二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 冬結晶. 〔 inzm・東方小説集 〕
- 日時: 2012/03/19 20:33
- 名前: 紅闇 ◆88grV3aVhM (ID: dNKdEnEb)
- 参照: お菓子の袋開けたら中身が飛び散りました。ポップコーンェ……
「やっほう、来ちゃった」
「……あ、あんたら何人の家でくつろいでるのよッ!」
>>東方幻常記
:::::::::::::::::::
始めましての方は始めまして、お久しぶりの方はお久しぶり、こんにちはの方はこんにちは。
<紅闇-くれあ->とか言う者です。はっきし言って読み方とかご自由に。気にしてない馬鹿が此処に。
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- Re: ________冬結晶. *小説集*_______ ( No.89 )
- 日時: 2012/01/27 19:33
- 名前: 紅闇 ◆88grV3aVhM (ID: dNKdEnEb)
11話
「……眠い」
既に日付は次の日に変わっていた。黙りこくっていた木々は再び風に揺られ、太陽の光がさんさんと降り注ぎながら。
カーナは小屋のすぐ近くの木に寄り掛かって座り半分意識を飛ばしていた。小屋の中からは茜と森番達の口論が聞こえる。
——これだから、年下って嫌なんだよなぁと、素直な感想を心の中で述べていた。何か大事な話をする必要があるらしく追い出された。慣れていると言えば慣れているのだが。でも放置ってヒドイ。
「——そして暇」
除け者にする茜に多少苛立ちつつ、どうせ暇なんだからその辺を歩いてみよう、という自己完結で終わった。勿論行く先は五年桜。今度はあんな失態はしない。
一応外から声を上げて聞いた。しばらくして「勝手にしろ」というくぐもった声が聞こえて安心する。実際これが駄目だったら無理やりにでも中に押し入るつもりではあった。
ただし暗くなる前に帰る事、と茜の注意を軽く受け流す。用心の為に短剣は持っていくが、敵が一箇所に留まるとも到底思えないので、かなり楽観視して出発した。
*
五年桜は悠々とその場に居て、花びらを舞わせていた。カーナは木の幹に触れて額を押し付け、目を閉じてゆっくりと自分の考えを纏め上げる。
(女が言っていた何とかの石……あれが何かの鍵なのかな。名前は忘れたけど)
「見つけた」
「……あ、オラリスさん」
二人は昨日の夜の内に何度か顔を合わせている。オラリスは桜の背後から現れ、カーナの肩に手を置く。
「そんな深刻な顔をしてどうしたの」
「んー、除け者は一人で考えろって事ですかね」
「……昨日の事? 私は知ってる。教えてあげようか、色々調べちゃったの」
カーナはハッとして振り返る。紅色の髪を風になびかせながら、オラリスは優しく微笑んでいたのだった。
*
「貴方が言っている石っていうのは、多分六つの掟を宿したなんちゃらかんちゃら、ね」
「六つ? 確か『賛美』も六つありましたよね。それですか?」
「可能性は。その石を奪った女ってのは、何て言ってた?」
薄れ掛けていた記憶を必死に繋ぎ止める。ゆっくりと口に出して見ると、その時の世界が鮮明に浮かび上がった。
「そうだ……えっと、……『希望』」
「希望。ビンゴね、勝利の賛美内にあるわ。……無色、光現象」
「光……ですか」
残念ながらカーナは光現象の魔道を持っていない。手が届かぬ魔道に思いを馳せると、溜めていた息を吐き出した。
「石は、六つですか」
「いいえ。不確かだけど、三つよ。壊れたか失くしたかしたんでしょうね」
「……どこぞの誰かは存じませんが、その“奴ら”は次の石を狙うと思いますか?」
「そうね、意図は知らないけれど、……私は思うわ」
カーナは手を握り締めた。何となく、今何が起きているのか掴めて来たのだ。
一方オラリスは上を見上げ、桜と微かに見える青い空を見て、こう言った。
「さて……、カーナちゃんはそろそろ戻った方が良いんじゃないかな」
- Re: ________冬結晶. *小説集*_______ ( No.90 )
- 日時: 2012/01/27 20:20
- 名前: ドロップ ◆8WWubVa7iM (ID: 9UBkiEuR)
あら、ばれました?ww
そっか!ウチもいつか、短編集とか作る予定だから
スレッド作ったら教えるね!
あぁなるほどww格ゲーの方ねww
けど、あえてシューティングの方をやらせたい俺((
幻想入りの小説も書きたいなぁ…←
いいや、茜ちゃんはかなりカリスマある!
