二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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爆想サザエさん
日時: 2011/05/03 11:42
名前: ACT (ID: 91b.B1tZ)

クリックありがとうございます。
国民的アニメサザエさんの2次小説です。
ダークな雰囲気になるのでそこは分かっておいてください。
グロありです。
では楽しんでください。

目次
>>1 プロローグ  
>>2 1       >>57 11
>>6 2       >>61 12
>>7 3        >>67 13
>>8 4       >>74 14
>>9 5       >>73 15
>>11 6       >>81 16
>>18 7       >>90 17
>>25 8       >>95 18
>>33 9       >>104 19
>>43 10      >>122 20



>>125 21     >>205 31
>>132 22     >>208 32
>>136 23【波平】 >>211 33
>>139 24【マスオ】>>216 34
>>157 25【タラオ】>>218 35
>>166 26     >>221 36
>>173 27     >>226 37
>>187 28
>>194 29
>>204 30

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Re: 爆想サザエさん ( No.216 )
日時: 2011/04/17 21:54
名前: ACT ◆ixwmAarxJ2 (ID: 91b.B1tZ)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode

34

「もー無理だぞ、磯野ォ。待てねえ。家売り払ってもらうぞ」
「そ、それだけはご勘弁を!!」

 俊敏な動きで波平は土下座をした。何度も何度も頭をコンクリートの床に叩きつけた。
 そんな波平を見た金井は、凍りそうなほど冷たい目で睨みつけた。

「お前のよぉギャンブルで貯めた借金やろ?自業自得やないか。お前も大人や、そのくらいの事はその小さい脳味噌でもわかるやろ。そうや、家を差し押さえすろぞ、差し押さえや」

 「大人」という言葉に波平は特に反応した。ここ数年、彼の生活はギャンブルだらけだった。毎日毎日パチンコ、競馬、そして金井達が経営する違法カジノ。大人らしき事は殆どしていなかった。
 カツオ……ワカメ……タラちゃん……サザエ……そしてフネ……、ごめん。
 改めて俺は最低な人間だった。
 バラバラになった磯野家。
 一家の大黒柱として、家だけは守らなければ。
 そんなことを考えていると、金井が立ち上がった。ここを出るらしい。波平は扉近くで金井に回り込み、頭を下げた。

「家だけは!家だけは止めてください!お願いします!何でもしますから!!」
「うるさいんやッ!さっさと退けェ!!」

 ブチッ!
 波平の中で何かが切れた。

「馬ぁ鹿ぁ者!!!!」

 波平は唾を撒き散らしながら怒鳴った。
 まるで昔カツオやサザエを叱ったように。

「誰に向かってそんな口聞いとんじゃ!」

 金井は渾身の力を込め波平を横から蹴った。
 波平がよろける。
 ここから起こることは何万分の1の確率の偶然が一致したからである。
 波平の老い。
 金井の蹴りの位置、強さ。
 そして磯野家の惨劇。
 波平がよろけた先には机があった。
 波平がバランスを崩し転倒する。
 そして、『偶然』にも机の角と波平の後頭部が重なる———。
 いや、偶然でなく、必然だったのかもしれない。
 ゴッ!っと鈍い音が室内に響く。
 波平はゆっくりと床に倒れ込んだ。

「か、金井さん……動きませんよ」

 神谷が戸惑う。金井は波平の後頭部に手をあてがった。脈は無い。

「チッ死んだか。しょうがない、臓器バンクにでも売っとけ。ちょっとは金の足しになる」
「磯野の家はどうしますか?」
「一週間後、差し押さえだ」
「はい!」


 こうして磯野波平は人々の記憶に残る事も無く、生涯を終えた。
 最期、一家の父としての威厳を取り戻したにも関わらず、その勇士が誰にも知られることはなかった。



 

Re: 爆想サザエさん ( No.217 )
日時: 2011/04/17 21:48
名前: ACT ◆ixwmAarxJ2 (ID: 91b.B1tZ)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode

キャラ作りは必死で考えました(笑)
個性豊かな奴ばかりです


波平……ありがとう!!!

Re: 爆想サザエさん ( No.218 )
日時: 2011/04/19 20:42
名前: ACT ◆ixwmAarxJ2 (ID: 91b.B1tZ)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode

35

 深夜零時。
 タラオの部屋には明かりが灯っていた。もちろんテレビの液晶画面から発しているものである。
 画面には無数のゾンビが無数に群がっている。銃や手榴弾、金属バットからナイフまで、様々な武器でゾンビ達を殺しながら進めていくシンプルなゲームである。日本どころか世界中でヒットしているこのゲームをタラオが持っていないはずはなかった。
 タラオはゾンビの姿を自分を虐めてきた奴らと重ねた。
 
「死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!」

 自然と手に力が入る。コントローラを壊してしまいそうな勢いだ。
 忌々しい虐めを思い出すと心の奥底から怒りが込みあがってくる。
 虐めっ子、いや、生ける屍が次々と呻き声を上げて倒れていくのを見て、タラオは体を震わせた。
 しかし今日はいつもより快感が少なかった。奴らの顔を思い出す。
 悔しい。
 
「復讐するです」

 何気なく呟く———復讐……?
 そうだ。あいつらに復讐するんだ。このままでは終わらせない。
 タラオはテレビのスイッチをオフにした。
 復讐だ……。
 


 翌朝、タラオはランドセルを背負った。何年振りだろうか、久しいなと、ニヤリと口を歪ませた。
 サザエの驚く顔を横目にタラオは家を出て行った。


 一振りのナイフを手に。
 


Re: 爆想サザエさん ( No.219 )
日時: 2011/04/21 18:43
名前: 満月の瞳 ◆zkm/uTCmMs (ID: A2bmpvWQ)
参照: .http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

サザエさんがここまで深い世界になるとは…!
あ、はじめまして。
満月の瞳という、しょーもないものです。
カービィ小説とか書いてます。
…ピアールしにきたんじゃないですよ(汗…。

幸せそうな家庭も裏返してみれば、崩壊して見えるものですね。
ACTさんの、すばらしい文章使いと、作品の世界観に感動しました。

更新がんばってください。
応援しています。

Re: 爆想サザエさん ( No.220 )
日時: 2011/04/22 18:47
名前: ACT ◆ixwmAarxJ2 (ID: 91b.B1tZ)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

久しぶりのお客様!!

ありがとうございます^^

更新頑張ります(^O^)/


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