二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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けいおん! 共学によって生まれた1つの恋! 第1章完結!
日時: 2011/01/25 22:11
名前: 藍那 ◆zCS1o.kilU (ID: Nf5qxtZ9)

  初めまして、藍那と言います


  SS作りますw

石田竜雅>>1
金城竜星>>17
01『転校!』>>2
02『部活!』>>4
03『集合!』>>8
04『真剣!』>>9
05『一緒!』>>10
06『想い!』>>13
07『信頼!』>>16
08『高鳴り!』>>19
09『応援!』>>21
10『練習!』>>22
11『不思議な気持ち!』>>35
12『互いの志気!』>>38
13『全員集合!』>>43
14『本番!』>>45
小説鑑定etcさせて下さい(`・ω・´)楓様の鑑定結果>>18

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Re: けいおん! 会いたくて—— ( No.9 )
日時: 2011/01/20 20:54
名前: 藍那 ◆zCS1o.kilU (ID: Nf5qxtZ9)

  4


  片腕を負傷しながらでも取れた優勝
  その代償として、この一年間卓球が出来なくなった
  別に後悔はしていない—— って、前回想してたよな

  「じゃあ石田君って、すごいんだねぇ〜」

  平沢がパチパチ拍手してくれた

  「う……すごいのかな」
  「すごいだろうな……全国って……私達の夢みたいなものだし」

  夢? 

  「軽音部に大会なんてあるのか? 」

  えっへんという田井中の声がした

  「うちらはねぇ、最終目標が武道館なんだよ!! 」

  あぁ、そういうことか——
  するとドアがまた開いた
  今度は男子だった、体操服を着ている
  ちょっとだけ——

  心に不安が生じた

  「あのーすいません! 石田先輩っていますか!? 」
  「いるよ〜この子だよぉ〜」


  平沢、この子って……
  そしてその男子の後ろに5人の男子がいて、俺に駆け寄ってくる

  「石田先輩ですか!? よければ俺たちの部活に入ってくれませんか!? 」
  「石田先輩みたいな人がいると、俺らもしかしたら全国行けるかも知れないんです!! 」

  どうしよう…… 何て言えばいいんだろう
  怖くて、怖くて
  震えてきた—— 

  「石田先輩が軽音部に入るなんて勿体ないっすよ!! 」
  「それよりも卓球教えてください!! 」
  「ちょっと、それはどういうこと!? 」

  田井中も流石にキレたらしい

  「え、でも、間違いなく卓球部のほうが活躍できますよ!! 」

  他の部員もクスクス笑っている

  「ちょっと、とりあえず今日は帰って。石田も相当困ってるから」

  秋山だ——
  神だ、神が俺に手を差し伸べた

  「ちぇ、でも諦めませんからね! 」
  「石田先輩が卓球部以外はもったいないんだ!! 」

  そう言って、卓球部員が全員去っていった——



  「悪い、助けてくれて」

  怖くて震えたこと、これには理由があるんだ——
  またいつか、話そうとは思っているんだけど

  「いや、……嬉しかったです。石田先輩」

  えっと……中野だったっけ

  「とにかく、軽音部に入ってくれてよかったよ」

  今度は秋山だ

  「ごめんな…… 」
  「らしくねぇぞ石田! 男はもっと元気よく! 」

  田井中がニコっと笑う

  「ありがとう。分かったよ」
  「あのさ……」

  秋山が恐る恐る質問してくる
  急にどうした?

