二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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BLEACH 零を背負う者
日時: 2009/12/26 23:05
名前: 湯山 アヤカ (ID: VTrHJ6VV)

 せっかく立て直したのに、また消えてしまった。
 一体なぜなんだ?!

 という事で、もう一度はじめます。

 よろしくお願いします。


目次

 1 プロローグ                10 るかと舞奈
    >>1                      >>17 >>18
 2 零番隊の秘密             11 それぞれの覚悟
    >>2 >>3 >>4 >>5           >>19
 3 双子の隊長              12 るかの陰謀
    >>6                      >>20
 4 始まりの人物              13 空白の一日
    >>7                      >>21
 5 藤原家と朽木家             14 るかの誘惑
    >>8 >>9                   >>22
 6 訪問客                 15 昔の舞奈と今の珠
    >>10                      >>23
 7 開戦の合図               16 終わりの始まり
    >>11                      >>24
 8 塗りつぶされた真実           17 輝く紅き月
    >>12 >>13 >>14 >>15         >>25 >>26 >>27
 9 十一番隊にて              18 零番隊出動
    >>16                      >>28


過去編 紅葉・楓
 19 落ちなかった落ち葉
    >>29 >>30 >>31 >>32 >>33
 20 応え
    >>34 >>35 >>36
 21 始まりの場所
    >>37 >>43

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Re: BLEACH 零を背負う者 ( No.24 )
日時: 2009/12/26 18:13
名前: 湯山 アヤカ (ID: VTrHJ6VV)

24 終わりの始まり
  舞奈 視点

 「泉 珠、朽木家は藤原家の者と手を組み、瀞霊廷を滅ぼそうとしている。そのため、我らはこうすることに決めた。朽木家を全滅させる。その任務を零番隊にまかせる」
 
 四十六室に着くと、そう告げられた。
 朽木家を全滅…?それって、兄様を殺せって事だよね……?しかも、あたしの手で……
 
 「ちょっと待って下さい!! それは間違いです。藤原家は確かに、瀞霊廷を滅ぼそうとしていますが、朽木家が何も関係ありませんっ!!! だから———」
 
 「反論は許されぬ」
 
 「任命をまっとうせよ」
 
 「それが、掟だ」
 
 「破る事は許されぬ」
 
 色々な方向から、声が伝わってくる。
 こ、こんなの、おかしいよ…なんで? なんでこうなるの?
 ふと、別の疑問が、頭の中に浮び上がった。
 なんで、藤原家の目的が四十六室にバレたの?藤原 るかがこんなヘマをするわけないし……砕蜂も、あたしが内緒で頼んだんだから、上にはバレないように、やってくれたはず……
 
 『おたくは、これから地獄を見るわ』
 
 藤原の言葉がよみがえる。
 そうか…そういう事だったんだ……
 あいつは、藤原 るかはわざと情報ををもらしたんだ。あたしを、苦しめるために。
 でも、なんで?
 
 「兄様を殺す位なら、あたしは零番隊の隊長をやめる!」
 
 思わず、そう叫んだ。また、各方向から声がする。
 
 「それは、許されぬ」
 
 「朽木 舞奈は死んだ」
 
 「お前は泉 珠だ」
 
 もう、何を言ってもダメだ…
 そっさに、そう感じた。四十六室は、きっと自分達の判断を変えてはくれない……

 「もし、あたしが今回の仕事は受け付けないと言ったら、どうしますか?」
 
 「その時は、隊全員に責任を取ってもらう」
 
 こんな自己中な事で、みんなを巻き込むわけには行かない。
 
 「いつ、実施しますか?」
 
 「今晩だ」
 
 あたしは一礼すると、薄暗いそこを後にした。
 
 
 外に出ると、眩しい光にあたしは思わず手をかざした。

Re: BLEACH 零を背負う者 ( No.25 )
日時: 2009/12/26 18:15
名前: 湯山 アヤカ (ID: VTrHJ6VV)

25 輝く紅き月
  舞奈 視点

 今は真夜中。あたしは朽木家に来ていた。
 白は暗闇じゃ目立つから、隊首羽織は着けていない。
 もし、変わっていないのなら、兄様の部屋はここのはず。
 ふすまを開けると、兄様が部屋の奥の方に立っていて、あたしを静かに睨み付けていた。
 そんな…寝てると思ったのに……

