二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 【イナGO】〜雷門の蒼きストライカー〜
- 日時: 2013/01/14 08:31
- 名前: 時橋 翔也 (ID: bHw0a2RH)
- 参照: また…つくってしまった
毎度どうも 銀河一の駄作者 時橋です
イナゴ第三弾!今回はオリキャラが主人公です
注意!
・恐ろしいを飛び抜けた駄文
・セリフはほとんどオリジナルです アニメでのセリフあんま使わないです
・アニメあんま見たことないので色々おかしい
・アニメと言うよりゲーム沿い そしてオリジナル要素がある
・更新遅し これでも作者は受験生なの
・荒らし&悪口は禁止 それ以外のコメントなら大歓迎
・天馬が本来すべきシーンはオリキャラの主人公がやります
・キャラの多くに重い過去がある、特に剣城がかわいそう
・キャラ崩壊がヤバイ
・謎が解明されるの遅いですかなり
・話が意味不明&ドロドロ
・マイナーキャラ多いです
・十%コメディ九十%シリアスです
これらが許せる方はどうぞ
目次 主人公 >>5
第一章「蒼きストライカーの出現とホーリーロード」
プロローグ >>1 第一話 >>2 第二話 >>6 第三話 >>10 第四話 >>11 第五話 >>12 第六話 >>15 第七話 >>16 第八話 >>17 第九話 >>18 第十話 >>19 第十一話 >>20 第十二話 >>21 第十三話 >>22 第十四話 >>24 第十五話 >>25 第十六話 >>26 第十七話 >>27-28 第十八話 >>31 第十九話 >>32 第二十話 >>33 第二十一話 >>36 第二十二話 >>37 第二十三話 >>38 第二十四話 >>39 第二十五話 >>42 第二十六話 >>43 第二十七話 >>46 第二十八話 >>47 第二十九話 >>48 第三十話 >>49 第三十一話 >>50 第三十二話 >>51 第三十三話 >>52 第三十四話 >>53 第三十五話 >>54 第三十六話 >>55 第三十七話 >>59 第三十八話 >>62 第三十九話 >>63 第四十話 >>64 第四十一話 >>65 第四十二話 >>68 第四十三話 >>69 第四十四話 >>70 第四十五話 >>71 第四十六話 >>72 第四十七話 >>73 第四十八話 >>74 第四十九話 >>75 第五十話 >>76 第五十一話 >>77 第五十二話 >>78 第五十三話 >>79 第五十四話 >>80 第五十五話 >>81 第五十六話 >>82 第五十七話 >>83 第五十八話 >>86 第五十九話 >>87 第六十話 >>88 第六十一話 >>89-90 第六十二話 >>91 第六十三話 >>92 第六十四話 >>93 第六十五話 >>94 第六十六話 >>95 第六十七話 >>96 第六十八話 >>97 第六十九話 >>98 第七十話 >>99 第七十一話 >>101 第七十二話 >>102 第七十三話 >>103 第七十四話 >>104 第七十五話 >>105 第七十六話 >>106 第七十七話 >>107 第七十八話 >>108 第七十九話 >>109 第八十話 >>110 第八十一話 >>111
《捕捉短編集》
本編の捕捉説明を兼ねた短編集 暇なときにどうぞ
本編では語られないキャラ達の過去の話
No.1 「絆が憎悪に変わるとき」
前編 夜桜said
エピソード1 >>100
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23
- 第八話 ( No.17 )
- 日時: 2012/09/11 19:58
- 名前: 時橋 翔也 (ID: SZKU6Vs0)
栄都戦が終わってから、神童は一度も部活に来ていなかった
監督もキャプテンもいない中 ひたすらに海音達は練習していた
「…ボクがシュートしたから…かな」
海音は呟く
「しかし困ったな…キャプテンがいないとチームがまとまらない」
三国は言った
「…次の監督はフィフスセクターから来るんだろ?」
南沢は言った
すると向こうに剣城が座ってこちらを見ているのが見えた
剣城もフィフスセクターの一人で、シードと呼ばれている選手らしい
