二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 【ボカロ】悪ノ物語【小説】完結!(?)
- 日時: 2011/04/24 19:15
- 名前: 奏 (ID: DcPYr5mR)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=10428
こんにちゎ、奏/かなで(元・都和★)です。
小説(一応)初挑戦です。
暖かく見守ってくださると嬉しいです♪
★荒らしとか中傷とかお断り。
★チェンメもお断り。
★ボカロ嫌いな人は回れ右。
★奏のことが嫌いな人もなおさら回れ右。
★更新超遅いけど許してください。
★「悪ノシリーズ」知らない人は、一度曲を聴くといいかもしれないです^^
とりあえず、自分なりに悪ノシリーズを小説化してみようと思いました。。
表現が変だったり誤字があったら教えてください;
あくまでも解釈は「自分なり」なのでそこらへんはご了承くださいませ。
「〜視点」というものがあるのは番外編と番外編後の本編のみです。
他本編は客観的なナレーションでお送りしています。
参考・原曲 悪ノ娘 悪ノ召使
リグレットメッセージ
Re birthday
South North Story(これは若干?)
白ノ娘
その他、緑の娘など・・・。
4/24 追記 上のURLから、複雑ファジーの新しい小説に飛べると思います。
よければ見に来てやってくださいまし^^
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- Re: 【ボカロ】悪ノ物語【小説】コメ募集;; ( No.314 )
- 日時: 2011/04/02 22:59
- 名前: 奏 (ID: jTvjGEcm)
続き
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
2人は4歳になり、ろうやのような場所に閉じこめられました。
なんでも、双子というものは災いをまねくらしいのです。
今までそんなこと、一度も言われなかったのに。
王子さまはそう思いました。
王女さまは、いつもたいくつで、空がオレンジ色になるころには眠ってしまいます。
そんなとき、王子さまはいつも窓から見える空を見上げてすごしていました。
ある日、王子さまと海にいった、背のたかい女中が、毛布をもってやってきました。
「お寒くはないですか?王子。」
王子さまは寒くない、とぶっきらぼうに答え、言いました。
「僕らは、どうなるの?」
女中はしばらく黙りこんだあと、しゃがみこみ辺りに人がいないか確認しました。
そして、声をひそめて王子さまに語りかけます。
「詳しいことは教えることが出来ません。ただ、お2人はこれまでのように、一緒にいられないかと。」
女中はそれだけ言うと立ち上がり、去っていこうとしました。
すると、それを止めるかのように王子さまが
「・・・・・・うそつき。」
と呟きました。
女中は足を止め、王子さまを振りかえり、淡々と話し始めました。
「・・・何が、うそつきなのですか?・・・」
「・・・僕、お願いしたもん。あの海で。
ずっと、ずっと2人一緒にいられるようにって、ずっと双子でいられるように・・・って・・・!!」
王子さまの声は、涙声にかわりました。
それをみた女中は、再び語りかけます。
「・・・願いを叶えるかどうか、それは王子、貴方次第。
もしもこの先、何らかの選択肢があるのだとしたら、貴方は王女と一緒にいられる・・・
そんな道をたどればいい。」
女中はそれまでのやわらかな雰囲気ではなく、
かたく、はりつめたような声でそう言いました。
しかし、すぐに優しげな声にかわり、続けました。
「・・・貴方は・・・王女に、幸せになってもらいたいのでしょう?・・・」
「・・・うん。でも、離れたくないし、それに・・・。」
「ええ、王女にとっても貴方は大切な人。離れるなんて考えられないでしょうね。
ですが・・・もうきっと、元には戻らない。
幸せなあの生活には、二度と戻ることはない・・・この国が終焉をむかえるまでは・・・。」
王子さまは女中をまじまじと見つめて、
不思議そうに尋ねました。
「・・・どうしてわかるの・・・?」
女中はうっすらと笑みを浮かべて続けます。
「さぁ・・・?どうしてでしょうね・・・。
とにかく、貴方は貴方の選択を・・・。
それによって、貴方の願いが天に届くのかどうか、決まるわ・・・。」
女中は、あきらかに話し方や表情がいつもと違っていました。
「貴方には、本当に感謝してるわ。お城で働いていたとき、正直消えてしまいそうなほど弱っていたの。
弱って、黒いかたまりの姿に戻ってしまって、貴方に助けられた。
ありがとう。私を生かしてくれて。」
女中はそう言い、悲しげな目で王子さまのひとみを覗きこみました。
「さあ、もう私がここですることはないでしょう・・・。あとは終焉を待つのみ。