 「散れ 千本桜」

 兄様は斬魄刀を抜き、始解した。
 刀の刃の部分が花びらのよう散ってゆく。その次の瞬間、あたしの肩から血しぶきが上がり、激痛が走った。

 「やはり、るかの言っていた事は、本当だったらしいな」

 やっぱり、藤原のせい……でも、一つだけ分からない。なぜ、奴はあたしにこんな事をするのか……

 「泉隊長!!」

 今度は、後ろから声がした。振り返ると、ふすまの所にルキア姉様がいた。

 「ルキアさん…」

 「私には、やはり泉隊長がこんな事をされる方だと
は思えません!!これは、なにかの誤解です、兄様!!!」

 ありがとうございます、ルキア姉様…あたしを信じてくれて……

 「すみません、ルキアさん…俺は本当に朽木家を……」

 でも、これはあたしの意志じゃない。そう言いたかったが、言えなかった。言ったところで、状況は何も変わらないのだ。
 ルキア姉様はショックを受けたような顔をしている。

 「本当にすみません……」

 もう一度そう言った。
 そして、あたしは刀を抜き、兄様を斬り付ける。
 ふいうちで、さすがに兄様もよけ切れなかったみたい。卑怯だけど、これが暗殺なのだ。
 肉が切り裂かれていく感覚。もう何度も感じたはずなのに、もう慣れたはずなのに、自分のしている事に吐き気がした。なんでだろう……
 兄様は胸の辺りを辺りを押さえ、2、3歩よろめついた。急所ははずれたか…

 「白哉兄様!!」

 ルキア姉様は、兄様のそばに駆け寄る。
 任務は朽木家全滅。つまり、白哉兄様だけではなく、姉様も、使用人も、全部殺せってこと。
 あたしは、ゆっくりと二人に近付いた。ルキア姉様は自分の斬魄刀をあたし向けた。
 ルキア姉様が、自分にかなうはずがないと分かっていた。姉様も分かっているはずだ。
 これは、仕事だから…
 あたしは、そう自分に言い聞かせた。
 ルキア姉様に向かって、刀を振り下ろそうとしたが、上げた手を誰かに掴まれた。振り返ると、こそには、藤原 るかがいた。

 「やだなぁ〜 そんなに怖い顔をしたいでよ、珠君」

 藤原は、普段と変わらない笑顔で、そこに立っている。

 「離せ。邪魔だ」

 「いやよ。でも、どうしてもと言うのなら——」

 藤原は斬魄刀を抜いた。

 「私に勝ってからにしなさい」

 あたしも、斬魄刀を藤原に向ける。あの一角に余裕で勝ったから、油断は出来ない……

 「内から弾けよ 紅月こげつ

Re: BLEACH 零を背負う者 ( No.26 )
日時: 2009/12/26 18:17
名前: 湯山 アヤカ (ID: VTrHJ6VV)

26 輝く紅き月
  舞奈 視点

 「内から弾けよ 紅月」
 
 藤原が静かに解号を唱える。
 すると、斬魄刀から紅い光が弾けるように、眩しく輝いた。光がなくなると、藤原の手には、鉄扇が握られていた。

 「燃え盛れ 炎帝」

 あたしは、解号を兄様に聞かれないように、小さい声で言った。
 斬魄刀の名は教えたが、始解した所は兄様に見せた事はなかったはず……
 藤原は扇子を口元に当て、あたしの方をじっと見ている。そっちから攻撃して来ないのなら、こっちから行かせてもらうわ。
 炎帝を振り上げ、藤原を斬ろうとしたが、軽く受け流されてしまった。何度やっても、刀身が藤原に触れる事はなかった。
 息が上がってくる。ハァハァ言いながら藤原を睨んでいると、藤原はあたしを見て、おもしろそうに笑った。

