二次創作小説(紙ほか)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 【ポケらぶ】我が本丸のベテランと新人がアローラへバカンス
- 日時: 2017/05/22 16:08
- 名前: 藍紅 ◆jqzZxVcA6Q (ID: /PtQL6mp)
- プロフ: http://www.pixiv.net/member.php?id=7721730
お久しぶりです、藍紅です。
こっちの方でも更新していきますよ!URLは通信機能本丸シリーズをうpしているピクシブのアカウントです。
よければそっちも見て行って下さいね^^
注意
・通信機能本丸と同じ本丸の設定
・ポケモン×刀剣乱舞
・手持ちはうp主の趣味
・内容はタイトル通り
・更新頻度は亀
・通信機能本丸特有の急展開やノリが含まれております
・我が本丸の設定100%
・オリキャラが登場します。
・オリ展開があります
登場人物
審神者
→うp主と同一人物といったな。あれは嘘だ。
性別「男」
性格「大人しめな性格。クールに見えるが天然。表情筋仕事しろ」
一人称「僕」
二人称・三人称「きみ、きみたち」
容姿「巫女のような服装。黒髪。切れ長の瞳で色は赤」
戦歴「全地方の伝説ポケモン達と知り合いになれる程度の能力」
備考「トレーナー審神者」
明石国行
性格「やる気がない。基本何考えてるか分からない掴みどころのない奴。関西弁。」
一人称「自分」
二人称・三人称「あんた、あんさん、あんさんら、あんたら」
容姿「紫がかった紺色の髪。左側は赤いピンで留めているが右側は前髪流し。フレーム無し眼鏡。目は黄緑と赤。服装は来派の戦装束」
戦歴「ジムバッジ(シンオウ8個)、シンオウコンテスト賢さ部門マスターランク優勝、殿堂入り(シンオウリーグ)、フロンティア全制覇、島巡りアーカラまで突破」
備考「我が本丸の三代目総隊長。ノリの良い保護者。粟田口に「ゆき兄」と呼ばれる」
大包平
性格「愛すべき馬鹿。頭は回るが体がついて行かないor体は動くが頭がついて行かない。残念なイケメン。」
一人称「俺」
二人称・三人称「お前、お前達、お前ら」
容姿「赤い逆立った髪。目は灰色。服装は古備前の戦装束」
戦歴「島巡りアーカラまで突破」
備考「我が本丸の四代目総隊長。アホだが役に立つ」
手持ち
明石さん(ベテラン、ゴースト統一、オシャボガチ勢)
・キャロル(シャンデラ) ♀ レベル100
→控えめな性格。
NN由来:キャンドルからもじった
・パロン(フワライド) ♀ レベル100
→陽気な性格。
NN由来:風船から
・キュリア(ミミッキュ) ♀ レベル98
→意地っ張りな性格。
NN由来:ミミッキュのキュ、ナイトメアのもじり
・ナイツ(ギルガルド) ♂ レベル80
→勇敢な性格。
NN由来:見た目から
・キャメロット(シロデスナ) ♂ レベル96
→図太い性格。
NN由来:見た目から
・メアリー(ゲンガー) ♀ レベル100 ゲンガナイト
→臆病な性格。
NN由来:ナイトメアのもじり。某有名な殺人鬼から。
・ドルチェ(シャンデラ) ♀ レベル70
→色違い。穏やかな性格。
NN由来:蝋燭から。
・ルーカス(ミミッキュ) ♀ レベル70
→色違い。気まぐれな性格。
NN由来:有名な殺人鬼の名前から。
・デュラン(ガラガラ) ♂ レベル70
→陽気な性格。
NN由来:某人物から
・キリカ(ユキメノコ) ♀ レベル100
→臆病な性格。
NN由来:クノエシティ
・マリネ(ブルンゲル) ♂ レベル100
→図太い性格。
NN由来:マリンのもじり
守り神達
・フラン(カプ・テテフ) レベル60
→穏やかな性格。
NN由来:蝶と花から
・レイジー(カプ・コケコ) レベル60
→陽気な性格。ボールには入れていない。
NN由来:雷神のもじり
