも短い(ネタがない)と3話になってしまう可能性があります。
2、不定期更新です。
3、「ほぼ」自己解釈ですのでそこらへんはお気を付け下さい。

〜お知らせ〜
*今は、名前変えて「鏡猫」になっています。
*おかげさまで参照7000突破しましたっ!いつも見てくれている方々は、ありがとうございます!

〜目次〜
1ページ目 >>87
暗い森のサーカス、ココロ、ココロ・キセキ、囚人、紙飛行機、少女と黒い猫
2ページ目 >>89
サイハテ、深海少女、リンネ、鎖の少女、悪食娘コンチータ、カゲロウデイズ
3ページ目 >>140
悪ノ娘、悪ノ召使、リグレットメッセージ、おおかみは赤ずきんに恋をした、罪と罰

4ページ目
Bad ∞ End ∞ Night:ミク、リン、レン、カイト、メイコ、グミ、ガクポ、ルカ
>>141 プロローグ・紹介
>>142 第1話 不思議ノ館
>>143 第2話 狂い狂った夜
>>144 第3話 狂い始めた時間
>>147 第4話 今宵の主人公
>>148 第5話 Bad enD?
>>149 エピローグ 曲・歌詞

ネジと歯車とプライド:鏡音リン2人、鏡音レン
>>152 プロローグ・紹介
>>153 第1話 新しい“ゴミ”
>>154 第2話 プライド
>>155 第3話 見つけた出口
>>156 第4話 脱出
>>157 エピローグ 曲・歌詞

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Re: 悪ノ召使〜「君の笑顔を守るためならば」〜 ( No.114 )
日時: 2012/06/20 23:07
名前: 鏡猫 (ID: vDb5uiaj)

プロローグ・紹介

<ゴーン>

<ゴーン>

<ゴーン>

教会のにぶい音が3回鳴り響く。

「王女様!! 産まれましたよ! 双子の女の子と男の子です!!」

「よかった…。よく、私に見せて。」

そういって双子は、王女の手に渡る。
今までずっと泣いていたのが嘘のように泣きやむ。

「あの人にもみせてあげたかったわ。ほら、この女の子なんてあの人そっくりじゃない。」

「…そうですね。とても王様に見せる事が出来ないなんて悲しいです…。」

「…そうだわ。名前を考えてあげましょう?」

王女は、双子を見て考える。とっても穏やかな寝顔をしていた。

「リンとレン。それでいいわ。私のリとあの人のレをとってリンとレン。」






悪ノ娘
鏡音リン

悪ノ召使
鏡音レン

青の王子
KAITO

緑の娘
初音ミク

Re: 悪ノ召使〜「君の笑顔を守るためならば」〜 ( No.115 )
日時: 2012/06/04 11:52
名前: 鏡猫 (ID: vDb5uiaj)

第1話 新しい召使

「レーン! 見てみて! とっても可愛く出来たでしょ!?」

王女の娘のリンは、草原に咲いているシロツメグサで花冠をつくり、片割れのレンにかぶせる。

「あ、すっごく似合ってるよ! 女の子みたい!」

「…女の子いうなよ!!」

「えぇ? どうして? 本当の事いっただけじゃん!」

レンは、かなり赤面している。

「あ、いたいた。リン様! 王女様がおよびですよ。」

「ハーイ! ちょっといってくるね、レン!」

「うん。」

レンは、リンがいなくなってさびしくなったのか下をうつむく。
すると、頭の上に載せていた花冠が、ずりおちレンの目の前に落ちる。

「……」

レンは、それを拾い上げ空にかざす。

「こんなのよく作れるよなぁ。」

そういってレンは、花冠をみながらそこらへんのシロツメグサを抜き真似してみようとしている。
しかし、ほどけてしまいなかなか作れない。力の加減を間違えて、分断した時もあった。
それを狙う1人の影が………






