二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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【妖狐×僕SS】還し屋少女,
日時: 2012/05/14 22:02
名前: 魅唆 ◆7ALWpexvKs (ID: 9kyB.qC3)

初めまして魅唆ですw
いぬぼくっていいな〜と思ったところから妄想が止まらず、つい書いてしまいました。文才なんて微塵もございませんし、キャラ崩壊も多いと思いますがよろしくおねがいします^^

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Re: 【妖狐×僕SS】還し屋少女, ( No.46 )
日時: 2012/05/21 23:19
名前: 魅唆 ◆UaO7kZlnMA (ID: TdsA47Ob)  

「……竜神だな」

水葵はやや間をとって答え、反ノ塚が感心する。

「竜の血が流れてんのか〜かっこいいな。でっかくなったら、強くなるんだろうなあ」

竜神。——竜が神として祀られた存在。川や海、湖等の主であり、大嵐を起こし、大雨、雷を呼ぶ力があるとされる。荒々しい水を司る神であり、水神様と呼んで今でも漁に出る人間は恐れているらしい。怒りに触れた為に、人が命を奪われたと言う伝説が、今も日本各地に存在している、何とも恐ろしい妖怪だ。カルタのご先祖である、がしゃどくろとどちらが怖いかと問われれば、水葵自身は竜神が怖いと思う。竜神はがしゃどくろのように人を喰らうだけでは済まず、全てを破壊してしまう力もあるのだから。

「でも、俺な竜神の血のせいで大きくなれないんだ。……正確には始祖のせいだが。全く、困ったもんだ」「何でだっけか?」
「始祖の清黄が、呪詛をかけたんだ。竜神の血を引く先祖返りは、"ある儀式"をしないとでっかくなれないってな」
「それって何のぎ……」

そう問いかけようとして、反ノ塚の口が閉じられる。同時に水葵は眉間に皺を寄せ、警戒しながら辺りを見回し、カルタは目付きが少し鋭くなる。その背後ではせっちゃんが起き上がり、青い瞳を爛々と輝かせながら、時折低い唸り声を上げているが水葵を除いて気付いていないようだ。

(……せっちゃんの様子からして間違いな)

水葵は横目でせっちゃんの様子を伺って確信した。間違く、この近くに妖怪が紛れている。それも、かなりの力を持った妖怪が。
先祖返りである水葵たちは、妖怪の気配を察する力を持っており、近くにいればこうして何となく分かるのだ。人によって違うらしいが、水葵の場合、妖怪が近くにいると肌寒いような悪寒に襲われる。
妖怪の強さは水葵自身は分からないが、代わりにせっちゃんがかなり正確に把握出来る。弱い妖怪なら退屈そうに欠伸をするが、強力な妖怪になるほど威嚇をしたり、獲物を狙う鷹の如く目を爛々と輝かせたりする。……後で妖怪と会うと、大抵はせっちゃんの反応通りだ。やはり妖怪のことは、妖怪に任せるのが一番らしい。

「妖怪の気配……渡狸(わたぬき)」

カルタは誰かの名を呟くと、脱兎の如く駆け出し始める。のんびりしていそうな見た目からは窺えない、脅威的なスピードが、その身体からは生み出されていた。

「カルタ、無闇に動くな!」

水葵が鋭い声で注意し、反ノ塚がびくっと震える。しかし、もう遅かった。ラウンジから廊下に続く扉が、開け放たれたままになっていた。
急いで水葵が廊下に飛び出るが、そこには誰もいない。無駄に広い空間が何処までも広がっているだけだった。左右を慎重に確認し、水葵はため息を吐くと扉を閉め、鞄を探り始めた。……そして気付いた。妖怪関連の道具は、部屋にあらかた置いてきてしまったのだ。鞄の中に残っているのは、ハンカチと財布くらい。これでは、妖怪と戦えそうにない。

Re: 【妖狐×僕SS】還し屋少女, ( No.47 )
日時: 2012/05/22 17:34
名前: みさ (ID: m1/rt.pA)  

が、水葵は取り乱すことはなかった。何故なら、妖館には対妖怪用のセキュリティがあるからだ。まだ会っていないSSもそうだが、他の機能としては結界があるらしい。越す前、野ばらにちらっと聞いたので存在だけは知っている。
ただ、細かい内容までは知らないため、水葵は宙に浮く反ノ塚に詳細を尋ねる。
「なあ反ノ塚、ここって結界があるよな?」
「おう。あそこにあるやつ」

妖怪が迫っていると言うのに、反ノ塚は緊張感のない声音で頷いた。そして、手で天井を差す。
顔を上げて見ると、天井近くには綺麗な正方形に切り取られた石が、明滅しながらゆっくりと回転していた。石は翠色で、大きさはバスケットボール程はある巨大な石。反ノ塚曰く、結界の一部らしい。

「あれは、妖館の地下に埋めてある結界張ってる石を切り出したものらしいぞ」
水葵は結界を睨みながら、ぶつぶつと呟く。

「ここの結界は分力(ぶんりき)式だな。……まあ、広いから無理はないか。結界の力をマンション中に分散させ、全員を守ろうって魂胆か。にしては使っている素材が四方石(しほうせき)とは弱いな。それに加工の仕方が旧安式……」