私はここから去るわ・・・。ブリオッシュの作り方はこの紙に書いておいたから・・・。
じゃあね、心優しき王子さま、どうかお幸せに・・・。」
女中は、王子さまに綺麗に折りたたんだ紙をわたし、
あの日の黒いかたまりの姿へ変わり、そして霧のようにろうやの前で消え去りました。
王子さまは紙をにぎったまま、
しばらく女中の言葉を思い出していました。
「・・・僕が、僕のねがいをかなえるための、選択を——・・・。」
王子さまのうしろでは、王女さまが可愛らしい笑顔でねむっていました。
この数日後、
国が終焉を迎えるまでのカウントダウンが始まりました。
- Re: 【ボカロ】悪ノ物語【小説】コメ募集;; ( No.315 )
- 日時: 2011/04/03 21:33
- 名前: 奏 (ID: bIwZIXjR)
第27章 はんぶんこ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
4歳の王女さまと王子さまは、はなればなれになり、
そして10年後、2人が14歳のとき、
王女さまはわがままな王女として、王子さまはまじめな召使として、
ふたたび出会いました。
食べ物やおかねをあたえられることのない民衆たち、
王女さまのわがままに付き合わせられる大臣、召使、女中たち、
王女さまの気まぐれによって、罪なきものの首をはねつづける者たち、
すべての人が嘆き悲しみ、そして苦しんでいきました。
そんな日々が、ずっと続いていくものだと、誰もが信じていました。
しかし、そこに現れたのは、
あざやかな赤いよろいを着た、勇ましい女剣士と、
仮面をつけた、きれいな青い髪の男がひきいる、
あのまずしかった民衆たちでした。
王宮のへいしたちは、すでに廃れていました。
そのへいしたちはもちろん、大臣、女中、そのほかの召使たちは、
次々に投降し、王女さまをうらぎりました。
ただ1人、
元王子だった、あの召使を除いて。
泣き出す王女さまを、召使はなだめます。
その口調は、召使ではなく、王子のころの口調でした。
召使は、2人が入れかわることを提案しました。
『4歳の儀式でもそうだった。この子を幸せにするために、また会えるようにするために、
僕はこの子のふりをした。
あのかたまりは、願いを叶えるのは僕次第、と言った。
だったら僕は・・・またこの子の代わりになる・・・なればいい。』
召使はそう考えていました。
「離れるのはいや!!」
弟である召使とはなれるのを、王女さまはこばみました。
その表情も、口調も、何もかも、昔の無邪気な王女さまとは、何もかわっていませんでした。
召使は、王女さまの頭をそっとなでながら、おだやかに続けます。
「・・・大丈夫。絶対また会えるから・・・。」
「なんで・・・言い切れるの・・・?」
「前に君に教えたでしょう?教会の近くの海に伝わる言い伝え。
小さいころ、あそこでお願いしたんだ。
ずっと一緒にいられるように、ずっと双子でいられるように、って。」
王女さまは、泣きじゃくりながら答えます。
「・・・私は・・・言い伝えなん・・・て・・・ッ・・・信じられないよぉ・・・。」
「・・・・・・僕は、きっと叶うって信じてるから。」
「悪いのは、私・・・。私がわがままだったせいで、こんなことになった・・・のに、
どうして・・・わざわざ、自分が不幸になるようなこと・・・。」
召使は、王女さまの涙を手でぬぐい、
おさない子どもに言いきかせるように続けました。
「嬉しいことも、楽しいことも、辛いことも、悲しいことも、
全部全部・・・“はんぶんこ”でしょ?」
「はんぶんこ・・・??」
「そ、はんぶんこ。お母さまが言っていたの、覚えてないの・・・?」
「・・・覚えてるわ・・・ちゃんと、覚えてる。
私は、昼・・・。」
「そう、僕は夜。それをつなぐ、オレンジ色の夕焼けは?」
2人は、ほんの少しの沈黙のあと、声をそろえて言いました。
「「・・・はんぶんこ。」」
「そう、はんぶんこ、だから、君の持ってるものも、僕の持ってるものも、
2人で、はんぶんこしなくちゃね。」
召使は微笑みながらそう言いました。
それでも王女さまは、不安そうな顔で召使を見上げていました。
そんな王女さまにむかって、召使は続けます。
「・・・君は、僕のこと、忘れちゃう?」
「そんなわけないじゃない・・・!」
「ありがと。じゃあさ、僕がいなくても、君の心の中には僕がいるでしょう?」
「・・・・・・何が・・・いいたいの・・・?」
「君の中に僕がいるかぎり、2人はずっと一緒。
それに、あのきれいな夕焼けがなくならないかぎり、僕らはつながってる、でしょ?」
「・・・うん・・・。」
王女さまは、また涙ぐみ始めました。
「本当に、また会える?・・・」
「うん、いつになるか分からない。でも、ずっと一緒だよ。」
そういった召使は王女さまのふりをして、
民衆たちのなかへ入っていってしまいました。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あと1回くらい・・・?