「レーン! なんかね、お母様呼んでないっていって……レン!! レン!!」

リンは、そこで横に倒れているレンの傍にかけよる。
レンのことをゆすったリンの手には、真赤な血がついていた。

「レン! どうしたの! 何があったの!?」

レンのまわりにあったシロツメクグサも赤に染まっている。

「リン様、どうしま……レン様!! 一体誰が…。リン様は、離れていてください!」

「でも! でも…!」

「大丈夫です。きっと。」

この城の使いのものであろう者がレンを持ち上げどこかへ連れ去ってゆく。
リンは、そこに落ちていたレンにあげた花冠を拾い上げ泣き叫ぶ。

「レン…………」






それから5年くらいたったある日のこと。
レンの命は、助ける事が出来なかった、という話が国中に伝わっていた。
リンの年齢は、10歳。
産んでくれた母も急な病で死に至り、父も産まれたときからいない。
ひとりぼっちな状態。ずっと遊びほうけていた。国民の金を使い。

「王女様、新しい召使がきております。」

「通せ。」

「はい。」

1人の召使は、入り口の扉をあける。
そこには、1人のリンとよく似た少年が立っている。

「レン…? レンなの!?」

「確かに名前は、レンですが、王女様とは一度もあったことがありません。すみません。人違いではないですか?」

「……っな! べ、別に間違ってなんかないわよ。」

「あ、そうでしたか。それは失礼いたしました。これからよろしくお願いします。リン王女様。」

レンと名乗った召使は、王女、リンに向けて笑う。
リンもそれにつられて笑った。

Re: 悪ノ召使〜「君の笑顔を守るためならば」〜 ( No.116 )
日時: 2012/06/21 21:54
名前: 鏡猫 (ID: vDb5uiaj)

第2話 ひとつの恋

「レン?どこかに出かけるの?」

「どうやら急用が入ってしまったようです。」

「そう。気を付けて」

「はい。ご心配してくれてありがとうございます」

レンは、王女——リンのそばを離れて出掛ける準備をする。
どうやら隣国へ買い物を頼まれたらしい。
王女は、只今14歳。レンもともに14歳だ。

———若すぎる王女とその召使———


「すみません、おまたせしました。出発して下さい」

そういうと、馬車は隣国へ向けて走り出す。
レンは、背もたれに一息つく。お城に帰ったら王女のお世話をしなければならない。
ゆいいつ王女の近くにずっといれるのは、仲のいいレンだけなのだ。
リンは、亡き弟のレンに似ている、という理由で何か失敗があっても許している。
そんなリンをレンは知っている。まるで昔からリンの事を知っているように話しかけるのだ。

「つきましたよ」

「ありがとうございます」

レンは、馬車から降りて買い物を頼まれたお店へと行く。
いつも買いにいっているお店だ。
そこの店は、とても評判がいい。

「お。今日は、何を買いに来たんだい?」

ちょうど、レジが開いていた。
レンが買い物にいく、というと必ずこの店なので店長は、快く歓迎するのだ。
たまに、こっそりとオマケもつけてくれる時もある。

「これに書いてあるもの全部」

「毎度ありぃ」

店長は、レンから受け取った紙に書いてある食材を袋に詰め込んでゆく。

「はい、気を付けてな」

「はい!・・・あ、あのもうひとつあったんだ」

店から出ようとした足を止めてもう一度振り返り、レジへと向かう。
しかし、もう混んでいてしばらく並んでいないと順番は、まわってこなそうだ。
そのために、レンは一度この店から出て馬車へ荷物だけおこうと考え振り向いた足を元に戻し、店を出ていく。
周りからみたらきっと変に思われているであろう。
だが、レンはそこらへんは鈍いので全く気にしない。

「あの、すみません。また待たせてしまうかもしれないので先に休憩してて下さい」

レンが、まだ馬車で待機していた人にそう話す。
その人は、うなずいて馬車をどこかにとめにいく。荷物もその馬車の中に置く。
そして、もう一度あの店へ急いで戻る。

「きゃっ」

「あ、すみません!!」

そうやら急ぎ過ぎて誰かにぶつかってしまったようだ。
レンは、そのぶつかってしまった人に手を差しのべる。

「大丈夫ですか? すみません。僕の不注意で…どこか怪我などは…」

「大丈夫ですよ。心配してくれてありがとう」

その人は、レンの手を取り、立ち上がる。
顔をあげてお礼をいう。その笑顔は、素敵なものだ。
笑顔を見たレンの頬が少し赤くなる。
手を差し出したまま硬直していた。だが、顔は、ぶつかってしまった人に向けられている。
奇麗な長い緑色の髪に緑色の瞳をしている。歌姫のような透き通った声。

