二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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るろうに剣心 —銀魂—
日時: 2010/09/01 22:33
名前: song (ID: kulimlUM)
参照: http://www.youtube.com/watch?v=vqQR8QWI2xQ

 songです。銀魂がついに映画化! 嬉しい限りです。触発されたワケじゃありませんが、ここに『るろうに剣心』と『銀魂』のコラボ二次小説を立てようと思います。
 楽しく読んで頂けたら嬉しいです。
 
 ちなみに、この小説は一度消えた物ですので、あらかじめご了承を。感想・意見など気軽に書き込んで下さい。待ってます!

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Re: るろうに剣心 — 銀魂 — ( No.7 )
日時: 2009/12/09 00:49
名前: song (ID: p17IpJNR)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=11516

「………」
 硬直する剣心。
「ちょっ お妙さん! タンマ! ぎゃー!!!」
 毛深い男は妙によって容赦なくボコボコにされいく。
「ひょっとして、拙者が助ける必要はなかったのでは……? 」
 剣心は妙遭遇した時のことを思い出した。と、その時……——

「あ〜あ、またやってる……」

 家の奥から一人の少年の声が。
「姉上ー、いつまでも近藤さんに構ってるとドラマ終わっちゃいますよー」
 妙をなだめる少年は、妙同様に亜麻色の短髪と眼鏡をかけている。
「あ、いけない! それじゃあ緋村さん、適当に上がってくつろいで下さい。新ちゃん、番茶と茶菓子を用意しといて! あと、ハーゲンダッツも! 」
 せわしなく妙は修羅場を放置して屋敷の中に入っていった。
「変わった娘でござるな………」
 半ば呆れて剣心は言うと、体の向きを変えて恒道館を去ろうとする。
「あれ? 寄って行かないんですか? 」
 すると、先ほどの眼鏡をかけた少年が剣心に声をかけた。
「いや、拙者は……」
「遠慮しなくていいですよ。姉上が客人を呼ぶことなんてほとんどないですし」
「そうでござるか。では、言葉に甘えて……」
 剣心は微笑み、再度、恒道館へ招かれた。そして——

「では改めて 私、志村 妙と申します。一応、ここ恒道館の館主を勤めています」
 ついさっきの現象がかすんで見える。とても同一人物とは思えない剣心。
「館主って言っても特にすることはありませんけどね」
「………何か言ったかしら、新ちゃん? 」
 妙は笑顔のまま地鳴りが聞こえるような怒りを眼鏡の少年に向ける。
「い、いえ何も……」
 少年は怖気づいて言った。
「ほら、新ちゃんも挨拶なさい」
「あ、はい。僕は志村 新八。恒道館の一人門下生です」
 門下生の少ない剣術道場……剣心にとって何ともいたたまれない空間である。
「ちょっと、スーパーでもめて大喧嘩になっちゃったのよ。で、そこに緋村さんが現れて一件落着」
 新八に説明する妙。
「まぁ、拙者が出る必要はほとんど無かったと今になって思うでござる」
 剣心は、先ほどの毛深い男が門前で転がっているのを部屋から覗いた。
「あぁ、あの人は近藤さんって言って、あれでも警察なんです。姉上を陰湿に追い掛け回すもんですから毎回痛い目にあってますよ」
「おろ」
「ところで、緋村さんはなぜこの歌舞伎町に?」
 段取りもなく新八が剣心に問いだした。
「あぁ、それでござるが……」
 剣心は一瞬迷う。これは無関係の人を巻き込んでよい事件ではない。
「緋村さん? 」
「あ、すまんでござる」
 神谷道場へ帰るのは少し先になってしまうかもしれない……剣心はそう考えていた。
「行くあてがないなら、しばらくウチにいても構いませんよ? 」
 優しく妙は剣心にその旨を言う。と、その時——

「い、いけますぇー—んッ !!! 」

 突然、縁側から先ほどの男が飛び出してきた。
「こ、近藤さん! 」
「お妙さん! 見知らぬ男と一つ屋根の下なんていけません! 男は皆狼……——ッ! 」
「失せろゴリラァァア !!! 」
 しかし、またしても近藤は妙の足蹴を食らってしまう。
 近藤は蹴られた勢いで屋敷の壁に激突して気絶してしまった。
「おろろ……」

