二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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相身互いのネクローシス【神様のメモ帳×夏目友人帳】
日時: 2011/08/19 13:43
名前: 細玲雄 (ID: Uvcwa5h/)

 こんにちは!「細玲雄」と書いて、ガリレオと読みます!(うわっ無理やり・・・・・

 相身互いのネクローシス【神様のメモ帳×夏目友人帳】をクリックしていただき、本当にありがとうございます。

 この作品の舞台は、神様のメモ帳となっています。そこに、転校してきた夏目がinするので、妖怪はあんまでてきません・・・・orz

 ちなみに、細玲雄は基本アニメしか見ていないので、原作無視で(というか原作知らない)「ん?」ってなることが多少あると思いますが、気にしないで読んでくれるとありがたいです。

 オリキャラも出てきます!よろしくお願いします。



≪P.S.≫

 細玲雄は、コメントをもらうとメチャメチャ喜んで泣き叫びます。特にオリキャラに関してコメントをいただくと、喜んで泣き叫びながら踊りだします。ΣΣ(゜д゜lll)

 コメント、お願いします!(*`・ω・´)ノ゛

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Re: 相身互いのネクローシス【神様のメモ帳×夏目友人帳】 ( No.19 )
日時: 2011/08/20 14:18
名前: 細玲雄 (ID: Uvcwa5h/)

 僕も馬鹿だ。

 夏目が心配で追いかけてしまうなんて。

 夏目は不思議な奴だ。見えない何かが見えているようで、それでいて人と関るのが苦手みたいで、心を開かないで。

 まるで、昔の僕のように——————————。

 彩夏と出会うまで、僕はいつも一人だった。

 彩夏が僕の世界を変えた。

 だったら、僕は———————

 僕は夏目の世界を変えることができるのだろうか。


「夏目!」

「!・・・・・・藤崎、どうして」

「僕も行く」

「え・・・・」

「一人よりはましだろ。頼りないかもしれないけど・・・・・・」

「藤崎・・・・・・ああ、ありがとう」

「・・・・頼りないって言ったところは否定してくれよ」

「え?」

「・・・・いや、なんでもない」

 実際頼りない。アリスにいつも言われているから自覚はしているが。

 男子トイレに入る。

 すると、やはりそこにタバコを吸った不良集団がいた。

 全員僕らをガン見した。

 平坂組で慣れているせいか、昔よりは恐怖を感じなかった。

「ぁあ?誰だてめーら」

「なんか文句あんのか?ぁあ?」

 本庄は一番奥の方にいた。左目の眼帯を隠すように、前髪が左だけ長い。あれが、本庄だ。

 夏目を見る。

 夏目は、しっかり本庄を見ていた。

 ・・・・・・・・あれ?

 僕は、本庄がだれなのか教えていないのに、どうして・・・・・?

「本庄。」

 本庄が、僕らを見る。

「君に、話したいことが・・・・・・」

「てめぇ、何話し続けてんだよ!」

 不良の一人が夏目に殴りかかった。

 一瞬の出来事で僕は動くことすらできなかった。

 大きな音がトイレ中に響き渡ると、夏目は力なく倒れていった。

「夏目!!」

 僕はすぐに駆け寄る。

 心の中では言わんこっちゃない、と叫んでいた。

「大丈夫か?」

「・・・・・ああ、・・・」

 夏目は口から血を出していた。それでも、本庄を見ていた。

「スミレ・・・・」

「あん?」

「スミレが、見えないのか・・・・・・?」

「・・・・・・・!!」

 その時、本庄の顔色が変わった。

「てめぇ、さっきから、何を言ってやがんだ!」

「ナメてんのか?ああ!?」

「スミレが、見えないのか!?本庄!!」

 なんで、こんなにも強気なんだ。

 これ以上不良どもを挑発したら、生きて帰れないぞ・・・・。さすがに恐怖が僕を襲う。

「・・・・・・スミレ?何のこと言ってんだ?」

 本庄の答えだ。

 夏目はひどく絶望したような目の色に変っていた。

「嘘だ!見えなくても、覚えているはずだ!」

「・・・・・てめぇ、ウゼぇんだよ。消えろ」

 見えている?何のことを言っているんだ?