「………」
なんだか、剣城はいつも人を避けていて、寂しそうだった
「剣城〜 何してるの?」気になって海音は剣城に近づいた
剣城は顔を上げる
「…監視だ」
「監視?…それもフィフスセクターからの指示?」
「そうだ」
フィフスセクターって用心深いんだね
「…剣城ありがとね」
「は?」
「練習手伝ってくれて 助かったよ」
「…別に」
なんだか素っ気ないな…
海音が思った時だった
「…あれ…誰か来る」
サッカー部員達の声がして、海音と剣城も向こうを見た
白いジャージを着た青年がこちらにやって来る …あれ あの人どこかで…
「あ…」
海音は声を上げる
「みんな!今日から監督になった円堂守だ!宜しく!」
青年は言った
その青年は、かつてイナズマジャパンを世界一にしたキャプテンだった
「えええ?!」
剣城以外のサッカー部員は声を上げた
「…どういうことだ」
剣城は呟く
「…まさかあの人がフィフスセクターからの監督?」
「いや、フィフスセクターが送り込んだのは別の監督だ」
剣城は海音に言った
「早速だが、今日の練習を開始する」
円堂は言った
「場所は河川敷だ」
「河川敷?」
倉間は声を上げる
「ここじゃ見えないものが見えるかもしれないだろ」
円堂は言った
「いいか皆!今日からは試合に勝つための特訓をする!」
「え?!」
「じゃあ河川敷で待っているぞ!」
そう言って円堂は河川敷へ行ってしまった
「…どうする?」
「河川敷には行くが特訓はしない」
「俺も 何企んでるかわかんねーし」
「…天馬 先輩達は練習しないみたいだよ」
「うん…でも俺 もっと強くなりたい だから特訓するよ」
天馬は言った
「剣城は行く?」
「ああ…監視する」
監視…か
——————
「来たな」
目の前の海音達を見て円堂は言った
先輩達は皆向こうから見ている
「あの…宜しくお願いします!!」
「お願いします!!」
「…あんま固くなると怪我をするぞ」
円堂は三人に言った
「じゃあ特訓だ 天馬はドリブル練 信助はヘディング練 海音はダッシュだ」
「はい!!」
「…あれは…」
河川敷の向こうから見ていたのは、私服姿の神童だった
海音達が練習している…
「よーし シュート練に入る!」
「はい!!」
三人はゴールの近くまで行く
円堂は海音を見た
「お前のシュート見てたぜ …なんか昔の友達を思い出した」
「?」
よくわからなかったが、海音はシュートしてみる
「ダイヤモンドショット!!」
「…下手くそが」
遠くから見ていた倉間は呟く
「でも 楽しそうですね」
そう言った速水を倉間は睨み付けた
「お前らも特訓しようぜ!」
すると円堂は言った
「……チッ」
「あ…倉間くん待ってください!」
ぞろぞろと先輩達は出てきた
「円堂守に引き寄せられたのか」
神童は呟く
かつて廃部寸前のサッカー部を全国優勝に導いた伝説のキャプテン…
「次は剣城の番だ」
全員がシュートしたのを見て、円堂は剣城を見た 遠くでこちらを見ている
「…なに?」
「サッカーやろうぜ!」
サッカーやろうぜ…か
「…いいだろう やってやる」
剣城はこちらにやって来た
剣城のシュート…久々だな
「天馬 海音 なんか雰囲気まずいから…遠くで見ようよ」
信助に言われ、三人は少し離れた所で見ることにした
「剣城がんばれー」
「ばか!何で剣城を応援するんだよ!」
倉間は海音に言った
円堂はゴールに立っている 剣城のシュートを止める気かな
「デスソード!!」
剣城はシュートする
止めるのかと思いきや、軽々と円堂は避けてしまった
「なにっ?!」
「すごい…」
信助は呟く
「…必殺技で止めると思ったのに」
天馬は言った
「やるじゃないか剣城!」
「…ふん」
悔しそうに剣城は去っていった
——————
「よし!今日の特訓はここまで!」
集まった皆に円堂は言った
「…結局、グラウンドじゃ見えないものってなんだろ」
信助は呟く
「…それは、本気でサッカーしようとする仲間の顔だ 」
円堂は言った
「皆 ここに集まったって事は、サッカーがしたいからだろ?」
「皆がここに居ること…それが今日の特訓だったんだ!」
天馬は言った
「…海音」
皆が帰った後、円堂は海音を呼び止めた
「どうしました?」
「吹雪…元気か?」
円堂は訪ねる
「シロにぃの事ですか?元気だと思いますよ」
海音は言った
