二次創作小説(紙ほか)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

FAIARYTAIL「悪霊憑き」 *完結!
日時: 2015/04/07 22:45
名前: 有栖 (ID: oUY4LzoD)
プロフ: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=23963

古い方で書いていた妖精の尻尾の小説を移動してきたものですっ!
そちらで投稿させてもらったオリキャラ等も全てこちらへ移動してくるつもりですです。
さて、初めましての方は初めまして。久しぶりの方は今回もよろしくです。


注意書き
・キャラ崩壊があるかも知れません。なるべく気を付けます。
・更新が不定期です。すみません。
・半原作沿いでいきたいと思います。たまに設定無視。
・主人公視点だったりレギュラーキャラ視点だったり作者視点だったりいろいろ変わったりするかもです。

こんな感じです。また何かあったら増やして行こうと思うのでよろしくお願いします。
メモ>>66(ネタばれ微注)

ノエルの“悪霊”としてのオリキャラを募集しています。
募集用紙>>2
*募集終了しました。みなさま、ありがとうございます!
次、また募集する時はよろです。

投稿して下さったお客様
レティナさん、Dr.クロさん >>3
流夢さん、ショコラさん、黎さん、茅さん >>5
カササギさん >>6 >>15 >>50
ツギハギさん >>16

*目次*
第1難解 〜仲間を信じる問題_不正解〜>>9-45
第1問「きみは何?」>>9
第2問「ギルドって何?」>>10-11
第3問「マスターって何?」>>12
第4問「闇ギルドって何?」 >>18-19
第5問「魔風壁って何?」 >>23-24
第6問「評議会って何?」 >>25-26
第7問「S級って何?」 >>29-30
第8問「デリオラって何?」 >>31-32
第9問「ファントムって何?」 >>33 >>35
第10問「“ハートフィリア財閥”って何?」 >>36
第11問「煉獄砕破って何?」 >>37-38
第12問「楽園の塔って何?」 >>39-40
第13問「生贄って何?」 >>41
第14問「楽園ゲームって何?」 >>42-43
第15問「信じるって何?」 >>44-45
第2難解 〜1人で生きる問題_正解〜>>47-69
第16問「ここはどこ?」 >>47
第17問「迷子って何?」 >>48
第18問「どこにいったの?」 >>52 >>56
第19問「賊はどこにいる?」 >>59-60
第20問「収穫祭って?」 >>61
第21問「人質って何?」>>62-63
第22問「神鳴殿って何?」>>64-65
第23問「生きるって何?」>>68-69
第3難解 〜もう1人の人格の問題〜>>70-133
第24問「バラム同盟って何?」>>70-71
第25問「六魔将軍って何?」>>72-73
第26問「私って誰?」>>76-77
第27問「ニルヴァーナって何?」>>78-80
第28問「ゼロって誰?」>>82 >>86-87
第29問「どうやって止めるの?」>>90-91 >>93
第30問「思念体って何?」>>94-95
第31問「エドラスってどこ?」>>99-101
第32問「アースランドって何?」>102-103
第33問「巨大魔水晶って何?」>>104-105 >>108
第34問「亡霊って何?」>>109-111
第35問「竜騎士って何?」>>113-115
第36問「幽体離脱って何?」>>118-120
第37問「S級試験って何?」>>121 >>123
第38問「お墓ってどこ?」>>124-125
第39問「悪魔の心臓って何?」>>126-127
第40問「ゼレフの影響って何?」>>128 >>130
第41問「成長って何…?」>>131-132
最終問題「私って何?」>>133

イラスト
「ノエル+悪霊」>>81

イメソン
「ノエル+リキ」>>92

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」*オリキャラ募集中 ( No.43 )
日時: 2013/11/23 18:13
名前: 有栖 (ID: bpc70dxM)

ただ1人、ナツさんだけが訳が分からない顔をしていた
“リキ・アルムニスト”は私の2つ目の名前
でも知らない、何も知らない

「まさか、その少女が……」

知らない、私は知らない、何も知らない
そんな呼び名なんて聞いたことなんてない

「その力、試させてもらおう」

さすがに距離が近すぎる。避けられるはずがない

「ジャスティス…」

相手が構える。覚悟して目をつぶった

「ホーホh……」

でも痛みはなくてそっと開くとそこにナツさんの姿
相手は見事に吹っ飛ばされている
それを見て、すぐにショウさんの向かった方向へ走り出した

「かかってこいっつったろ?鳥。テメェの相手はオレだあ!」

「ありがとうございます」

それだけ言って勢いよく走り出す
今から言って間に合うかは分からないけど行くしかない
もう、誰も殺したくない。大切な人を殺したくなんかない
きっと死ぬ気なんだ。勝ったってエーテリオンが落ちるまでこの塔に残るんだ
そんなことさせない。私が許さない。

