二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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相身互いのネクローシス【神様のメモ帳×夏目友人帳】
日時: 2011/08/19 13:43
名前: 細玲雄 (ID: Uvcwa5h/)

 こんにちは!「細玲雄」と書いて、ガリレオと読みます!(うわっ無理やり・・・・・

 相身互いのネクローシス【神様のメモ帳×夏目友人帳】をクリックしていただき、本当にありがとうございます。

 この作品の舞台は、神様のメモ帳となっています。そこに、転校してきた夏目がinするので、妖怪はあんまでてきません・・・・orz

 ちなみに、細玲雄は基本アニメしか見ていないので、原作無視で(というか原作知らない)「ん?」ってなることが多少あると思いますが、気にしないで読んでくれるとありがたいです。

 オリキャラも出てきます!よろしくお願いします。



≪P.S.≫

 細玲雄は、コメントをもらうとメチャメチャ喜んで泣き叫びます。特にオリキャラに関してコメントをいただくと、喜んで泣き叫びながら踊りだします。ΣΣ(゜д゜lll)

 コメント、お願いします!(*`・ω・´)ノ゛

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Re: 相身互いのネクローシス【神様のメモ帳×夏目友人帳】 ( No.14 )
日時: 2011/08/20 12:40
名前: 細玲雄 (ID: Uvcwa5h/)

