二次創作小説(紙ほか)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- トリップする話
- 日時: 2018/03/16 00:40
- 名前: ぜんざい (ID: fVY/oVEd)
どうもはじめましてぜんざいと申します。ここではとりあえずいろんな漫画に夢主がトリップする話を書こうかと思ってます。
夢主は色々。
中途半端になるだろうと思われます。
ぜんざいの自己満足ぶちまけてます。暖かい目で見ていただければ幸いです。
夢もやる。
好き勝手やりまくっててかつ愛想がまったくないぜんざいですが見守ってやってください。
- Re: トリップする話 ( No.14 )
- 日時: 2017/08/19 01:24
- 名前: ぜんざい (ID: YFibMoCv)
上記のお話はネタだと思ってくださって結構です。
新しい話はポケスペ転生。記憶&知識持ちの関西弁黒ぶち眼鏡の女の子。
『最原 いおり』
優秀な外科医だった若い成人女性。眼鏡の関西弁。酷度のオタクであり、医者になったのもお金を稼いで課金やゲーム、漫画、ペンタブの購入につぎ込むため。外科医だが他の医療もちゃんと出来る。ポケスペ愛が半端なかった。
普段バイクに乗るのだが、生憎の雨で駅を利用。その際何者かに突き落とされ無惨な死を遂げた。
転生後
『イオリ』
ジョウト・ワカバ出身の医者の家系に生まれた記憶を持った女の子。ゴールドの家のお隣さんで、幼い頃から仲が良かった幼馴染み。眼鏡。両親が関西弁なので関西弁。図鑑所有者になる。もらった御三家はヒノアラシ♀。体の発育が良い(ブルーよりちょっと大きい)。表情筋がそんなに動かない。
やることもなく、ゴールドに連れ出される形で旅へ。図鑑は元々貰える予定だった。元凄腕トレーナーだった母のツテ。
代名詞 『診る者』。
**
どういうわけか駅のホームで突き飛ばされて轢かれて死んだこっちは、再び生を受けたのですが、トリップしました。転生トリップした。びっくりなことにポケモン、しかもスペだった。医者の家系だったことは嬉しい、知識を隠す必要がなくなるし、なんでそんな知識持ってんだと聞かれたら誤魔化しやすい。しかしお隣さんがかの『孵す者』のゴールドとか誰が予想した、するわけねーだろ馬鹿。
とりあえず、簡単に説明すると、電車に轢かれる、転生する、医者の家系だった、ポケモンいるからトリップした、お隣さんが幼いゴールド、家同士の挨拶、イマココってやつだ。
ショタゴールド可愛すぎか。既に前髪爆発とはこれいかに。ポケモンたちに囲まれてこっちの様子を伺うゴールドの可愛いこと可愛いこと。
「ほらゴールド、お隣のイオリちゃんよ、一緒に遊んできなさい」
「……はーい」
「イオリ、行っといで。お隣さんなんだから仲良ぉな。お母さんらちょっとお茶してくるから」
『……それが本音やろクソババア』
「誰がクソババアやコラ、お前どこでそんな言葉覚えたんや」
『……オトンが』
「アイツ殺す」
母の手持ち、こっちにとって姉の様なゲンガーと共に放り出され、エーたろうやポケモンたちに囲まれるゴールドと対面する。ナゾノクサを腕に抱えて様子を伺うゴールドはなんも喋らん。人見知りか。しゃーないよな、まだ五歳やもんな。
「よろしくな、ゴールド」
「……ん」
はにかむゴールドの天使なこと天使なこと。そのあとポケモンたちみんなで駆けずり回って遊びました。普通にゴールドはゴールドだった。自己主張強すぎやろこの子。可愛い。すごくなついてくれました可愛い。
暗くなってきたので帰宅。今日はゴールドの家でパーティらしきものをするらしく、一緒にご飯を食べるんだそう。
「かあさん! ハンバーグ!」
「あるある! あるから! 早く手を洗ってらっしゃい!」