・ルルデス(カプ・ブルル) レベル60
→暫定ニックネーム
・レミル(カプ・レヒレ) レベル60
→暫定ニックネーム
包平さん(新人、手持ちのレベルが高いのはベテランのせい)
・サーナイト ♂ レベル70
→審神者に投げられた。
・ガオガエン ♂ レベル70
→島キングから譲ってもらった。
・ジュナイパー ♂ レベル70
→明石から貰った卵から孵った。
・ギャラドス ♂ レベル70
→釣った。
・ライチュウ ♀ レベル70
→明石にポケモンの捕まえ方教えてもらった時に捕まえた。
・ガブリアス ♂ レベル75
→たまご孵した。
主人公級キャラ三人目(リンク先軽いネタバレ)
>>38
本編のキーキャラ(リンク先ネタバレ注意)
>>61
>>65
神代三剣設定(手持ちポケモン募集中)
>>60
オリキャラ提供者様(敬称略)
>>16
>>22
>>23
>>31
>>32
>>35
>>52
オリキャラ用紙
※主人公級登場人物達よりあからさまに強いキャラクターはご遠慮願います。
名前「刀剣男士の場合は振り仮名もお願い致します」
性別「」
性格「」
一人称「」
二人称・三人称「」
手持ちポケモン「6匹いなくてもOKです。レベルや性別などは問いませんが伝説系統のポケモンはご遠慮ください。ニックネームがある場合はどのポケモンに何と名付けられているかを明確にしてくださいますようお願い致します」
容姿「」
戦歴「※参照」
サンプルボイス「3つほどお願いします」
備考「特殊設定や、「この子はこう使ってほしい」などのご要望など、項目にないものはこちらにお書きください」
宜しくお願いします。
※の説明
説明不足で申し訳ありません。追記致します。対応の方遅れて申し訳ございません。
戦績についての解説
ジム→アローラ以外の地方に存在いたします。
コンテスト→シンオウ、ホウエンにしか御座いません。
殿堂入り→何処の地方の殿堂入りかもお書き頂きますと幸いです。
フロンティア→ジョウト(HGSS)、シンオウ(DPPt)、ホウエン(RSE)にしか御座いません。
バトルシャトー→カロスのみ。爵位など御座いましたら。女性と男性で呼称が違いますのでお調べください。
バトルツリー→アローラのみ。何連勝かお書きの上。
バトルサブウェイ→イッシュのみ。何連勝かお書きの上。
バトルハウス→第六世代以降のみ。何連勝かお書きの上。
ポケウッド・ミュージカル→イッシュのみ。
記載のない戦績につきましては作者である藍紅にご質問ください。
- Re: 【ポケらぶ】我が本丸のベテランと新人がアローラへバカンス ( No.47 )
- 日時: 2017/04/03 22:49
- 名前: 藍紅 ◆jqzZxVcA6Q (ID: Ro4jdKEa)
>>46
相手にしたくないわこんなパーティ……でも結構いるのが現実。
コケコのトコがガブリアスなパーティとかも結構いるよね……つらみ。
コケコの方は暫定手持ちって感じでまだ捕まえてはいないけどねw
ネーミングええやろ?SM初見クリアした時に付けた名前ですわ。このテキトー加減な。
離脱了解。おやすみー。また時間合えばお話しよう(`・ω・´)
- Re: 【ポケらぶ】我が本丸のベテランと新人がアローラへバカンス ( No.48 )
- 日時: 2017/04/04 18:15
- 名前: 藍紅 ◆jqzZxVcA6Q (ID: Ro4jdKEa)
- プロフ: 本編続き
数刻前。アローラ地方、ウラウラ島。スーパーメガやす跡地。
「〜〜♪〜♪」
鼻歌を歌いながら、一人の青年がふらふらと歩いていた。
ぴたり、と足を止めて。
「ふふふっ」
笑みを零した。
「ゆきりん、いつ来るかな。どうやって脅かしてやろうかな……♪」
その青年は「とある人物」を親しげに呼び、楽しそうに邪悪な微笑みを浮かべる。
