二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 薄桜鬼 〜恋雨録〜
- 日時: 2011/02/16 23:26
- 名前: うい (ID: VxqablIi)
薄桜鬼にはまりすぎたあまり
自分で物語を作ってみたくなり
やっちゃいました(^^)
コメント大歓迎!
微妙と思う方、不快に感じる方
ただ荒らしたい方などは戻ってください!泣
がんばりまーす
- Re: 薄桜鬼 〜恋雨録〜 ( No.13 )
- 日時: 2011/02/19 18:48
- 名前: うい ◆U2fwXad6qI (ID: VxqablIi)
- Re: 薄桜鬼 〜恋雨録〜 ( No.14 )
- 日時: 2011/02/20 14:31
- 名前: うい ◆U2fwXad6qI (ID: VxqablIi)
>>12
想いを告げて数日
俺は彼女に惑わされる日々を送っていた
困った顔 起こった顔
沈んだ顔 すねた顔
微笑み 満面の笑顔
いろいろな彼女を見て
そうさせている俺がいること
彼女のその多々ある表情は
俺がそうさせているという事実
俺には十分すぎるほどの自信がついた
ある日の朝
朝餉のため広間に集まっていた
みな揃い、あとは雪村だけというとき
「千鶴おっそいな〜」
「あいつが寝坊なんてめずらしいな」
平助の言葉に佐之が答える
確かに
ここに来て初めてではないだろうか
少し心配になってきた
「しょうがない奴だなぁ。
おい、誰か起こして来い」
「えー、土方さんが行けばいいじゃないですか」
「なんだと?」
副長と総司は何やら言い合っているようだが
俺は佐之に見てくるといって
広間を出た
外はとても寒く
雪が積もっていた
雪村の部屋に行く途中
なんだか庭の方に見覚えのあるものが見えた
あれは……雪うさぎ?
それも雪が積もってないのを見ると
昨晩か
まさか……
俺は雪村の部屋に急いだ
「雪村、入るぞ」
返事を待たず部屋に入る
すると彼女はすやすやと寝息を立てて寝ていた
俺は少し安堵したが
彼女の表情が少し辛そうに見えた
額にはうっすら汗が出ていた
やっぱり
予想は的中した
「雪村、雪村」
とりあえず起こそうと声をかける
彼女はゆっくりと目を開き
あたりを見渡していた
「雪村、起きたか」
「斎藤、さん?
なぜここに?」
「お前が起きてこないから
心配してきたのだが……」
「顔が赤いな」
彼女の体を支えながら起こすと
体もやや熱を持っているようだった
彼女の目は潤んでおり
呼吸も荒い
「風邪、だな」
まったく
あれほど言ったのに
俺は呆れてため息をつく
雪村の表情が少し曇った
「大丈夫か?」
「はい、大丈夫です」
「今副長たちに報告してくる。
飲み物と薬をもってくるから
少し待っていろ」
「は、い……」
俺は雪村を寝かせ
広間に戻った
広間ではみなすでに朝餉に手をつけていた
俺は副長に報告すると
薬を受け取り
雪村の看病を言いつけられた
というか
申し出たのだが
再び雪村の部屋に戻ると
彼女は苦しそうに笑顔を作る
「申し訳ありません。
ご迷惑おかけしてしまって」
「そう思うならもうするな」
俺は持ってきた薬を渡し
茶をいれる
「お前はなぜ
いつも夜に外に出るんだ。
前に風邪を引くからやめろと言っただろう」
「すいません。
つい……」
しょんぼりする彼女は
いつもの雰囲気とは違っていた
熱のせいだろうか
体が上気し頬を紅くし
目をうるませた彼女は
いつもと違う魅力があった
「もう夜に外にでるな」
「……」
返事をしないまま下を見ている
「雪村」
「だって……」
雪村を俺を見て
言う
「だって夜の外は……」
−続く
- Re: 薄桜鬼 〜恋雨録〜 ( No.15 )
- 日時: 2011/02/20 23:25
- 名前: うい ◆U2fwXad6qI (ID: VxqablIi)
>>14
雪村は申し訳なさそうに
しかし少し照れくさそうに
「だって
雪の日の夜は
まるで斎藤さんみたいで…つい///」
俺は自分の体が一気に熱くなるのがわかった
こんなこと言われて
しかも相手が想い人だというのに
普通でいられるはずがなかった
「お、れみたい…」
「はい///」
俺たちの間には
なんとも恥ずかしいような間が続いた
俺も雪村もやや下を見
互いに目をやることができなかった