「? 何か私の顔についてますか?」

「い、いえ。その…す、すみません。」

「フフ、貴方謝りすぎよ。私にこの短い間で3回も謝ってる。」

「すみません。」

「ほら、また。何も悪い事してないんだからそんなに謝らなくていいのよ? 顔をあげて」

「すみま「いくらなんでもいいすぎよ。それってわざと? 私をからかってるの?」

「そうゆう訳ではないのですが…こうゆう時なんていえばいいのか分からなくて」

レンは、完全に頭がこんがらがっている。
いつもならこんな事にならず、平常心でいるのだが・・・。
これが、恋、という奴なのだろう。

「こうゆう時はね、ありがとうっていうの。そうすれば、私も貴方も嬉しいでしょ?」

「はい!! ありがとうございます!」

「よしっ。それでいいの。ところで、急いでたみたいだけど大丈夫なの?」

「あ! すみ…ありがとうございます! 今日は、いろいろお世話になりました」

レンは、そそくさとその場を去る。


「おもしろい人ね。また、会いたいな・・・。」

「ミクッ!」

「っ! か、カイト様。どうしてここへ?」

「どうしてって・・・今日、約束していたじゃないか。だからここにいるんじゃ・・・」

「あ、そうでしたね。それじゃ、いきましょうか」

Re: 悪ノ召使〜「君の笑顔を守るためならば」〜 ( No.117 )
日時: 2012/06/29 20:41
名前: 鏡猫 (ID: vDb5uiaj)

第3話 緑の国の娘

「あれ、あの人…カイト王子?」

レンがあの娘の事が気になり後ろを振り向くと、そこには青の国の王子がその娘と一緒にしているのが見えた。
その様子をみていて、きっとカイトは、あの娘の事が好きなんだろうということを察する。
少し、悔しさを持ちながらレンがさっきのお店へ戻ってゆく。
まだ混んでいてあきそうではない様子を見て、レンは店の棚に並んでいる商品を見て暇つぶしをする。

「あれ? まだいたの」

「あ、ハイ。ちょっと忘れてたものがあって。」

「忘れてたもの?」

「はい。えっと、この前たぶんこちらのお店へ注文した物が届いているはずなんですけど。」

「えっと…あぁ、確かになんか届いてたな。ちょっと待ってな」

「分かりました」

そういって、店長は、奥へと入ってゆく。
それから何時間とたったがなかなか戻ってこない。
すると、この店の店員なんだろうか。白い髪をした女の人が奥から出てきて、扉の鍵を閉めようとする。
その姿をじっと見ていると、こちらに気付いたようで話しかけて来た。

「あ、あの…もうそろそろ閉店時間なんですが・・・」

「今、あるものを調べてもらってるんですがそれが終わったらでいいですか?」

「あ! 失礼しましたっっ でも扉の鍵はしめちゃいますね…。お客様が来られたらあれなので」

「大丈夫ですよ」

レンは、その女の人に笑って返事を返す。

「お、あったよ、レン。これでいいのかな?」

奥からやっと注文された品が見つかったのか出てくる。
レンがそれを受け取り、確認する。

「これです! ありがとうございました」

「あ、ちょっと待って。今日は、もう暗いから泊まっていきなさい」

「え? でも…」

「大丈夫」

レンが、店長の優しさに負けて仕方なく一晩泊まることになる。


「昨日は、ありがとうございました」

「いや、いいけど。いいのかい? まだこんな朝早いよ」

「いいんです。ある人を待たせちゃうんで。」

そういってレンは、早々とその店を後にする。
そして、馬車がある場所へ向かい、急いで黄の国へ向かった。
すぐにリンの元へ急ぐと、リンはかなり怒っている。
だが、怒ってるかと聞いても怒っていないと怒られる。
それから、数秒の沈黙があり、部屋に他の召使が入って来る。
その召使が告げた事は、あまりにもレンには、最悪で。