「そうか…」
「もしかして…昔の友達ってシロにぃの事だったんですか?」
「ああ…似ているんだ シュートのスタイルが」
シロにぃ…元気かな
- 第九話 ( No.18 )
- 日時: 2012/09/12 20:13
- 名前: 時橋 翔也 (ID: 66F22OvM)
「…ん?なんだろ」
部室を掃除していると、海音はDVDを見つけた 『ホーリーロード決勝戦 雷門対木戸川清修』と書かれてる
見てみたいな…そう思い 海音はミーティング室に行った
丁度ここには大きなTVがあり、デッキもある
「…何してんだ?」
すると霧野が入ってくる
「先輩も見ませんか?」
「去年の決勝戦か…ああ 俺も見たい」
デッキにDVDを入れ、再生した
『さぁホーリーロード決勝戦! 残り時間わずか! 』
見ると 一年生の神童が手を上げた
そのとたん 黄色い線が表れ、パスを繋いでいく
そして シュートした
「ああ…負けちゃった」
海音は呟く
「久々に見たな 神のタクト」
霧野は言った
「神のタクト?」
「今 DVDで黄色い線が表れただろ?神童はああやって必殺タクティスを発動出来るんだ」
「へぇ〜…これも勝敗指示出たんですか?」
「いや 出てない だからこそ俺達は本気で戦ったんだ」
その時だった
「おーい二人とも!」
円堂がミーティング室に入ってきた
「ホーリーロードでの一回戦の相手が決まった 理事長室へ来てくれ」
「はい」
一回戦…どこだろ
——————
理事長室には皆が集まっていた 神童もいる
「雷門の一回戦は天河原に決まりました」
理事長は言った
天河原…
「2対0 雷門は一回戦で敗退です」
「…失礼します」
円堂を先頭に次々と廊下に出た
——————
「俺達3年最後のホーリーロードが初戦敗退なんて…」
三国は言った
「我慢してフィフスセクターに従ってきたのに…あんまりだド」
天城は言った
「…雪雨がシュート入れたからだ!」
キッと倉間は海音を睨む
「まぁシュートしたのはこいつだけじゃねーけど」
南沢は神童を見た
「おい二人とも止めろ!」
三国は言った
「事実だろ 久遠監督も、そのせいで辞めさせられた…神童は家柄が良いしな、内申書がどうなろうと問題ないんだろ?」
「俺は…っ!」
神童は声を上げる
「キャプテン!」
去っていく神童を見て海音は声を上げた
「南沢!」
三国は言った
「止めろ!争ってどうするんだ!」
円堂は言った
「…監督は今のルールを分かってない」
倉間は円堂を見た
「…言ったはずだ 勝つためのサッカーをやると!俺は指示には従わない 優勝を目指すぞ!」
「……ほう 指示を無視するんですか」
海音の後ろの剣城は言った
「いい加減に夢みたいなこと言うなよ!」
そう言って倉間は歩いていった
「…俺はサッカーが出来なくなるのはいやだ …監督にはついていけません」
三国も去っていった
とうとう海音と天馬と円堂の三人だけになる
「監督…どうするんですか?」
天馬は言った
「すまないな…二人とも皆の様子を見て来てくれるか?」
「はい」
二人は円堂と別れた
そして廊下を歩く
「…海音は監督についていく?」
「うん 天馬も?」
「もちろんだよ!」
すると向こうで円堂と神童が話しているのが見えた
「あれって…監督とキャプテン?」
天馬は言った
「そうだね」
そして監督と神童は向こうへ行ってしまった
なに…話してるんだろ
だが 真相は分からず、二人は別れてしまった
明日聞いてみよう
——————
部活が終わり、海音は病院に来ていた
直矢も元気そうだった
「はいコレ 頼んでたバスケの雑誌」
海音はそう言って買ってきた雑誌を直矢に渡す
「ああ ありがとう」
直矢は受け取り、早速読み始める
「バスケ好きなんだね」
「ああ お前がサッカーが好きなのと同じさ」
直矢は言った
「…今日ね キャプテンが監督と話してた」
「監督と?」
「うん …何だか気になる」
海音は言った
「そうだ …もうすぐ外出許可が出るから、バスケやらないか?近くの公園にゴールがあるだろ」
「いいね やろう!…じゃあ友達も呼んでいい?」
「ああ」
直矢とのバスケか…久々だな…
——————
病院を出て 商店街を歩いていた時だった
「あれ…?」
向こうに剣城が見えた 何してんだろ
よく見ると花を買っていた あれは カーネーション?