Re: るろうに剣心 — 銀魂 — ( No.8 )
日時: 2009/12/09 00:51
名前: song (ID: p17IpJNR)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=11516

「姉上ー僕もそろそろ万屋の仕事があるので」
 新八は立ち上がり、身支度を整え始める。
「あ、そうね。お客人もいるし、今日は銀さん達も呼んでご馳走にしましょう! 」
「いや、そんなに気を使って頂かなくても……」
「遠慮なさらずに、ね? 」
「はぁ」
 流されるだけ流されて剣心は志村家の歓迎を受ける。
「そうですね……でも、帰ってくるのは7時過ぎですし、誰がご馳走作るんです?出前でもとるんですか? 」
 新八は先のスケジュールを考え妙に振った。
「何言ってるの? 私が作るに決まってるじゃない! 」
「……は? 」
 新八の額から嫌な汗が勢い良く流れ落ちる。
「緋村さんはここでくつろいでいてくれて構いませんよ? 」
「あ、拙者も手伝うでござるよ」
「いいのよ! 緋村さんはお客さんですもの」
 妙は微笑み台所へ向かって行った。
「どうしよ……絶対に銀さん達来ないよ……」
 新八は頭を抱えその場に立ち伏す。と、そこへ——

「新八殿、一ついいでござるか?」

 突然、剣心は新八に話を持ちかけた。
「え? あ、何です? 緋村さん」
「失礼と分かった上で聞くのもなんでござるが……」
「いえ、遠慮なくおっしゃって下さい」
 気になるのか、新八は剣心の問いかけを促す。
「……ご両親は、今こちらにおられるのでござるかな? 」
「……いえ、とうの昔に両親とは死別しているので」
 少しだけ暗くなり、新八は答えた。
「あぁ……やはり失礼でござったな」
 意外な反応に剣心は焦る。
「そんなことありませんよ………あ、そろそろ行かないと! そうだ、緋村さんも万屋に来ますか? 是非あって頂きたい人がいます」
「おろ? 」

Re: るろうに剣心 — 銀魂 — ( No.9 )
日時: 2009/12/09 00:54
名前: song (ID: p17IpJNR)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=11516

「会ってもらい人、でござるか?」
 時刻はまだ、日が上る正午過ぎ、剣心と新八はてくてくと万屋へ向かう。
「はい。坂田銀時、通称・銀さん。僕の勤める万屋の上司なんですが……」
 嬉々と語る新八。
「して、万屋とは一体……? 」
「万屋っていうのは、言ってみれば『何でも屋』ですね。依頼とあれば、何でも受け付けます」
「ほう……」
「ほら、見えてきました! アレです! 」
 新八の指の示す方向には、でかでがと『万屋 銀ちゃん』と書かれた看板があった。

「志村新八、ただ今参りましたー」
 新八が慣れた様子で家の戸を開け、挨拶をする。
「遅せーぞ、新八! 集合時間5分前だ! 」
 すると、奥から男性の声が響いた。
「5分前なら遅刻じゃないでしょー? 」
 廊下を歩きながら、新八は反論を言う。
 ガラッという戸の音と共に剣心は広間へ案内され、そこには長椅子に寝転がる銀髪の男がいた。
「バーカ、集合時間は10分前が鉄則だ」
「時間にルーズな銀さんに言われたくです」
 ここに来て、ずいぶん新八の言葉はストレートになった。
「んだとぉ! って、あ? 」
 銀髪の男はここに来て、剣心の存在に気付く。
「失礼してるでござる」
「誰だ? アンタ? 」
 気だるそうにその男は言った。
「しばらくの間、ウチの食客になった緋村 剣心さんです。是非銀さんに会ってもらおうと思って……」
 丁寧に新八は代弁する。
「ふーん……まぁよろしくな。俺は坂田 銀時。ここの店主やってる」
 あくび交じりの言葉で銀時は自己紹介を終えた。
「新八殿にご紹介つかまつった。緋村剣心と申す」
「堅いなぁ、もっとリラックスしろよ……ホレ、酢昆布食うか? 」
 銀時はそう言うと、酢昆布一枚を剣心の目の前でひらひらと振る。
「おろ? 」
「アンタはもっとシャキッとして下さいよッ !!! それと! 客人相手に失礼でしょーがッ !!! 」
 新八は激昂した。
「あ、いや拙者は構わんでござるが……」
 新八のテンションの上下に剣心は妙に似たモノを感じざるをえない。
「それより、剣心って言ったな。ワリーが、今から、仕事があるんで、依頼ならまた今度にしてくんねーか」
 銀時は椅子から腰を上げて続けた。
「いや、今は暇を持て余していたゆえ、特に依頼に来たわけではござらんが……その折にはよろしく頼むでござる」
「あぁ了解した。それと、ボランティアじゃねーからな。依頼料は取るぞ? 」
 ゆったりした足踏みで銀時は部屋のふすまに向かって言う。
「依頼料でござるか……」
 剣心はしばし考え込んだ。
「おーい、神楽! 早く支度済ませろ! 何分やってんだ! 」
「もーちょっとアル! 女の子を急かすんじゃないヨ! 」
 すると、ふすまの奥からまた一人声が聞こえた。
「新八殿、まだ他にも仲間が? 」
 剣心はおもむろに新八に聞く。
「あぁ、神楽ちゃんですか? 今出てきますよ」
「銀ちゃんせっかちネ! だから女にモテないアル! 」
 ガラッというふすまの音を立てて、一人の少女が出てきた。
「うるせーよッ! 大きなお世話だ! 」
 がなる銀時。
「ん? お客さんアルか? 」
 すると神楽は剣心の存在に気付いた。
「おろ? 」
「あぁ、コイツは気にすんな剣心。関るとろくなことねーから」
「それどーゆー意味アルか? 」
 太い声で神楽は銀時を睨む。
「ははは……」
 苦笑いで剣心は答えた。

