二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 不死鳥 -song by.SEKAI NO OWARI-
- 日時: 2012/02/04 21:12
- 名前: 月詞 ◆oE3vS0unEQ (ID: VHEhwa99)
本作は私がインディーズ前からずっと大好きなバンド、
「SEKAI NO OWARI」の楽曲から
一曲 物語性のある曲から作り出された小説です
よって、本作を読み進める前に一度楽曲を聴いていただくことをお薦めいたします
本作は非公式であり、あくまで私の勝手な思考の展開となりますので
御了承下さい
SEKAI NO OWARIの楽曲はリアリティがありメロディもポップなものばかりですのでお気になった方は是非他の楽曲も聴いてみてください
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- 不死鳥 -song by.SEKAI NO OWAR ( No.12 )
- 日時: 2012/03/10 20:38
- 名前: 月詞 ◆oE3vS0unEQ (ID: VHEhwa99)
慧「君…名前は?」
普通の男ならとっくに訊いていることを
俺は話し始めてから何分も経ったころに尋ねた
「私?私に名前なんてないわ」
アンドロイドはそれを呼ぶ必要は無いと
企業の人間はたしか造られた順に「一号、二号」と称していた
どこまでも人間のようなきみたちを
どこまでも物のように呼ぶために
慧「…じゃあ俺が付けよう。
君の名前は今日から…アヤ。」
「…アヤ?」
きみはそっと首をかしげた
慧「そう。"彩り"のアヤ。あなたは雅で美しいから」
まるでこれでは
君を口説いているみたいだ
でも思いのほか
君はとても嬉しそうだった
「アヤ…アヤね!ありがとう!とっても嬉しいっ」
ただ…君の笑顔が見たい
君を楽にしてあげたい
幸せにしてあげたい
こういう感情はきっと全部
ひっくるめると「恋」と呼ぶんだろう
慧「いや…こっちこそ…俺は、俺は慧。覚えておいてね」
君らは独立した存在で
常に独りで生きている
でもどうか君らも人間らしく
人に支えてもらって生きてほしい
俺を支えにしても良いから…
だからせめて名前だけでも…
「見付けたぞ」
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- 不死鳥 -song by.SEKAI NO OWAR ( No.13 )
- 日時: 2012/03/31 14:54
- 名前: 月詞 ◆oE3vS0unEQ (ID: VHEhwa99)
声がした瞬間 俺たちはサッと後ろふりかえった
そこにはさっきのカラスの男が立っている
その男は俺を見るなり うなるような声で言った
「お前…!!あのときの!!」
慧「…。」
「一号!その男と何をやっている!!舞台中に抜けだしおって…。
さあ!帰るぞ!!」
その男は彼女につかつかと歩み寄った
アヤ「いや…!来ないでっ。」
「お前、私にさからう気か!?」
カラス男は拳をふりあげた
慧「お待ちください。」
俺はいてもたってもいられず その男の拳を止めた
「何をする小僧。邪魔をするな!」
慧「何って…。女性に暴力が振るわれそうなのを
だまって見てられるわけがないでしょう。」
カラス男は死んだ魚のような目で俺を睨みつけ 青紫色の唇を開いてこういった
「お前…この女の正体をもちろん知っていような?」
慧「ええ。知っていますとも。」
ゴクリと唾を飲んだあと流した言葉
慧「アンドロイド…でしょう」
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- 不死鳥 -song by.SEKAI NO OWAR ( No.14 )
- 日時: 2012/05/27 18:26
- 名前: 月詞 ◆oE3vS0unEQ (ID: VHEhwa99)
人間である俺に言いたくなかった言葉だ
見た目は人間と変わらないのに
人間と一緒では決してない
「アンドロイドは人間に従えるために造られた人形だ。
造られた主人に従うのが当り前なのだ。
さあ、あきらめてそいつをこちらによこせ」
慧「アンドロイドでも人形でも…
彼女には彼女の意志がある。
あなたは意志のもつ"者"を"物"扱いなさるおつもりですか」
しばらく黙ったあと男は笑った
「フハハハハハ…
黙れ小僧。
誰が何と言おうがそいつは私の下部なのだ。
私の金を産むために産まれてきた人間のまがい物だ。
大人しくそいつを渡さぬとお前の命はないぞ」
そういって男は拳銃を取り出した
「や…やめて!!」
とうとう彼女は俺の後ろから飛び出してしまった
慧「ア…アヤ!!」
アヤ「ごめんなさいっ」
すると男はすぐにアヤを抱え車に放りこみエンジンをかけた
慧「おい!!てめえっ…」
アヤ「も…もういいわ。
さよなら、慧さん…
私、実は初めて見たときからあなたを愛していたの」
!!
まさか、本当に?
一生叶わぬと思った初めての恋は
黙っていただけで叶っていた
「黙れっ一号!!お前!!」
そのまま男は拳銃をアヤに突き付けた
うれしいと思ったのも束の間
どうにもできぬ現実を俺の理性のそれに突き付けられた
「アンドロイドのくせに人間の男を愛しやがって!!!」
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- 不死鳥 -song by.SEKAI NO OWAR ( No.15 )
- 日時: 2012/05/27 18:47
- 名前: 月詞 ◆oE3vS0unEQ (ID: VHEhwa99)
アンドロイドは人を愛してはいけない?
私はまがい物にこそ産まれたけど
こうして涙も流せるし
人を愛する気持ちは本当なのに
本当に愛した人と愛し合えない
なら永遠なんていらない
私の命が
朽ちることができればいいのに
私がもしも
終わりのくる生命を持つことができたのなら
もう一度あなたを制限時間内に見付けるわ
そうしたらそれを奇跡と呼びたいの
アヤ「っつ…さようなら…」
さようなら…慧さん…
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- 不死鳥 -song by.SEKAI NO OWAR ( No.16 )
- 日時: 2012/05/28 23:33
- 名前: 月詞 ◆oE3vS0unEQ (ID: VHEhwa99)
"アンドロイドのくせに人間の男を愛しやがって───"
アンドロイドは人を愛せないの
所詮人類の金儲けだけに産み出されたまがい物
じゃあまがい物を愛してしまった俺はどうなる?
慧「ちくしょうっ…」
人類が憧れる永遠の象徴は
朽ち果てることは決してなけれども
人間である俺には体力がある
体力の限界がいつかくる
それでも君を取り戻すためなら
俺は永遠になれる気がしたよ
慧「ア…アヤ───!!!」
ぐちゃぐちゃ悩むのは性にあわない
君にもう一度逢いにいくよ
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