「………」
剣城に花って…合うとは言えない組み合わせに海音は笑いそうになる
そして向こうへ歩き出した 気になった海音はこっそり後をつけてみた
歩いていくごとに疑問が出てくる 剣城が向かっているのはどうやら墓地のようだ カーネーションを買っていた所から予想してたけど
見えてきたのは、稲妻墓地だった 沢山の墓があり、肝試しには最適だ
迷う事なく剣城はある一つの墓に行った 小さい墓で『黒並 尚』と書かれている
「………」
剣城は墓の前にカーネーションを置いた その顔はすごい罪悪感が滲み出ているように見える
「剣城…?」
海音がそう言うと、剣城は海音を見た
「海音?…お前つけてきたのか?!」
「うん」
海音は素直に頷く
「それ…誰の墓?」
「…別に」
剣城は顔を反らす
「そう言えばさ、…何でボクだけ下の名前なの?他の人は名字なのに」
「…雪雨と呼んでほしいか?」
「ううん むしろ海音の方がいいけど…何でかなって思って」
海音は言った
すると剣城はため息をつく
「…似てるんだ アイツに」
「アイツ?」
「もういいだろ…じゃあな」
そう言って剣城は海音の横をすれ違って帰っていった
アイツって…
「気になるな〜」
海音は呟く
- 第十話 ( No.19 )
- 日時: 2012/09/13 19:37
- 名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)
次の日 いつも通り海音はジャージを着て教室に入る
すると騒がしかった教室が一気に静かになった
「…?」
え?なに…?
そう思っていると、また騒がしくなったので、取り合えず席に座った
クラスの何人かが冷たい視線で海音を見ている
「…おはよ剣城」
「……おう」
海音は剣城を見てホッとした 良かった 剣城は普通だ
「ねぇ剣城、ボク何かしたかな…」
「………」
その時だった
「おい雪雨」
クラスの何人かの生徒が海音の席に近付いてきた
「…どうしたの?」
「お前何てことした!」
男子生徒は言った
「昨日突然、野球の大会 雷門は出場停止になった…サッカー部が問題起こしたからな!」
え…?
「ウチも、ソフトテニスで練習試合 断られた」
「俺もさ せっかくレギュラーになれたのに!」
「どうしてくれんだよ雪雨!」
「…ボクは…」
「ふん、くだらない」
すると剣城は言った
「だからって海音に八つ当たりか?弱いやつのすることさ」
「何だと!!」
するとチャイムが鳴った
ホームルームが始まるチャイムだった
「チッ…」
舌打ちをして、ゾロゾロと生徒達は席に戻っていった
「剣城…ありがとう」
「…勘違いするな、ウザかっただけだ」
剣城は海音に言った
——————
そして放課後の部活の時だった
「キャプテンが…退部?!」
円堂から話を聞いた皆は声を上げる
「ああ…だが俺は認めてない」
円堂は言った
「でも退部も当然だろ?それだけ言って帰ったなら …責任とったんじゃねーの?」
南沢は言った
「……キャプテンの家って何処ですか?」
海音は言った
「行ってどうするんだ?」
「会って…話をしたいです」
「…でも神童は強情だからな、それで退部を取り消すかどうか…」
霧野は言った
「じゃあ俺が教えてやる」
すると三国は言った
「神童の家なら何度も行ってるからな」
「俺も行くよ!キャプテンを止めないと」
天馬は言った
——————
三人は雷門を出て商店街の方に向かった
「………」
キャプテン…
何で辞めるんだろ
その時だった
「あ…母さん?」
三国は言った
海音と天馬は向こうを見る 髪の長い女性が店から出てくる
「あら、太一?」
女性はこちらに気づいて言った
「母さんどうしたんだ?」
「ちょっと買い物 …二人は友達?」
「あ…三国先輩の後輩の雪雨海音と言います」
海音は言った
「松風天馬です …三国先輩にはお世話になってます」
天馬は言った
「…そうだ、太一今度の試合見に行こうか?」
「いや良いよ、来なくて…」
三国は言った
「…中学に入ってからこうなの」
女性は海音と天馬を見た
「昔は来てくれって聞かなかったのに、中学に入ったとたん来るなって…私が見に行った試合は必ず勝つから、勝利の女神とも言われたわ」
「母さんよせって…」
