二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- テイルズオブヴェスペリア 非日常の中の住人達
- 日時: 2011/01/09 13:13
- 名前: リクア (ID: iHbdDjKI)
初めまして。リクアです。
今回が初投稿です。なので、誤字とかはちょっと大目に見て下さい…
ですが、一生懸命頑張りたいと思うので、よろしくお願いしますっ!(ペコリ)
あとできるだけコメントお願いしますっ!
よろしくお願いします!!!!
***主な登場人物***
ユーリ・ローウェル アイリッジュ・グリーン リンク・グリーン イオ・グラン リオ・グラン リタ・モルディオ
***主な登場人物***
- Re: テイルズオブヴェスペリア 日常と非日常 ( No.21 )
- 日時: 2010/08/04 12:15
- 名前: リクア (ID: NTjRWWeg)
第十六話
俺がまた目が覚めた時は、地下室は赤い池がいくつもあった。それぞれそのそばでフレン、アイリッシュ、リタ、イオ、リオが倒れている。
俺は初めて其の時に分かった。自分の手に握られた自分が持ってきた刀が血に染まっていて、仲間が血を流していればそれで十分すぎたのに…
「お、俺は…仲間を…俺はっ!」
俺、仲間を…殺した。
「君は実によく働いてくれたよ。本当に…」
後ろからアレクセイの声が聞えて俺は振り返った。アレクセイは自嘲の笑みを浮かべている。
「ぐっ…はっ。う、うう。」
フレンが血の池の中で血を吐いた。
「フレン!」
俺はフレンに駆け寄った。
「聖なる恩恵を…キュア!」
フレンが詠唱をした。魔法陣から出てきた光は収束し、フレンの傷口へ吸い込まれていった。みるみるフレンの傷は消えていった。
「ユーリ…?いつものユーリかい?」
フレンは手を伸ばして俺の頬に触れた。俺はコクリと頷く。どうやらフレンだけは虫の息で生き残っていただ。
「くっ。ユーリ・ローウェル!手加減したな!」
アレクセイがまた剣を掲げた。その後ろに何か黒い靄が見えた。頭痛がする。さっきと同じようになるのか?!そんなのは嫌だ!俺は膝を折りそうになったが、フレンが支えてくれた。
「ユーリッ…ちょっと君、重いっ…!」
フレンはこんな緊張した場所でも、俺を落ち着かせるために冗談をかます。俺はフレンに支えられながら立ち上がって、アレクセイに向かって走りだした。フレンも俺の後の着いて走ってくる。
「フン。雑魚が。」
アレクセイは剣を一振りした。刃こそ俺達にあたらなあったものの、電波のようなものが出て、俺達を仕留めた。
「ぐあっ!」
俺達はその場に膝をつくが、すぐに立ち上がった。フレンはそのまま直進して俺は途中でジャンプして高くとんだ。アレクセイは上と正面の二つに剣を振って電波の様なものを飛ばして攻撃していたが、俺は刀でそれを払いのけ、フレンはかがんで避けた。アレクセイは舌打ちをして俺には二振りして、フレンには丁度今フレンの頭があるあたりとそこから50センチくらい上の所にふた振りした。俺はそれを払いのけ、フレンはジャンプしてそれを避けた。そうしながらアレクセイとの距離を詰める。そして—————
「「うおおおおおおおおおおおおおおっ!!」」
俺とフレンは同時にアレクセイに攻撃した。アレクセイはよろめき、4,5歩後退した。
「フ、フハハハハハハッ!!中々やるな!だが私は死なないぞ!」
アレクセイは自分の後ろにあった黒い靄に包まれて消えた。
「消えた…?」
フレンが呆けたようにアレクセイが今居たあたりを見ていた。その時、ズキンッと俺の腕が痛んだ。
「っつ!」
俺はおもわず腕を押さえた。服が破けて血がドロドロと流れていた。
「ユーリ!大丈夫?」
フレンは俺の傷口に手をかざし、何かゴニョゴニョと詠唱をすると、傷口はすぐにふさがった。
「う…ん…」
「「んー…」」
同時にアイリッシュとイオとリオがうめいた。良かった。息はあったようだ。しかし、リタが起きない。
「あれ?リタ…は?どう、した…の?」
リオがリタを見て言った。俺はリタの首筋に手を当てた。微かに脈があるが、もう瀕死状態だ。サアッと血の気が俺の顔から退いていった。俺が、リタを…
「嘘…瀕死状態じゃない!」
リオが俺の手をどけて脈を確かめて言った。俺はただそこでぼんやりしていた。俺が…リタを…仲間を…殺した…?いや、まだ死んでない!大丈夫なはずだ!