「はーい。イオリ早く! いくぞおめーらー!」
無邪気なゴールドがかわいくて辛い。着いてくるポケモンたちも可愛い。ニョたろうおいでおいでー。
手を洗い、歩いていると、ゲンガーも笑顔でひょこひょこ着いてくるので手を繋いでそのままリビングに入る。先に親がどんちゃん騒ぎしてていいのか。
『ゴールド、外持ってって食お。ここは危険や。大人たちが暴れとる』
「? おう!」
無垢! 無垢は罪なり! 殺しにかかっている。とりあえず出来上がったご飯の乗る皿をみんなで運んで縁側で食べた。ゴールドママのご飯うまい。
- Re: トリップする話 ( No.15 )
- 日時: 2017/08/19 14:04
- 名前: ぜんざい (ID: YFibMoCv)
顔合わせから約六年、三年前にレッドが第九回ポケモンリーグ優勝のニュースは関西に位置するジョウトまで響きわたり、しかしそこまで興味を持つことなくポケモンたちと過ごしてきた。十歳の時にプレゼントとして姉的存在の冷静かつ大人らしいまったくもってゲンガーっぽくないゲンガーをもらった。要するに手持ちになったのだ。もの扱いとはこれいかに。こやつレベルもかなり高くもう60.70ぐらいあるんじゃなかろうか。ポケモンバトルイージーモードかよ。
しかし、しかしだ。母親のツテでオーキド博士に頼み込み、ウツギ博士からポケモン、ヒノアラシと図鑑をもらう予定になっている。もしかしなくてもあれだ、ストーリー介入するやつだ。図鑑のモデルを見せてもらったのだが図鑑はザクロ色のクリスと同じタイプだし。……やだなぁ。
そんなことを思いながらスケボーを小脇に抱えてポケモンたちを伴ってやって来るだろうゴールドをゲンガーと待っていた。
「おう! 待たせたなイオリ!」
『おー、行こかゴールド』
**
翌日、ゴールドが朝早くにやって来た。いつもの格好で玄関に行くと、たんぱんこぞうのゴロウを連れており、薄れる記憶から引っ張り出して原作始まったのかと嘆息して『いってらっしゃい』と気だるげに告げるとなにいってんだお前も行くんだぞとつれ出された。コイツ、自由奔放すぎる。
『フリーダム過ぎるでゴールドェ』
「やっぱりいつもこうなんでやんすね……」
『分かってくれるかたんぱんこぞう……』
「ゴロウでやんす……」
「おーい早く行こうぜー」
ワカバタウンの中心部を歩くと、「久しぶり! ポケモン少年少女! 元気ぃ!?」「ポケモン屋敷の坊、ゴールドだぜ」「医者家系のイオリもだ」「おはようポケモンコンビ」「元気か!?」と様々な人に声を掛けられる。ゴールドの人徳よ。こっちはただつられてるだけである。
そのあとホーホーでインチキ商売をしていた奴さんをゴールドが退治しているのを横目に、いつの間にかなくなっていたゴールドの鞄に、全員で気が付いた。
もちろん、ゴールドが生まれたときから一緒のポケモンたちを見放す訳もなく、「待ってろよみんな!」とスケボーで研究所に向かっていった。それを見送ってから、自分のスケボーをがしゃんと地面に転がす。さて、追いますか。
到着すると、ぽつんとゴールド一人がロケット団にエレキッドの電気で気絶させられたと伺え、放置されたところだった。
。
『あーあー、ゴールド倒れとるやん、起きろ、起きろー』
- Re: トリップする話 ( No.16 )
- 日時: 2017/08/20 00:15
- 名前: ぜんざい (ID: YFibMoCv)
その後、多少のごたごたは有りつつも、オーキド博士から図鑑をもらったゴールド。いやはやはしょってしまって申し訳ない。
とりあえず、オーキド博士にイオリだと伝えるとヒノアラシと図鑑を頂けたので良しとする。ゴールドとお揃いとか得すぎる。なんとでも言え、幼馴染み好きすぎてつらい。こんだけかわいけりゃ内心こうなるでしょうに。早くクリスといちゃラブしろよ、オォコラ。