三国は言った
「はいはい、…じゃあ練習頑張ってね」
そう言って女性は去っていった
天馬は三国を見る
「…もしかして勝敗指示でわざと負けるのが見られたくないからですか?」
「……行こう二人とも」
三国は答えずそう言った
——————
商店街を出て少し歩くと、大きな家が見えてきた 城のように大きな家に、海音と天馬は驚く
「ここが先輩の家ですか?」
「家…っていうか城みたい」
「神童の家は日本でも有数の財閥なんだ」
三国は言った
そして三人はドアの前までやって来る 海音はチャイムを鳴らした
「あのすいません、神童先輩いらっしゃいますか?」
『はい……お入りください 拓人様はお会いになるそうです』
執事は言った
「…じゃあ俺は先に戻るよ」
三国は言った
「え?会わないんですか?」
海音は言った
「後輩の方が話しやすいだろうしな…じゃあな」
去っていく三国を見て、天馬は口を開く
「海音…絶対キャプテンに退部を取り消してもらおう」
「うん」
そして二人は中に入った
中には高そうな物ばかり飾られ、高そうな絨毯がしかれている
「…拓人様のお部屋はこちらになります」
執事に言われ、二人は執事についていった
するとピアノの音がした きれいな音色で、それでいて悲しい曲だ
「これはキャプテンですか」
「はい、拓人様は帰ってから部屋に閉じ籠り、ずっとピアノを弾かれています」
執事は海音に言った
「ですが少々音が荒れています、拓人様は繊細なお方 すぐに音に出るのです」
「………」
二人は二階の部屋の前までやって来る
海音はドアを開け、二人は中に入る
部屋も広く、神童がピアノを弾いていた
「…何か用か?」
ピアノを弾きながら神童は二人に言った
「……上手ですね ピアノ」
「昔から弾いてたからな」
神童は天馬に言った
「………キャプテン、練習に行きましょうよ 皆待ってます」
海音は言った
すると突然神童は手をピアノに思いきり叩きつけた
「俺はもう辞めたんだ!もう…情熱なんかない!」
「違います!キャプテンは今でもサッカーが大好きな筈です!」
「うるさい!!」
神童は海音を睨む
「…これ以上、これ以上俺はサッカー部にいたら、俺は本当にサッカーが嫌いになる!」
「サッカーが出来るのに…試合が出来るのに何でプレイしないんですか!!」
海音は言った
「いいからもう帰れ!」
「…お願いいいですか?DVDで見たんですが、フォルテシモを見せて下さい …シュートの参考にするんで」
「帰れと言ってるだろ!!」
神童は叫ぶ
「…わかりました、天馬 帰ろう」
「うん」
二人は神童の部屋から出ていった
- 第十一話 ( No.20 )
- 日時: 2012/09/14 19:47
- 名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)
「やはりダメだったか…」
帰ってきた二人から話を聞くと、三国は言った
「まだ…なんとかなります!」
天馬は言った
「……取り合えず、今は練習しよう」
すると円堂は言った
「…どうせ負けるのに」
口々にそう言いながら皆は屋内グラウンドに向かった
「…ん?」
すると、天馬はホワイトボードに何かを見つけた
手帳だった 名前は書かれてないが、字的に神童だと分かる
「海音!これ…」
「手帳、だね」
天馬は手帳を開いてみる
すると栄都、木戸川清修、天河原などの学校に対してのサッカーの戦術がびっしり書き込まれていた
「すごい…」
天馬は呟く
「キャプテンは、こんなに努力してたんだ だから神のタクトが出来るようになった」
海音が言った時だった
外から人の気配がした
「キャプテン…?」
海音はミーティング室を出る
すると人影が見えた
「キャプテン待って!」
「海音!」
二人は人影を追った
サロンに神童が立っていた
「キャプテン…やっぱりやめないでください!」
海音は神童に近づき言った
「そうですよ!キャプテンともっとサッカーやりたいです!」
「…辞めたって言ってるだろ!」
神童は言った
「俺達が栄都戦の時、フィフスセクターに逆らったことでどれだけ学校に迷惑がかかっているかわかるのか?!」
そう言われ、海音は朝のクラスを思い出す
あれは…フィフスセクターに逆らったから?