あと、この会話は、10章の、どこか隙間に入ると考えてもらえると幸いです。
- Re: 【ボカロ】悪ノ物語【小説】コメ募集;; ( No.316 )
- 日時: 2011/04/03 23:23
- 名前: 夏茱萸 (ID: wJNgr93.)
やばく涙腺が崩壊してしまいました…
やっぱり何度見ても泣けます。
レンがかわいそう><
黒い塊の正体はあの女中だったんですか!?
それにすごい興奮しております♪
神!?
いや×2、紙の間違いです(笑)
奏様のほうが神小説です!
私も尊敬してますよ☆
塊の正体が分かってスッキリしてます。
でゎ、更新頑張ってください♪
- Re: 【ボカロ】悪ノ物語【小説】コメ募集;; ( No.317 )
- 日時: 2011/04/04 21:13
- 名前: 奏 (ID: mOILM.Mp)
>>316 夏茱萸s
ありがとうございます><
どうもトワイライトプランクは雑っぽくなってしまいます;;
レンは・・・まぁ・・・
悔いのない選択をしてるようですので、
おそらくレンにとっては良かったんでしょうね((
いや、それもぶっつけです←
(以下、戯言参照)
紙てww
いえいえ、むしろ俺は髪(ry
まじありがとうございます^^*
■奏の戯言■
かたまり=女中について
>>314書いてる途中の出来事。
「そういや・・・かたまりてもう出てこないのかな・・・それはそれでどうよ・・・
せっかくだからあと1回くらい出すか・・・
でも、どうしよう、正体・・・。」
とか考えていて、
トワイライトプランクを見直したところ、
「・・・あ、そういえばこの女中、出番多いよなぁ(なんとなく出しただけだったけど)
ちょうどいいから女中をかたまりにするか。」
ということでこんなことになりました←
ホントぶっつけでやったので、矛盾してるところとかあるんですが、
まぁ・・・見逃してやっていただけるとry
- Re: 【ボカロ】悪ノ物語【小説】コメ募集;; ( No.318 )
- 日時: 2011/04/13 00:37
- 名前: 奏 (ID: t3n5DtaJ)
続き
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
王女さまのすがたをした召使は、だれにも気づかれないまま、
民衆の前に、ひきずられるようにつれて行かれました。
民衆たちは召使にむかって、思いつくかぎりの罵声をあびせました。
しかし、召使は冷静でした。
そして、ただ一人、微笑んでいました。
ほんものの王女さまや民衆たち、ねがえった大臣たちを見下ろし、
「あら、おやつのじかんだわ。」
そうつぶやいて、召使はくびをはねられました。
王女さまは泣きました。
民衆たちはよろこびました。
そして、みながその場から次々と離れていきました。
残されたのは、召使の亡がらと、泣き崩れる王女さまだけでした。
ただひとり、人でないものをのぞいて。
ソレは、ぼそりと、かすかに笑うように呟きました。
「ごめんね・・・心優しき王子さま・・・。
でも、それが貴方のえらんだ道・・・、たいせつなものを守るための、
貴方の偉大なる決断よ・・・。
・・・その決断をしたことで、貴方の願いが叶うか否かは分かりかねないけれど・・・
貴方がそれで後悔しないというのなら・・・その願い、きっと叶えてみせるからね・・・。」
その人でないものは、あっという間に霧のように消えてしまいました。
召使であり、王子さまである弟をうしなった王女さまは、
言い伝えのある海の近くの教会に移りすみ、
あたらしい友人たちとしあわせに暮らしました。
毎日毎日、窓から夕焼けの景色をながめ、そのたびに王子さまのことを思い出していました。
それからもずっと、王女さまの心の中で、
王子さまは生きつづけました。
王女さまが、やすらかに眠りにつくその日まで、ずっと・・・・・・。
結局、王子さまの願いが叶ったのかどうか、それは誰にも分かりませんでした。
知ることすら、不可能でした。
しかし、オレンジ色の空が広がっているかぎり、
王女さまと王子さまは、いつまでも一緒に、しあわせにいることが
できているのでしょう。
トワイライトプランク 悪と呼ばれた王女と召使の、幼き日々の物語
とある双子の家に存在した、一冊の絵本より
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
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