 そんな疑問を持つなか、本庄の声で不良どもが一斉に僕らを殴りにかかった。

Re: 相身互いのネクローシス【神様のメモ帳×夏目友人帳】 ( No.20 )
日時: 2011/08/20 14:40
名前: 細玲雄 (ID: Uvcwa5h/)

「痛って・・・・・」

「ごめん、藤崎・・・・・・」

「いや、大丈夫・・・・・」

 あの後、不良集団にフルボッコにされて、僕らは屋上にいた。

 夏目は悪くない。・・・・・・・だと思う。

 ただ、夏目があんなふうに挑発したりしなければ、こんな目には合わなかったんじゃないか、ていう気持ちはある。

「・・・・・・それにしても、手加減なかったな」

「うん・・・・・。本庄って、ああいう人だったのか・・・・・」

「・・・・僕の話聞いてた?」

 あれほど危険だって言ったのに、聞かなかったのは夏目じゃないか。



「悪かったな、手加減なくて」



 後ろから、声が聞こえた。

 見ると、そこにいたのは本庄遥希だった。

「わぁぁっ、ほ、本庄!」

「・・・・・本庄・・・・」

 本庄は、僕らを見ると何かを二つ投げた。見ると、オレンジジュースだった。不良のくせに随分と幼稚な飲み物を買うんだな。

「それ、やるから許してくれよ」

 僕らのけがはジュースごときでまかなわれるのか・・・・・。

 何度も思うが、僕って安い・・・・。

「で、お前、夏目って言ったっけ。転校生の」

 本庄が夏目を指さす。

「お前・・・・・・見えてるのか?」

 また、だ。

 見えてるとか見えてないとか。いったい何なんだ。

「・・・・・はい。」

「そこの、藤崎とかいうやつは?」

「・・・・・僕?」

「・・・・・見えていません」

 見えてない?だから、何がだよ。

「じゃあ、消えろ」

「え?」

「お前には関係のない話だ」

「え?え?」

 そのまま僕は締め出される。

 本当に、なんなんだ。

Re: 相身互いのネクローシス【神様のメモ帳×夏目友人帳】 ( No.21 )
日時: 2011/08/20 15:00
名前: 細玲雄 (ID: Uvcwa5h/)

 スミレは少年を探すために、ずっと俺の傍らにいた。

 藤崎の話を聞いていたスミレは、何度も何度も叫んでいた。

「それは、あの子じゃない」と——————————。

 しかし、現実は残酷だった。

 本庄は、あの少年だった。

 本庄を見たときのスミレの顔が、今でも頭から離れない。

 とても悲しそうに、それでも愛おしそうに。

 そして俺たちが暴行を受けていた時も、必死に本庄に向かって叫んでいた。やめてくれ。こんなのあなたじゃない。あなたは私を一人にしないでくれた心優しい人なのに。

 でも、きっと本庄も分かっている。スミレのこと。

 それでも、見えていないのかもしれない、と思った。

 一度もスミレに目を合わせなかった。見えていないんだと思った。

 その予感は的中した。

「この左目の眼帯の下・・・・・・・何も無ぇんだよ」

「え・・・・・」

「親父に、目ン玉つぶされてさ。それ以来、妖怪を見ることができなくなっちまった。」

「親父さんに・・・・!?どうして」

「わかんねぇよ。人が変わっちまったみたいに・・・・。昔は、妖怪の見えた俺を、気味悪がらずに接してくれた優しい人だった。だけど、本当に、人が変わったみたいに襲い掛かってきた・・・・・」

 そういう本庄は悲しそうだった。

 スミレも、悲しそうに本庄に触れた。それでも、本庄は気づいてくれなかった。

「・・・・・スミレが、見えるのか?」

 本庄は、俺に尋ねた。

「・・・・・・ああ。そこにいる。」

「・・・・!!」

 本庄はあたりを見渡す。

 しかし、見えない。

「ッ・・・・・・・そうか。いるのか。」

「・・・・・・妖怪が見えなくなるってどんな感じだった?」

 不謹慎かもしれない、と思いながらも俺は一番知りたかったことを口にした。

 小さいころは、何度も妖怪が見えなければいいのに、と思った。

 妖怪が見える姓でいじめられていた俺にとって、妖怪が見えない人たちは、誰もが幸せに見えた。

 でも、今は違う。

 今は、いろんな妖怪と出会って、いろんなことを感じられた。感謝していることもあった。

 本庄はどうなんだろう。

 妖怪が見えていたころは、少なくとも俺と同じ思いをしてきていたはずだ。

 妖怪が見えなくなったら、どうなるんだろう。

「・・・・・・・寂しくなったよ」

「え・・・・・・」

「今まではさ、見えなきゃいいのにって思ってたのにさ。いざ見えなくなると、こんなにも寂しいものなんだな。」

「・・・・・・・・・そっか」

Re: 相身互いのネクローシス【神様のメモ帳×夏目友人帳】 ( No.22 )
日時: 2011/08/20 15:08
名前: 細玲雄 (ID: Uvcwa5h/)