もう一度だけ信じてみようと思ったんだ。
期待してみようと思ったんだ。だから…………

あそこから何分くらい走ったんだろう
この私の短い足じゃ最上階までいくのにも辛くて遅くて。
でも間に合わなかったって後悔したくないから…

「はぁ……はぁ………」

『ノエル、大丈夫か』

「だい…じょう、ぶ」

本当は大丈夫じゃないけど。

『無理すんな。エルザのところにいってもノエルがそんなんじゃ行っても意味がない。少し、休もう』

私はシエルの顔を見る
その目は本当に心配している様子で仕方なく息が整うまでは休憩しようと少し走る速度を遅める
それでも止まることはない。止めたくない、この足を
後きっともうちょっとなんだ。最上階まで
だっていくつもの破壊音が聞こえるんだ
きっとジェラールとお姉ちゃんが戦ってるんだ
数分歩いてやっと最上階であろう場所へたどりつく
でももう遅かった。眩しい白い光がこの塔を照らす
これはきっとエーテリオン……

「——っ、お姉ちゃん……」

頑張って目を開けてみた先に見えたのはお姉ちゃんとジェラールが抱きしめあっているその姿
そんなのはどうでもいい。そのジェラールの目に寒気がした
その証拠に私は、生きている
あの眩しい光りがおさまった今でも生きている
もちろん目の前の2人も生きている
変わったのは塔の形。ジェラールは言った。これが完成した楽園の塔の姿
知らなかった。無知だった。
呆然としていると2人は私の姿があるのに気付く

「殺害の悪魔(マーディオスフィンド)…か」

まただ。あのふくろうと同じことをいってる
マーディオスフィンド。その言語を私は何故か知っている
訳すと殺害の悪魔
何でそんな名前がついてるのかなんて知らない。でも今は関係ない

「ノエルッお前は下がってろ!」



下がってろ?



なんだかそんな一言が私の中の何かに反応する
今の声は誰の声だろう———



「あはっ……」

『ノエルッ!!』

“ノエル”のお気に入りが“私”を呼ぶ
ここまで君の為に頑張って走ってきたのに下がってろはないよ、
ねぇ?

「あはははははっ!!君が下がってなよ。この人は私がやる」

“白い人”は滅多に見た事がない。でも私は君に出会った
君みたいな白い人に
ただひたすらに君だけは殺したくなくてここまで頑張ってきたのに
下がってろだって。
なめてる。なめてるなめてるなめてるなめてるなめてるなめてる

「ノエルッ!!」

“ノエル”のお気に入りが私の視界から消えてまた別の“私”のお気に入りが現れる
憑依させるものなどいらない。自身の魔力だけで十分。

「ガキに俺がやられるもんかよ、」

不敵に笑う
きっと今の私の笑顔は狂気じみていたのかもしれない
私のお気に入り以外が震えあがっているように見えた
お気に入りはジェラールの回りに集まり素早く円を作る
ジェラールは何も知らない。気付かない。私にしか見えていない、私のお気に入り
こちらの様子をうかがっているのか余裕ぶっこいてるのかは知らないけど相手は動かない

「サブスタン(実体)」

ジェラールの周りにいる5体を一気に実体化させ動きを封じ込める
私のお気に入りが持ってる剣を借りてそれを実現させる
一歩、一歩近づく。こんな奴たやすい
弱い。弱すぎる。黒く。黒く染まる奴ほど弱い
相手は急に動かなくなった体を動かそうとしているのかこちらを睨みながら抵抗する
それほどの殺気なんぞかゆいくらいだ。びびらない

「黒い人はみんな殺すの。みんな黒い人はみんな白い人を殺すから黒い人はみんな殺すの。闇ギルドじゃなくたって私が黒といえばその人は黒くなるの」

剣をジェラールの首元へ。会うまでは分からない。
その人が黒い人か、白い人か。
その人の中身までみなきゃ判断出来ない。
今、ここにいるあの白い人も最初は黒い人だと思ってた
でもあの人は白い人。この人は———

