二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ONE PIECE—裏切りの白魔導士—オリキャラ男子限定募集
日時: 2011/04/30 17:27
名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)
参照: http://ameblo.jp/ff7-perfume-love-y

クリックありがとうございます!
Aerithふたつめの作品でございます!
おそらく先の見えない小説になると思います。

あ、タメOKか聞かなくていいですよ。
わたしはぜんっぜんOKですので!!^^

題名に白魔導士と入っていますが、フェアテとの合体ではありません!


※こんなひとはpush the back !

1 更新は亀以上のノロさです。それがいやな人。
2 他人の中傷、荒らし、わいせつ、恋人募集関係の話題をしたいかた。
3 キャラ崩壊するかも・・・。それがいやな人。
4 文才無いのに書くな!と思う人。
5 ストーリー(原作)と織り交ぜたりする部分もあると思いますので、めちゃくちゃなのがダメなひと。
6「Aerith嫌〜〜い。」という人。
7ワンピなのに恋愛込み嫌!という方。

♪逆にこんな方 Let's read my story♪

1 はぁ?何だこの駄作。だめだだめだ、これはおれのアドバイスが無いと朽ち果てちまうぜ!
2 あ、ワンピースですか?私も好きなので読ませてもらいます!
3 我は尾田栄一郎師匠を敬愛するもの。この小説の欠落した部分を直させるため、はせ参じた。
4 よっすAerith、見に来てやったぜ!
5 あ、ここ間違ってる。あ、ここも。ほらほらしょうがないなぁ。漢字間違い見つけてあげるよ!



○゜*・..・*゜○゜*・.SPECIAL THANKS.・*゜○゜*・..・*゜○
【花魅華様】記念すべき、最初のお客様です!!感謝です♪
【右左様】(元:氷兎様)わざわざシリアスから来てくださいました・・・((号泣 その上、神とまで・・・((号泣
【花影様】何度も足を運んでくださり、神と称えてくださいました((号泣
【ジュリエッタ様】ワンピ小説仲間でいらっしゃいます!白ひげ海賊団のお話です!
【柚麻様】ワンピ小説仲間でいらっしゃいます!一緒にがんばりましょうね!お客様の欄の書き方マネてしまいました!勝手にすいませんorz
【nata様】同級生です!文才すごいので読んでみてください!コメディです♪
【葵様】リィフにときめいてくださっています!^^
なまくら将汰様(わざわざ探していただきました!わたしの存在を!感謝です!!
【Jasmine様】陰ながら読んで下さっていたとの事・・・!嬉しいです♪
【高野 蓮様】わたしの小説が原作を忠実に再現してていい!と言われました。あ、目から水が・・・。
【遊 様】小説に遊びに行かせて貰っていたらきてくださいました♪
【リリア#♪様】ノリのよろしい方です♪一緒にいて楽しいです(爆
【ミズキュウラ・ドラッテ様】わざわざファジーから・・・!ゆえは今もだえ死にそうです(笑


さて。いろいろなお客様の訪問により、
そして賞賛のお言葉により、
私は今、号泣しすぎて干からびそうです(笑

コメを入れてくださると作者は感動で精神崩壊を喫します。
恐らくそれかキャラ登場⇒図に乗った作者に鉄槌⇒作者死亡
という流れができております。←


○゜*・..・*゜○゜*・.目次.・*゜○゜*・..・*゜○   ○゜*・..・*゜○゜*・.サブ○゜*・..・*゜○゜*・.
   —序章—

>>1  プロローグ                           >>6 登場人物紹介 ルフィ〜ウソップ
>>10  #1  麦わら                       >>7 登場人物 サンジ〜フランキー
>>13  #2  “鷹の目”と同等の力を持つ剣士        >>8 登場人物 オリキャラ
>>14  #3  is Before 〜世界最強VS海賊狩り〜
>>15  #3  is After 〜病〜
>>16  #4  青っ鼻のたぬき
>>17  #5  癒しの力
>>20  #6  屋敷
>>23  #7  覇王色の覇気
>>24  #8  少年
>>25  #9  許婚
>>29  #10  8人目
>>30  #11  涙
>>33  #12  出航初日の夜明け
>>39  #13  紫霧の中で


第一章 スリラーバーク編

>>47  #14 魔の海の冒険
>>57  #15 〝死んで骨だけ〟
>>63  #16 ヨミヨミの実
>>82  #17 スリラーバーク
>>112 #18 手なずけ
>>119 #19 〝違う〟
>>127 #20 〝9億ベル・ジャックポット〟
>>136 #21 毒
>>144 #22 氷美の姉妹 翡翠の石 毒牙