和奏なんて茜ちゃんの足元にもおよばねぇよww
カーナちゃんマジ天使((
神文だよ!
うん、ずっと待ってるよ!
- Re: ________冬結晶. *小説集*_______ ( No.91 )
- 日時: 2012/01/28 15:46
- 名前: 紅闇 ◆88grV3aVhM (ID: dNKdEnEb)
12話
「森を出るぞ」
「わー凄い単刀直入にいきなり言われちゃったー」
カーナが小屋の前に戻ってきてから、茜は一息つく間もなくそう言った。カーナが姿を見せる前から茜はそこに待ち構えており、何故か怒っている様子だった。
茜は足元に置いてあった荷物を半ば投げつける様な力強さでカーナに渡した。相変わらずの不機嫌だなと心の中で苦笑いしながら、一応話し合いの内容を聞く。——まあ、なんとなく分かるけど。
「お師匠様、今まで何を話していたのですか?」
「……聞くか? 昨日、見知らぬ女が盗って行った石の様な物体の件だが——」
「じゃあいいです」
予想通りだったが、少し残念に思ったのは気のせいだと信じ込んだ。茜は茜で、話しても良い気でいた事にカーナが反応を示さなかったので疑問に思う反面、不気味にも感じたそうな。
「茜——!」
明るい、場合によっては少し煩いという不思議な声。今は後者の方だった。
ドアが弾け飛ぶ様な勢いで開き、円堂が飛び出る。茜が睨んで槍の穂先を円堂に向けると、慌てて足を止め、声のボリュームも下げた。
「おおっと……茜! 何だよいきなり、危ないじゃないか!」
「その言葉、そっくりそのままお返ししようか? 『何だよいきなり、煩いじゃないか!』」
「う゛……そ、そんな事はどうでも良いんだよ! ……本当にもう行くのか? ちょっと急ぎ過ぎだろ」
「私は旅人で戦闘士だぞ? 一箇所に留まるのは精神が持たないんだよ」
見慣れた喧嘩腰の言い合い。カーナが冷めた目で見ていると、後から歩いて、天月が鎌を携えて出てきた。
天月も目線を巡らして二人に止まると、微笑を浮かべて溜め息をついた。仲が良いのね、と呟くと、言い合いの二人を通り越してカーナの側まで行った。
「中でこれから何をするか決まったらしいの。風丸もすぐに帰ってくるよ、驚いてる? カーナちゃん」
「まあ、違うと言えば嘘になりますが」
——第一、此処に居たのは二日じゃないか!
——馬鹿か、一週間はずっと居ただろう!
「別に関係ないけど。貴方のお師匠さんはたまに理解不明な事を言うね?」
「森に来る変な人ですから。仕方ないんですよ、私もよく解りません」
*
「ああ、カーナも帰ってきてたのか」
風丸は沢山の手紙類を抱えて戻ってきた。どこか興奮した面持ちで四人の前に来ると、親指を突き立てて笑った。
「当たりだ、茜。——近々、浮遊島がこの辺りに来るらしい」
「決まったな」
「これ以上話せなくて残念だ、旧友かも分からない友人」
「ちぇー、お前は何も言わないのかよ、分かった分かった!」
「また機会が会ったら来てね! 桜はしばらく見れないけれど」
「ありがとうございました。さ、お師匠様、行きましょう」
**
桜はもうすぐ散り、五年の月日を経てまた咲くだろう。
人が上を見上げ。次は、様々な物が発達している島を指す事になる。
「良いよ? あたしは何も言わないからさ、」
* * * - 一章完結 -
- Re: ________冬結晶. *小説集*_______ ( No.92 )
- 日時: 2012/01/31 19:47
- 名前: 紅闇 ◆88grV3aVhM (ID: dNKdEnEb)
紅魔館のメイド長、十六夜咲夜は困惑していた。
今日は快晴。咲夜が仕える吸血鬼、レミリア・スカーレットと共に、日光浴見の計画を立てていた所だった。すると、突然外から爆音が聞こえてきた。
その爆音の大きさで簡単に人物を特定した咲夜は、館に入れさせまいと入り口に向かう。しかし、主の楽しそうな顔を見て思い直す。
「あらら、泥棒でも入ったかしら。咲夜、今の音は何だと思う?」
「久々に門番が仕事をした音だと思います」
「じゃあ放っといても大丈夫ね。咲夜、話を続けるわ」