「…でもボクは、間違ったことはしてないと思います」
海音は言った
「俺もです キャプテンが辞めたら、サッカーが悲しみます!」
天馬は言った
「…サッカーを友達みたいに言うのはやめろ!!!」
そう言って神童は走り出した
「キャプテン!」
二人は神童を追いかけた
神童は校舎の近くの樹の前に立っていた
その顔は苦悩が滲み出ている
「キャプテン!…ボクは、円堂監督となら本当のサッカーが出来る気がします!」
海音は言った
「本当のサッカーってなんだ!今のサッカーに何の意味がある!」
神童は言った
「…サッカーは支配された サッカーを愛してないやつらに!! 俺だって、もうサッカーへの情熱はないんだ」
「…そんなの違います!…キャプテンはサッカーが大好きな筈です」
天馬はさっき見つけた手帳を取り出す
「それは…俺の…っ!」
すると再び神童は走り出す
「キャプテン…」
「…天馬は戻ってて、ボクが行くよ」
「でも…」
「大丈夫、キャプテンはサッカーをやめたりしないよ」
「…うん わかった お願い海音」
海音も神童を追って走り出した
——————
「キャプテン!…何で辞めるんですか?」
校内の林の中にいた神童に海音は言った
「何ででもだ!…今のサッカーに本気になる価値なんてない!!」
ボロボロと神童は泣いていた
「…そんなことないですよ、キャプテンが辞めるなんて、おかしいです」
「うるさい!」
神童は海音に背を向ける
「…俺には雪雨や松風のような勇気がない …俺なんかにキャプテンの資格なんて無いんだ」
「資格ならあるさ!」
すると向こうに円堂が立っていた
「監督…」
「サッカーが好きだから…涙が出るんだろ?」
円堂は言った
「……」
神童は円堂を見た
「俺は…本当は勝ちたいです!もう勝敗指示なんかに従いたくない…」
「その言葉を待ってたぜ …キャプテン」
「円堂監督!…力を貸して下さい!」
海音は言った
「ああ勿論さ、…負けていい試合なんてない!」
円堂は頷く
「…そうだ、お前たちに見せたいものがあるんだ」
「見せたいもの?」
海音は言った
「ああ…皆も呼んで行ってみようぜ」
円堂は言った
——————
他の皆を連れ、やって来たのは旧部室だった
円堂は鍵を開け、皆と中に入る
いろんなサッカーの道具が置かれていた
「…これは?」
海音は壁にあるラクガキを指差す
「これは俺が雷門にいた頃、皆と書いたんだ」
円堂は言った
「………」
剣城はその様子を見ていた
どうやら輪には入りたくないらしい
「剣城もおいでよ、すごいよ!」
海音は言った
「…いい」
剣城は首を横にふった
「なんか昔の雷門イレブンってサッカー大好きな感じがする…」
浜野は言った
「お前らだってそうだろ?…じゃあ優勝に向けて特訓だ!」
「はい!」
「………」
雪雨…神童を止めてくれてありがとう
そう思いながら霧野は皆と第二グラウンドに向かった
「………」
海音、やはりアイツに似ている
海音の後ろ姿を見ながら剣城は感じていた
- 第十二話 ( No.21 )
- 日時: 2012/09/15 19:00
- 名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)
「皆いるな?」
試合当日、神童はメンバーの出席を取った
今日は剣城も含めて全員揃っていた
「試合の前に、ホーリーロードスタジアムで開会式があります そしてそのあと天河原中へ移動、試合となります」
葵は皆に言った
皆はキャラバンに乗り込み始める
それぞれ仲が良い人と座っていく
「天馬一緒に座ろ」
「うん!」
天馬は信助と座るようだ
全員を合わせたら調度二十人
十個のペアが出来ることになる
「………」
剣城は皆と違い、一番後ろの席に座った
それを見ていた海音は剣城の隣に座る
「一人寂しいじゃん…一緒に座ろ?」
「…ふん 好きにしろ」