  「石田は……左利きなのか? 」
  「あぁ、一応」

  さっきまでとは打って変わって、秋山の目が、どんどん輝いていく

  「私もなんだ!! 嬉しいな、左利きがいるなんて!! 」
  「秋山も? 」
  「うん、レフティが少ないからベース選び困るんだ」

  あぁ、同じ苦しみを分かち合う人がいたっていうことか
  左利き……サウスポーだとどうしても自分に合ったギターやベースが右利きにしかないことが多い……からだと思う

  「じゃ、今日はとりあえず石田のパートを決めないとな」
  「そうだねぇ〜石田君は何がいいの? 」
  「一応、キーボードとベースとギターとドラムはもういるぞー」

  ……選択肢が少ないじゃないかよ

  「じゃ、リズムギターとかハーモニカ……」
  「ハーモニカ出来るの? 」

  皆がずいっと近寄る……顔近いんだってば

  「あぁ、昔ピアノとギター習ってて、それが毎日毎日あったからたぶんつまらなかったんだと思う。それで気分転換にハーモニカ独学してた」
  「へぇ〜」
  「じゃあ、石田のパートはリズムギターとハーモニカな! 」
  「え、でも私もリズムだし、かぶるんじゃぁ……」

  中野の意見だ

  「中野はエレクトリックギター? 」
  「え、そうですけど……」
  「じゃあ、俺がアコースティックギター買えば問題ないだろ」
  「アコースティック出来るの? 」
  「そんな変わらないしな。明日練習すればすぐにでも弾けるようになるだろ」

  皆納得したらしい

  「よし、今家にあるのか? 」
  「いや、買うけど? 」

  皆唖然としている

  「今日買うんじゃ駄目なのか? 」
  「そんあすぐに金って……」
  「でるけど」

  俺の金銭感覚が間違っているのだろうか。いや、でも琴吹は頷いているしおれはおかしくないだろう

  こうして、軽音部の騒がしい一日は終わりを告げた——





  NEXT……

Re: けいおん! 会いたくて—— ( No.10 )
日時: 2011/01/20 21:45
名前: 藍那 ◆zCS1o.kilU (ID: Nf5qxtZ9)

  5


  「じゃあまた明日ね〜」

  もう日が暮れた後の帰り道、秋山と田井中とは先に別れ、その後に平沢と中野と俺で一緒に帰っていた
  どうも俺は中野と家が近いらしい

  「おう、お疲れ」
  「さよならです」

  平沢が家に向かって駆けていった
  すると不思議な現象が起こる
  待ち構えていたかのごとく、ドアが開いた

  え、平沢がもう一人……

  「お帰り、お姉ちゃん!! 」

  ……声が若干違うようだけど

  「憂ちゃんっていうんですけど、唯先輩より一つ年下なんです」
  「そうなんだ……出来る妹って感じだよな」
  「うん、そうですね」

  ドアで待ち構えるなんて、やり手じゃないと出来ないな。クスッ

  「ってか、似てる…… 」
  「似てますよね…… 」





  俺は今、中野と二人で歩いている
  そういえば、女子と二人で歩くなんて初めてかもしれない—— 
  ……って、やべ。そういう風に思うと意識してまうからやめとこ
  とりあえずアコースティック買わないと始まらないしな

  「ここらへんでレフティギター売ってる店知らない? 」
  「この近くだったら商店街にありますよ? 」

  ……商店街にレフティがあるのか。何かすごい店だな

  「で、それはどっちへ行ったら? 」
  「えっと……あっちいったりこっちいったり……あれ? 分からなくなってきました」

  おいおい

  「近いからすぐ案内出来ると思うので、一緒に行ってもいいですか? 」

  お、よかった。俺方向音痴だから助かった
  言葉じゃ説明できないような場所っていったい……

  「じゃ、頼むわ」

  ……なんていったら馬鹿にされそうだから秘密にしておいたのはここだけの話





  「着きました! 」

  で、連れて来られたのが商店街に聳える店
  想像していたのよりもきれいだな
  自動ドアが開き、俺達は店の中に入っていった
  ギターの独特な匂いが、俺達を包み込む

  「ギターはどこにあるんだ? 」
  「下の階です」

  商店街にある店なのに綺麗で地下もあって高級そうな物ばっかり。なんだってんだここは

  「あ、そうだ。ここってムギ先輩のお父さんの会社の系列だそうですよ」

  あぁ……納得


  下にはいろいろな種類のギターが置いてあって、中野なんか色々目が移っていた
  で、今はレフティーキャンペーンとかでレフティギターが多く売られているらしい
  で、俺はアコースティックのギターを見ている間、中野はあらゆるギターを触っていた

