二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

supercell ヒーロー
日時: 2011/07/26 18:20
名前: 春夏秋冬 (ID: tGlrccyT)

supercellさんのヒーローという曲がとても好きなのでこの小説を書きました。出来る限りストーリーを歌詞に合わせてみました。それと段落がメチャクチャです。すいません。結構最初の方は結構長いので適当に読ん下さい。ぜひ読んでみてください。面白かったらぜひお気に入り小説に入れてみて下さい。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

参照200回を超えました。皆様ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

コメディの方で「魔法少女が壊しに来る!?」というものもやっていますので、よろしければご観覧下さい。そちらの方が数倍面白いです・・・

Page:1 2 3 4 5 6



Re: supercell ヒーロー ( No.20 )
日時: 2011/06/01 21:09
名前: 春夏秋冬 (ID: tGlrccyT)

第二十話
陸人は激しい雨の降り注ぐ学校までの道のりを走っていた。
学校につくと、担任の先生が玄関で誰かを探していた。
「おお陸人。校長先生を見なかったか?職員会議が始まる時間になるのに来ないんだ」
僕は荒れている息を整え率直に言った。
「校長先生はディスパイアでした・・・・そして、結衣さんがさらわれました・・・」
「・・・・・は?」
当然の反応だろうな。
「なにがあったんだ?」
僕は少し早口になりながら、大体の流れを説明した。


「って言うことは、死んだはずのお前の兄が結衣を昨日の下校中に誘拐して、今日の朝に校長がお前の兄と一緒にお前に合いに来たと」
「・・・はい」
「クソッ・・どうなってやがんだ!!」
担任は少し怒鳴った。
「まぁ、このことはすぐに教頭先生へ連絡する。お前は何もなかったように過ごしていろ」
無論そんなことは僕には出来るわけがない。大好きだった結衣さんが誘拐されてしまったのだから。誰でも好きな人が消えたら悲しむだろう?
「わかりました・・・なるべく早くこのことについて調べて下さい」
「ああわかった。なにか判明したらすぐにお前に連絡する」

そのまま時間が過ぎていき、ついに放課後になった。朝から降り続いていた雨はもう止んでいて、水溜りだけが夕日を照らしていた。
「陸人はいるか?」
担任の先生が僕を呼んだ。
「先程、今までにない自体だったので高性能レーダーを使用した」
高性能レーダーはこの町から二十キロ以内ならどんな場所にいようが、ディスパイアと人間を探すことが出来る。しかし、どこにいるかわかるというプライバシーの問題から、使用禁止となってしまった。今のところ、ディスパイアだけ探知する機械は発明されていない。
「使用した結果、ここから九キロくらい離れた寺院に九人のディスパイアと女の子らしい人物がいた。ゲートの外の人間はその子しかいなかったから、たぶん結衣だろう。っておい!!!!」
僕は走り出した。ただ、早く結衣さんを助けなければという一心で。
九キロ内の寺院はあそこしかない。そう、僕の左腕を手に入れたあの場所しか。



「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
結衣は「月下美人」をアイラへ振りかざした。
「こんなもの・・・」
アイラは襲い掛かる月下美人を素手で止めた。
その瞬間、
ブォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!
激しい炎がアイラの腕を焦がした。
「クッ・・・・!」
アイラは後ろへ下がった。
(なんなんだ?今の小娘の力は?)
アイラの腕は焼けどで真っ黒く、醜い形になっていた。
「これなら・・・・いける!!!」
そう呟くと結衣はアイラへ向かい、さらにもう一振り刀を振った。

ガキィィィィィィィィィィィィィ!!!

渾身の一振りが、タバコをくわえた男に止められた。
男は結衣を睨むと蹴りを腹部にかました。
「ガぁぁぁァ・・・・・」
結衣はでんぐり返しでもするように転がっていった。
「ク・・・ソ・・・」
結衣はヨロヨロ立ち上がると月下美人を再び構えた。
「てやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
振りかざした瞬間、陸人の能力「衝撃波」のようなものが、さっきの追い討ちをかけるように腹部を突き刺していた。
「・・・・・・!」
声を出す暇もなく飛ばされていった。
「ク・・・・・」
タバコをくわえた男は自分の刃の刃先を結衣へ向けた。
「ブラボー!海人!」
ゆっくりとアイラが歩いてきた。
「結衣くん、僕たちと取引をしないかい?」
結衣は言っている意味がよく捉えられなかった。
「いや、だから取引をしよう。ここで君を殺して「シソーラス」を奪うのも悪くない。でも私は子供を殺と目覚めが悪くなるタイプでね。内容は簡単、私が私の能力で君の父を生き返らしてあげよう」
結衣は目を丸くした。
あの父が、大好きな父が私のもとへ戻ってくる?
「そのかわり、君の「シソーラス」の力でしてもらいたいことがあるんだ」
アイラはニヤッと笑った。
「池川陸人をここへ誘って、彼の左腕を分解してほしい」
結衣は悩んだ。