 「弱いね、珠君。これが、護廷隊最強と言われている、零番隊の隊長の実力なのかしら?」

 言い返したかったが、頭がうまく働かなくて、言葉が出て来なかった。兄様に斬られた肩の出血がまだ止まっていなく、意識が朦朧としてきたのだ。

 「なんで…なんでこんな事をするの?」

 思わず、聞いてしまった。ずっと、思っていた事だ。

 「なんで、あたしを苦しめるの?」

 すると、藤原は顔を悲しそうに歪めた。勝ち誇った笑顔以外の表情を浮かべる藤原を、あたしは初めて見た。

 「……私は、おたくがうらやましかった。いつも幸せそうに笑っているおたくが、ねたましかった。私だって、私だって…普通に生きていたかったのよ…!」

 その言葉を聞いた瞬間、あたしの頭の中に何かが流れてきた。

 『舞奈ちゃんは将来、何がしたいの?』
 
 『あたしは死神になって、それで、今まで通りにみんなや兄様と一緒にいれたら、いいのかな?』

 これ…夢に見たのと同じだ……

 『るかちゃんは?』

 夢の中では、聞こえなかった相手の名前を、今度ははっきり聞き取る事が出来た。
 るか?藤原 るかの事?……そうか!るかちゃんか!!空白の一日…全部思い出した。

 『私は…いつか藤原家を出て、普通に暮らしたいの。茶州専属の死神になるための、ものすごく難しくて、厳しい教育も、はっきり言っていや。舞奈ちゃんや他の死神みたいに、普通の勉強をして、護廷隊に入りたいの』

 昔のるかちゃんはこう言っていた。そして、あの後、るかちゃんはあたしに、自分の家が何をしようとしているのか、教えてくれた。

 『でも、私は瀞霊廷を潰したくない…だから、お願い舞奈ちゃん…!私をここから、連れ出して!!』

 その時、後ろから二人の死神が現れた。一人はるかちゃんを押さえ、もう一人があたしに近付いてきた。

 『今日聞いた事は、次にお前が目覚める前に全て忘れるだろう』

 その死神はそう言うと、あたしに霊圧を当て、気を失わさせたんだ……
 これが空白の一日の真実……
 あたしは藤原を…るかちゃんを静かにみつめた。

Re: BLEACH 零を背負う者 ( No.27 )
日時: 2009/12/26 18:19
名前: 湯山 アヤカ (ID: VTrHJ6VV)

27 輝く紅き月3
  舞奈 視点

 「るか…ちゃん?」

 目の前にいるのが、るかちゃんだとは確信があった。だが、それでも確かめずには、いられなかった。だって…目の前いるるかちゃんは、あたしの知っているるかちゃんとは、あまりにも、変わりすぎていたから……
 るかちゃんは軽く頷くと、口を開いた。

 「そうよ。私が、あたくが60年前の四大貴族の集会で会った藤原 るかよ」

 「でも、なんでこんな事をするの…?」

 「……私は、あの後死神になって、ある計画を立てた。おたくを零番隊隊長にする計画よ」

 「零番隊の…隊長にする計…画……?」

 信じられない…そんな事、出来るはずないよ……
 だが、るかちゃんはあたしの心を読んだかのように、こう言った。

 「信じられないと思うけど、藤原家に代々伝わる方法を使えば、斬魄刀の実体化など、容易い事よ」

 「じ、じゃあ、あの日のホロウ

 「私が用意したモノよ。おたくの覚醒を促進するためにね」

 そこで一旦言葉を切り、るかちゃんはあたしを見て、鼻で笑った。

 「所詮おたくの人生は、私に操られていたのよ」

 体をどうしようない絶望感が襲った。

 「な、なんで…そんな……」

 すると、るかちゃんは、あたしを睨んで、こう言った。

 「おたくが、ムカつくからに決まっているじゃない」

 そして、鉄扇をバチンと閉じる。すると、すぐさばにあった岩が、バラバラに弾けて、飛び散った。

 「なっ…?!」

 「私の斬魄刀の、紅月の能力。それは、全てのものを破壊する程度の能力。つまり——」

 るかちゃんの顔から、笑みが消える。

 「私がその気になれば、おたくは一瞬でドッカンよ」

Re: BLEACH 零を背負う者 ( No.28 )
日時: 2009/12/26 18:21
名前: 湯山 アヤカ (ID: VTrHJ6VV)