「my mother has killd me♪ my fother eating me♪」
外つ国の童謡を歌いながら、青年は奥へと踊る様に足を進めて行く。
とある場所でピタリと動きを止めて、青年は歌を止めた。
「殺してあげるよ。………俺の大好きなゆきりん」
◆
目が覚めた。
いや、醒めた。そういうべきだろうか。
俺が起き上がったのは、見知らぬ場所だった。
寝台の横で、明石が椅子に座りながら舟を漕いでいるのが見える。
……ずっと、俺が目覚めるのをここで待っていたのだろう。
入口付近で本を読んでいたピッケが俺に気付き、「大包平さん」と小さく声をかけてきながら、こちらに向かって来た。
「お体は大丈夫ですか?」
「はい。ご心配おかけしました」
「お気になさらず」
にっこりと笑みを浮かべ、ピッケは俺に一礼してから部屋を出て行った。
出て行く時に彼女が「彼が起きたら船着き場へ来て下さいね」と言い残して行った為、俺は明石が起きるのを待つことにした。
かといって、そのまま寝かせておくことは出来ない。
ゆっくりと明石を抱きあげて、俺が先ほどまで使っていた寝台へ降ろす。
……体がやけに軽い。
こいつが細身の太刀である事が関係しているのだろうが、いくらなんでも軽い。
下手すれば打刀連中より軽いかもしれない。
しばらくして、明石は目を覚ました。
半刻ほど寝ていたのだが、俺は「数分程度だ」と嘘を吐いておいた。
正直に言うとコイツは非常にめんどくさそうだったからだ。
明石は「ふーん」とだけ返してきた。特に疑ってはなさそうだ。よかった。
俺はピッケが言っていた事を明石に伝えると、寝台横に置いてあった荷物を持って、明石と共に船着き場を目指し歩き始めた。
明石が方向音痴なのは知っての通りだ。だから俺が地図を頼りに明石を連れて歩いた。
数分後、船着き場に到着。そこで待っていたピッケにわざマシンを貰って、ウラウラ行きの船に乗り込んだ。
「これは何と言う技が入っている?」
「サイコキネシスや」
「そうか。サーナイトとライチュウが使えるし俺は必要ないな。明石は使うか?」
「自分もええですわ。ドルチェがサイコキネシス使えるし」
「そうか。では鞄にしまっておくぞ」
「頼んます」
わざマシンポケットにそれをしまいこむ。
しばらくして、ウラウラ島が見えてきた。3つ目の島だ。
この島には2つしか試練がなかったそうだが、最近新たに何人かキャプテンを見い出し、試練が増えたそうだ。
メレメレにも一つ試練が増えたそうだが、大試練を突破した後だったため挑戦はほぼ諦めた状態だったが、
後日「カヒリ」という女性から俺達宛てにヒコウZが送られてきた。
彼女は最近までアローラから離れていたそうだが、初代チャンピオンがアローラに呼び付けたらしい。
飛行の試練を受け持つキャプテンとしてテンカラットヒルで試練を構えながら、ゴルファーとして活躍もしているそうだ。
初代チャンピオンがポケモンリーグの頂点に居た頃は四天王もしていたらしいが、今は別のトレーナーが四天王としてその座についているそうだ。
「初代チャンピオンか。会ってみたいものだな」
「会ってどうするん?」
「勝負してみたいんだ。いいだろう?」
「包平はんらしい答えやわ。楽しみにしとりますよ」
「……? どういう意味だ?」
答えを聞く前に、船のアナウンスがかかってしまう。
嫌なタイミングだと思いつつ耳を傾ける。
「目的地、ウラウラ島マリエシティ港に到着致しました。御乗船、お疲れ様でした。当船は、10分後に次の目的地、ポニ島へ出航致します。」
ポニ島。島巡りをしているトレーナーが赴く最後の島…だったはずだ。
俺達に、まだポニの大地を踏みしめる資格はない。大人しくここで降りよう。
降りて行くと、そこには一人のトレーナーが待っていた。
「ねーねー、トレーナーさん?」
どことなくメレメレの島キングに似ている気がする。孫だろうか?