「…の使いの…よ…たる…の力を…ナイチンゲール…」
リオが殆ど聞きとれない声で詠唱をして、その場に居た全員の回復をした。
「アレクセイ、何処に行ったのかしら…」
アイリッシュが言った。リタも静かに起き上がった。
「あれ?ユーリ、元に戻ったんだ。」
リタが目をこすって起き上がった。俺はゆっくりと頷き、立ち上がった。
「じゃあ、アレクセイを探しに行こうぜ。あの傷でそう遠くまではいけないだろうしな。」
俺は刀を鞘に収めながら言って、歩き出した。
〜第十七話へつづく〜
- Re: テイルズオブヴェスペリア 日常と非日常 ( No.22 )
- 日時: 2010/08/08 21:23
- 名前: リクア (ID: Nq/x9dV9)
第十七話
俺達はあの暗い地下から出て、光照魔導器(ルクスブラスティア)によって照らされている廊下へ出た。俺はふう、と溜息をついた。そういえば、アイリッシュの様子が暗い。当たり前か。あれけ大切そうにしていたリンクが居なくなったのだから。わざわざぬいぐるみの魂をいとこの身体に移してまでも、この世に留めておきたかった、クマのぬいぐるみ。フレンが心配そうな顔をしてアイリッシュを見ている。
「あの、大丈夫ですか?アイリッシュさん。」
そして声をかけた。と、一人の騎士が走って来た。
「フレン隊長、アレクセイ騎士団長閣下が!」
荒い息を整えて、後はフレンに何かを小声で言っていた。フレンの顔に緊張が走る。
「分かった。すぐに対処しよう。」
フレンは緊張を押し隠して、頷いた。騎士は一礼すると、また走って行った。おそらく、他の隊長にも報告するのだろう。
「フレン、あいつ、なんて言っていたんだ?すっげぇヤバそうだけど。」
俺はフレンに聞く。俺は大体の予想はできていた。だが、そんなことはあるはずがない、あいつができるはずがない、信じたくない。という感情を、フレンは読み取ったようだった。
「じゃあ、驚かないで聞いてね。アレクセイ騎士団長は、御剣の階にいるそうだ。あそこに行くためには、複雑な仕掛けをとかなきゃいけない。アレクセイセ氏団長は、分からないって言っていたけど、本当は知っていたに違いない。行こう!!!」
フレンは力強く言い、歩き出した。俺達は何分、城の中の構造を全くと言っていいほど知らない。だからフレンに頼るほか、御剣の階まで行く術が無いのだ。
ついに仕掛けがある部屋までやって来た。フレンが何か仕掛けを探すようにウロウロしている。
「何だぁ?お前、仕掛けの場所も分からないのかよ。」
俺はおもわずフレンに言ってしまった。あ、ヤベ。変に口出ししない方がいいんだよな。コイツ。しかし、フレンは意外なことに、少しまいったような顔で笑った。
「いや、いっぱい仕掛けがあるから、確認をしていたんだ。」
ほら、あそことか、と指をさすフレンの先を俺達は見た。複雑な細工が施されたレバーがあり、その横にはたくさんのボタンがある。俺はそれに近寄って見てみる。複雑な細工は、女神をかたどったもので、それらが対になるように描かれている。レバーそのものはどこにでもありそうなものだった。ボタンには、騎士団のマークが一つ一つに丁寧に彫りこまれていた。そのほかにもフレンに仕掛けを見せられたが、どれも同じように見えた。
「どれも同じじゃないんですか?」
アイリッシュが口を開いてフレンに問いかけた。フレンは首を振ると、レバーの周りにある細工の中を指差した。
「月…ね。」
じっと見てリタが言った。フレンは頷き、他の場所の同じ部分を指していった。それは、全てのものに描かれていたが、一つ違う点があった。
「これは月の満ち欠けね。」
「一番真ん中の仕掛けは満月だよ。」
リオとイオが気付いて言った。
「そう、一つだけ違うのが、彫りこまれている月の形。一番端っこは新月だけど、だんだん満ちてきて、真ん中のは満月。」
指を一本立ててフレンが言った。確かに、月の満ち欠けを表していた。俺達は、それをじぃっと見ながら、仕掛けを適当に操作していた。
「あー。もー分かんないよぉ・・・」