半ば引きずられる形でシルバーを探すべく、こっちはゴールドと旅に出た訳です。31番道路で消えたニョたろうを探すも見つからず、キキョウで引ったくりを捕まえマダツボミの塔でシルバーと邂合したりヒマナッツの大群でゲットしたりと大波乱である。イオリさん生きてけるかな……。
そして現れたハヤトさん。どうやらゴールドは面識があるような。……無いような。いや有るけど。
そして訪れたアルフの遺跡。そこではツクシと鉢合わせ。当初彼を女の子だと勘違いしたゴールドだったがツクシの心の広さに感服するしかない。そしてゴールドのジョウト重要文化財の破壊で新しい部屋を発見、そこからロケット団とのバトル、アンノーンの怒りの目覚め。解決。グランブルの外れた顎を治し、ニョたろう発見、それからタマゴをゴールドが受けとる。まぁトゲピーだろうな、模様からして。内容がてんこ盛りだ。目眩が起こりそうな内容の濃密さ。旅の道中で怪我をしたポケモンを診たり、治療したりとこっちもわりと忙しかったりする。グランブルの外れた顎が治ったあと診たのはこっちだ。
そしてマスクオブアイスとの初対面、タマゴが孵りトゲたろう誕生、途中捨てられたライチュウを発見、治療するとなつかれこっちの手持ち入り、育て屋夫婦の手伝い、こっちのヒノアラシとバクたろうのマグマラシへの進化、エンジュ大地震、スズの塔ミカン救出、ニョたろうのニョロトノへの進化、シルバーとの脱出劇、大地震がロケット団の仕業と知り戦闘、相手の戦線離脱。そしてゴールドVSシルバーの対決。バンギラスを見てテンションが上がったのは言うまでもない。とりあえず抱きかかえていたゲンガーが苦しそうな声をあげたので腕の力は緩めた。
そのあともギャラドス大量発生、マスクオブアイスに沈められたり云々等々盛り沢山な濃い旅だったのだが、流すように説明してしまって申し訳ない。
マスクオブアイスに実力が及ばずやられ、目覚めたのがついさっきなのだ、混乱も良いとこである。頭に着けていたバンダナもこっちのパーカーもないし、とりあえずゲンガーを側に置いておく。だって目覚めたら炎に囲まれていたとか怖すぎる。あれか、エンテイとエンカウントイベントか。ゴールドはゴーグル付きの帽子とリュックを無くしたようだ。最悪やん。ともあれ、眼鏡はあってよかった。無かったら何も見えないぞヤバい安心感すごい。
「う……いててて……」
『おはよおゴールド』
「ハ、ハァ、グッモーニン……エーたろう、イオリ……ハー、やべえ。髪の決まり具合がイマイチ……」
どこに居てもそれかいおどれは。エーたろうにいつものやつを頼んで櫛で前髪を整えてもらってるゴールドは気が付いたようにシルバーの名前を叫ぶ。まぁ、すぐそこで倒れとるけど。
ゴールドの「へっ、だらしなく気絶してやがんのか……」と言う嫌味に反応したのかなんなのか。シルバーはむくりと起き上がった。
「起きている。お前が目覚めるよりずっと前にな」
シルバーや、それは負け惜しみにしか聞こえぬぞ。シルバー曰く、こっちらが受けたダメージはかなり大きいらしい。エンテイの存在をほのめかしていたが、確かに『命の炎』的なエネルギーは感じる。ゴールドは直感で「気を失っている間見守られていた気がする」と訴える。勘の鋭さが羨ましい。
するとこっち等を取り囲んでいた炎が消えた。ゴールドはたいして気にしていないがシルバーはそうでもないらしい。ああだこうだと考えている。知識を巡らすのはいいことだと思うが、それは現状を把握してからやった方がいい。
突如現れた無数のトゲの塊。イライラしたシルバーのアリゲイツによってサンドパンだと正体がわかった。とりあえずその大群を退けて、洞穴を抜け外へ出る。久々の太陽が眩しい。目に染みる。とりあえずライチュウさんはぱりぱり電撃散らすのやめてもらっていいですかね、日の光が気持ちいいのは分かるけど。