「桜が散り始めるころだったでしょうか・・・・・・。その日は珍しく大木の陰から人様を見つめていました。すると後ろから・・・・・・」

「なんだ?蛇でも現れたのかー」

「そんな訳ないだろ、先生」

 スミレがほほ笑んだ。懐かしそうに。愛おしそうに。




『ばぁっ!』

『きゃあっ!!』

 人様の子が私を後ろから押して驚かしました。

 本来逆の立場だろう、と笑っても構いません。その子供は、楽しそうに笑いながら私の傍らに来てくださいました。

『なんでそんなところで隠れているの?どうせ、あいつらには見えないんだからさ』

『ああ・・・・・貴方は私が見えるのでございますね。』

『うん、見えてるよ。だから俺も一人だったんだ』

『・・・・・・見えると一人になるのでございますか?』

『そうだね。・・・・・・みんなには見えないから、気味悪がられるんだ。だから、一人になるんだ。でも、お前は見れてよかったな』

『え・・・・・・・?』

『お前の髪、すっごい綺麗だね。なんか、たまにキラキラ光って、天の川みたいだ』

 その時の少年の言葉がとても嬉しかったのです。今まで、髪を狙われて襲われたことが何度かありましたが、私もそこそこ強い妖怪だったので、追い払うことができました。

 その時、いつも思うのです。こんな髪、無ければよかった、と。

 それでも、その少年の言葉のおかげで、私は初めて、この髪に誇りを持ち、そして守りたいと思えたのです。

『・・・・・・あの方々にも見えれば問題ないのですね?』

『え・・・・・?』

 私は、そこそこ強い妖怪です。

 ですから、人様の姿に成ることができました。

『ねぇ、あそこの美人な子、誰だろう』

『あ、×××と一緒にいるよ?』

 人様が私のことを見て不思議がっているのが少し可笑しかったのです。

 私は少年の手を引いて遊びに入れてほしいと人様に言いました。

『・・・・・どうする・・?』

『私・・・・・遊びたいな』

『うん、そうだよね』

 私と少年も、人様の子の輪に入ってかくれんぼをしたり、鬼ごっこをしたり、一緒におまんじゅうを食べたり。

 とても楽しい時間を共に過ごすことができました。

『ありがと、スミレ』

『いいえ。私のほうこそ、今日は声をかけていただきありがとうございました』

『なんだ、声をかけることくらい、いつでもしてやれることだよ』

『本当でございますか!?じゃ、じゃあ、明日も声をかけてもらえませんか?』

『当たり前だよ、友達なんだからさ』

 幸せでした。

 そして次の日も、また次の日も、雨だろうと夏の炎天下だろうと、冬の寒風極まる寒い日も、毎日毎日私に会いに来てくださいました。

 私は、いつもあの少年と別れるときだけ、虚しさを感じました。そして別れた後は、いつもあの少年のことを想いました。

 これが、恋、だったのです。

 しかし—————————————





「・・・・・スミレ?」

 スミレが、悲しそうな顔をしたのが分かった。

 目の部分を、大きな紙で隠されていて口元しかわからなかったが、スミレが悲しそうな顔をしているんだ、というのが分かった。

「大方、会いに来なくなったとか、そんなことだろう」

「ちょっと先生・・・・・・」

「・・・いえ、その通りなのでございます」

Re: 相身互いのネクローシス【神様のメモ帳×夏目友人帳】 ( No.15 )
日時: 2011/08/20 12:51
名前: 細玲雄 (ID: Uvcwa5h/)

 ある日を境に、その少年が来てくれることはありませんでした。

 どれほど待っても、どれほど想っても、少年が来てくれることはありませんでした。

 きっと私は、捨てられたのでしょう。

 少年に会いに行こうとも思いました。

 しかし、少年が会いに来てくれないということは、少年は私のことが嫌いになったのではないかという不安が、どうしても私をその場に留まらせる足かせとなり、会いに行くことは叶わなかったのです。

 それでも、私は、あの少年のことが忘れられないのです。

 今ではすっかり力も弱まって、人様の姿に化けることはできません。それでも、あの少年だけは、私を見ることができる。

 だから、会いたい。

 会って今までのことを話したい。





 話し終えたスミレは、泣いていた。

 俺は、彼女を慰める言葉など思いつかず、ただその様子をじっと見守っていた。

 ひどい人間だ。

「おい夏目、こんな面倒な妖怪に付き合ってやる義理はないぞ。それにこんな弱った妖怪、私もいらんから早く名を返せ」

「・・・・・その子供、なんていう名前なの?」

「・・・・・・・・・え?」

Re: 相身互いのネクローシス【神様のメモ帳×夏目友人帳】 ( No.16 )
日時: 2011/08/20 13:08
名前: 細玲雄 (ID: Uvcwa5h/)

「俺もその子供に会ってみたい。だから、一緒に探そう」

「あ・・・・・・ありがとうございます、夏目様・・・!!」

「やれやれ、まったくお人好しな奴め」

 ニャンコ先生はあくびを豪快にした。

「しかし・・・・その少年の名前は分からないのです」

「え?」

「なぜか、教えてくださらなかったのです」

「教えてくれなかった?」

 それじゃあ、どうやって探そうか。

 スミレは、その子に自分から出向いたことはない。だから、どこに住んでいるかもわからない。

「・・・・・しかし、一つだけ分かることがあるのでございます」

「え?」

「その少年は多分・・・・・・夏目様の近くにいらっしゃることと思われます」

 俺の近く・・・・・?

 俺の近くに、妖怪が見える人がいたのか?

「おい、まさかその少年とやらは夏目じゃあるまいな」

「はい、髪の色が違いますし、口調ももっと厳しいというか・・・・」

「スミレは、どうして俺の近くにいると思ったんだ?」

「・・・・・・近日、友人帳の夏目様がここに来られるということを、噂で聞きました。それで探し、今日初めて見つけたときに、懐かしいにおいがしたのです」

「におい・・・・・・?」

 洋服を嗅いでみる。匂っていたのか?

「旨そうなにおいか?それだったらこいつからはぷんぷんするな」

「先生、やめてくれよ」

 妖怪が見えるということは、うまそうなにおいを持っているということか。

「いえ・・・・。その、少年の臭いです」

「え?」

「だから、そばにいるのではないかと思いまして・・・・」

 ということは、スミレの初恋の相手は、俺のすぐ近くにいたということか?

