二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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【妖狐×僕SS】還し屋少女,
日時: 2012/05/14 22:02
名前: 魅唆 ◆7ALWpexvKs (ID: 9kyB.qC3)

初めまして魅唆ですw
いぬぼくっていいな〜と思ったところから妄想が止まらず、つい書いてしまいました。文才なんて微塵もございませんし、キャラ崩壊も多いと思いますがよろしくおねがいします^^

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Re: 【妖狐×僕SS】還し屋少女, ( No.76 )
日時: 2012/06/10 00:09
名前: 魅唆 ◆UaO7kZlnMA (ID: qJ0dFxMT)  

その言葉で、凛々蝶の顔が明るくなった。

「そうか。携帯を使えば連絡をとれるかもしれないな。君もなかなかやるじゃないか、誉めてやろう」
「悪態ついてる暇あるなら、御狐神に連絡しろ」

水葵にびしっと言われると、凛々蝶はややしゅんとなりながらせっちゃんを返してきた。せっちゃんはまた水葵の頭に登り、そこに居座ることにしたようだ。
凛々蝶は水葵からやや離れた場所にあるベッド近くで、携帯を開いていた。
が、そのまま硬直している。水葵が近付くと、凛々蝶は黙って携帯の画面を見せ付けた。可愛い花柄が散りばめられた画面の隅には、『圏外』の二文字。しかも、その横にはご丁寧に×マーク——アンテナもないようだ。

「おい、結界ってここまで行動を制限するものなのか?」
「そんなことは……ない。前も部屋には閉じ込められたが、電話や携帯は使えた……いや、使えた……か?」

凛々蝶が混乱する中、水葵は手の届く位置にあった内線用電話の受話器をとって耳に当てる。しかし、何も聞こえなかった。

「……電話も通じないな」
水葵は残念そうに受話器を置くと、気分を紛らわすため、凛々蝶に話しかける。
「そういや、御狐神……彼は尾裂(おさき)の先祖返りか?」
水葵が尋ねると、凛々蝶は首を横に振った。
「おさき……いや、彼は、九尾の妖狐だ」
「どっちの九尾よ?」
「女に化けて幾つもの国を滅ぼし、最後は殺生石(せっしょうせき)に姿を変えられた最悪な九尾の狐の方だ。君も聞いたことはあるだろう」

水葵は納得したように頷く。

「はいはい、玉藻前(たまのものえ)ね」

九尾の狐自体は九本に分かれた尾が特徴である妖狐のことを指す。が、実際は尻尾が九本あれば九尾の狐になるため、有名な九尾の狐はいくつかいる。
が、その中でも特に有名なのが、凶悪さから悪狐(あっこ)とも名高い玉藻前である。美女に化けて王を惑わし、外国の二つの王朝を滅ぼした大悪党で、日本に来た際には玉藻前と名乗り、天皇に近付いた。しかし、やがて正体を見破られ殺生石(せっしょうせき)に姿を変えられた。と言う話は、日本でもよく知られる伝説である。
玉藻前は、九尾の妖狐が化けた際の名であるが、他の九尾の狐と区別するため、そう呼ばれることも多い。
そんな妖怪の先祖返りなら、襲われても返り討ちにしてしまいそうだと水葵は思う。玉藻前に関する知識は多いため、それがよく分かる。ただ、玉藻前を示すのに九尾の狐、とだけで通じるのは許せない。九尾の狐には、別のやつだっているのだから区別はすべきだ。との信条が水葵にあるため、勝手に解説を付け足しておく。

「ちなみに、九尾の妖狐ったって、色々だぞ。尻尾が九本ありゃ、善狐(ぜんこ)だろーと悪狐(あっこ)だろーと、みんな九尾の妖狐さ」
「そうなのか」

Re: 【妖狐×僕SS】還し屋少女, ( No.77 )
日時: 2012/06/10 18:15
名前: みさ (ID: w/AVokpv)  

>>恵莉♪さん!
確か二人の夜で結界の中でも電話が通じていたはじなので、言わせてみました←謎解き、そろそろ行きたいとこですが中々進めないorz
私もせっちゃんがお小遣いでは変えそうにないが…なら、せry
テストによってパソ禁なんてツラいですね。私もパソコン禁止だから携帯から小説書いています← しばらく会えないのが、寂しいですが…会えたらたくさん話しましょう!
コメント、ありがとうございました!

