二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 薄桜鬼 〜恋雨録〜
- 日時: 2011/02/16 23:26
- 名前: うい (ID: VxqablIi)
薄桜鬼にはまりすぎたあまり
自分で物語を作ってみたくなり
やっちゃいました(^^)
コメント大歓迎!
微妙と思う方、不快に感じる方
ただ荒らしたい方などは戻ってください!泣
がんばりまーす
- Re: 薄桜鬼 〜恋雨録〜 ( No.3 )
- 日時: 2011/02/17 14:40
- 名前: うい ◆U2fwXad6qI (ID: VxqablIi)
>>2
僕は昼も夜も巡察に行けない日々が続いた
土方さんが外に出してくれないんだ
たまに一君や新八さん辺りが隊服に血をつけて帰ってくる
僕はそのたびに胸が締め付けられて
すごくもどかしい
今日も部屋の布団の中
つまらない 退屈
外にでて刀振るいたい
僕はその衝動を抑えるかのように
自分の刀の手入れを始める
君は一体
何人の血を吸ってきたの?
そんなこと聞いたところ
僕自身の記憶でさえもそれはわからない
いちいち斬った奴の顔や名前は
覚えてられないから
「総司、起きてるか」
「!!近藤さん!」
襖が開き、近藤さんが入ってきた
僕が少しうれしくなった
僕は近藤さんの、特別だから
「具合の方はどうだ?何か不便はないか?」
「体調は全然大丈夫です。たまに咳が出るくらいで……。
でも!問題はありません」
「そうか、それはよかった。
すまないなぁ。なんだか監禁しているようになってしまって」
「いえ、でも……。僕も新選組の力になりたいです」
僕は近藤さんに、巡察に出してもらえないかと頼んでみる
しかし答えは決まっている
「すまないな。出してやりたいんだが、歳がな」
土方さんが僕を邪魔する
いつだってそうだ
僕を邪魔者扱いする
「僕は、まだ戦えます」
「わかっているさ。総司の剣の腕は確かだし、少しの体調不良くらいじゃ負けないことも」
「だったら!!」
「しかしな。ちょっとじゃないから、駄目なんだよ」
労咳じゃなくて
ただの風邪だったら
僕はまだ戦えるのに
近藤さんが僕を心配してるのはわかる
もちろん土方さんだって
僕のことを思って巡察に出さないのも知ってる
でもやっぱり僕は
剣に縋るしかないんだ
「失礼します」
襖が開き、千鶴ちゃんが入ってきた
「おや、雪村君」
「あ、近藤さんもいらしたんですね。もう一つお茶持ってきますね」
「いや、そろそろ出るから。
じゃあ総司、また何かあったら呼びなさい」
「……」
僕は答えなかった
近藤さんが困った表情で出て行く
部屋の中はすごく静かになった
「沖田さん、お茶入れますね」
黙ってお茶を入れてくれる
僕に気を使ってるの?
すごくむかつくよね
「君はさ。いつだって土足で僕の中に入ってくるよね」
突然だった
なんだか彼女を見てると
ぜんぶ言ってやりたくなる
「僕はまだ戦えるのに!まだ刀はここにあって、魂もあるのに!!
僕は足手まといなんかじゃない!
これじゃ…新選組にいる資格がないじゃないか!!
君は新選組でもないくせに巡察に同行して
みんなと楽しそうに笑って
僕より全然弱くて守ってもらわなきゃ生きれないくせに
なんで君のほうが新選組らしいんだ!!!
僕は新選組一番隊組長、沖田総司なんだぞ!!!」
言い終わったあと、僕は息を切らしていた
久しぶりにこんなに叫んだ
僕の中のものが一気に出た気分だ
−続く
- Re: 薄桜鬼 〜恋雨録〜 ( No.4 )
- 日時: 2011/02/17 20:20
- 名前: 音色 (ID: APpkXS4D)
初めまして!薄桜鬼大好きでs((
読ませていただきました
ういさんの小説すごく切なくてお上手な小説ですね^^
更新楽しみに待っています。頑張ってください!!!
- Re: 薄桜鬼 〜恋雨録〜 ( No.5 )
- 日時: 2011/02/18 02:11
- 名前: うい ◆U2fwXad6qI (ID: VxqablIi)
>>4 音色さん
ありがとうございます(^^)
沖田さん見てると切なくなるんですよ
更新がんばりますね!
- Re: 薄桜鬼 〜恋雨録〜 ( No.6 )
- 日時: 2011/02/18 02:36
- 名前: うい ◆U2fwXad6qI (ID: VxqablIi)
>>3
言い終わった後
ハッとなり彼女に目をやる
すると彼女の目には
うるっとしたものが溜まっていた
「な、んで……」
なんで君が泣くんだ
泣きたいくらい悔しいのは僕なのに
なんで、なんて
答えは決まっているのに問いてしまう
僕の言葉に傷付いたから
それ以外なにがあるんだよ
だから女の子は嫌なんだ
弱くて 脆くて
すぐ泣く
守ってもらわなきゃ生きていけない
めんどくさくて
嫌いだ
「もう出っててくれないかな。
お茶はいらないから」
僕はふとんに潜りこみ
彼女に背を向ける
今は彼女の顔も
気配すら感じたくない
だけど一向に彼女は出て行こうとしない
それどころかピクリとも動こうとしない
なんで?
僕は彼女に目をやると
目に溜まっていた涙は
スーッと頬を流れていた
彼女の目には僕の顔が映っている
「なんで、なんでなの」
なんなんだろ
胸のあたりがギュッとする
「君が泣くことなんてないだろ!!