*:.。..。.。o○*サブ:.。..。.。o○*

>>66  ONE PIECE RESTAURANTS OPEN
>>132  オリキャラ用テンプレ 

〜Aerithのその他の作品〜

1人VS世界。【FFXIII】            (二次。作者名=Aerith)
Ultima Fabula—〝最後〟の物語—  (ファジー。作者名=Aerith)

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Re: ONE PIECE—裏切りの白魔導士— ( No.22 )
日時: 2011/01/27 22:59
名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)
参照: http://ameblo.jp/ff7-perfume-love-y

ジュリエッタさん!
てかこれ作って数分後にそっち行ってたよw

Re: ONE PIECE—裏切りの白魔導士— ( No.23 )
日時: 2011/01/31 20:49
名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)
参照: http://ameblo.jp/ff7-perfume-love-y

   第七話 覇王色の覇気



大きなこげ茶色の船。
リィフはその前で立ち止まり、少々面倒くさそうに一息ついた。
そして船の甲板上空までとても高く、跳躍する。

ゾロはひと跳びで船より遥かに高い位置までとんだリィフの姿を顔をしかめつつ見ていると、走り出した。
酒を片手で持ったまま、船の裏側からメインマストまで登る。



船の上の海賊達はリィフの想像通り、今から村を襲撃———な雰囲気だった。
部下共は全員甲板の上で武器を取り出していた。

しかし満月を背に高く跳躍した人影に気づき、指差し、口々に叫ぶ。
夜空へ跳躍したリィフは何回転か空中で繰り返すと、甲板の上に右手と両足で着地する。
甲板の床を見る形で着地するとゆっくりと顔を上げた。

「—————————— っ!!!?」

三下の海賊達は口から突如泡を大量に吹いてバタバタと崩れるように倒れていった。
ビリビリという空気の震えは、リィフから発せられたものだった。
船長らしき大男を残して船員はひとり残らず気絶した。

「は・・・覇王色の覇気・・・!!?」

男は辺りを見回し、怯えたようにリィフを見た。
自分ひとり残してあたりの仲間が一瞬にして倒れたらそうもなるだろう。
しかし片側だけ月光に照らされていたリィフの顔は見るものを恐怖と言う名の強い魅力で凌駕するものだった。
碧色の瞳には残忍さが滲んでいた。

「消えなさい。目障りですわ」

リィフが冷たく言い放つと、男も泡を吹いて倒れた。







碇の外れた船は、リィフの操る波によって沖へと運ばれてゆく。
あっけなかった。
そう思い、船の流れる方向に背を向け、歩き出す。

「———待て」

後ろからした声に、リィフは黙って立ち止まった。
そのまま、ゾロは心に浮かんだ疑問を口にする。

「わたくしはわたくし。それ以外の何者でもありませんわ」

ゾロはもうそれ以上問い詰めることはなかった。








「・・・見つけた」

夜道歩くふたりの遥か上空、大木の頂点に立っていた少年はそう言ってにやり、勝利と歓喜の笑みを浮かべた。
その少年は一瞬にして消え、大木の上に人を見かけた人は自分の目が見間違いをしたここと思っただろう。
しかし確かに少年はついさっきまで、そこに立っていたのだった。






「ひょ〜〜〜〜!ひょお!ほほいっへはんら??」
「何語だよそれ;」

鼻から口にかけて割り箸を突っ込んでいたルフィは、ゾロが帰ってきたことに気づき、変な言葉で話しかけた。
恐らく「よぉ〜〜〜〜!ゾロ!どこ行ってたんだ??」と言っていることは想像がついたが、あえて放置。

「はひはいほ(わりばし語)」
「・・・」
「ぶっひゃっひゃっひゃ!ふひー!ひょへはいほ〜〜〜!!(ルフィ、それサイコ〜〜〜!!)」

船長とウソップは同じ状態の顔、同じ言葉になっていた。
ナミとチョッパー、フランキーはテーブルの上の2人を見て(チョッパーは一緒に立っている)、爆笑する。
微笑んだリィフは、再び席を外した。



「ゴホッゴホッ・・・!ハァ・・・ハァ・・・うっ!!」

喉元にまで上り詰めたものをなんとかこらえる。
しかし口元に当てていた白いハンカチをみると、やはり赤いものがべっとりと付着していた。

壁に拳を叩きつける。

「はぁ・・・はぁ・・・。この、役立たず・・・。わたくしは、まだ・・・」

ずず、と壁に手をついたまま、暗い廊下でひとりリィフは四つん這いになって大量の血を吐いた。
口元から流れた血液をぬぐう。


この役立たずの体は、一体いつまで持つの・・・?