  「うーん、どれが一番いいかな……」

  幸運にもアコースティックが多く売られていて、選択肢が広がったけど、その分迷いが生じる
  そんなときに、中野が戻ってきた

  「どうしたんですか? 」
  「ん、種類が多くて今迷ってる……」

  中野がアコースティックを一つずつ手に持っていく
  そして、一つの黒いギターを俺に持ってくると、手に持たされた

  「これなんか、竜雅先輩なら重さも手頃だし、持ち易いそうだし。ただ……」

  確かに持ち易いし重さも丁度良い。ただ……?

  「これ、30万円するんですよ—— 」
  「……」
  「だから、これを基準にもっと安いのを—— 」
  「いや、これでいいよ」

  俺は黒いギターを手にレジへ行こうとした


  「え、ちょ、竜雅先輩? 」
  「どした? 」


  「だってそれ、30万円ですよ!? 」
  「それで? 」
  「いや、だから……」

  はぁ。と溜息をついて中野がそういった
  完全に、言葉に詰まったらしい

  「……ありがとう」
  「え? 」

  きょとんとしている


  「中野がせっかく選んでくれたこのギター。解体と思ってさ。そんでもって大切にしたいって思ったんだ」
  「え……」

  そして、俺は引き止められた手を離された

  「すいません。このギターください」
  「ありがとうございます! 30万円でございます」

  中野があたふたしている。どうやって払うのかと考えているようだ
  そりゃあ決まってるだろ

  「カード払いで」





  「まさか……あれを一括払いで……」

  中野が未だに驚いている

  「そうか、そんなに変か? 」
  「そうですよ!? 澪先輩を除いて皆変な人ばっかり!! 」

  俺、なんかしたかな——
  って、秋山以外変態って言ってるのと同じだよな

  「でもこれで、明日から練習できますね!! 」
  「あぁ、明日には感覚を身に付けて弾けるようになってるさ」

  とりあえず、これでいいかな?

  「あの、聞きたいことがあるんですけど……」

  中野が俺に擦り寄ってくる

  この部活、近づいてくる奴が多い——

  「竜雅先輩って……もしかして男子が嫌いですか? 」















  え?
  何で、どうして











  それが分かったんだ?





  NEXT……

Re: けいおん! 会いたくて—— ( No.11 )
日時: 2011/01/12 20:37
名前: 藍那 ◆zCS1o.kilU (ID: Nf5qxtZ9)

あげておくんだ

Re: けいおん! 会いたくて—— ( No.12 )
日時: 2011/01/12 22:11
名前: 藍那 ◆zCS1o.kilU (ID: Nf5qxtZ9)

  石田の人生に誰も突っ込むなww

Re: けいおん! 会いたくて—— ( No.13 )
日時: 2011/01/13 22:54
名前: 藍那 ◆zCS1o.kilU (ID: Nf5qxtZ9)

  6 澪side


  律が腕を頭に回し、私はすこしうっとおしくなった髪を結びながら話をしていた


  「はぁー、今日は色々あったなー」
  「そうだな……」


  と、言っても。こんな感じの会話なんだけど


  まぁ今日のことを振り返ってみる


  石田の入部があったことだ


  ってか……
  石田って、何か今までの学校にはいないような男子だよな……何かを想ってくれてたり、それをけなす奴を嫌ったり、やってほしいことを出来る限り応えようとしてくれたり。あれで卓球が出来るって聞いたし、勉強は出来るかどうか知らないけど—— 


  「ん、おーい澪ー」


  顔がかっこいいしなぁ……ちょっと気になるよな……


  「……ふじつぼが……びっしり」
  「キャアアアァァァァァァ!!! 」


  何何何何何何一体なんでふじつぼがぁぁぁぁぁぁ!!!!!!