辛いのは僕なんだよ!?
君はただ毎日お茶入れて
のほほんとしてればいいんだからいいじゃないか!!!
僕は、僕は戦えなきゃ
ここにいる資格がないんだよ!?」
僕は勢いで立ち上がって怒鳴っていた
彼女を見下ろす
すると彼女はなぜか
フッと笑顔になった
「なんで、笑うの?何かおかしかったかな?」
苛立ちと胸の辺りの気持ち悪さで
棘のある言葉しか出てこない
「沖田さん」
すると君は僕の手をとり
「ありがとうございます」
お礼を言った
その後君は僕の手を引っ張って
布団の上に座らせる
手を強く握ってくれてる
「やっと、やっと本音を言ってくださいましたね」
君はまた笑った
泣いてるのに
笑ってる
「知っていました。
沖田さんが苦しんでいるのも
今の状況を悔しがっているのも
みなさんと一緒にいれないことに寂しがっているのも。
でも私には想像することしか出来ませんから
沖田さんの辛さを全部知ることは出来ません。
だからいつか沖田さんが弱音を吐いてくれたとき
全部聞こうって決めていたんです。
でも沖田さんはいつも大丈夫、とだけしか言わないし
話を逸らされてしまうので……。
やっとおっしゃってくれて嬉しいんです。
私のことをいくら言ってくださっても構いません。
沖田さんがそれで胸の中の重りを軽くされるなら
私はすべてを受け入れます」
よく言うよ
泣いてるくせに
君はそう言って
さっきよりも強く僕の手を握った
また優しい笑顔で受け止めてくれる
君は僕の
心を見てくれる
「千鶴ちゃん」
「はい」
「ごめんね」
「いいえ」
そうして僕も
彼女の手を握り返した
いつのまにか僕の胸の重みも気持ち悪さも消え
なぜかあったかくて優しい気持ちになっていた
「また、話を聞いてくれる?」
「はい。いくらでも」
「また傷つけるかもしれないよ?」
「傷付きませんよ」
「なんで?」
「沖田さんですもの」
ああ
君は本当に変わってる
僕はその日
いつもよりも早く床に着いた。
−続く
- Re: 薄桜鬼 〜恋雨録〜 ( No.7 )
- 日時: 2011/02/18 03:49
- 名前: うい ◆U2fwXad6qI (ID: VxqablIi)
>>6
「沖田さんですもの」
そう言った君の顔は
なんだか照れくさそうに
そして優しい顔をしていた
あの時僕は
君の気持ちを知れたみたいで
嬉しくなった
こんな僕でも
必要としてくれる人がいるんだから
なのに
「おい、千鶴。
茶を頼めるか」
「はい、すぐお持ちしますね」
彼女は広間を出て行った
今日は広間で巡察の報告会
僕は言ってないけど
近藤さんが呼んでくれたんだ
だからここにいるわけだけど……
なんなの、あれ
まるで彼女が土方さんの小姓みたいに
お茶を入れてるなんて
確かに彼女は土方さんの小姓だけど
あんな笑顔でいなくたっていいだろ
僕の前では泣いてばっかのくせに
どうにも納得いかない
「最近は不逞浪士の数を減ってきたみたいだな。
だがまだ薩長の奴らは身を潜めてるだろうよ」
「池田屋事件の後から新選組の名が挙がったからな。
この羽織を見て悪さしようなんざ考える馬鹿は
さすがにいねぇだろうが……。
やっぱ薩長も慎重になってきてるんだろう」
「やっぱここは一日休養とか考えて
みんなの体力を蓄えてもしもの時に備えた方がいいんじゃねぇか?」
「新八、そりゃお前が休みてぇだけだろ」
「だって佐之!俺ら最近休みなしだろ!?
少しは一日寝てたい日もあるだろうが!」
さっきまでの真面目な話から
新八さんの馬鹿ばかしい話になってしまった
土方さんは何も言わず呆れてるし
佐之さんは新八さんをなだめるのに大変そう
「土方さん、お待たせしました」
「ああ、悪いな」
彼女は土方さんの隣、か
気に食わないよね
「ねー土方さん」
「なんだ、総司」
僕はもう
止まらないよ
「僕を巡察に出してくださいよ」
「あほか。お前を出せるわけねぇだろうが」
「だって、僕元気ですよ?咳しか出ませんし」
「その咳が問題なんだろうが。
いきなり何言いやがる」
「そうですよ、沖田さん。ちゃんと寝ていないと」
君は土方さんの肩を持つの?
僕の味方はしてくれないの?
いらいらする
「千鶴ちゃんは僕の味方になってくれないの?」
「え、あの……」
僕は彼女を睨む
まるで蛇に睨まれた蛙みたいに
おどおど
言い返せないみたい
「お前な、千鶴はお前の体を心配して言ってんじゃねぇか」
そこで土方さんが入っちゃ
僕の苛立ちも限界を超えるよ
「ふーん。
心配、してくれてるんだ。
同情じゃないよね?」
「え?」
僕は彼女に冷たい視線を送ると
広間から出た
同情なんていらない
なんで違うって
はっきり言ってくれないの?
君なら言ってくれると思ったのに
この前の千鶴ちゃんの言葉
思い出すだけで今は心が軋む
『すべてを受け止めます』
だったら言葉通り
僕の言葉の全部を受け止めてよ
僕の心を読んでよ
どうして僕は
君にはいじわるしちゃうんだろうね
ひどいことばかり言っちゃうよね
でも君にしか言わないって
気づいてくれないかな
僕は自分の部屋に戻り
襖を閉じた
−続く
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