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」*オリキャラ募集中 ( No.44 )
日時: 2013/11/23 18:17
名前: 有栖 (ID: bpc70dxM)

第15問「信じるって何?」

ジェラールの罠にかかってしまい拘束の蛇(パウンドスネーク)によって体が動かない今、私にはノエルをどうすることもできなかった

「黒い人はみんな殺すの。みんな黒い人はみんな白い人を殺すから黒い人はみんな殺すの。闇ギルドじゃなくたって私が黒といえばその人は黒くなるの」

静かに一歩一歩近づきながら実体化させた剣をジェラールの首へ向ける
さっきから叫んでいるがノエルは聞こえていないようで反応しない
何より、あんな狂気じみたノエルを見たのは初めてでどうすればいいか分からないというのもある
でも確実に分かることは今のノエルはノエルであってノエルではない
当初、会った時のノエルだ、という事。

「ノエルッ!!」

あの小さい身体から考えられないほどの量の殺気と魔力
そして、ジェラールの周りにいる5体くたいの“悪霊”
いつものノエルは最高でも2体しか実体化できない。それも元々、魔力がそんなに強くない者が2体だ
それに加えて今、目の前にいるノエルはそれなりに強い魔力の持ち主を同時に5体。
当の本人は対して体力が削れているような様子もない
まだ魔力は余っているような涼しい顔。
最初は魔力の暴走だと考えていたが少し違う。暴走ではない……

「エルザ!」

入り口から声がしてそちらを向くとそこにナツが立っていた

「これはどうなってんだ?あれはノエル……なのか?」

今は、ナツにかけるしか……

「スマン、しばらく動けそうにない。ノエルを、止めてくれ…」

ナツの視線がノエルに戻り頷く。それと同時にノエルの方へときずかれないように走りだす
ノエルがこちらに気付いている様子はない。
ジェラールもノエルに気をとられてナツが来た事に気付いていないだろう

「でも君は、黒でも白でもない。今の私には分かる。君はなんなの?」

「っ!?………ノエル?」

今だ剣をおろすような雰囲気はないが殺そうとは思っていない
いや、違う。殺すのを躊躇している


+++


「何をふざけた事を…お前のその言いようならオレは黒側の人間だ。殺せよ?」

冷や汗を流しながら余裕のない笑みで質問に答える
こいつに聞く私がバカだったのかも知れない

「殺して欲しいなら殺すの」

剣でジェラールの首を斬ろうとした瞬間だった。
後ろからなにか暖かいものが覆いかぶさる

「っ!!?」

何故か体が硬直した。動こうとしてもまったく動かない
後ろにいるこいつのせいじゃない
何だ。私の体に何が起きている

「そんな物騒なもん持ってんなって」

優しく、そう言われた
腕から剣が落ち、実体化したもの全てが元に戻る
それとほぼ同時に一気に魔力を失い意識を手放した

+++

大きい音がして目が覚めると巨大な黒い球体を魔法を打ちだそうとしているジェラールの姿が目に入った
ジェラールの視線の先にはナツさんを庇おうとするエルザお姉ちゃんの姿
何がどうなって…。

「おまえは何も心配するな。私が守ってやる」

「やめろォーー!!」

「おねえ……ちゃ…」

上手く体が動かない。使った覚えはないのに魔力が切れている
ナツさんを守った後、お姉ちゃんはどうなるの…ねぇ
手を伸ばすと誰かに頭をなでられ髪をぐしゃぐしゃにされる

「ノエルは、エルザに少しだけ似ているな」

「え?」

そう聞こえた時にはもうすでにその人、シモンさんは走りだしていた
お姉ちゃんの前にかばうように乗り出してジェラールの攻撃をもろにくらう

「シモン!!」

お姉ちゃんがシモンさんの前に行き涙を流す
頭にはまだねでられた感覚が残っているような気がした

「シモン……さん……」

信じれる人以外で人が死んだところを見るのは初めてじゃない
今までなんとも思わなかったのにどうしてだろう
今回だけはすごく泣きたくなった。貰い泣き…かもしれないけど
ナツさんがすぐに動いてジェラールを殴りエーテリオンの欠片を食べる
その欠片には炎以外の成分も当たり前のように入っていてナツさんが苦しそうにする
それでも立ち上がると体の全身から炎があがりドラゴンの形をつくる
そこからナツさんの連続の攻撃から始まり最終的に煉獄砕破(アビスブレイク)を発動しようとしたジェラールをナツさんがトドメをさした
お姉ちゃんの顔を見て安心したのかナツさんがその場に倒れる