キャラバンが走り出す
皆隣の席の人と話をしていたが、明るい内容は少なかった
「…また勝つつもりか?」
「うん」
「こりない奴だな」
剣城は言った
「ねぇ…何で剣城はフィフスセクターに居るの?」
「は?」
「サッカー上手いのに…サッカー嫌いを自称してさ、何かあるのかなって」
「………」
剣城は海音から視線を反らす
「別に…言う必要もない」
「まぁ言いたくないならいいや」
海音は言った
「…剣城、ボクさ…まだ雷門の誰にも言ってない…凄い秘密が有るんだ」
「女だと言うことか?」
「ううん、もっと凄いよ…今度教えてあげる」
この時の海音は
まるで昔の事を思い出しているような目をしていた
——————
ホーリーロードスタジアムは、かつてはフットボールフロンティアスタジアムと言われていた
中に入ると、大勢のギャラリーが見るなか、開会式が行われた
「………」
何なんだろ、これ…
雷門の皆はユニフォームに着替え、一列になって行進していた
他にも天河原、万能坂、帝国学園、海王学園など、様々なチームが行進している
「………」
シロにぃも見てるかな?…そんなわけないか、関東予選だし、シロにぃはきっと北海道予選か
そんな中、円堂はスタジアム全体が見渡せる 来賓席とでも言われそうな高いところの席をじっと見ていた
——————
開会式のあと、雷門イレブンはキャラバンで天河原中に来た
赤い色が多い校舎で、ギャラリーも満席だった
「…よーし!この試合勝ちにいくよ!」
海音は言った
「…でも、先輩達は皆勝つ気が無いみたい」
天馬は周りを見て言った
「ああ…だが俺は勝ちたい 俺達だけでも何とかしよう」
神童は言った
それぞれのポジションに立ち、試合は始まった
「いくぞ!天馬!海音!」
神童は言った
ボールは神童に渡る
「この試合…キャプテンとして言っておく、絶対に勝つぞ!」
周りの皆が驚いたような目で神童を見た
「…フィフスセクターに逆らったら未来は無いぞ!」
近くの天河原の選手は言った
確か…MFの隼総だ
「未来は自分で切り開くさ!」
神童は海音にパスをする
「海音!」
すると神童の右手から黄色い線が出現した
どこへパスしていいかが分かる… これが神のタクトか!
「天馬!」
海音は近くの天馬にパスを出した
天馬はゴールへとかけ上がる
「キャプテン!」
そしてボールは神童へ
「フォルテシモを見せてください!」
海音は言った
神童はDF陣を突破し、ゴールの前に来る
ボールの回りに音符が出現し、神童は軽やかなボレーシュートを放つ
「フォルテシモ!」
あれが…フォルテシモ…
シュートは天河原のゴールに突き刺さる
雷門が先制点
「やりましたね!」
「ああ!」
神童と海音はハイタッチを交わす
「…本当に勝敗指示に逆らった…」
速水は呟く
「どうしたんだよ…神童は!」
倉間も言った
「…では俺達も本気を出すとしようか」
隼総は言った
試合開始のホイッスル
「キャプテン!」
天馬は神童にパスを出す
それを受け取り、神童はかけ上がった
「マッドジャグラー!」
「うわああ!!」
だが、強烈なラフプレーで天河原は神童からボールを奪う
「おい!今のは反則だろ!」
ベンチから水鳥は叫ぶが、その言葉は届かない
「審判の見えない位置になるように計算してるんだ…」
黒の騎士団を思い出して海音は呟いた
海音は天河原の一人にスライディングをかけ、ボールを奪った
「行かせない!」
天河原のキャプテンは海音へとかけ上がる
「スケーティングアイス!」
海音はそのキャプテンをかわした
そしてゴールの前にやって来る
「ダイヤモンドショット!」
海音のシュートはゴールを揺らす
雷門二点目
「………」
海音…バカなことを
遠くで見ていた剣城は思った
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