二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- RR 赤イ翼ノ執行人 ー 人は単純だ。だから、つまらないー
- 日時: 2012/08/17 19:21
- 名前: 東洋の帽子屋 (ID: O7xH2wYh)
- 参照: http://blog.livedoor.jp/yamisizuku00/
初めまして。
ようこそいらっしゃいました。
ああ、ごあいさつが遅れました。元神咲 裕の帽子屋というものです。
以後お見知りおきを。
■この二次小説は、藤本新太先生の作品レッドレイヴンを題材にしたものです。それを踏まえた上でご閲覧下さい。
■プロローグ
…青い、空が見たかった。ただ、それだけだったんだ。
■第一章
−借り物の力。それは、ただの子供騙しにすぎないと。ボクが一番分かっている−
>>1 >>13
□第二章
−一度だけでいい。自由に笑って見たいと彼女は言った。
もし神様というのがいるとしたら……いや。気付けな かったのは、紛れもないボクの罪だ−
>>14>>15>>16>>17>>18>>19>>2>>3>>6>>12
■第三章
−彼は言った。「いいか?ダルいから一度しか言わねぇ。お前は、もう俺達の仲間なんだ」−
□livedoorblog、公開中です。
お時間ありましたら、是非上記のURLからお越しください。
我が家の愛犬とオリジナルイラストを掲示予定です。
お越しくださいったさいに、コメントを頂けると管理人は飛び上がるほど喜びます(笑)
お客様
・黒簾様
・黒猫様
・満月*様
・ゆったりノック様
- Re: RR 赤イ翼ノ執行人 〜人は単純だ。だから、つまらない〜 ( No.24 )
- 日時: 2012/08/17 12:39
- 名前: 東洋の帽子屋 (元 神咲 裕) (ID: ftDNog01)
- 参照: http://blog.livedoor.jp/yamisizuku00/
【ザップヘンドタウン 入口】
「あ、着いた着いた」
街の入口、門にかかっている看板を指さした。
その悠長な感じのボクにシャルルは食ってかかる
「なーにが"着いた着いた"だっ!大体、アンディが下手な指示しなければもっと……」
「皆、降りる準備しといて」
「無視かよ!」
ーーなおも、荷車は先をいく。ガタガタと車輪を揺らしていた土の道は途切れ、代わりにコンクリートで舗装された道へとなっていった。
「ん? 僕たち、ザップヘンドに来たの?」
ベスが寝ぼけ眼で看板を見上げる。
「そうだけど…ああ。そうか。君は機械大好き君だったね」
ちらりと右手を見るとドライバーを握りしめている。まさに機械好きのお手本図のような風貌だ。
しかし、返答したベスの声のトーンは決して浮かれたものではなかった。
「そっか…ザップヘンド。って事は……じいちゃんがいるかも」
「おじいさん? でも、君は孤児院の子供なんじゃ……」
孤児院、と聞いてベスは目の色を変えた。
キュッとドライバーを握り直し、プルプルと震わせる。
ーーこれは、彼の怒りの感情なのだろうか。
「……両親が死んでから、身寄りがあるのはこの街に住んでいるじいちゃんだけだった。それで僕はじいちゃんに引き取られた。
でも、それは数日だけ」
そこで一息おいて
「…………今度は、捨てられたんだよ。月が綺麗な真夜中、じいちゃんに」
ーー彼の目は、深い復讐の色を燃やしていた。深淵の闇のごとき深い色。それは紛れもなく漆黒の色だった。
チリチリと燃え盛る漆黒は、彼の大きな青色の瞳を燻らせている。
「……その、おじいさんの名前は?」
ベスは肩をピクリと震わせた。目を伏せ、それに答えるのを僅かに躊躇した。
しかし……
「バクニシャン……ズロウト ルース バクニシャン」
彼の重みがかった声は、灰色の空に溶けていった。
- Re: RR 赤イ翼ノ執行人 〜人は単純だ。だから、つまらない〜 ( No.25 )
- 日時: 2012/08/17 16:31
- 名前: 黒猫 (ID: bUOIFFcu)
ウォルターと会った少女、すごいですね!
面白いです。小説頑張ってください!