「よう!」
そしてまたなんか声が掛かった。姿を確認するとなんだマチスかよと上空を見上げる。ゴールドやシルバーがつっかかるもマチスはそれを華麗にスルーして無くなった荷物を叩き付けてきた。返してくれるのは嬉しいが叩きつけるのやめろ、割れたり壊れたりするかもしれないとか考えろよぉ……。
- Re: トリップする話 ( No.17 )
- 日時: 2017/08/20 16:58
- 名前: ぜんざい (ID: YFibMoCv)
そして現れたルギア。かっこいい。ルギア超かっこいい。ルギアの念力で周りの船が風船のように宙に浮いている。ルギアすげえ。
どうやら何かにキレてるらしいルギアはいきなりエアロブラスト放ってきやがった。てめーなにすんだ。吹き飛ばされたこっち、ゴールド、シルバー、マチスは再び地面に着地する。
『いっ!』
「くっ」
「ちぃっ」
「く!」
どさ、と尻餅を着いたゴールドとザッと着地したシルバー、倒れるマチスを横目に、未だ海でぷかぷか浮いている船を発見した。
大波がやって来て、ヤミカラスに掴まってルギアに向かうシルバー、コイルで宙に浮くマチスとそれに着いていったゴールドを見て、あ、ヤバイとサッとこっちは顔を蒼くした。
水ポケモンも飛行ポケモンも持ってない。ヤバイ。波が、来てる。
「イオリ!!!」
『っ!』
叫んだゴールドとこっちが波に呑まれ、ボールからライチュウが出てくるのは同時だった。
眼鏡とバンダナを押さえ、薄目で海中を確認してライチュウはどこにいったのか必死で探していると、ライチュウは驚く事に目の前に居た。
彼はこっちを長い尻尾で巻き付けて、足をバタつかせて海面へと顔を出す。
『げほっ、げっほ、』
げほこほと咳を繰り返すとライチュウは、海に足は付いていないのに、ざあああと波に乗り出す。こっちは尻尾に乗り、ライチュウの頭に手をおきながら風を受けている。いやいや、なんやこの超展開。レッドさんのピカじゃあるまいしと頬をひきつらせるもそうとしか考えられず、問い掛けた。
『……波乗りか?』
元気よく返事をしたライチュウに苦笑いしてもういいかと吹っ切った。これならこれでいい。便利やし。
『ライチュウ、あの小型船まで行ってくれ』
上空で心配そうにこっちを伺っているゴールドやちらちらとこっちを見ているシルバーたちに背を向けながら手を振るとゴールドとマチスがマスク・オブ・アイスについて話出したので無事だと言うことは伝わっただろう。
それにしてもなみのりを覚えているライチュウとは、珍しい患者も居るもんだ。
すると、鞄から図鑑がけたたましくなり響く。ついさっきルギアに破壊された小型船からも微かに聞こえてくる。……クリスか。
『おい、大丈夫か!』
「カノジョ! 手を貸すぜ!」
手を差し出せば、こっちとは別方向から伸びてきた二つの手が、と言うか先に伸びたシルバーの手がクリスの手を掴む。それのことでゴールドがいいかっこだのなんだの掴み合いの喧嘩を始めてしまう。仲のよろしいことで。子供らしくていいと思うよ。
不意にクリスが動く気配がしたので、二人をそっちのけで甲板に上がり、クリスを抱き起こす。
『大丈夫か』
「っ!? え、ええ……え!?」
未だ混乱状態にあるクリスを抱えて、彼女の視線の先を見る。シルバーの胸ぐらを掴みあげて拳を握るゴールド……ああ、なるほど。咄嗟にクリスから手を離し、耳を塞ぐと案の定「きゃあああ! 不良が二人!」と言う甲高い悲鳴が上がった。吹き出してしまったのは不可抗力だ、イオリさん悪くないもん。
「ふ、不良!? こいつはともかく俺は……」
『言い訳や……言い訳は見苦しいでゴールド』
「言い訳じゃねーよ!」