Re: るろうに剣心 — 銀魂 — ( No.10 )
日時: 2009/12/09 01:00
名前: song (ID: p17IpJNR)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=11516

「で、アンタはどうすんだ? 剣心」
 銀時はボリボリと頭をかきながら剣心に問いかける。
「そうでござるな。拙者に出来ることなら手伝うでござるよ」
 剣心はそう言うとニコっと微笑んだ。
「手伝うつってもなー……」
「おろ? 」
「まぁ、いいぜ? ついてきな」
「ちょっと! 銀さん、いいんですか?! 」
 何やら、会話に問題があったよう。
「……? 」
 反応のしようが無くなった剣心。
「依頼の説明は歩きながらしようさ。時間はある」
「は、はいでござる」

 そうして、一向は依頼者の下へと向かった。

「銀さん 一体どうしたんですか?」
 新八は唐突に銀時に質問をする。
「何がだ?」
「何がだ じゃありませんよ。依頼の相場に無関係の人連れてくなんて」
「つーか剣心を連れてきたのはオメーだろーが」
 つれなく銀時は答えた。
「そーですけど……気のせいかもしれないですけど 銀さん、何か緋村さんと距離とってません? 」
 新八は確信を突く。
「……………」
「銀さん?」
「余計な勘ぐりは止したほうが身のためだぜ? 新八。野郎、一見ひ弱な剣客に見えるが……」
 銀時はふうと溜息をつくと、次いで言う。
「剣心! 」
 銀時は神楽と会話している剣心に話しかけた。
「は、はいござる」
「依頼の概要を説明すっからしっかり聞いとけよ?」
「分かったでござる」

「依頼者は鳳月 火弥(ほうつき かや)。まだ年端もいかねぇ小娘だが………最近、そいつの通ってる道場に次から次へと道場破りが横行してるらしい」
 大かたの依頼理由を銀時は話す。
「道場破りでござるか? 」
「あぁ、道場破りそのものは鳳月が片っ端からぶっ潰してるらしいんだが、何人もの道場破りを返り討ちにしてる内に評判になって、『挑戦者』が続出してるんだと。そこで、俺達が一時的に門下生になって二度と挑戦する気にならないようにして欲しいとのことだ」
「まぁ、門下生にとって道場破り程うざったいモノはないでござるしな」
 剣心も依頼に同調し、会話が進む。
「分かってんじゃねーか。道場破りのせいで門下生は辞めて行くわ、近所の評判は悪くなるわで散々らしいぜ」
 はぁ、と銀時がため息をつき言った。
「でも、いい子ですよねー。自分の道場を守りたいがために戦って………僕も見習わなくちゃ」
 新八も鳳月の事情を聞き微笑む。
「そう言えば、新八殿の家も道場でござったな」
「はい。まぁウチは道場破りなんて来るところじゃありませんけど」
「おろ」
 嬉々と語る新八に剣心はどこか違和感を覚えた。