- Re: RR 赤イ翼ノ執行人 ー 人は単純だ。だから、つまらないー ( No.26 )
- 日時: 2012/08/18 20:38
- 名前: 東洋の帽子屋 (元 神咲 裕) (ID: LCLSAOTe)
- 参照: サマーウォーズ始めました。
黒猫様
お久しぶりです。コメント、ありがとうございます。
まあ…彼女は、ただの人間じゃあないですね。
- Re: RR 赤イ翼ノ執行人 ー 人は単純だ。だから、つまらないー ( No.27 )
- 日時: 2012/09/25 21:04
- 名前: 東洋の帽子屋 (元 神咲 裕) (ID: cSy8Cn7x)
- 参照: http://
「じいちゃん、お客様! レッドレイヴン! 」
機械がうごめく小さな工場のなか。機械達がきしんだり擦り合わさったりした音が延々と響いていて、かなりうるさかった。
ーそんななかでも、彼女の声はよくとおる。
「じいちゃ……」
と、彼女はなにかに気づくと腰をかがめてそれを拾った。見てみると、それはまだ火のついた煙草の吸殻だ。
「っ……たく! 工場内は危ないから、煙草を吸うなっていってんでしょ!!」
ジュッ!と、彼女はその煙草を握りしめた。
「おいおい、まだ火がついてるんじゃ……っ? え? 」
ウォルターが心配したのもつかの間。彼女が手を開くと、すでにくろずんだ煙草が粉々になっていて手から落ちていく。
不思議な事に手はやけどをしていない。
「じいちゃん! この煙草みたいにするよっ!!」
……ウォルターは、彼女の手からなおも落ち続ける煙草の燃えかすを見つめた。
(……コワァ)
「じい……」
「こっちこっち」
彼女の声を阻むようにして、すぐ近くから声が飛んできた。
その方向をみても機械だらけだ。一体、どこに生物がいるというのだろう。
「いま、行くから……よっこい……せっ!」
「うおっ!」
ウォルターの真ん前に生物が飛び出してきた。そりゃ、驚かずにはいられない。
「あー……いてて。やっぱり、昔と比べて体力が……ちょっと」
背が低くて、しろいひげは長め。頭に黒いバンダナを巻いていて、腰には同色のエプロンを着けている。
「は……初めまして…………」
ギクシャクした笑み。
不審人物極まりないといった感じで、その老人はウォルターを見つめた。
- Re: RR 赤イ翼ノ執行人 ー 人は単純だ。だから、つまらないー ( No.28 )
- 日時: 2012/09/25 21:50
- 名前: 東洋の帽子屋 (ID: /qYuqRuj)
- 参照: お久しぶりですね
「……あんた、二番目か」
老人はウォルターの担いでいる棺を一瞥すると静かな声でそう言った。
「中々に使いこなしているな。その執行道具は武器であり、盾である。それをよく理解している。……ただ」
つかつかと近寄ると棺を一なでした。そして方眉を上げ、ニッと笑うと下からポカンとしているウォルターを見上げる。
「手入れがいまいちだな。めんどくさがらずに毎日様子を見てやるこった」
「はは……手入れや掃除は苦手でね」
ウォルターの脳裏を、自分の部屋の情景が通りすぎる。……帰ったら掃除するか。
「まあ、まずは座れや。ああ、そっち気を付けろよ。今新作を作っているところなんだ。ったく、カルロめ。いきなり注文つけやがって」
と、老人はポケットからたばこの箱を取り出して火をつけようとした。
が、しかしーー
「だーめ。 一日一本だよ。じいちゃん」
「……トルテは相変わらずだなあ」
後ろから例の彼女は老人が手にしていたライターを押収した。
「え、その女の子トルテっていうのか?」
ーーと、ウォルターが一言口にした瞬間、何故か場の空気が固まった気がした。
二人が目を丸くし、ウォルターに確認を取るように微妙な表情をしている。
まず、初めに声を発したのは老人の方だった。
「…………え?」
「……は?」
ウォルターは何気ない一言を口にしたつもりだった。
が、明らかに老人の背後に立っている彼女から感じ取られるオーラは好意的なものではない。むしろ殺気だっている。
(あ、これはヤバイんじゃない?)
「おれ、何か悪いこといーー」
「この馬鹿っ!!」
「うおっ!」
ウォルターの台詞を遮って飛んできたものは、少女の怒り声と素早い飛び蹴りだ。
が、さすがはレッドレイヴン。紙一重で奇襲をかわす。
「だからなんだって!」
「……いいか、よく聞けこの野郎」
いまだに彼女は顔をしかめてフッ、フッと息を切っている。どうやら触れてはいけない場所に踏み込んでしまったようだ。
心底嫌そうな顔をしている。
「いけんなあ。二番目。見た目で人を判断するものじゃねえ」
と、座っていた席をたち老人はポンッと少女の肩に手をおいた。
「確かに、色白で目が大きいから無理もないかも知れねぇが……こいつ、男だぜ」
ーーはたして、ウォルターはその言葉を理解できただろうか。
どうみても思考が停止しているようだが……。
「なんだよじいちゃん、色白で目が大きいって!」
「まんまだろ。いいじゃねぇか」
「よくない!」
ウォルター一人を置いて二人は言い合っている。
だから、気がつかなかったのだろう。ウォルターがアンディのことを思い出して、声を殺して笑っていることに。
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