きゃんきゃん吠えるゴールドは、響く共鳴音に気が付いたようだ。みんなで図鑑をつき出すと、よりいっそう激しく鳴るポケモン図鑑に、クリスが目を見開きながら男二人を見る。確かにこの二人が他のポケモン図鑑所有者!? ってなるのは分かる。こっち? こっちは別に。助けたからかな。
ボフンと勝手にボールから出てきたマグマラシはバクたろう、アリゲイツ、メガぴょんの輪に加わっていた。オイコラ癒しか。可愛すぎる。
するとクリスがこっちの肩口をトントンと叩いた。パッと振り返ると小さな声で不安そうに声を掛けてきた。
「ね、ねぇ……あの二人、本当に図鑑所有者なの……?」
それをこっちに聞いても望む答えは返せない。とりあえず苦笑いして「せやな……」と伝えると「嘘ぉ」とパッと恐怖した顔になった。
『ひとつは盗難、ひとつは無理矢理な……』
「じゃ、じゃああなたは……」
『こっちは元々貰うことが決定しとったからな。主に医療系、今んとこトラブル続きで全然できてへんけど。イオリ言うねん、よろしくな』
こっちがちゃんともらう予定だったことを伝えるとあからさまにホッとしたクリス。可愛いぞこの子。彼女も「私はクリスタル、クリスって呼んでね」と微笑まれた。可愛い。
いつの間にか四匹でルギアのエアロブラストに立ち向かっていたがそこはどうでもいい、四匹がかりでエアロブラスト一弾の軌道を変える程度しか出来ないとはこれいかに。
シルバーはさっさとやるべきことを述べた。ルギアの攻撃は息吹だから海に沈めてしまえばどうとでもない。まぁ、ここで予想はつくよね。ゴールドが海に落ちました。その間に陸に向かうこっちら三人、辿りつきはしなかったけどな。そして野生のマンタインで空を飛び始めた。ホントにフリーダムやなゴールド……!
しかもゴールドはシルバーの海に沈める作戦でエアロブラストを防ぐと言うものではなく、ルギアの口に縦にキューをさしこんで口を閉じれなくする。
「口の明け閉めそのものが出来なくては、あの攻撃は放ちようがない! 勝機が有るとしたら今しかない、アリゲイツ!」
『ライチュウ! すまんけど急いで!』
ようやく陸に辿り着き、倒れるゴールドに三人と五匹で駆け寄る。真っ先に駆け寄ったバクたろうはやはりゴールドになついたようだ。可愛いなぁ。
「おい!」
「お、う! 来たか凡人ども! どーでえ!? 俺の天才的作戦はよォ……水流浴びて怯んだ隙を狙ってたんだぜ!」
『伝説相手によぉやるわあゴールド、ナイスやで』
クッと親指を立てるとにっと笑い返してきた。それでこそゴールドである。
- Re: トリップする話 ( No.18 )
- 日時: 2017/08/20 21:02
- 名前: ぜんざい (ID: YFibMoCv)
そうこうしているうちに着地したルギアから風が生まれ、吹き飛ばされる。その上からのしかかってきて、全員が御三家で耐えている。と言うか耐えてくれてる。ありがとうマグマラシ頼もしいかっこいい可愛い。
すると、めきめきとマグマラシの形が代わり始めた。他の三人を見ると、三人もだ。そう、進化だ。
『それも……』
「四匹同時に!」
「最終形態に……!」
「なっただと!?」
『息ぴったりか』
ふっと笑みを漏らすと、クリスが「信じられない! この前ベイリーフになったばかりなのに! どうして!?」と驚愕で声をあげた。
成長度の似通った数匹が揃うことで互いに負けないという気持ちが働き、体にまで影響することは多々ある。レッドたちだってそうだ。
『……まあ、確かに驚きやけど、理屈はどうでもエエやろ!』
「そうだ! 押し負けてねぇ! 今ならこのデカブツに勝てるぜ!」
ゴールドと目を合わせ、にっと笑う。流石幼馴染み、息が合う。ゴールドがシルバーにボールの当てどころを聞いている途中、ぎしぎしと体重を掛けてくるルギアを支えるバクフーンをがしゃがしゃと撫で、少しクリスのところにいくから頑張ってくれ、と告げてクリスの方へ駆け寄る。