わたくしの望む、上下関係のない世界を見るまで、この体はもつの・・・?

「お嬢様!!」

じいやが走りよってくる。
治療せんとする、その手を振り払う。じいやは手を押さえながら、愕然とした顔をしていた。

「お・・・お嬢様・・・な「触れないで!」」

今のじいやの残り魔力じゃ治療をしたじいや自身が死んでしまう。
リィフはそうわかっているから、あえて冷たくあしらう。

動揺する執事をにらみつけ、よろめきながら一人でなんとか立ち上がった。

「このくらい・・・なんともないわ。いつもどおり・・・。いつもどおりよ」

深く、深く深呼吸した。
なんとか呼吸を落ち着け、リィフは再び立ち上がる。
満月のところに何かがよぎった気がしたが、それを気にする余裕をリィフは持っていなかった。
じいやはそこに棒立ちになったまま、ただただリィフが立ち去ってゆくのを見ているばかりだった。

「じいや。みんなが食べ終わったら大浴場へ案内して、その後ホールに連れて行ってね。ベッドは他の執事達に用意させましたので。わたくしは薬を飲んできます」

先程とはうって変わったしっかりとした声でリィフがそう言い、階段を上りきったところでちょうど海賊たちが部屋から出てくる。
口々にご満悦の様子で、笑っている。
じいやはリィフのことが心配だったが、主人の命令とあらば聞くしかなかった。

「・・・皆様、大浴場へご案内いたします。終わりましたら呼んでくだされば、寝室のホールまでご案内します」
「大浴場だって!」
「うっほーーー!踏んだり蹴ったりだな!」
「・・・至れり尽くせりだ、アホ。」


               *                                *


海賊達が浴場で体を清めている間、リィフは部屋でさっきチョッパーに手渡された薬を飲んでいた。
今まで飲んだどんな薬よりも効くようで、彼女は心中この出会いと麦わら海賊団の船医の能力の高さに感謝していた。

Re: ONE PIECE—裏切りの白魔導士— ( No.24 )
日時: 2011/01/31 20:51
名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)
参照: http://ameblo.jp/ff7-perfume-love-y

   第八話 少年


寝室へ案内されたルフィたちは、寝室の定番『枕投げ』に走っていた。
初めはウソップが投げた。当然狙撃手であるから、狙いは命中。
ルフィが「ぶへっ!」といって枕の不意打ちを食らう。

「やったなコンニャロ!!」
「ぎゃははははは・・・ぶっ!」

狙いから大きくそれた外れたルフィの枕はチョッパーの顔面にある意味見事に命中する。
こうして、枕投げ合戦は幕を切ったのであった・・・ぶっ!

なぜか作者にも流れ弾。

「さっきから解説うっせーわ!てかなんだてめ、誰だよ!」

この小説の作者ですが・・・。

馬鹿3人をはじめ、なぜか男子軍は全滅ハイテンションと化した。
サンジはなんとか女子への攻撃を防いでいるが、そのかわり人一倍顔面に当たる回数が多かった。

「レディに当てようとするなんざいい度胸だクソ剣士!!」
「ああ!!?うるせぇよ黙ってろグルグルが!」
「かっち〜〜ん・・・。グルグルとはなんだこのクソまりも!!」

コックVS剣士の壮絶な戦い(※注:枕投げです)が始まる・・・。
いつの間にかその他の男子どもはそれを観戦していた。
野次をとばし、それあっちだそれこっちだと叫ぶが、時折枕の乱舞の被害を受ける。
しかし互いに笑いあい、ふざけている。
女子の2人はベッドの向こうに避難し、ひっそりと話していた。

「なんでここの男子は馬鹿ばっかなのかしらね」
「ふふっ!いいじゃない。にぎやかで」

苦笑いするナミとにっこりするロビンは内心、いつになったら寝れるのだろうと思った。







やっと眠りについた海賊たちは、ほぼ爆睡していた。
その中、船長のルフィがむっくりと起き上がり、「べんじょ」と言ってそこを後にした。




大理石のテラスが、月光をたたえて冷たく静かな輝きを放っている。

リィフは大きな満月を見上げて白いガーデニングチェアのうえ、ひとり目を瞑って息を吸い込んだ。
静かな調べが、夜空に、夜気に、森に、村に響いた。
まるで子守歌のごとく静かで、それでももっと神秘的で、物悲しいような曲調が。