質問に肯定すると、少年は眩しいくらいの笑みを浮かべる。
「あれ、くにゆきー?」
少年は聞き覚えのある名前を口にした。
我らが隊長の名前だ。……知り合いだったのか。
「ありゃ、ハウくんやん。お久しゅう。島巡り順調?」
「うん、順調ー!やっとウラウラだよー」
「のんびり進行やなぁ」
「くにゆきものんびり進行な癖にー」
………な、なんだこののんびりとした会話は……ゆ、緩い。とても緩い。
明石に「ハウ」と呼ばれた少年は、またしてものんびりと会話をし始める。
彼は明石が「ちょっとした研修」の為にアローラへ赴いた際に知り合ったトレーナーだそうだ。
その頃はまだ駆け出しだったようで、やっとウラウラ島までやってこれたそうだ。
手持ちも見せて貰ったが、中々の面構えだった。
苦手なタイプだとばかり思い込んでいたが、話してみると意外とそうでもない。
ハウと別れ、俺達はマリエシティの探索を始めた。
そこで、俺達はリーリエと再会した。
彼女がマリエシティで待っていてくれた事は知っていたが、街中で会うとは……。
彼女の話を聞くと、どうやら図書館に用があるらしい。
入り組んだ京の都のような街を歩いていく。リーリエも方向音痴気味のようで、明石と共に俺が引っ張っていった。
途中で「ナリヤ」と名乗る研究者に出会い道を教えて貰った為すんなり図書館に着く事が出来た。
「な、何とか着いた」
「大包平さん、あの、ごめんなさい」
「構わん。どうせ方向音痴はここに居るんだ。一人くらい増えた所で問題などない」
「国行さんも方向音痴なんですか!?」
「え?うん。そうみたいやね」
「そうみたいって……」
明石の反応にあきれた様子のリーリエを、一人の人間がじっと見つめていた。
バンバドロを連れた人間だ。女性だろうか?
「何か御用か?」
俺がソイツに近づいて声をかけると、「あぁ」と短く返事をした。
「わらわはハプウと言うでな。リーリエと国行が美しくてつい見とれてしまっておったわ」
「そいつらだけか……」
「ん?」
「あぁ、いや何でもない」
俺だって美しいだろうが、と言いそうになった。危ない。
鶯がいつの日か言っていた。「自分の価値観を押し付けるのはよくない」と。
だれしもが「大包平」を美しいとは思わないのだ。
「久しいのう、国行にリーリエ!」
「ハプウさん!」
「お久しゅう」
二人がぺこりとお辞儀をした。
彼女はリーリエより年上なのだろうか。……身長が低いから分からない。
「リーリエ。何かあればまたわらわを呼ぶのじゃぞ。ぴゅーっと飛んで来てやるからのう!」
「ありがとうございます、ハプウさん」
「それじゃあの」
ハプウは通りかかっただけのようで、短く言葉を交わして何処かへ行ってしまった。
明石に誰だったんだと聞くと、ポニ島の島クイーンだという。
……島クイーンだったのかあの人。
その事実に驚きつつ、図書館に入っていく。
リーリエと明石が色々調べ物を始めるが、俺はこれと言って図書館に用はない。
二人は伝説のポケモン「ソルガレオ」と「ルナアーラ」について調べているようだ。
俺もなんとなく、近くにあった新聞記事を手に取る。
「アローラの歴史」にまつわる記事のようだ。筆者自らが体験したアローラで起こった事を書き起こしているようだった。
そこに出てきたのは、「ファマー」とあだ名がつけられた一人のトレーナーの話。
筆者は彼とバトルをしたが、最初に出された一匹のポケモンに全滅させられてしまったという。
それ以来、「ファマー」と呼ばれるようになったらしい。
彼はバトルを快く受ける。最初に出すのは決まってペンドラーだそうだ。
人当たりの良さそうな青年の姿をしていたらしく、彼は初代チャンピオンの就任と共にアローラから忽然と姿を消したそうだ。
ファマーの記事を、「何読んではりますの?」と明石が覗き込んで来ていた。
驚いて声を上げそうになる。だがここは図書館。静かにせねばならんと口をふさいだ。
「ファマー、ねぇ」
「知ってるのか?」
「まぁ。……昔、ソイツに一回負けてん」
「負けた?お前とキャロルが?」
「そや」
「ファマー」……本名をエイトと言うらしい。
彼はアローラの新聞記者達の間で「ファマー」とあだ名をつけられ、「アローラ最強」と詠われたトレーナーなのだそうだ。