疲れてきたのか、イオがヤケクソになってボタンを押した。するとそれぞれの仕掛けに彫りこまれていた月からそれぞれ違う量の光が出た。その時、丁度満月が彫りこまれている仕掛けの前に居たアイリッシュが、悲鳴を上げて床に座り込んだ。
「大丈夫ですか!?」
フレンが真っ先に駆けつけて抱き起こす。俺達もそのあとに駆けつけた。
「目が、目が見えない…何なの!?この光は!」
両手で顔を覆っているアイリッシュの表情は見えない。フレンは何か小さく詠唱をした。光輝く魔法陣からでた光は、収束してアイリッシュの目に向かっていった。
「どう、ですか?目は見えますか。」
優しくフレンが聞く。アイリッシュが手を外して目を開けた。しかし、その瞳の色は海を思わせる鮮やかな青では無く、血の様に赤く光っていた。ズル、ズルと嫌な音を立ててアイリッシュの手のひらから何かが出てきた。ふつうはあり得ないのだが。俺達はそれを認めてサアッと血の気が引いた。俺が使っている刀、ニバンボシと言うらしいが、それとそっくりが刀がアイリッシュの手から出てきたのだ。それをブンッと横に一本振った。抱きかかえていたフレンに刀の刃が当たったが、鎧を着ていたから肉体には傷がつかなかったが、鎧が5,6mmほど削られていた。フレンは勢いよく後ろに何回か飛んだ。ゆらりとアイリッシュが立ち上がる。
「アイリッシュ!!アイリッシュ、どうした!俺の声が聞えないのか!?アイリッシュ!!!!」
俺は声の限りに言うが、全くアイリッシュはきていない。ゆらり、ゆらり、と揺れながら、俺達に迫ってくる。くそっ!俺はこのままアイリッシュを倒さなきゃなんねえのか!?俺達は、アイリッシュを絶望の目で見ることしかできなかった。
〜第十八話へ続く〜
- Re: テイルズオブヴェスペリア 日常と非日常 ( No.23 )
- 日時: 2010/08/08 17:47
- 名前: 林道 穏符 (ID: bbfUlH82)
こんにちわ
戦闘してるところがきめ細かに文章で説明してありとても面白かったです
続き楽しみにしてます。
- Re: テイルズオブヴェスペリア 日常と非日常 ( No.24 )
- 日時: 2010/08/08 20:55
- 名前: リクア (ID: Nq/x9dV9)
きてくれて有難う&コメ有難う!ではでは頑張って行きます!
>林道 穏符さん
- Re: テイルズオブヴェスペリア 日常と非日常 ( No.25 )
- 日時: 2010/08/20 12:31
- 名前: リクア (ID: 9mWysg1X)
第十八話
俺達は、あれからも必死でアイリッシュに呼びかけたが、アイリッシュは何も答えてはくれなかった。ただ呆けたようにその場に立っているだけだ。
「アイリッシュ!!」
俺がも何度目か分からない「アイリッシュ」と叫んだとき、この部屋のドアが勢いよく開かれた。それと同時に、懐かしくて、今は絶対に聴きたくない声が響いた。
「アーイリッシュー。いつまで逃げてるつもりだあ? さっさと寄越せええええ!闇の者の力ぁぁぁ!」
そう、あの男、シルヴァだった。シルヴァの腕には何か良く分からない魔導器が付けられていた。ゴウン、ゴウンと低い作動音がしている。どうやらシルヴァは俺達が見えていないらしい。まっすぐにアイリッシュに向かって走り出す。キンッと短い音がして、アイリッシュにの動きが完全に止まった。
「あ、はああああっ! う、うわああああっ!」
アイリッシュが苦しそうに身をよじりながら叫んだ。ニヤリ、とシルヴァの口の端が持ち上がる。いくつかの光の粒、がシルヴァの魔導器から出て行き、それが収束してアイリッシュにの身体を取り巻くようにしてぐるぐると回り続けている。やがて、アイリッシュはがっくりと膝を折って手を地面に付いた。
「はっ。これを使えば力も使えねえ、か。」