召使や、王女。大臣のお話を聞いている時に、レンの顔は、どんどん青ざめてゆく。
ついには、それが王女にばれ、その緑の娘を殺しなさい、との命令。
レンに、その命令を受理することは、とても辛かったが仕方なくナイフを受け取り、再び緑の国へ

緑の国は、もうすでに火の国と化していた。
あの娘は、無事だろうか、とまずそのことを心配してしまう。
が、すぐにそれは、無駄だということに気付く。
なんといったって、自分の手で初恋の相手を殺さなくてはいけないのだ。
発見できなければいい、そう願いながらそこら中を歩き回る。
しかし、みつけてしまった。
緑の国の森の近く。
井戸の中へと入ってゆくあの娘の姿を。
レンは、静かにその娘が入って行った井戸を降りてゆく。

「誰!?」

「あ…。」

やはり、せまい井戸の中では、ばれてしまう。

「あ、貴方は、今日出会ったおかしな人。どうしてここへ?」

「そ、その………」

「いいのよ。はっきりいって頂戴。」

その娘は、今からレンがいいたい事が分かっているように話を進める。

「す、すみません!!」

そういって、レンは、目をつぶって思い切りナイフをその子へ向けて振り下ろす。

「ふふ、最期まで……貴方は…謝る…のね?」

「そ、それは…だって…」

レンは、目から大量の涙を出す。

「だい・・じょ・・・ぶ・・よ。だから・・・さい・・・あなたの・・・な・・・えを・・・・・」

「なえ…? な、名前、ですか? ぼ、僕の名前はレンです。あ、貴方は…」

レンは、最期に名前だけでも聞こうと必死になって言葉をつなぐ。

「わたし? わた・・・・み・・・・・」

「え。聞こえませんよ。もっとはっきり言って下さい。もっと、はっきり…」

「ありが、とう」

「うわぁぁあああああああ!!!」

それから、娘は何も言わない。
レンは、自分がやってしまった事を悔いた。
たったひとつの命を自分の手で殺してしまった事に。



「そうだ・・・もうそろそろ帰らないと・・・・王女の・・・リンのおやつの時間に間に合わない・・・」



最後に、そう言い残しその場を静かに去っていく。
その娘———ミクの手に自分がその子を殺したナイフを持たせて。


Re: 悪ノ召使〜「君の笑顔を守るためならば」〜 ( No.118 )
日時: 2012/07/16 20:21
名前: 鏡猫 (ID: vDb5uiaj)

第4話 燃え上がる城

レンは、すぐに城に戻るとミクの返り血がついた服をごみ袋へ入れる。
それから、いつもの奇麗な作業服を着ておやつを作り始める。
いつもの慣れた手付きでおやつを作ること数十分。
3時には、少し遅れてしまったがブリオッシュが完成する。
それを、王女の所へ持って行った。

「すみません、おまたせしました。」

「あら、今日のおやつは何?」

「今日のおやつは、ブリオッシュでございます」

そういうと、リンはレンが作ったブリオッシュを食べ始める。
少しリンの顔がしぶくなってレンがまずかったのか
と尋ねるとリンは、無邪気に笑っておいしい、と答える。
そのブリオッシュは、少ししょっぱかったのだ。





数日たった後の事だ。

「レン。何か外が騒がしいわ。最近なんだか静かねって思ってたのだけど。」

「そう…ですね」

レンが、窓に近寄り外を見る。
外の光景。城に周りに奇麗に植えた木は燃え上がり噴水も止まっている。
周りは、赤く染まっている。革命が始まったのだ。
その中には、王女を裏切り、逃げてゆく大臣や家来の姿がある。
今、城の中にいるのはリンとレンだけだった。