28 零番隊出動
  楓 視点

 「楓ぇー」

 副隊長が俺に声をかけた。

 「なんスかぁー?」

 適当に返事をすると、副隊長は少し声を低くした。

 「隊長がどこにいるか、知らないか?」

 はぁ〜 本当に副隊長は心配性だなぁ〜 隊長も、ガキじゃあるまいし……

 「気にする事はねぇと思うぜ、副隊長。瀞霊廷内で隊長を襲う奴なんか、いねぇよ」

 「う〜ん、まぁ、そうかも知れないけど……」

 それでも心配そうな副隊長を見て、ずっと黙っていた紅葉が、口を開いた。

 「仮に隊長さんを襲う人がいても、返り討ちにされちゃうよ」

 紅葉が言い終わった瞬間、執務室のドアが大きな音と共に開き、砕蜂が息を切らして立っていた。

 「あっ、こんばんは、砕蜂隊長。どうしたんですか、そんなに慌てて。まぁ、とりあえず座って下さい。今、お茶を入れますから」

 副隊長が、茶を入れようと立ち上がったのと、ほぼ同時に、少し息を整えた砕蜂が大声で怒鳴った。

 「茶などいらん。それより貴様ら、一体ここで何をしているのだ!!」

 「なんだよ…うるせぇーな」

 砕蜂が聞こえるように、わざと言ってやると、副隊長に睨まれた。

 「こら、楓! 失礼だぞ。すみません、砕蜂隊長。そうですよね、執務室はおしゃべりする所じゃないですよね。今すぐ、部屋に戻ります」

 「違う、私はそう言う事を言っているのではない!! まさか…貴様ら知らぬのか?舞奈の事……」

 隊長の事…? どういう事だ……

 「どう言う事ですか?!」
 副隊長が、俺の考えをそのまま映したような言葉を言う。すると、砕蜂は少し眉をひそめた。

 「本当に知らぬのか…?今日、零番隊に仕事が出された。暗殺の仕事だ」

 仕事、だと? しかも暗殺……今まで、仕事があるのに、教えてくれなかった事は、一度もない。なのに、なぜ今回は……

 「実行は今晩。ターゲットは……朽木 白哉及びその一族だ」

 俺は一瞬、自分の耳を疑った。 

 「なぜ、四十六室は朽木を殺るんだ…」

 「藤原家は数十年前から、瀞霊廷を潰そうとしていたのだ。四十六室はそこに、朽木家も加わっていると考えたのだ」

 「だが」と砕蜂は続けた。

 「それは間違いだ。朽木はこの事には関わっていない。私が直々に調べたのだ、間違いはない」

 なんだ、それなら話は簡単じゃないか。

 「朽木家の家に行くぞ、紅葉、副隊長」

 俺は斬魄刀を掴むと、立ち上がった。

 「楓…!!」

 「何をそんなに慌ててるんだ? 副隊長。俺は朽木を殺しに行くとは、一言も言ってないじゃん。俺は隊長を止めに行くんだ」

 「だが宮輝、それは四十六室の命令だぞ!」

 四十六室の命令? はっ、そんなに知るか、俺は隊長の命令しか聞かねぇよ。

 「砕蜂、はっきり言うと、俺は四十六室も、瀞霊廷も大っ嫌いだ。もちろん、死神も例外じゃねぇ。だけど、隊長と零番隊ココのみんなだけは違う。ここは俺の大切な場所で、隊長は俺の大切な人だ。俺は自分の大切なモノを守る!」

 あの日から、俺はそう誓ったんだ……

 「砕蜂隊長は知ってるよね? 零番隊は隊長が変わる度に、隊員も一新する。隊長は自ら隊員を探し出す。それは絶対な忠誠を創るため。探すのはもちろん、条件に合った者だよ」

 「今までの零番隊隊長は、なるべく条件に近い者を選んでいました。でも、泉隊長は違いました。隊長は条件ところが、死神になるための教育すら受けた事のない者を、選んだのです」

 俺達の言葉に、砕蜂は怪訝そうな表情をした。

 「貴様ら零番隊に入る条件は、一体なんなのだ…?」

 「それは多分、今夜分かると思いますよ」

 副隊長は斬魄刀を手に取った。紅葉も同じ行動をとる。

 「隊舎を出たら、僕らはもう掟破りだ。二人とも、覚悟はいいよな?」

 「もちろんだよ、副隊長」

 「うん!」

 「よしっ! それじゃあ、朽木隊長の屋敷に行くぞ!!」


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