「・・・・・分かった。じゃあ明日、探してみるよ」

「当てはあるのか?」

「いや・・・・・でも、思いつくとしたらクラスメイトだ。クラスメイトから探してみる」

「孤立していたお前がか?やめとけ、余計嫌われるぞ」

「・・・・・!」

Re: 相身互いのネクローシス【神様のメモ帳×夏目友人帳】 ( No.17 )
日時: 2011/08/20 13:15
名前: 細玲雄 (ID: Uvcwa5h/)

 ニャンコ先生の言葉で、藤島と篠崎の顔を思い出した。

 あの、奇妙なものでも見る目。忌み嫌うような、汚いものでも見るような目。昔向けられていた目と同じ。

「・・・・・・夏目様も、一人なのですか?」

「・・・・・・そうだね。その子の言うとおり、俺も妖怪が見えていたから」

「・・・・・・私も一人でした」

 スミレが、俺の手の上に手を置いた。

「あの少年が顔を出してくれなかったときは、いつもいつも一人でした。だから、一人が悲しいということは、私にもわかります」

「・・・・・・スミレ」

「妖怪にだって、分かるんです」




『一人に・・・・・しないで・・・・・・!!』




 ハッとする。

 あの時の夢に出てきた悲しそうな声。あれは、スミレだ。

「・・・・・そうだね。悲しいんだ」

Re: 相身互いのネクローシス【神様のメモ帳×夏目友人帳】 ( No.18 )
日時: 2011/08/20 14:00
名前: 細玲雄 (ID: Uvcwa5h/)

「スミレっていう女の子、知らないか!?」

 朝一番に夏目に言われた言葉が、これだった。

 昨日はバカニート共がひどいことを言ってしまったので謝ろうと心に決めていたのに、よく分からない話題に先を越されてしまった。

「す、スミレ?」

「そう。綺麗な髪の女の子。少し、変わった子かもしれないけど・・・・・」

「スミレ・・・・あ、もしかして・・・・」

 彩夏が思い立ったように顔を上げた。

「知っているのか?」

「うん。小さいころによく遊んだお友達。なんか、いつの間にかいなくなっちゃったんだよなぁ」

「えっ・・・・それってなんかの事件に巻き込まれたとか、ヤバイ問題なんじゃないの?」

 彩夏がさらっと問題そうな発言を言うのでぞっとする。

「その、スミレって子とよく一緒にいた子供のこと、知らないか?」

「・・・・・・夏目君、どうしたの?」

「あっ・・・・・いや、その・・・・・」

 夏目ははっと我に返り、ばつの悪そうな顔をした。

「・・・・・・その子って、本庄君のことでしょ?」

「本庄・・・・・?」

「なんか、昔から「俺は妖怪が見えるんだー」って豪語していた変わった子。みんな近寄らなかったけど」

 すると、夏目は何かのスイッチが入ったかのように、彩夏に身を乗り出した。

「その本庄って子、今どこにいる!?」

「えっ・・・・・・」

「おい、夏目!?」

 僕は夏目の手を引っ張って止める。

「何やってるんだよ。さっきから、お前おかしいぞ?」

「え・・・・・あ・・・・、ごめん」

 そして今度はスイッチが切れたかのようにカクン、と謝った。

 本当に夏目はよく分からないな。

「・・・・・・もしかして、本庄に会おうとしているのか?」

「うん。どこにいるか知ってるか?」

「バカ!やめとけって・・・・・。本庄は、不良なんだぞ?」

「・・・・不良?」

「すっごい不良。この学校のトップじゃないかな・・・・」

 実際本庄遥希(ほんじょう はるき)の悪い噂はよく耳にした。

 いつもトイレでたむろってタバコを吸っていたり、窓ガラスを割ったり、ひどかった。

「いや・・・・。それでも、会いに行く。行かなきゃいけないんだ」

「はぁぁ!?おい、夏目・・・・・」

「約束したんだ。スミレと」

「っ・・・・・・・」

 夏目は走って行った。


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