「え、どうしたのイオリ!?」
『いち、にの、さん、で飛び出すで。はよ構えてくれクリス』
「えぇ!?」
最初は困惑していたようだが、ゴールドがボールを投げるのを確認し、外れると分かったのか、目の色を変えるクリスに口角を吊り上げ、笑う。
そして、ゴールドがボールをはずした。
『行くでクリス!』
「ええ!」
『「いち、にの、さん!」』
「しまった! いつもみたくキューで打ってねぇから外しちまった!」
「まかせて!」
嘆くゴールドを横切り、クリスが落ちてきたボールをルギアめがけて「たあ!」と叫び、バシッと蹴りあげる。
どさりと尻餅をつくクリスが頭を打たないように素早く支え、キィィと空を切りさく音をたてながらルギアへ向かっていくボールを見つめた。そしてボールがぶつかる直前、ギラリとルギアの額が光る。そのまま光爆、ひゅんひゅんと回転しながら落ちてくるゴールドのキューとボールを見つめ、慌てて全員で駆け寄った。
「……やった! オイ、やるじゃねーか学級委員! よくぞ俺の作ったチャンスをモノにしたな!」
「……」
『すまんな、クリス。ゴールドはこういうやつやねん』
なんだとおおお!? と暑苦しくつっかかってくるゴールドにホンマのことやろと鼻で笑うとチョップ喰らった。コイツ。
一人、ルギアのボールを拾ったシルバーが急にいきなり立ち上がった。
「オイ、どうしたんだよ? あ〜ん?」
「『(チンピラ……)』」
「……見てみろ!」
つき出されたボールの中は空。驚きに声をあげる二人の横でやっぱりか、と本日活躍したバクフーンをわしわしと撫でながら唸る。
「……おい、イオリ、どういうことだ?」
シルバーがこっちを呼んだ瞬間、ゴールドが凄い目付きでシルバーを睨み付ける。おま、どんだけシルバー嫌いやねん。シルバーもちょっとたじろぐくらいの凶悪な目付きやで。クリスが思わずこっちに隠れる程度には怖いで。
とまあ、これは置いといて。
『ルギアがそう簡単に捕まるとは思わんやろ、相手は伝説やで。ゴールドのエアロブラスト封じも時間稼ぎ程度やと思っとったからな』
「……俺もだ」
「ということは……ボールが当たったときに発せられた光、あの光幕に紛れて逃げ出した……!?」
クリスの言葉にそう言うことや、と頷くと、ゴールドがくっそう! と地団駄を踏み出す。しかし、お忘れではないだろうか。このポケモン図鑑には、追尾システムが有ることを。
ゴールドとシルバーは知らなかった、と言うか顔をしているが。
「それにしても、さっきのボールを蹴りあげて見事命中させたコントロールといい、図鑑の機能に詳しいことといい。てめー、ただのガチガチカタブツ学級委員じゃねーな?」
それにしても、ゴールドのこの女の子の対応は馬鹿としか言いようがない。この子は自由なアホの子だ。クリスもガチガチカタブツにショックを受けたようだが、気を持ち直して笑顔で告げる。
「私はクリス! オーキド博士に全ポケモンのデータ収集を依頼された「捕獲の専門家」よ!」
「なんだよ! ず〜っと検索中じゃねーか! すぐには出ねーのか?」
きいてない、と額を押さえるクリスに話を聞けゴールド。と一喝し、こっちも追尾システムを起動させる。ERRORしか出てこない。あれか、ルギアはマスク・オブ・アイスにゲットされたんだったか。辛いな。
「もう誰かが捕獲してしまった! 私達四人以外の誰かが……!」
「俺たち以外にもどこからかボールを放っていた人物がいた! そしてそっちのボールの方が一瞬早くルギアの額を捉えた」
そこまで告げたシルバーはヤミカラスで飛び上がる。ゴールドとクリスがなにやら言っていたが、シルバーが飛び去ったあと、二人が思い出したようにポケギアを取り出す。クリス曰く、釣り人のおじさんとイエローはどこかに流れついたらしい。無事なら良かった。