二次創作小説(紙ほか)
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- おそ松さん 長男が無理をしてしまう話 完結しました
- 日時: 2017/05/07 12:32
- 名前: smallsnow (ID: LsxQHR/F)
プロローグ
ここはいつもの松野家。今日もあの六つ子たちはのんきに過ごしていました。末っ子のトド松は友人とメール、五男の十四松は野球のバットで素振り、四男の一松は野良猫と遊んでいて、三男のチョロ松は求人誌を読んでいて、次男のカラ松は自分のギターの手入れ、長男のおそ松は漫画を読んでいました。
「兄さんなんか死ねばいいんだよ…………!!」
「待ってくれ!おい…………」
それは今に至る少し前の話…………
- Re: おそ松さん 長男が無理をしてしまう話 ( No.14 )
- 日時: 2017/04/02 21:44
- 名前: smallsnow (ID: LsxQHR/F)
4
「……」
「カラ松兄さん?」
「あ、トッティか。どうしたんだ?」
「やっぱりなんでもない」
ここはとある病院の手術室前。ビルの下で血まみれで倒れているおそ松をハローワーク帰りのチョロ松が見つけ救急車を呼んだのでした。
「誰か倒れてるって思ってよく見たら兄さんだったから今でも震えが止まらないよ」
「兄さん大丈夫っスよね?」
「大丈夫だよ…」
しばらくして手術中のランプが消えるとチョロ松は立ち上がり、扉から出てきた医者に
「兄さんは大丈夫ですか?」
と聞きました。医者は表情を変えずに
「とりあえず命は救えました」
と言いました。
「とりあえず…?」
「はい、命は奇跡的に救えましたが意識がないんですよ。つまり眠ったままの状態なんです」
「眠ったまま?」
「くわしくはお母さま方に話します。今日はとりあえずお引き取りください」
チョロ松たちは病院を後にしました。
- Re: おそ松さん 長男が無理をしてしまう話 ( No.15 )
- 日時: 2017/04/06 15:16
- 名前: smallsnow (ID: 38xu/37K)
トド松side
これは少し前の話…………
「カラ松兄さん!!」
ほっぺたを殴られた後、僕は部屋を出たカラ松兄さんを追いかけた。兄さんは階段にいた。
「兄さん?」
「トッティか、どうしたんだ?」
「あのさ、なんで死んでしまえばいいとか言ったの?」
僕は震える声で聞いた。
「その事か、気にしないでくれ。ほら、ほっぺたが赤くなってるぞ。俺が湿布貼ってやるから」
「う、うん」
僕はいつかはその話を聞けるかもって思っていた。しかし、まだそれは分からない。そして少ししておそ松兄さんの様子が変わった。いつもは弟たちにはケチな兄さんが僕たちに夕飯のおかずをくれたり、近所で殺人事件が起こると何も気にしないはずなのに外に出るなと言っていた。僕はそんな兄さんがとても怖く感じた。
- Re: おそ松さん 長男が無理をしてしまう話 ( No.16 )
- 日時: 2017/04/06 16:45
- 名前: smallsnow (ID: 38xu/37K)
「ん…………んん、ここはどこだろう?確か俺って死んだはずじゃ……もしかして地獄?辺り一面真っ黒だし絶対死んだな。」
おそ松は気が付くとなにもない真っ暗な場所に着きました。しかし、次の瞬間辺りが急に光ました。
「あれ?もしかして天国……」
「いいえ、ここは生死をさまよい続けている者のための空間ナンジャゾー」
突然声がしておそ松が振り向くとそこには近所に住んでいる頭に旗を差している子に似ている少年がいました。
「え?もしかしてハタ……」
「いいえ、私はすべての国を治める神ナンジャゾー」
「いやこれ絶対にハタ……」
「とりあえず話を聞いてほしいんジャゾー」
おそ松は頭が混乱したままとりあえず頷きました。
「話って?」
「あなたはこのままだとあと2時間で兄弟に会うことになるんジャゾー」
「会う?けどここって生死をさまよう空間なんだよな?ってことは俺はまだ生きてるのか。つまり……あと2時間で目が覚めるのか!!」
すると神様は首を振り、
「いいえ、あなたの兄弟がここであなたと一緒に生死をさまようことになるんジャゾー」
おそ松はびっくりして、
「なんで?」
「あなたの兄弟はあと2時間で殺人犯に殺されかけるんジャゾー。正確には私にも分からないんジャゾー………運が悪ければ兄弟さんは死んじゃうんジャゾー」
「殺人犯ってあのニュースのか?一体誰が殺されかけるんだ?」
「…………えっと…………」
「誰だよ!」
「…………忘れたんジャゾー…………」