どうする・・・・

友人を引き換えに父を取るか・・・・

それとも友人を助けて黙って殺されるか・・・・

結衣は悩んだ末、答えを決めた。
「わかった・・・取引をしましょう」
アイラは先程よりも口を曲げて微笑んだ。
「改めてようこそ。新サクリファイスヘ」
アイラは結衣に手を差し出した。

Re: supercell ヒーロー ( No.21 )
日時: 2011/06/02 17:41
名前: 春夏秋冬 (ID: tGlrccyT)

第二十話+a

「なんて言うとでも思った?」

結衣はアイラの手を力強く弾いた。

「私はね、自分の友人を犠牲にして父の作品まで使って自分の願いを叶えたくない。父だってそう願っているはずだわ。あんたにもて遊ばれるくらいなら死んだほうがマシよ!!」

「そうか」
アイラはため息を付いた。

「残念だ」

アイラがサインをすると、海人は刀を振りかざした。


結衣が目を閉じたその時だった。

バコォォォォォォォォ!!!!!!!!!


寺院の扉を「衝撃波」が貫いた。


「結衣さん、遅れてすいませんでした」


そこには漆黒の刀を持った「ヒーロー」がいた。

Re: supercell ヒーロー ( No.22 )
日時: 2011/06/14 18:36
名前: 春夏秋冬 (ID: tGlrccyT)

第二十一話
やっぱりピンチの時にヒーローは来てくれた。

「陸人!!!」
結衣は嬉しくてつい大きな声で叫んでしまった。
「あん?」
アイラが陸人の左腕を見た。
(そうか・・こいつがドラゴンの・・・チッ・・面倒だな・・)
アイラは予想外の事態に戸惑いを感じた。
(心強い人材を失うのは残念だがしかたないな・・・)
「海人」
「はい」
「お前は池川陸人の死体と、生きている中村結衣を連れて本部へ来い」
「了解」
アイラはそう言い告げると、他のサクリファイスのメンバーと共に消えていった。
「待て!!!!」
陸人はアイラ達に向かって黒い衝撃波を打ちつけた。
しかし、そこにはもうアイラ達はいなかった。
「どこを見ている」
海人は立ち上がった。
「お前の相手は俺だ」
海人はそう言うと、咥えていたタバコを吐き出し刀を抜いた。
「死ね!!!!!!!!」
海人は陸人へ向けて刃を向けた。

ガキィ!!!!と耳を塞ぎたくなる様な大きな音が教会を包んだ。

「お前と刃を交えるのは昔の実践練習以来か」

「クソッ!!」
陸人は海人の刀を弾いた。
「昔よりは出来るようになったな」
陸人はすぐに刀を構え直し、衝撃波を海人へ向けて放った。
「しかし」
海人は微笑んだ。
「まだ甘い」
海人は陸人の衝撃波とは対照的な白い衝撃波を陸人の衝撃波へぶつけた。


ブオオオオオオオオオオオオオオオ


強烈な風が二つの衝撃波から生まれた。

「遅い」

海人は今の風が吹いている間に陸人の懐へ潜り込んだ。
「終わりだ」


ズシャアアアアアアアアアアアアアアアア!!