「良いのですか? 門番では、黒白魔法使いを抑える事は難しいと思いますが」
ある事件以来から、メイド長は門番の仕事ぶりを期待していない様な素振りを見せている。
レミリアはその言葉に少しだけ反応すると、笑みを消した。
「咲夜、どうして泥棒があの黒白だって分かるのよ」
一段と大きくなった爆音が、館内に響き渡る。
「……お嬢様、いつもの事ですわ」
「そっか。咲夜、もしもの時に限り泥棒をとっ捕まえてね」
「勿論です」
続いて、何かが崩れる音と何かが壊れる音がした。
レミリアは呆気にとられた様子で瞬きを繰り返すと、さっきとは違う黒い笑みで咲夜に命じた。
「黒白は図書館。咲夜、物が盗られちゃう前に宜しく」
「承知致しました」
*
咲夜が図書館に辿り着いた時には、中は耳を塞ぎたくなる程騒がしかった。図書館を飛び回る黒い影と、それを阻止しようとする妖精メイド。
そのすぐ後には、両手一杯に本を抱えた黒白の魔法使いが、輝かしい笑顔で咲夜の目の前に立っていた。
「おう、一週間振りだな悪魔に仕える冥土長」
「久し振りね、黒白泥棒。本を返して貰おうかしら」
「失礼だな。私には霧雨魔理沙って言う名前があるぜ?」
自分から名乗る泥棒が世界のどこに居るものか。
「ああ……咲夜居たの」
「パチュリー様。お怪我はございません?」
「ええ、怪我は大丈夫よ。それより、この騒ぎに乗って館に侵入した輩が居るから、そっちの件も頼むわ」
「え? 侵入って……いえ、承知しました。……ところで、今夜の夕食は何に致しましょうか?」
「……そうね、鳥鍋が良いわ。夜桜を見ながらとかどう?」
咲夜は銀ナイフを取り出すと、それを魔理沙に向けた。
「さあその本を全て置いて館から出なさい、黒白泥棒!」
「出ろ、と言われると出たくなくなるものだ。よって私は平穏に此処から出る事はしないぞ?」
「屁理屈なんてものは聞き飽きたわ。私も平穏に貴方を帰させない」
「強行突破! 『魔符「スターダストレヴァリエ」』!」
*
夜。騒ぎが収まった後の紅魔館では、夜桜の花見所謂、宴会が行われていた。
「申し訳御座いませんでした、パチュリー様。ほぼ全て取り返したのですが、一、二冊程……」
「それだけ取り返してくれたら十分よ。その内“返ってくる”だろうし……長い時間を掛けて強制的に」
レミリアは鍋の中の肉を頬張ると、あれ? と声を出した。
「咲夜……今日は鳥鍋じゃ無かったの?」
「はい。あともう少しの所で取り逃がしてしまいまして……代わりに兎鍋です」
「へえ、まあ美味しいから良いけど。って、中に鳥が居たの?」
「そうですわ。ゴシップが大好きな活きの良い鴉が。焼き鳥も作ろうと思っていたので残念です」
咲夜は頭上に咲き誇る桜を見た。月と一緒に見る桜は、昼間に見るそれとは違い、妖しげな雰囲気を出していたのだった。
- Re: ________冬結晶. *小説集*_______ ( No.93 )
- 日時: 2012/01/31 20:21
- 名前: 紅闇 ◆88grV3aVhM (ID: dNKdEnEb)
——浮遊島?
——ああ。噂では50年間もの間、地上に降りていないらしい。
——何ですか、それ。物凄く嘘っぽいですよ。
——勿論嘘だな。何せ、“もっと長い間降りていないのだから”。
「賢者殿、本当に宜しいのですかな? 地上の者と関わり合う、それは先代のご意向に背かれる事と」
「しつこいな……いつまでも口煩い父の言いなりにならないでよ。もう昔とは違うんだから」
「老いぼれ爺は何も言いませぬ。どうぞ、お好きなようにおやりなさい」
「ああもう、その言い方が嫌。結局何を言いたい訳?」
「“災厄”が起ころうとしている地上には近づくな、という老いぼれの忠告でしょうか。
少なくとも、輝かしいナイト家の血を引く者がこのような事をしでかすとは、夢にも思わないですな」
賢者は、地上よりも近く見える月を眺めて言った。その声には、どこか諦めたような弱々しさが含まれていた。
「友達、とは言えないかもしれないけど。あたしは他人任せなんだよ、爺」
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