おそ松はため息をついて神様に言いました。
「言いたいことは大体分かった。俺が助けてやる」
- Re: おそ松さん 長男が無理をしてしまう話 ( No.17 )
- 日時: 2017/04/06 19:26
- 名前: smallsnow (ID: 38xu/37K)
「よく分かったんジャゾー・・・ってなんで分かったんジャゾー?」
「だってこーゆ感じの話よく漫画とかに出てくるもん」
「・・・・・・なんかツッコめないんジャゾー・・・よし、分かったんジャゾー。頑張って兄弟を救って欲しいんジャゾー。けど、問題があるんジャゾー」
おそ松は首を傾げ、
「なんだよ?」
と言いました。神様は、
「あくまでも今のあなたは生死をさまよう人間なんジャゾー。体にも限界はあるしもし兄弟を救っても君が死んでしまう可能性も十分ありえるんジャゾー」
おそ松はその言葉を聞き、
「大丈夫!弟を助けるのがお兄ちゃんだからな!」
と笑顔で言いました。そしてハッとして、
「そうだ!質問がある。なんで弟の事を教えてくれたんだ?」
すると神様は、
「あなたは兄弟のことを考えて行動した。最後くらい兄弟の役にたてたらいいと思ったんジャゾー」
おそ松は寂しそうな顔で
「そっか、ありがとな」
と言いました。するとおそ松の体は光に包まれていきました。
「そうだ!もう一つ質問!!お前絶対この世に知り合いいるだろ?」
「・・・それはあなたの勘違いなんジャゾー」
「嘘だろーーー!!!」
おそ松の声と共おそ松の体は光に完全に包まれ、空間から消えました。
- Re: おそ松さん 長男が無理をしてしまう話 ( No.18 )
- 日時: 2017/04/08 10:53
- 名前: smallsnow (ID: 38xu/37K)
一松side
おそ松兄さんの意識がないと知った次の日・・・
「・・・・・・やっぱり、兄さん寂しかったなかな」
いつものようにつぶやいていると、
「どうしたんスか?」
「十四松か、何でもないよ。トド松と野球でもしたら?」
「あいあい!!トッティ、やきうしたいッス!!」
「いいよ十四松兄さん」
十四松は相変わらずのハイテンションのままで過ごしている。トド松もいつもと変わらず過ごしている。チョロ松兄さんは少しでも母さんの心の負担を軽くしようと家の手伝いをしている。今は病院に行って兄さんの様子を見に行った。クソ松はずっと黙ったままだ。クソ松とはおつかいに行ったあと話したのが最後だったはず。確かご飯を食べた後・・・
「なぁ、マイブラザー一松」
「イタイよクソ松、何?」
「実は兄貴が・・・」
「おそ松兄さんが?てかカレーのにおいするから近づくな」
「わ、分かった。小声で言うが、今の兄貴のことどう思うか?」
突然の質問に僕はびっくりして、
「知らない」
と言った。本当はお前のせいで兄さんは寂しそうなだよ。早く謝ってこいって言おうとしたけど、怖くて言えなかった。
「そうか・・・」
「うん・・・てかなんで僕に聞いたの?」
「お前だと相談しやすいからな」
「あっそ・・・」
「ありがとな」
僕は相談しやすいと言われ少し嬉しかったがクソ松は兄さんのことをどう思ってたのか聞くことはできなかった。
「・・・・・・今だったら聞けるかな・・・」
少し怖いけど僕は兄さんがこんなことになったのはクソ松のせいだと思っている。今だったらクソ松と僕以外誰もこの部屋にいない。僕はクソ松に聞いてみることにした。
「く・・・クソ松」
「・・・・・・」
「お前自分がどういうことしたか分かってる?」
「・・・・・・」
「なんか言えよ」
「・・・・・・」
クソ松は表情を変えないままずっと下を向いていた。
「なんか言えっつってんだろ!!」
「・・・・・・」
「聞いてんのか!」
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・一番兄弟を傷つけているのはお前だからな・・・」
もう聞き出すつもりがつい自分の本音が出てしまった。すると、
「・・・分かっている・・・分かっているんだ」
「なにがだよ・・・」
やっとクソ松は口を開けた。しかしその声はいつもよりも低く少し鼻声だった。
「俺が兄貴を傷つけていたこと、そして俺がこの兄弟の中で一番最低だったことだ」
「なんで・・・そんなこと言ったんだよ」
するとクソ松は僕のほうを見た。顔は涙でぐしゃぐしゃだった。
「どうしよう一松・・・俺、もうなにをすればんだ・・・」
「・・・わ、分かんない」
本当になにも分からなかった。クソ松は立ち上がり、
「ごめんな、少し散歩に行ってくる」
と言って家を出た。
「・・・もう、分かんねぇよ」
色々な感情が混ざってもう何が何だか分からなかった。