「………貴方は逃げないの? レン」

「まさか。僕は、王女の召使ですよ? そんなことするはずないでしょう」

「それじゃあ命令よ。これが、最後の命令になるわね。」

「一体こんな時になんでしょうか?」

「ここからすぐに逃げなさい。裏道を教えるわ。だから、レンも早くここから。」

「何を言い出すのかと思えば。…嫌です、といったらどうします?」

「貴方を今すぐに処刑するわ」

「クスッ。処刑されるのは、王女の方ですよ」

「貴方も道連れにしてやるって意味よ」

「……その手がありましたか。そうですね。」

レンは、引き出しにしまってあるはさみを手に取り、後ろで少し縛れる程度の髪を切る。

「何をしているの? レン」

「僕が、王女になったらどうなるんでしょうね?」

「え?」

「えっと、確かここらへんに」

レンがクローゼットの中身を開けてリンのお気に入りのドレスを探す。
見つけ出したのか、一着取り出してそのドレスを着る。

「どうですか? 王女。王女そっくりでしょう」

「な、何遊んでるのよ!」

「遊んでなんかいませんよ。これは立派な作戦です」

「作戦って…レン、貴方!!」

「よく馬鹿な王女が分かりましたね。そうです。僕が王女になり済まして時間を稼ぎます。なので王女は…」

「ば、馬鹿っていったことは特別に許してやるわ。でも、そんなこと無理よ! いくら私達が似てるからって血も繋がってないのよ!! すぐにばれるわ!!」

「あ、そうですよね。王女もそんな格好をしていたらばれますよね。では、ほら。この僕の服を貸してあげますから。これを着てすぐにお逃げ下さい。」

「そ、そうゆう問題じゃないのよっ!! 今の状況を分かっていってるの!?」

「はい。リンほど馬鹿ではないので、それくらい分かりますとも」

「なっ! また馬鹿って!! 何度も言わないで!!」

「いや、リンは馬鹿だよ」

「馬鹿じゃないもん! 馬鹿っていう方が馬鹿なんだよ、バカァ!!」

「じゃあ、リンも馬鹿だね。」

「あ……リンは馬鹿じゃないもん! リンは馬鹿っていっても馬鹿じゃないんだもん!」

「それじゃあ速く僕の服を着てよ、リン。そうしたら馬鹿じゃないって認めてあげる」

「わ、分かったわよ。約束よ」

「うん」

「こ、こっち見ないでね!!」

「はいはい」

リンは、レンが後ろを向いたのを確認して着替え始める。

「やっぱりリンは馬鹿だよ……リンは……前とまったく変わらない。」

レンは、一人リンに聞こえないようにぼそっと呟き、涙をこらえる。

「き、着替えたわよ!!」

「クスッ貴方に命令よ。今すぐ裏口を通ってここから逃げなさい」

「何よ! この王女に命令するの!?」

「あら? 王女はどっちかしら? 貴方の服装からしてどうみても私が王女よね?」

「———っ!! レン!!」

「レンは、貴方でしょ。レン。何をいってるの?」

「違う、違う、違う!! 私がリンよっ!!」

「違くないわ。さぁ、逃げなさい。レン。」

「ばれちゃうよ! やっぱり駄目だよ! ドレスに着替えなおす!」

「はぁ、まったく。いつまでも気づかないんだから。リンは。でも、最初に会った時は、僕だって分かってくれたしいいか。」

「え?」

「馬鹿だなぁ。すぐに頭が昇るのもリンのくせだよね。僕はリンの知っているレンだよ。だからばれない。」

「え…駄目だよ…レン!!」


その時、部屋の外で声がした。

「中を探せ! 絶対見つけるんだ!」

「「「「「はい!!」」」」」


「ほら、リン隠れて。大丈夫。僕らは双子だよ。きっと誰にもわからないさ」

レンは、暖炉の中へと押し込む。
すると、リンはその暖炉の奥にある穴に落ちてゆく。
そう、ここが誰にも見つからない裏口。
秘密の通路。

「レェェェエエエエエン!!!」

「もう、うるさいな。そんな大きな声だしたらすぐに見つかっちゃうだろ。最後まで馬鹿だったな…」





「おい、こっちから声がしたぞっ!」






急に、部屋の扉が開きそこから革命軍が入り込む。

「見つけたぞ!!」




—これで、いいんだ。これで。彼女になんの罪はない。僕が一番近くにいて止められなかった僕の責任。
 リンが悪なら、僕だって悪だから。


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