                     トキ
“手を広げ 歌いながら 悠久の 刻に抱かれ 命をつなぐ”———。



“永く 続く この道の 向こうに 信じられる ものが きっとある———”



歌は響く。


それはリィフ本人も癒すものだった。
歌い終え、リィフは赤い瞳をゆっくりと開く。
うしろに気配を感じるものの、リィフは前を向いたままそ知らぬフリをした。

「お前、歌うめ〜な!」
「・・・そう、思います?」
「ああ!うめ〜よ!」

ルフィはただ、その言葉を繰り返した。
乱暴な言葉使いだったけれど、リィフには最高級の褒め言葉に聞こえた。

今まで執事達以外の人間に歌を褒めてもらうことなんてなかったから。

「・・・ありが、と・・・」

変な感じ。
ふわふわする。自分が自分でない感じ。

木々が風に吹かれ、木の葉がざわめいた。
自分の金髪に近い色をした、銀髪が風に吹かれるのが目の端にちらちら映る。


“——————————”


「・・・??」


“—————————テ”

何か、聞こえた。
ルフィのほうに振り向くが、彼はきょとんとした顔をしている。

聞こえて、いない・・・?


“——————クル。——テ”

どこから?

この声、最近聞こえるようになった声ですわ・・・。
わたくし意外、誰にも聞こえない“声”。

“クルヨ。アイツガ、クル。ニゲテ・・・”


あいつ?

来る?

誰が・・・?

辺りを見回すが、自分達以外に人影も気配も感じない。
ふといきなり左側の茂みが動き、リィフたちはそれに気をとられる。


                                    しかし、それは罠だった。


反対方向——右側から、細長いツルがしゅるりと伸びてくると、ロープのごとく右手首に巻きつく。
ブッた斬ろうとするも、そう思って挙げた左手首にもツルが巻きつく。

「リィフ!!?」

ルフィが叫ぶ。
助け出そうと乗り出すが、どこからともなく降ってきた釣鐘型の檻の中に閉じ込められる。

「なんだコンニャロ!!」

彼の力ならば簡単に破壊できるであろう植物の檻は簡単には外れず、むしろ力を奪っていくようだった。
海楼石・・・!?
檻はどんどん高くつるされる。

中からでてきたゾロとサンジはあっけにとられてその光景を見ていた。
ゾロが斬りつけるも、ふたりのツルは斬れない。
否、斬れないのではなく当たらないのだ。

刀は植物を通り抜ける。まるで、幻がごとく。

リィフは木が自分の体の下から急激に成長してくるのを見た。
必死の抵抗も空しく、木はほぼ身動きの取れないリィフの体に巻きついて大きく成長する。
首と腰に幹が強く巻きつき、リィフは下手に抵抗すれば首が絞まりそうなところまで、大木に捕らえられる。

これ・・・。この能力を扱えることのできる人物は、ひとりしかいない。
はっとして、ツルが切れて自由になった手で葉を千切り、投げる。
葉は小さなナイフと化し、一本の木に突き刺さる。

「お見事。流石、能力は前よりも劣っていないようで何よりだよ」

一本の木の裏から少年がひとり、ゆっくりと歩み出てくる。
少年の瞳はリィフと同じ、紅蓮の花のように赤かった。

Re: ONE PIECE—裏切りの白魔導士— ( No.25 )
日時: 2011/01/31 22:47
名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)
参照: http://ameblo.jp/ff7-perfume-love-y

   第九話 許婚


髪の色も、瞳の色も同じ。
そして彼の中にもリィフと同じ、“創造主”の血が流れている。

恐らく思想だけは、わたくしと正反対だけれど———————。

「誰だてめェ!!リィフちゅわんと(リィフちゅわん・・・?とリィフ本人は思った、)うちの船長を返せ!!」
「ブラン・・・」

リィフの静かなつぶやきに、サンジは黙りこくる。
少年——ブランは、不敵な笑みを浮かべたままゆっくりと木陰から出てきた。
下の自由な二人が身構えるが、手を出してブランはその二人を制する。
                        フィアンセ
「手は出さないで欲しいね。じゃないと僕の婚約者が傷つくことになるから」
「「フィアンセ!!?」」
「・・・なんだそれ。うまいのか?」


            ・・・—————ボーン・・・—————・・・

今、読者の中ではこの効果音が流れただろうことは作者は承知済みなので、あえてつけさせてもらった。
だいたい、うまいって何ですの?あなた、食いしん坊のデブでもない(食いしん坊は合っている)でしょう・・・。