「ナツさんっ!」

なんとか立ち上がりそばに寄る
お姉ちゃんはナツさんを抱きしめ、微かに微笑んだ
でも終わりじゃない
地鳴りのようなものが聞こえところどころから崩壊が始まる

「ここも長くはもたない…か。はやくここから出るぞ、ノエル」

「うん」

お姉ちゃんがナツさんを抱きかかえ崩壊の少ない方へと走る
途中、シモンさんの方を振り向いたけど目を背ける。……ごめんなさい…
その時、塔の形が変形し足が止まる

「くそっ!!ここまでか!!」

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」*オリキャラ募集中 ( No.45 )
日時: 2013/11/23 18:21
名前: 有栖 (ID: bpc70dxM)

お姉ちゃんが膝をついた
確かにこれでは外に出ても巻き込まれる可能性がある
たぶん外にいる人たちにも影響が…
それだけはできるだけ避けたい道だ。誰も傷つかないで脱出する方法があれば…
周りを見渡してるとすっとお姉ちゃんが立ちあがる

「ノエル……ナツを起こしてここから出るんだ」

「お姉ちゃんは?」

聞いてみたけど返ってくるのは儚い笑顔だけ
そしてエーテリオンと向き直る。まさかっ

「待ってっ!」

私の言葉も遅くお姉ちゃんは手を水晶に入れる
そのままどんどん水晶の中へとひきずりこまれていくのを見ることしか出来ない

「お姉ちゃんっ!なんでっ」

「止めるには、これしかないんだ……」

「あるからっ!きっとあるからっ!!」

「エルザッ!!おまえ、何やって…」

いつ目が覚めたのかナツさんがお姉ちゃんに近づく

「ナツ…私は妖精の尻尾なしでは生きていけない。仲間のいない世界など考えることも出来ない。私にとっておまえたちはそれほどに大きな存在なのだ」

そんなの、そんなの……

「私が皆を救えるのなら何も迷うことなどない。この体など…くれてやる!!」

そういって完全に水晶の中に取りこまれる
ナツさんはその水晶を何回も叩くが壊れる気配などない
そんなの……ないよ。なんで……。
なんで“お姉ちゃんまで約束やぶるの”

雨が降る。それも土砂降りの雨が
その中でとあるギルドの仲間が仲間の死に泣いている
そこにいた幽体となった彼女もまた笑顔が見れなく泣いている
こんなのは望んでいない、と泣いている

『 結局は 全部 嘘だったんだね 』

「 違う 私はこんな未来…… 」

『 エルザ お前は一度約束を破ったんだ それを忘れるな 』

「 っ!? シエル? 」

もう決めたことなんだ
誰も信じないって。信じた自分が悪かったんだ
不吉な自分が君のことを信じちゃったから死んじゃったんだ
ごめんね、ごめんね
私はもう消えるから。ここから消えるから
もう誰も信じない。もう二度と信じない



でも誰か、助けて欲しかったな———




「ここは…!?」

浅い海の上でナツがエルザを抱きかかえ立っていた
それにつられるようにルーシィ達がナツ達に近づく
ナツは力つきたようにその場でひざを落とす

「同じだ…」

「え?」

「オレたちだって同じなんだ………二度とこんな事するな…」

「ナツ…」

「するな!!」




「…うん。ナツ…ありがとう」





——そうだ…仲間の為に死ぬのではない。仲間のために生きるのだ——



—それが幸せな未来につながる事だから…—












「——っ!ノエル?」








「あれ?そういえば……ナツ!ノエルちゃんは?」



「!?」








『私は、殺されない』


『本当に…?本当に死なない?』

『あぁ、死なない。約束しよう。だから、信じないなんて悲しいこといわないでくれ』


あぁ、そっか。 “殺されない”
エルザさんはそう言ったんだもんね

約束、破ったもなにもないや……
あはは、ごめんね。私の勘違い
てっきり自分から死ににいくのもなしだと思ってた
私ってバカだから。まだ子供で何にも分からないから

ごめんね すぐに戻るよ、

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」*オリキャラ募集中 ( No.46 )
日時: 2013/11/23 18:27
名前: 有栖 (ID: bpc70dxM)