雪村がいつも
雪の積もる、降る夜に外に出ていたのは
俺のようだからと
その言葉の意味に
心が何かで満たされたようだった
「な、何故俺は
雪の夜みたいなのだ?」
「えっと…
静かで綺麗で
冷たい感じなのに
なぜか雪があるとうれしくて……
だからでしょうか」
「斎藤さんがいるようで
夜は外に出たくなってしまって///」
そうか
だから言っても聞かなかったのか
そう理由ならうれしいものだが
しかしやはり体調を崩しては意味がない
「だが
もう夜に外には出るな。
今回のように風邪を引く」
「…はい。
申し訳ありませんでした」
雪村の寂しそうな表情
そうまでして俺といたいと思ってくれているのか
とても嬉しくなる
そして愛しさがどんどん積もっていくのがわかる
「代わりに」
「え?」
「その代わりに
俺がお前の傍にいてやるから」
「え…///」
自分でもわかっている
恥ずかしいことを言っていることくらい
しかし俺も
雪村といたいと思ってしまったのだ
−続く
- Re: 薄桜鬼 〜恋雨録〜 ( No.16 )
- 日時: 2011/02/21 01:31
- 名前: うい ◆U2fwXad6qI (ID: VxqablIi)
>>15
「俺がお前の傍にいてやるから」
そう言ったとき
俺は純粋に
雪村の傍にいてやりたいと思った
体調を崩してまで俺を傍に感じたいと
そう思ってくれた雪村が愛しくて
大切に思って仕方がなかった
そのときの雪村は本当に愛らしく
そして嬉しそうだった
その姿を見て俺も嬉しくなる
幸せなときだった
「あ、あのっ!
本当に傍にいてくれますか?」
「あ、ああ」
「あ……
ありがとうございます!」
満面な笑みを見せてくれる
一緒にいるだけで笑ってくれるなら
いくらでもお前のために時間を作ろう
俺ができることなら
お前のために何でもしてやろう
それで笑ってくれるなら
「おーい
入るぞー?」
その豪快な声の主は佐之だった
「お、千鶴。
起きてて大丈夫か?」
「あ、原田さん。
おはようございます」
佐之は雪村の前にしゃがみ
彼女の額に手を当てる
「熱いなぁ。
腹でも出して寝てたのか?笑」
「ちょっ!違います!!」
「雪村。
そんなに興奮するな」
雪村の焦る姿に佐之がおかしそうに笑う
俺はその姿を見て
少し佐之がうらやましくなった
嫉妬などとは違う
俺には引き出せない雪村を
佐之は引き出してしまう
それがうらやましくなった
「そういえば、斎藤。
朝餉早く食わねぇと
新八に奪われるぞ」
「あ、まだ召し上がってなかったんですね!
すいません」
「いや、今から行く。
またあとで来るから
お前は寝ていろ」
はい、と言って笑いかけ
雪村はふとんに入る
俺はそれを確認し
佐之と部屋を出た
−続く
- Re: 薄桜鬼 〜恋雨録〜 ( No.17 )
- 日時: 2011/02/21 21:56
- 名前: うい ◆U2fwXad6qI (ID: kKmRLwWa)
>>16
佐之と広間に向かう途中
「ん?
ありゃなんだ?」
佐之の視線の先には
庭からひっそりとこちらを向く
雪村が作った雪うさぎだった
「なんであんなもんが?
あー…、さては千鶴かぁ。
庭であんなもん作って風邪引きやがったな」
「どうして雪村だとわかるのだ」
「そりゃあんなかわいらしいもん
他に誰が作るんだよ」
確かに
佐之は俺とは違い
女への接し方などがうまく
女を喜ばせる方法も知っている
その佐之が雪村に対し優しくしているのも
それは雪村が女でありか弱いから……
わかってはいても
気になるものは気になるのだな
「あの雪うさぎは
俺だそうだ」
「あ?
あれが斎藤?
うさぎみたいだって千鶴がいったのか?」
「いや、
俺は雪の日の夜のようなんだそうだ」
「へぇ」
佐之は俺と雪うさぎを見比べ
小さく笑う
「千鶴らしいな。
そんなに斎藤が好きなのか」
「なっ!?」
俺は目を丸くし
耳まで赤くなるのがわかった
「なんで知ってるかって?
んなもん見てりゃわかる。
総司や土方さんあたりは気づいてるんじゃねぇか?」
佐之は呆れたように笑い
手をひらひらと振りながら広間に向かった
俺はそんな佐之を見送りながら
あまりの恥ずかしさに動けなかった
−続く
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