  律が耳元で囁いた唇を離した
  私は今現実逃避をしようと「見てない見てない」を繰り返し言っている。こんなまだ日も暮れていない夕焼け空の下、私はしゃがみ込んで現実逃避をし続けている


  「冗談だよ澪。悪かったな。澪に何言ってもぼぉっとしてたからどうすれば気付いてくれるか考えた結果、ふじつぼがぁ……びっしりとぉ……」
  「きゃあぁぁぁ!!!! 何も見てない聞いてない感じてない食べてない!!!! 」
  「……何が食べてないんだよ、悪かったって」


  律が私の頭を撫でてくれる。もう、ふじつぼふじつぼって何回も言うなぁ! 
  ようやく立ち上がった私に、律が問いかけてくる


  「で、それで、何を考えていたの? 」
  「え……」
  「澪が何か考えてる顔をしてたからさ。もしかして……石田の事? 」


  ギクン——
  何で、バレてるんだ……? 
  でも、少しだけしか考えてないのに——
  考えているだけで、石田の事を意識しちゃうんだ
  あれ、なんか体が温かく……


  「……顔真っ赤だぞ、もしかして図星だったか」
  「!? 」


  しまったぁぁぁぁ!!! 何か顔が、顔が真っ赤になってるぅ! 
  必死に自分の少しだけ冷たい手で、少なくとも今の私の顔よりは間違いなく冷たい手で顔を冷やそうと考えた


  「……澪、もう真っ赤になっているところ見ちゃったから、隠そうとしても無駄だってば。それより、石田の事……気になるの? 」
  「……分かんない」
  「そっか」


  何で気づかれちゃうかなぁ……私って、何か顔に書かれているのかな……誰かが落書きしてるんだ。って、そんな訳はないか。
  やっぱり、ずっと一緒にいる律には気付かれちゃうのかな——


  日も暮れて、空も暗くなってきたころ。昼は確かに春、という暖かさを感じたが夜になってみると、まだ冬が残っていた


  「じゃ、私家に着いたし帰るわ」
  「うん、お疲れ」


  ばいばーい。と声をかけ、律の姿が消えた


  「このまま、帰ろうかな……」


  いつもは家の近くにある河川敷でうるさくならない程度にベースの練習をしていた。少しでも上手くなるために、そして、もっと人を喜ばせるために—— 
  だけど、今日は何故か気が乗らなかった
  石田が入ってからぼっとしてる——
  やっぱ仲良くなりたいなぁ——
  それだけで、頭がいっぱいになる


  キュウウゥゥゥゥン……


  「……? 何の音? 」


  その練習をやめておこうかと思っていた河川敷を通り過ぎる時に、エレキギターのような聞き覚えがあるわけではない、少し低かった音。
  それには、神秘的なものを感じた


  「——!? 石田……!! 」


  河川敷で練習していたのは、ちょっとさっきまで考えていた、あの石田だった。たぶん今日部活が終わったらすぐに買ったんだろう、あのアコースティックギターを、少しも音をずらさず——


  「お、秋山」


  向こうも私に気付いたみたいだ。石田は毛付コートを着てマフラーをして、とにかく風邪はひかないようにしよう。という感じのコーディネートだ


  「どうしてここに? 」
  「中野がアコースティックわざわざ選んでくれてさ。今すぐに練習したい気持ちになって、帰ってすぐに練習に集中できそうな所を探してたら、歌詞が浮かびそうな所を見つけてさ。ここで練習することに決めた。家じゃ外へ出たくなって練習に集中できないしな」
  「梓が一緒に行ったの? 」
  「あぁ」


  梓……いいなぁ
  少し嫉妬、しちゃうかも


  「秋山も練習で? 良かったら一緒に練習しよう? 俺分からないところがあってさ」
  「……いいの? 」
  「あぁ、迷惑じゃなかったら」


  梓、さっきの撤回
  私にも、チャンスが巡って来てくれました——


  NEXT……


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