最後、急展開だよね。うん。知ってる。
あまりにも最終話(仮)とその前の話が間あきすぎて
どうゆうふうに物語進んでんのか分かんなくてあーなった。
ちなみに考えていた事、本当は違うんだよぉΣ( ° Д °;)
書きなおしたい衝動にかられたが、第2章を書いてしまったためにそのまま。

ってことで。第1章は完結。
次から第2章になりまする。第2章は結構短くなる予定。
あくまで予定なので参考までに。
ついにファンタジア編(仮)です。
今、一番書きたい天楼島編までは頑張りたいと思っている。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」*オリキャラ募集中 ( No.47 )
日時: 2014/04/02 10:19
名前: 有栖 (ID: NFbvEd0b)
プロフ: 第2難解 〜1人で生きる問題〜

第16問「ここはどこ?」

「冷たい…」

全身びしょぬれで陸地に着く。
途中まで自分が何を考えていたかはっきりしていたのに今、何も分からなくなった。
あれ…。ここどこだろう。
見知らぬ土地。あたりを見渡すけれど見えるのは知らない村と流されてきた海。

「危ないよ、」

後ろから声がして何者かにしゃがまされる。
その時、上空を何か鳥のようなものが飛んでいく

「ここらへんはあの鳥の敷地内だから気を付けた方がいい。おいで」

そういってその人は私を立ちあがらせ手をひっぱって連れていく。
妖精の尻尾(フェアリーテイル)以外で私に話しかけてくることは滅多にないのに。
後ろ姿からしか見えないけどその人は髪が長いことから女の人、だと思われる
私の髪の色とは逆に青い色をしていていつからのばしていたのかその髪は足首まで伸びている。
地面につきそう…。邪魔じゃないのかな
その人は私を連れて村のような場所へ連れていく。
連れて行かれたのはひとつのギルド。
名前はみえなかったけど闇ギルドではなさそうだ。
彼女は手を離しギルドの中へ。私も慌ててついていく

「お、帰ってきたなユウ。今回の仕事、大成功だったみたいじゃないか」

「っふ、お前たちにはきっと無理だろうね」

「おいおい…俺達だってやるときゃやるからな?」

「“やるときは”でしょ?」

彼女たちの会話を聞く。
どうやら彼女の名前は“ユウ”っていうらしい。
小声でシエルに話かけた。

「ねぇシエル。ここってどこだろうね」

『……さぁな。聞いてみればいいじゃないか』

「……私が話かけても大丈夫なのかな」

『主は本当に控えめな人ね』

私とシエルの会話を聞いていたラーウェルが口を出す。
別に控えめな訳じゃない。ただ、怖いだけ。

「それより、後ろのその餓鬼は?」

「あぁ、拾った。そうだな…新しい服をやってあげてくれ」

「あら、珍しいわね、ユウ」

「びしょぬれの子供を放っておけるほど人間ができてない訳じゃない」

ユウさんの肩を叩いて変わりにこちらへやってきた彼女が私を違う所へ
彼女の部屋らしき場所へたどりつき服を貰った。

「ねぇ、どこから来たの?」

「マグノリア……」

「じゃあお隣さんかな?」

「あ、あの……私、妖精の尻尾に行きたいんです」

顔をうつむかせ言った。そしたら彼女は優しく語りかける
私達のギルドに入ればいいじゃない、と。
でも、もうすでに妖精の尻尾に入っている為にそれは出来ない。
紋章を見せると納得したらしい。彼女は簡単な地図を渡してくれた。

「でも大丈夫なの?海で溺れてそのままここにたどりついたんでしょ?」

確かにお金はないしあまり知識もない。
でも私にはシエル達がいるから。

「大丈夫です。教えてくれてありがとう」

それだけいって家を出ようとすると引き留められてきんちゃく袋を渡される。
開けていいか確認してから中を見るとそこには1週間くらいは生き延びていけそうなお金はあった。

「え、」

「やっぱり心配だから。持っていきなさい」

「でも……こんな私なんかに…」

彼女はすっと座りこみ手を私の頬に添える。

「あなたの目は奇麗な赤いろをしている。奥に見えるのは人々に与える“優しさ”。でもその半面で邪悪な部分もある。それも全部これから先に解決するわ」

「………」

初めてだ。目に関してこんなにも優しくしてくれる人は。

「ふふ、あなたはユウと正反対ね。いってらっしゃい、気を付けるのよ」

「ありがとうございますっ」

貰ったきんちゃく袋を大切にしまい今度こそ家を出た。




『やっと始まり、か』

シエルが一言呟いた。



Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。