シルヴァが勝利を確信したような声で笑いながら言った。魔導器が付いた方の腕を荒い呼吸のアイリッシュの上にかざすと、七色の魔法陣が現れた。あいつ!アイリッシュに何かするつもりだな!俺は考える前に行動していた。地を蹴り、刀を振り上げて一気にシルヴァの背中を切りつけた。グッと小さく呻いて、シルヴァがよろめいた。後ろを振り向き、俺をみるなり、目を瞠った。尻もちを付きながら言った
「お前は、いつかの街で俺と…!」
そんなに俺が恐ろしいのだろうか?と思いながら、尻もちを付いているシルヴァを冷たい目で見下ろす。奴の目には、恐怖があふれている。冷や汗をかき、歯をガチガチと鳴らして、全く大人げない。いつの間にかアイリッシュの側にあった魔法陣も消えていた。あいつが集中している時にしかできないものなのだろうか?とまあ、仮説を考えながら俺はシルヴァの顎に刀の刃を少し当てた。
「俺の仲間に何しようとしていやがる? お前。」
俺は自分でも驚くほどに冷静な声で言い放つ。当のシルヴァは話せるかどうか話か分からない状態だったが。と、アイリッシュの周りに黒い靄が出てきた。リタがそれに気付き、走り出す。アイリッシュの手を取ろうとしたリタの手は、空をつかんだだけだった。アイリッシュは、黒い靄と一緒に消えていた。俺はそれに目を取られていたが、ハッとしてシルヴァに目を戻した。相変わらず怯えている。リオとイオが俺の横に立った。
「「とりあえず、こいつふん縛ってガソリンぶっかけておけばいいんじゃない?」」
と、笑顔で二人は物騒な事を提案した。俺はしばらく口をあんぐりと開けて驚いていたが、リタがそれに賛成したので、多数決では俺の負けでシルヴァを縛り上げてガソリンをぶっかけた。
「はぁい。それじゃあ質問会をしまーす! シルヴァさんは、なんでアイリッシュさんを追いかけてるんですかぁ? 答えなければ引火させて死んじゃいますよぉ。」
イオがひときわ大きい声で、そして明るい声でこれまた物騒な事をさらっと言った。
「んじゃあ私からも質問。なんであんたはそんな魔導器の使い方してるの? 魔導器がかわいそうでしょ!」
「はあい! 私からも質問! 闇の者の力ってなあに?」
「この三つの質問にこたえなければぁ、あんたは人間丸焼きになっちゃいまーす!」
リタとリオが質問したところに、追い打ちをかけるようにしてイオがまた物騒な事を言った。…いつからこんなに物騒な奴らになったんだ。俺のなかまは。
「ちっ…俺は紅の傭兵団(ブラッド・アライアンス)の一人として、アイリッシュを追いかけていた。上からの命令でな。魔導器は…まあ、支給されたヤツだ。それ以外は話せない。」
何故かシルヴァは闇の者の力について語りたがらなかった。そこが一番俺が知りたいのに。
「洗いざらい吐いちゃって下さい♪ それともー、丸焼きになりたいんですかぁ?」
ゴスッという鈍い音とともに、リオのこぶしが、シルヴァの腹をとらえた。あくまでも笑みを絶やさないリオの表情は、「さっさと吐けよ。」と言っていた。
「闇の者の力は、とても強力な力を持つ記憶のカケラと同じくらいの脅威を持っている…記憶のカケラは、物体として存在しているから目に見えるが、闇の者の力は、見えない…その力を持つ者と一体化しているからな。けど、その体内で特に力が集中しやすいのは…心臓だ。そこから特別な装置で力を抽出して固体にすれば、聖核(アパティア)にも、魔核(コア)にも、記憶のカケラにも勝る力を発揮する。それを使えば、帝国も、ユニオンだって潰せる…! この世界のトップになれるのさっ! はーっはっはっはっは!」
その場にいた全員が、なぜアイリッシュが狙われるのか分かった。特に俺は。アイリッシュとリンクのあの不思議な力は、闇の者の力だったんだ! しかし、それと同時に焦りも出てきた。それならば、アイリッシュの力を狙うやつが、これからも現れるとういことだ。早く見つけなければいけないという焦りが、俺達をいら立たせた。
「そこまで話してくれればいい。じゃあな。」
俺はシルヴァの首筋をトンッと叩いて、気絶させた。あの複雑な仕掛けはいつの間にかとけていた。俺達はそのドアをくぐって、御剣の階まで早歩きで走って行った。
〜第十九話へ続く〜
この掲示板は過去ログ化されています。