海人は陸人の腹へ強烈な一撃を入れた。
「グッ!!!!」
鮮血が陸人の目の前を通った。

陸人はその場へ傷ついた傷口を押さえながらその場へ膝を突いた。


勝てない


陸人はそう思った。
海人の力はドラゴンの力を手にした自分よりも遥かに上回っていた。
このままでは確実に押されて殺されてしまう。
まだ戦ってほんの数分しか経っていないが、それが痛いくらいによく分った。

そして何より、陸人は実の兄である陸人を切る心構えがまだ陸人にはで来てなかった。

「どうした?怖気づいたか?」
海人は陸人の血が付着している刀を陸人へ向けた。
「さっきまでの威勢の良さをどうした?」
陸人は傷口を防ぐのが精一杯だった。
(ドラゴンの力があれば・・・・・)
しかし、今はドラゴンが現れる気配は無い。
「実の弟を殺すのはあまり心地がいい気分じゃないな」
海人は刀を天へ向けた。
「さらばだ弟」
海人は天へ向けた刀を、地上の方へ陸人目掛けて振り落とした。

Re: supercell ヒーロー ( No.23 )
日時: 2011/06/19 10:39
名前: 春夏秋冬 (ID: tGlrccyT)

第二十二話
ガキィィィィィィィィィ!!!!!

海人の刀は陸人には当たらなかった。
「何?」
海人は飛ばされてきた「何か」によって刀を飛ばされてしまった。
「俺の刀は?」
海人が自分の刀の落ちている方を見ると、海人の刀と共に「月下美人」が転がっていた。
「クソ!」
海人が結衣の方を見ると月下美人を動かない体全身を使い、投げ終えた体制になっていた。

結衣は叫んだ。
「陸人しっかりしなさい!!!!お兄さんを助けるんでしょう!!!」
結衣のその声は誰よりも大きかった。


まだ、やれる。


陸人は神風を強く握り、傷の痛みにも耐えて立ち上がった。
その間に海人は刀を取りに行った。
「そんな体で勝てると思っているのか?」
海人は再び刀を構えた。

ああ、確かに勝てるわけが無い。

自分でもそんなことは分っている。

しかし、ここで潔く死んでは結衣さんを守れない。それに、僕の知っている兄さんに申し訳ない。
兄さんは強い敵と戦う時はどうしろと言った?

(とにかく相手の動きを読め)

確かにそう言ったはずだ。


「消えろ」
海人は刀を縦に陸人目掛けて振った。
ガチィイイイイイイ!!!!!!!!
陸人と海人の刀が唸りを上げた。
陸人は自分が明らかに力負けしているのが分った。
「だから甘いと言っているだろう?」
海人は刀を一旦引き戻すと今度は右から陸人へ切りかかった。
海人の動きを陸人はよく見ていた。そして、次に右へ切りかかってくることも承知していた。
「見えた!!!!」
ガチ!!!!!!!!!!!!
陸人の刃が海人の刃と重なった。
「よく俺の動きが読めたな」
「一番兄さんと一緒に戦っていたのは僕だよ?」
「戯言を」
カチ!!!!!
海人は刀を弾いて距離をとった。
「ではこれはどうだ?」
海人は刀を握り直すと衝撃波を刀へと集めた。

そこには白い「斧」があった

海人の刀は衝撃波に覆われ、大きな斧の様な風貌へ変化した。
「いくぞ」
海人は両腕で刀を握ると、下から上へ弧を描くように刀を振った。
その刀から、陸人が見たこの無い程の強烈な衝撃波が生まれた。
「はっ!!!!」
陸人はその衝撃波にひるみながらも神風のソニックブームで対抗した。
しかし、その抵抗は無駄だった。

バコオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!

陸人の衝撃波は呆気なく海人の衝撃波に消され、そのまま陸人は強烈な勢いで壁に叩きつけられた。

ボロボロになった陸人へ海人が近寄った。
「なんで・・・・・」
陸人が口を開いた。
「なんで神風を使っていないのに能力を刀に集められたの?」
その質問に海人は冷淡に答えた。
「それがお前と俺の差だ。俺は気がついたんだ。優しさを捨てなければ強くはなれないと」


「それは間違っている」


海人は驚いた表情だった。
なぜなら陸人が初めて兄を否定したからだ。
「僕はその優しさのおかげで今の自分があるんだと思う」
そう、僕が騎士になったのは結衣さんを守るためだった。そこには結衣さんを守るという信念と「優しさ」があったんだと思う。それに、その守る力をくれたのは、紛れも無く「兄さん」の僕への優しさだと思う。
その優しさを否定されるのは、いくら心が違う兄さんでも許せない。
陸人は心の中でそう誓うと痛みを忘れ、弱弱しく立ち上がった。


「あなたは、兄さんは、僕が倒す!!!!!!」


その時、神風が響きを上げた。

Re: supercell ヒーロー ( No.24 )
日時: 2011/06/19 10:41
名前: 春夏秋冬 (ID: tGlrccyT)

第二十三話
ブォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!