「ふっ藤島くん、どうしたの、その怪我!」

 教室に帰ると、彩夏が駆け寄ってきた。

「ああ、ちょっと・・・・・」

「もー、ちょっとじゃないよぉ。あれ、夏目君は?」

「・・・・・本庄と話してる」

「え?大丈夫なの」

 見えてないのか?

 夏目が言った言葉だ。

 何のことを言っていたのかわからない。

 それでも——————僕に訳を話してくれてもいいじゃないか。

「・・・・・大丈夫だよ。きっと」

 何が大丈夫なんだよ。

 自分自身に問いかけても答えは出なかった。

 夏目に聞かないと、答えは一生でないだろう。

Re: 相身互いのネクローシス【神様のメモ帳×夏目友人帳】 ( No.23 )
日時: 2011/08/20 15:30
名前: 細玲雄 (ID: Uvcwa5h/)

 少し話した後、本庄は屋上から姿を消した。

「・・・・・・スミレ・・・その・・・」

「いいのでございます。あの方の名前は、本庄遥希様というのでございますね。」

 スミレがやせ我慢をしているのは手に取るようにわかった。

 それが俺にとっては辛くて、何とかしてやりたい気持ちになったんだ。

「・・・・・・私にもう少し力があれば、またもう一度、人様の姿に化けることができるというのに・・・・・・」

 悔しそうだった。

 目の前にいるのに、見えない。

 どれほど辛いんだろう。

「ま、力をなくした自分を責めることだな」

「うわっ!!に、ニャンコ先生!!」

「まったく、これだから豚猫はデリカシーがないよねぇ」

「ひ、ヒノエ!」

 突如としてニャンコ先生とヒノエが現れた。

「ど、どうしてここに・・・・・」

「暇だったからねぇ、様子を見にきてあげたんだよ。ま、豚猫じゃあやっぱり頼りなかったね」

「誰が豚猫だー!私は高貴なる妖怪だぞ?その高貴な私に向かって豚猫とはなんだー!」

「あ、ありがとう、ヒノエ・・・・」

「話には聞いていたけど、スミレだったかい?あんたも。すっかり力が弱くなっちまって・・・・」

 ヒノエはスミレに顔を近づけた。

「知っているのか?」

「こいつはね、昔あたしたちと共に住んでいたんだよ」

「え・・・・?」

「でも、不思議な力を持つこの髪を狙って現れる妖怪から逃げ惑ううちに、こんなところに来ちまったって訳さ。じゃなきゃ、レイコがこんなところにわざわざ来て名前を奪うわけないだろう?」

「そ、そっか・・・そうだよな」

 確かに、レイコさんがそこまでしてスミレにこだわるはずもない。

「何か・・・・・力を取り戻せる方法はないのか?」

「え?」

 ヒノエに頼んでみる。

「スミレは、初恋の相手と話したがっているんだ」

「夏目様・・・・・・」

「その人は、昔妖怪が見えていたんだけど、今じゃ見えなくなってしまったんだ・・・・・。だから、スミレが人に化けるくらいの力があれば、もう一度昔のように、話すことができるんだ」

「・・・・・・そこまで、妖怪に尽くす理由があるのかい?」

「・・・・・・放っておけないんだ。俺も、スミレの力になりたいと思ったんだ」

「・・・・・・。」

「おい、ヒノエ。お前、まさか手伝うつもりなのか?」

 すると、ヒノエはにやりと笑った。

「面白いじゃないか。それに、あたしは夏目を気に入っているんだ。あんたには関係ないよ、ブサ猫」

「なぁっ!誰がブサ猫だー!!」

「ヒノエ!じゃあ・・・・・・」

 ヒノエは、キセルを一服、ふーっと煙を吐いた。

「カンナギの雫というものがある」

「カンナギの・・・・雫」

「不思議な水晶でね。妖怪の力を高めるらしい。ま、高めるにも儀式が必要なんだけどね。」


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