研修に来た際に明石も彼とバトルをし、負けた。
その後無敗を貫き、彼の友人であるタスク、それに「カイト」というトレーナーも打ち破ったらしい。
「強いんだな」
「今戦ったら勝てると思うけどなぁ」
「俺達は戦に長けた物だ。負けるわけがない」
「……」
明石は黙り込んでその記事を真剣に読み始めていた。
そこには別地方で活躍するトレーナー達の記事がある。それに興味があるのだろうか。
俺もその記事に目をやる。
ポケモンコンテストの話だ。シンオウという地域で開催されている大会のようで、戦闘ではなく美しさや可愛さなど、魅力で競いあうようだ。
見出しは「100回目の挑戦で優勝をもぎ取った努力家コーディネーター」。
諦めの悪い奴もいるものだ。
隣には「幽霊コーディネーター・シオン、またしても優勝」の記事。
……明石の興味はこっちか。
そこには明石と同じくゴースト統一でコンテストに挑むトレーナーの話が載っていた。
記事を読んでいくと、シオンというトレーナーはアローラに居るゴースト使いを気に入っていて、彼の戦いを参考にしているそうだ。
……きっと明石の事だろう。ゴースト使いは明石のほかにも試練を担当しているキャプテンもだろうが、
ゴーストの試練を受け持つキャプテンは「女性」らしい。
「彼」と言う表現は適切ではないだろう。そうなると明石に絞られる。
「気に入られているのか?」
「んー…まぁ……」
◆
「明石さん、いいゴーストポケモン連れてるね。その子でコンテスト出るの?」
「そうするつもりや。……シオンは?」
「僕?うーん……やっぱムウちゃんかな!ステージで会おうね、明石さん!」
「あぁ、待っとるよ」
◆
「懐かしいなぁ」
「……よかったな」
「ほんによかったですわ。……またシンオウにも赴きたいもんやなぁ」
その時は是非俺も同行したいものだ。
図書館での調べ物を終え、俺達はマリエシティを後にした。
「おい、ファマーとスカル団が庭園で決闘だってよ!」
「マジかよ!おい、ファマーが見られるぞ!」
「えっ、マジ!?」
「ファマーって、あのファマーだよな!?俺超ファンなんだけど!」
「見に行きましょ!」
「ファマーだってよ!」
「見なきゃ損だぞ!」
やけに騒がしい。
マリエシティにある庭園で、一悶着だったようだ。
聞こえてきた単語は、先程新聞記事でみたものだ。……ファマー。
「エイト」がここに居ると言う事だろうか?
「行こう」
- Re: 【ポケらぶ】我が本丸のベテランと新人がアローラへバカンス ( No.49 )
- 日時: 2017/04/04 18:46
- 名前: 藍紅 ◆jqzZxVcA6Q (ID: Ro4jdKEa)
- プロフ: 本編続き side式部正宗
同時刻。ウラウラ島・マリエ庭園。
青年は一人、氷菓を食べながらその光景を眺めていた。
スカル団のしたっぱ連中をペンドラー一匹だけで葬っていく少年を。
ぺろりと舌舐めずりするように氷菓を食べる青年は、楽しそうに微笑んだ。
「75点ってトコかな。やっぱどんな強い奴でも、ゆきりんには及ばないなー。つまんねーのッ」
いつの間にか食べ終えていた氷菓のごみを丸めてクズカゴへ投げ入れる。
かしゃんと小さな音を立てて、ごみはクズカゴの中に吸い込まれた。
青年はよし、と小さく喜んで、彼らの「消化試合」に目を向けた。
「戦略の欠片もないね、ペンドラー使いちゃん。雑魚との消化試合だなんてつまんないよ」
そんなの、誰だってできるよ。つまんない。
青年は両足をパタパタと動かしながら、心底つまらなさそうに試合を眺めていた。
スカル団を片っ端からなぎ倒していくペンドラー使いの少年は楽しそうだ。
傍から見れば、スカル団をやっつけるヒーローに見えた事だろう。
周りの野次馬共は、少年の方を応援したり、ヤジを飛ばしたりしている。
だが、青年は違った。
「あーあ、あんなに目立っちゃって。「能ある鷹は爪を隠す」って言うでしょ。……本物の強者は、背後に居るものだよ」
青年はそう吐き捨てて、ペンドラー使いの少年へ近付いて行く。
からん、と舐めている飴の音がする。
今日は、スカッと弾ける、レモン味。
「ねぇ、ペンドラー使いのお兄さん。……俺と遊ばない?」
◆
さぁ、楽しい楽しいショーの始まりだ。
本日の、お相手は?
本日、狩られるのは?