凄まじい量の衝撃波、いや「炎」が神風を包みこんだ。
その炎はまるで「ドラゴンの炎」のようだった。
「何が起こっている?」
海人は神風を長年使っていたがこんな事は一度も無かった。
「はあぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
陸人は神風をなぎ払った。
するとそこには、刃が赤くなった「神風」があった。
神風はいつもと違っていて威圧感があり、同じ空間にいるだけで押しつぶされてしまわれそうな雰囲気を出していた。
「チッ!厄介だな!」
海人は刀に能力を込めると陸人へ衝撃波をぶつけた。
「これで終わりだ!!!!!」

終わらせられるわけ無いだろう。

陸人は衝撃波を自分の衝撃波で消すのではなく、思い切り海人のソニックブームへ向けて「突き」をした。
神風と衝撃波が重なり合った瞬間、

ブオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!

激しい炎と共に海人の衝撃波は消えていった。
「!?」
海人は何が起きたか分らなかった。
マスターランクの衝撃波がこうも簡単に消されてしまったからだ。
「まだだぁぁぁぁぁ!!!」
海人は今度は陸人本人を目掛けて刀を振り降ろした。

ブワワワアアアアア!!!!!!

海人の刀の衝撃波は、陸人のガードした刀に触れた瞬間に無くなった。
「な?」
陸人は海人へ向かって拳を突き出した。

ゴス!!!!

鈍い音が陸人の拳を伝わって伝わってくる。

痛い。

陸人は腕では無く、心が痛かった。

陸人は兄を殴ることがとても悲しかった。

まるで自分の心を殴っているようだった。

転がった海人は起き上がり口の血を拭くと笑った。
「そうか・・これがドラゴンとお前の力か・・・」
そう言うと海人は再び衝撃波を集めた。
だが、今回の海人の刀は今までとは違い、殺気が溢れていた。
海人の刀からあふれ出す殺気は陸人の頬にピリピリと迫っていた。
陸人はその力に恐怖した。しかし、


引くわけにはいかない。


陸人はそう呟いた。


「本気でかかって来い!!!!!!」
海人はそう叫ぶと刀を強く握り陸人へ向けて走った。

陸人は迷った。

兄さんを切るのか。
しかし、切らなければいけない。
数多くの人のために。
僕の知っている兄さんのために。

陸人は神風を海人と同様に強く握り締めた。
「いくぞぉぉぉぉぉ!!!!」
陸人は叫ぶと海人へ突っ込んだ。
神風の紅の刃に炎の混じった風がコーティングされた。

二人の息が合うと同時に二つの刀も合わさった。


ブォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!


二つの刀はお互いに悲鳴を上げて互いを削り合っていた。
「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
「はあああああああああああああああ!!!!!!」

両者ともに刀に更なる力を込めていった。
だが力を込めるにつれて、二人の手からは互いの力で押し合っていたので反動が襲い、血があふれ出していた。


ガキィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!!!!!!!!!


その瞬間、二つの刀は両方とも両者の手元から離れてしまった。

「まだだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
海人は手を握ると陸人の顔面へ一心不乱に突き出した。

海人の腕からはゴスッと鈍い音がした。
殴られた陸人の頬は真っ赤に腫れて、口からは血が出ていた。
「っ・・・・・・!」

フラッ・・・・・・

陸人はそのままゆっくりと地面へ向かっていった。

(くそ・・・やっぱり兄さんには勝ってないのか・・・・)
陸人は目を閉じた。
(いや・・・・違う!!!!!!!)
陸人は足を踏ん張った。
(僕が勝てないのは僕の知っている兄「池川海人」だけだ!!!!)
陸人は拳を硬く握り締めた。
そして、踏ん張った足を海人のいる方へ体が向かうように地面を蹴った。



「目を覚ませェェェェェェェェェェぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」



ゴン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


海人は宙を舞いながら思った。

(陸人はついに俺を越えたか・・・・ああ・・・・いいパンチだ・・・響いたぜ・・・・・)

陸人の拳はアイラの能力を打ち消し、海人の心へ強く響いた。


Page:1 2 3 4 5 6



この掲示板は過去ログ化されています。