Re: るろうに剣心 — 銀魂 — ( No.11 )
日時: 2009/12/09 01:05
名前: song (ID: p17IpJNR)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=11516

「ここだ。『青念流道場』古くは戦国時代から続く古流剣術の末裔道場……だったけ? 」
 銀時は覚めて新八に問う。
「はい。さっそく依頼人を訪ねましょう」
 そう言って新八は道場の戸に手を掛けた。その時……——

「また、性懲りも無く来てぇぇえッ! 」

 突如内側から戸を破り、真剣を構える少女が新八の鼻頭三寸前でソレを止めた。
「なななな何ですかぁ! 出てくるなり人に真剣を向けないで下さい! 」
「ふざけるなッ! 道場破りの分際でウチの道場の戸を触れさせはしないよッ! 」
 現れた少女は新八に向かって怒鳴り散らす。
「触れさせないっていうか、ぶっ壊してんじゃねーかッ! 何? お前道場破り脅すためにここまでやってんの !? 」
 ツッコむ銀時。そうとう焦ったもよう。
「あら! 万屋さんじゃないですか。早く言ってくださいよ、もう」
 先ほどとは打って変わって突然温和な女の子になった。少女は腰辺りまで伸びたクセのある緋色の髪を持ち、眼は赤と緑が混雑した色をしている。しかし、道着に身を包む姿は女の子らしく清い。
「言うも何も突然攻撃されたんじゃ言えるモンも言えねーだろ。オイコラ」
 半ギレで銀時は少女につっかかる。
「まぁまぁ……銀さん、ここは落ち着きましょう。では改めて、鳳月 火弥さん依頼の程、承りに参りました」
「どーも……ご丁寧に。ところで、そこの小さい方は? 」
 火弥は見覚えのない短身の男に振った。
「これは失礼つかまつった。拙者、緋村剣心と申す。訳あって、銀時殿と同行している次第でござる」
「はぁ、これはどうも……」
 堅気極まりない剣心の言葉遣いに火弥は少し参ったようだ。
「おーそう言えばまだ答えを聞いてなかったぜ。どうする? 今剣心が俺達と仕事をクリアすれば、アンタの依頼料はタダだ。いい話だろ? 」
 銀時は駆け引きを持ちかけ剣心に問う。
「銀さん、大丈夫なんですか? 一応、緋村さん剣客みたいですけど……その」
 配慮して新八も掛け合う。
「心配無用でござるよ、新八殿。竹刀剣術はあまり経験はないでござるが、何とかなるでござろう……」
「それって大丈夫なんですか? 」
「おろ? 」
 ここで、新八の中の剣術と剣心の剣術の相違が出た。
 新八が心得る剣術は竹刀が基本。それがなっていなければ真剣での戦いは以ての外。
 対して、剣心の剣術はそもそもが古流剣術。竹刀そのものが存在しない時代に剣を学んだのだ。
「剣心の言うとおりだ。心配いらねーよ」
 銀時はやはり剣心の力をどこかで感じ取っているのだろうか。
「はい、分かりました……——って、あれ? そう言えば神楽ちゃんは? 」
 新八はここにきて気付く。
「隅っこですねてるでござる……」
「どーせ私は今回背景アル……剣術なんてやったことないネ」
 あー神楽ちゃん、出番が無くていじけてらっしゃる。
「しょーがないよ神楽ちゃん、今回だけだから。ね? 」
 優しく快報する新八。しかし——
「何言ってんだ。オメーも出番ねーぞ新八」
 銀時が釘刺す。
「はいッ !? 何でですか? 僕はちゃんと剣術を心得てます! 」
 頑なに新八は銀時に言い張った。
「うるせーな。多人数の他流試合は三対三が基本だ。出るのはもちろん、鳳月と俺と剣心だろうが」
「そんな〜」
 どうやら新八はそうとう張り切って青念流道場へ赴きに来たようだ。ヘコみ方が尋常じゃない。
「すまんでござるな、新八殿。しかし、人の剣を見て学ぶことも立派な修行の一つでござる。心して参られよ」
 剣心はここに来て新八に悟らせた。
「は、はい! 」
 威勢のよい新八の掛け声が道場に響く。


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