「さ、始めちゃおっか。そっちはペンドラーだよね」
「当たり前さ。こいつだけで十分だ」
「あははっ、傲慢なぐらい自信たっぷりだね!」
「勝てるとでも言いたいのかい?」
「そーだね。俺は嘘吐きだから、それが嘘かもしれないし、嘘じゃないかもしれないよね」
「御託はいいよ。さっさとかかっておいで。捻り潰してあげよう」
「………人を殺した事も無いガキが粋がってるのを見るのって、つまらなくないよね」
青年の瞳に焼きついている、「死に際」の光景。
空から降ってくる命を燃やし尽くす外国の兵器。
一瞬で溶けて行く人間の命。
焼かれるいつもの街並み。
そんなものを見せられながら、己も焼いていったあの炎。
「だから俺は、他人の嘘が嫌いなんだよ」
◆
「な……っ、嘘、だろ」
「あはっ」
結果は見え見えだった。
あーあ、つまんないの。青年は心底そう思った。
俺の心を躍らせてくれる人はいないの?俺を高ぶらせてくれる人はいないの?
「君も所詮、この茶番の演者なんだよねー。ま、俺もだけどさ」
青年はペンドラー使いのトレーナーに吐き捨てる。
無論本心ではない。彼の「嘘」だ。芝居がかった「嘘」だ。
それを「嘘」と捉えるのか、否かは彼次第。
「何が言いたい……?」
「分かんないのー?」
青年は挑発するように言い放つ。
世界が、空気が凍てついていくような感覚に、トレーナーはなっていった事だろう。
「君みたいな脇役は、主人公にぶっ殺されてこそ輝くんだよねー!」
だから、思わず潰しちゃった。
無邪気な笑顔で。青年は言い放った。
後方から聞き覚えのある声がする。
「お前まさか……!!」
あぁ、見つかっちゃった。
「さぁ、脇役ちゃん。君の役は終わりだよ。主役が来ちゃった。」
「しゅ、やく?」
「そうだよ?……やっと、主役が来たんだよ」
やっと会えたね。俺の大好きなゆきりん。
「ようこそ主人公。……この、おかしな世界の主人公ちゃん。……会いたかったよ。………俺の、大好きで大嫌いな、主人公」
笑顔で振り返る。
地面に座り込んだ脇役なんて知らない。もう聞こえない。もう見えない。
青年……式部正宗の目に映るのは、脇役なんかじゃない。
あの時の炎でもない。
観客の目に映るのは、いつでも主役だけなんだ。
いつだってそうだろう。脇役の癖に強くて目立つだなんてそんなのあり得ないんだ。
いつだって主役が一番で、主役が輝いているんだ。
あぁ、舞台はこうでないと。
式部正宗の瞳には、この舞台の主役しか映ってはいなかった。
否、映ってはいけなかった。
「久しぶりだね、ゆきりん」
- Re: 【ポケらぶ】我が本丸のベテランと新人がアローラへバカンス ( No.50 )
- 日時: 2017/04/04 19:20
- 名前: 藍紅 ◆jqzZxVcA6Q (ID: Ro4jdKEa)
- プロフ: 本編続き
マリエ庭園は、俺の予期せぬ光景が広がっていた。
美しい景観をぶち壊しにする、二人のトレーナー。
一人は絶望し切った顔をし、一人は恍惚とした表情を浮かべている。
周りでそれを眺めていたであろう人間達も唖然としていた。
「ファマーが負けた」
「相手のトレーナー誰!?」
「超強ーい。誰あれ?見た事ある?」
「ないない!」
「ファマーって大したことねーんだな」
「お前勝てんのかよ」
「勝てねえけど」
「ファマーが負かされたぞ!」
「すげえ、誰だあのトレーナー」
周りの人間達がざわざわと話し出す。
そんなの気にする事もなく、明石は二人のトレーナー達の元へと向かっていく。
俺も明石について行くべく、人混みをかき分けて追っていく。
「酷い負け方しよったなぁ、エイト。相手が式部なら負けて当然やけど」
「……国行。僕はどうして負けたんだと思う?」
「慢心。……違う?」
「……はは、そうだね。それもそうだ。」
「エイト」と呼ばれたトレーナーは、傷付いたポケモン達をボールに戻して庭園から去って行った。
残されたもう一人のトレーナー。明石は「式部」と呼んでいたが、彼は一体誰なのだろうか。
「式部。お疲れさん。どやった?ファマーは」
「んー、75点かな。所詮「脇役」って感じ。」
「結構高いやん」
「錬度は最高値だったしね。オマケだよ、そんなの」
「ふーん」
式部と言う奴は酔狂な奴らしい。