「フィアンセってのは婚約者だろ、婚約者!!結婚を約束されてる奴だ!」
「あ〜〜・・・。不思議約束か!」
「違ぇわ!」

こんな状況でも船員二人のツッコみに爆笑する船長は・・・やっぱり、3億にはとてもじゃないけど見えないわね・・・。
強さは賞金額相応だったけれど。

「3年見なかっただけなのに随分と変わったね。“子供らしさ”が消えて、いい感じだよ。ますます僕の妻に相応しい」
「妻も許婚も婚約者もこの際関係ないですわ。どっちにしろ、こんなことをする人はわたくしは嫌ですわ!!」
「無駄な抵抗は止めなよ。その歌声も、地位も、能力も全部手に入れる。どんな手を使っても———ね」

発せられたその言葉にリィフの背中へ悪寒が走り、冷や汗が一筋、頬を垂れる。
志気を高めるため、ゆっくりとある方向を指差し、リィフは言う。



                     その方向には—————ルフィ。


「わたくしの婚約者は、もう決まってますわ」

「「「!!!?」」」





当然の、沈黙。



「な、何か文句でもありますの??」
「よ・・・よりによって、下々民の、しかも海賊と、だって・・・!!?」

燃え尽きたようにサンジは口をぽかんと開けて突っ立っている。
ブランの怒りに震えた声が聞こえるがリィフは優越に浸るのではなく、ブランのつぶやきの中の単語を見逃さなかった。


「下々民、ですって・・・!?今の言葉、取り消しなさいッ!!人も魚人も人魚も海賊も、全部平等ですわ!!」

リィフは大木の締め付けに抗い、精一杯大木を蹴るがびくともしない。

悔しい。

ただただ、そう思った。
締め付けは抵抗の影響で更に強くなり、リィフはうなり声を上げる。

「それは自滅だよ、リィフ。・・・さて、これ以上いても意味がなさそうだね。僕は彼女と一緒においとまさせてもらう」
「!!」

暴れるリィフ。
しかし大木の締め付けは強くなるばかりで、一向に抜け出せる気配はない。
サンジがブランに蹴りかかるが、彼は消えた。

「!?消えた!!どこだクソ野郎ッ!!!」
「後ろさ」

驚いたサンジは振り返り際に回し蹴りを発動するが、ブランは再び消える。
リィフのいる大木の下へ現れたのを発見したサンジは駆け出すが、なんとブランは空中へ浮かび上がる。
衝撃な顔で見上げる二人をよそに、ブランはリィフの縛られている高度まで飛び上がる。

体が大木から開放され、自由になったと共に彼女の体にツルが巻きついた。
そのまま自由の利かないリィフをお姫様抱っこする。

「この愚か者っ!馬鹿っ!!馬鹿馬鹿っ!!汚らわしい手で触らないでっ!!」
「どこでそんな言葉を覚えたんだい?そんな言葉を使っては———??」

後ろからした騒音に、ブランは言葉を切って振り返る。
二人とも、目を見開く。
見ると、背後にはルフィの巨大化した腕が檻を突き破って目前まで迫っていた—————。

「おれの船の音楽家に———」

ルフィが憤怒の形相で叫ぶ。
巨人族と同じくらいの大きさの腕が迫る———。

「手ェ出すなぁあああああああああああ!!!!」

ブランは拳をまともに食らい、吹き飛ぶ。
彼の腕から開放されたリィフはルフィたちのほうへ向け、空中へと放り出された。
格好つけてサンジがジャンプし、空中のリィフをキャッチした。

サンジのその行動に、少しばかりリィフは見直す。

「ご無事でしたか、マドモアゼル・・・これで私と婚約していただけ「檻の破片が当たってれば良かったのに」」

訂正。やっぱり見直したりなんかしませんわ。









朝日が昇る—————。



                シルエット
朝日と同じ方向から、ひとつの影。        シルエット
ああ、朝日の前にわたくしを救ってくださった英雄の影が・・・

「よっ!無事か?」

・・・小っさ!!

「あの・・・。あなたの方こそ、大丈夫ですの??」
「ん?あ、これか?今の技使うと反動でこうなんだ、気にすんな!」

なっはっはっは、と明るく笑い飛ばす。

本当に明るくて楽しいひと。
リィフは先程とっさに出た自分の一言が真実になればいいのに、と少なからず思っていた事に自身で気づかなかった。

Re: ONE PIECE—裏切りの白魔導士— ( No.26 )
日時: 2011/02/01 16:43
名前: 右左 (ID: 8hgpVngW)

来ました!!
……神が降臨しましたね(^^)←
ありがたや、です。

応援します!! 頑張って下さい!!


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