>>saraさん!
仲良しさが出ていたら幸いです^^*ほら、暗闇程、人を親しくすると言いますし…御狐神が可哀想ですが←嗚呼、本来に御狐神くんごめんなさい!
コメントありがとうございました!

Re: 【妖狐×僕SS】還し屋少女, ( No.78 )
日時: 2012/06/11 17:36
名前: sara (ID: Mg3hHTO1)  

九尾の狐の勉強になりました。

Re: 【妖狐×僕SS】還し屋少女, ( No.79 )
日時: 2012/06/12 00:31
名前: 魅唆 ◆UaO7kZlnMA (ID: 8HM4KmaQ)  

凛々蝶は心底どうでもよさそうに言った。

「ちなみに、ある意味俺の親戚な」
「君は、何の先祖返りだ?」
「俺、竜神」
「竜神——海や沼の主である竜か。まあ、凶暴と言う意味では確かに親戚だな。まあ、竜の癖に子供で女なでは到底、御狐神くんには敵わないな」

凛々蝶の偉そうな言動に、水葵は呆れつつもニヤニヤする。

「お前は俺に何を求めているんだ?どんだけ御狐神に会いたいんだよ」

すると、凛々蝶の顔が赤く染まった。

「う、うるさい!」
「もういっそ結界破って行けよ。俺の屍を越えていけ」

そう水葵が冗談半分に茶化すと、何故か凛々蝶がはっとした顔付きになる。何でこんな簡単なことに気が付かなかったのか、と言わんばかりの表情だ。
え、まさかと水葵が嫌な予感を巡らせていると、

「そ、そうだ。この際、結界を破壊して外に出ると言うのはどうだろうか!?」

凛々蝶は本気にしていた。水葵は、冷静に突っ込む。
「ここだけ壊しても、御狐神には会えないぞ」

すると、凛々蝶は鼻で笑う。同時に閉めきったはずの室内に風が吹き始める。真冬を思わせる冷たさと、低い音を伴った風は、凛々蝶を中心に起こっていた。凛々蝶と水葵の髪を揺らしながら、だんだん激しさを増していく。その中でも、二人は焦る様子を見せない。凛々蝶は目を閉じているし、水葵はその様子を黙って見つめている。
やがて風の動きが変わった。凛々蝶を起点として吹いていたものが、凛々蝶を中心に時計回りで渦巻き始める。一瞬で白い竜巻が起き、凛々蝶を飲み込んだ。……と思ったのは、ほんの刹那。気が付くと竜巻は消え、姿が変わった凛々蝶が現れていた。
頭から生える、下向きの角。右には椿の花が飾られている。白衣に丈の短い緋袴、下駄。腰には般若の面がある。巫女の衣装に近い。片手には凛々蝶の背よりやや低い、薙刀がしっかりと握られていた。
これは、先祖返りが持つ特別な能力だ。妖怪としての力を解放すると、今の凛々蝶のように先祖である妖怪に近い姿となることが出来る。先祖返りたちは、人間の状態よりも様々な面で強くなるので、純血の妖怪と戦う時等に、この状態に変化することが多い。ただ、姿は人によって異なる。先程の反ノ塚のように、全身が妖怪になるものもいれば凛々蝶のように、人の姿と妖怪の姿を混ぜ合わせた姿になるものもいる。

「何故変身したし」
「こうなれば、強引に破るしかないだろう」

薙刀を握り、凛々蝶は部屋の隅に移動した。水葵も後を着いていくと、やがて凛々蝶は止まり、薙刀を構えた。
その先には、木製の扉がある。しかし奇妙なことに取っ手はなかった。

「……これは出入口か?」
「ふ、無知な新入りのために教えてやろう。ここの結界は、出入口が壊されると、章樫館の結界全てが連動して壊れる仕組みになっているんだ。もし、結界の中で妖怪に襲われても、助けを求められるようにな!」

葵に説明しながら、凛々蝶は薙刀で扉を思い切り切りつけた。切っ先が扉を削り、ポロポロと木片が崩れた。それだけだった。結界が壊れた様子は見受けられない。凛々蝶は目を丸くする。

Re: 【妖狐×僕SS】還し屋少女, ( No.80 )
日時: 2012/06/12 20:36
名前: sara (ID: 51mnxWm4)  

凛々蝶たち、まだ出れませんか。不思議ですね。


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