後に聞いた話だが、彼は「式部正宗」と言う名前で、俺達と同じ刀剣男士だそうだ。
主はいないが顕現してしまったそうで、明石と仲が良くなってからは、アローラの地で調査を行っているようだ。
「勝負は、どやった?」
「つまらない試合だったよ。あんなのがアローラ最強ってホントなの?」
「嘘みたいな話やけどね。南国の、こんな緩い地方や。あのレベルで最強名乗れるぐらいやったし、「あの子」がトレーナー始めた頃、まだリーグすらなかったぐらいやし」
「へー。そりゃ、レベルが低いわけだよ。」
「ってか、シンオウのレベルが高すぎただけやからな」
「あははっ、凄かったよねあそこは。俺何度死を覚悟したか分かんないよ!」
明石とシンオウ地方を旅していたこともあったそうだ。
明石と式部の話によると、シンオウはかなりレベルの高いトレーナーばかりの「魔境」だったらしく、
雪山やら火山やら、自然も豊かすぎる程の大陸だそうだ。
その大陸を身一つで旅したのだから、アローラ最強に統一パーティで通用してしまうのだろう。
「名乗りが遅くなってすまない。俺は大包平だ。明石の旅に同行している物だ。宜しく頼む」
「大包平、って古備前の名刀?うっひゃー、そんなの従えちゃうなんてやるねゆきりん!」
「従えとる訳やないけどな……?」
「そうなの?ま、いいじゃん」
お気楽な奴に見えるが、違う。
彼は筋金入りの「嘘吐き」で、とても気まぐれな奴。
彼の言葉のどれが「嘘」か分からなく、底にある本心が全く見えない。
所有者のいない物の付喪神は基本暴走を起こしてしまうのだが、彼はそう見えない。
暴走してしまいそうな本能に「嘘」を吐いて誤魔化しているだけなのか、それとも。
「包平ちゃん、俺が何で暴走してないのか知りたげな顔だねー?」
「な、何故分かった?」
「何でかなー?」
お得意の「嘘」で誤魔化してくる。
式部正宗という奴はいつもこうらしい。俺も早く慣れなければ。
「俺にはゆきりんが居るからね。物に所有される物ってのも滑稽なもんだけどさ」
「自分、式部の事所有してへんけど?」
「そ、そんなっ、ゆきりん、俺にあんな事しておいて捨てちゃうの?切っても切れない繋がりだと思ってたのに…?」
「何もしてへんやろ」
「バレた?……流石ゆきりんだね!」
……「芝居」をいう服を着せた「嘘」も吐いてくるとはこれまた面倒な。
コイツは扱いを間違うと大変なことになりそうだ。
「でも、俺はゆきりんの物になったつもりだよ。俺にはゆきりんしかいないからさ」
「明石しかいない?」
「うん。そーだよ?」
当然でしょ、とでも言いたげに式部は言う。
明石もその事に否定は一切しなかった。
「愛してるよ、ゆきりん。俺の事一生捨てないでよね」
「あー、はいはい。自分も式部の事愛しとるでー。」
「うっわテキトー!酷いよゆきりん!」
この茶番劇はいつ終わるのだろうと眺めていると、式部は俺の心をまた読んだのか、「本題入ろうよ!」と言い出した。
「俺がゆきりんの事大好きなのは十分伝わったと思うし」
「はいはい。……で、式部はついてくるん?」
「えっ、ゆきりんってば、俺が居ないと寂しいの?」
「別に」
「バッサリ切ってきたね!刀だけにね!寒いよゆきりん!南国なのに!」
「あーうるさいうるさい。で、どうするん」
「んじゃ、ついてこっかな。楽しそうだし」
「そ。ほな行こか」
「え、ちょ、何もないの?ゆきりん関白すぎだよ」
「置いてくで」
「あ、もう待ってよー」
旅が賑やかになりそうだ……
- Re: 【ポケらぶ】我が本丸のベテランと新人がアローラへバカンス ( No.51 )
- 日時: 2017/04/04 21:39
- 名前: 紫癒 ◆WakMJ.0ZQA (ID: Ro4jdKEa)
投稿された選りすぐりのチートキャラ達を軒並みぶっ殺しててワロタwwwww
使い所に困るととりあえず殺すのやめない?ww
式部くん可愛いけど話のテンポ悪くなるねー。
嘘吐き成分5割引きでいいと思うよ。敵を煽るのは式部くんの独壇場だけどもね。
ヒナルナいつ出るのか楽しみにしつつのんびり更新待ってるよー。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14