水葵は結界の要素を分析しはじめ、聞き慣れない単語をツラツラと並べる。これは彼女の悪い癖の一つだ。何でも科学的にとらえたがる傾向があり、はっきりとした理論がないと気がすまない気質だったりする。

「……水葵の話は難しいな。細かいことは知らないが、妖怪が妖館(ここ)に入ると、中のシステムが作動するんだと。先祖返りは、部屋の中にいればその部屋に閉じ込めらるぞ」

水葵は顔をしかめた。

「……つまり、俺たちは妖館の中に閉じ込められると、そういうことだな。ところで、もし部屋の外に俺たちがいた場合、どうなる?」
「一番近くの部屋に転送されるんだと」
「じゃあ、人様の部屋に飛ばされるってことも」

反ノ塚はうんうんと頷いた。

「あり得るな。けど、このラウンジは部屋だし、大丈夫じゃね?」
「お前と仲良く二人ぼっちだ」

とりあえず結界の力は強そうだから安心は出来る、と水葵は結論づけた。
もう既に結界は発動しているらしいから、反ノ塚と仲良くラウンジに閉じ込められてしまったわけである。安心と言えば安心だ。ただ、妖怪はせっちゃんの反応から察するにかなり強力そうで、不安は残る。特に水葵が心配しているのは、自ら結界を騙せる妖怪かどうかだ。
結界を騙す、と言うのは水葵が勝手に作った言葉で、自らは妖怪なのに結界には妖怪と認識させない術(すべ)のことだ。
主な方法としては、せっちゃんのように別の生き物に化けるか、人や動植物、物に憑依することが上げられる。例えば人の身体に潜り込んでしまえば、人と言う器に入り込んでいる以上、結界は人と見なしてしまう。
ちなみに、他の生物に化けて結界を騙すのは非常に高度な技術だ。いくら変身しても、大抵はばれてしまう。せっちゃんに言わせると、化けて結界に近づくのは『うさぎの着ぐるみを着た人間が、私はウサギだよ』と主張するようなものらしい。せっちゃんが結界を騙せているのは、何故なのか水葵自身、解らなかったりするが、それはせっちゃんが妖怪の力を簡単に消せる程、強いと言うことだ。

「結界を騙す奴だったら、戦うしかねえな。大体の純血の妖怪たちは、俺たちが大嫌いだからな……どうなることやら」

水葵は一人ごち、困ったように俯いた。
反ノ塚のような戦わない先祖返りと一緒では、彼を守りながら戦う必要に迫られそうだ。考えただけで頭が痛い。
いくら竜神の先祖返りとは言え、幼いこの身体では満足に力が発揮出来ない。反ノ塚を守りながら戦うなど、無理に近い。
先に謝っとくかな……と、水葵は顔を上げ、そのまま固まった。水葵の目の前からいつの間にか反ノ塚がいなくなっていた。
反ノ塚がいた場所には、少女が立っていて、紫の瞳で水葵をじっと見つめていた。
〜つづく〜

Re: 【妖狐×僕SS】還し屋少女, ( No.48 )
日時: 2012/05/22 19:58
名前: 恵莉♪ (ID: CnBgMNSf)

『ある儀式』ですか…;
うむ、とても気になりますねっ!
そしてせっちゃんにはそのような能力があったのですかっ!
なんだかせっちゃんがとても頼もしく見えてきましたっ!
そして、紫の瞳の少女はちよたん…ですか?
間違ってたらすみません(汗
続きが楽しみですっ。
更新、頑張ってください☆

Re: 【妖狐×僕SS】還し屋少女, ( No.49 )
日時: 2012/05/22 21:42
名前: 魅唆 (ID: s5c4A2FH)  

皆様こんばんは!昨日のよるに書く宣言して一部は書いたが、長すぎて今日更新になってしまった魅唆です。
どうでもいいですが、カゲロウデイズかっこよくね?
一人ごちですが、そろそろ番外編とか書きたい気分です。ミケVS水葵とか。
>>恵莉♪さん!
し、師匠はむしろあなた様ですわ!(キラキラ
意味を持たせると何か面白くなるかな〜とふと思っただけです←カルタだってやることには、きちんと意味があるし。
せっちゃんは強いです。夏目で言うニャンコ先生のポジションですから^^普段は頼りなさそうに見えますが、実は強力大妖怪とか…完全な俺得wwSS要らない子じゃありません。さすがに身の回りの世話は出来ないので><
最後のは予告に書いたちよたんです、大正解です景品…あったらいいのに。
これから、水葵&一匹でちよたんと三人ぼっち生活を送る予定ですので、お楽しみに!←
長々と私語ばかりですいません。
いつもありがとうございます♪お話出来て、とても楽しいですよっ。

Re: 【妖狐×僕SS】還し屋少女, ( No.50 )
日時: 2012/05/23 22:29
名前: 恵莉♪ (ID: CnBgMNSf)

ぼ、僕が師匠だなんて…!!
僕は…!!
あ、貴女の弟子にしてくださいっ!
いえ、下僕…ではなくて、貴女の犬にして下さいっ!!←
カルタたんは意味がありますもんね〜♪
ニャンコ先生のポジションですか!!
おおっ☆
良いですね〜♪
そして三人ぼっちだと……!!
なんて俺得なんだ!!←
いえいえ^^
こちらこそいつも楽しいです♪
魅唆さんとお話しすることが生きがいだったり←
貴方は私の希望です(キラキラ


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