二次創作小説(紙ほか)
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- ハッピーエンド・エージェント。感想&オリキャラ募集中!
- 日時: 2017/03/20 18:56
- 名前: カシスオレンジ (ID: n1ZeCGPc)
科学者によればこの世界には大きく分けて4つの強大な力があるとされている。
・科学
文字通り、科学による力や能力。
単純な機械化による能力はもちろん、生体科学によって作られた能力なども含まれている。端的に言えばアンドロイド、遺伝子操作による生物兵器、サイボーグ、クローン。
・超能力
人間の潜在的な能力。通常の物理法則を超越した力があり、能力の形は持つものそれぞれにより異なる。
また薬品を作用させる事で素質のあるものから後天的に引き出すこともできる。
ただし、能力が阻害される装置が開発された為、欠点もある。
・具現化
人の想いが具現化した存在。妄想が現実に現れる等。この世界では妄想の具現化が発生する事がある。
また幽霊なども、科学者によれば「死んだ人間の思いが具現化したもの」であるため、具現化に含まれる。
人ならざる能力を持つものが多いが、彼らの能力は超能力ではない別の力である。
また、想いの具現化としては祈りや人間の復元など、存在だけでなく様々な事象も含まれる。
たとえ効果が科学・超能力・オカルトと区別がつかずとも、その根源が想いによるものならそれは具現化である。
・オカルト
上記のどれにも当てはまらない力。
代表的な物は魔法や呪いの類であるが、基本的に何でもありな力である。
ちなみに一般的な意味合いと違い、霊や神は具現化であってオカルトの分野ではない。
また、科学との融合によるオカルトテクノロジーという分野もある。
各系統ごとに何かしらの共通点があるというわけでもないため、発現された超常能力だけ見てもそれがどの分野に属するのか区別するのは難しい。
そして今数々の勢力がこの四つの強大な力を使い経済戦争を行っている。
ここから前書き。
作者のカシスオレンジです。まずはご説明を。
何の二次創作かと言うとパワプロクンポケットと言う作品です。見た事が無い方でも気楽に見れる様に書く予定です。物語完結後の世界ですのでネタバレしてます。見た事がある方は正直、私の実力では満足できないかもしれませんが温かく見守ってくれれば幸いです。
ちなみに元ネタは野球が主体ですので、基本的に主人公は野球に関わっています。ただし、この小説では野球の描写はほぼありません。
さらに、マルチエンディングです。ハッピーもありビターもバッドも書き込む予定です。
小説を書く事に関しては未熟ですので誤字脱字、表現等に違和感を感じたら是非ご指摘願います。
オリキャラを募集しています。
オリキャラシート
名前:(漢字表記の場合は振り仮名を振って下さい)
性別:(アンドロイド等の場合でも見た目の性別で)
年齢:(アンドロイド等、非人間の場合は見た目の年齢で)
容姿:(詳しくなくても構いません)
性格:(一言でも構いません)
能力:(普通の人間、未来人か宇宙人か単純なロボットか怪人の様に遺伝子レベルで結合された化け物かアンデッドか巨大な怪獣か人型の生物兵器かサイボーグ、改造人間。超能力者の場合は能力の内容を。具現化、オカルトの場合はどういう存在なのかを。色々書きましたが、とにかくどんな存在でも受け入れます)
備考:(オリキャラの過去、特徴、何でも構いません)
一人称、二人称:(例:オレ、お前)
キャラボイス:(四つ以上でお願いします)
展開により死んでしまう可能性がありますが宜しいでしょうか:(はいか、いいえで)
展開により死ぬより辛い出来事が起こる可能性がありますが宜しいでしょうか:(はいか、いいえで。ただし露骨にグロ描写等はいたしません)
展開により主人公、及び他のキャラ、オリキャラとの恋愛は宜しいでしょうか:(はいか、いいえで)
主人公の関係:(仲間、ヒロイン、敵等関係もある程度自由。どれでも構わない場合は無記名で)
不採用の可能性もあります。また世界観に合わない場合、変更部分を指摘します。
世界観。ネタバレ注意。
この世界は上記の四つの力と五つ目の力、時間移動と言う装置を中心に動いている。タイムマシンの使用目的は未来に起こる破滅(内容については不明)を危惧した者達がこの破滅の未来を変える為に、過去へ向かう。過去へ行った者達は未来の技術をある科学者に発明させ、未来の破滅の問題を解決させた。だが、それにより新たな問題が発生し破滅はしていないが、自由が無い世界へと変貌。
過去へ行った者達の希望は絶望へ変わり、過去へ行った者達はもう一度、この世界を変える為にタイムマシンを使う。
その後過去へ行った者達の失敗や暴走した後の世界が生まれる。その暴走したタイムトラベラーを協力、利用した現代の人間達が破滅を引き起こそうとしていた。
そしてその破滅を止めた世界のその後の様子をこの小説で書き込みます。
用語解説。
ジャジメント。かつて破滅を企んでいた企業。会長が行方不明になり日本支部の社長がジャジメントの解体を始める。現在は宇宙開発と野球チームの運営に尽力し、ジャジメント崩壊による世界の大混乱を切り抜けようとしている。
もう一つのジャジメント。こちらは企業と言うより破滅を企んでいた会長派の生き残り。破滅と言う名のパンドラの箱をもう一度開け、会長の意思を継ぐ。
大神ナマーズ。主人公が所属するジャジメントが所有する球団。
舞台はプロ野球なのですが他の球団の名称は控えさせていただきます。
登場人物。
主人公、市古。市古と言う珍しい苗字。主人公のみ名前無し。野球大好き。一人称はオレ。常に野球のユニフォーム。ビビらない。大卒でドラフト6位で大神ナマーズに入団。家族関係は祖母のみ。
実は市古には重大な秘密がある。本人も意識はしているが調べる必要はないと判断している。
その他のキャラクターは本編にて書き込み予定。オリキャラは投稿者様と共に記載させて頂きます。
オリキャラは何度でも投稿可能です。是非、気楽に投稿して下さい。
自分の作品にコメントをくださったお客様。
ルイージさん。
てるてる522さん。
本当にありがとうございます!
オリキャラ紹介。
>>12
- Re: ハッピーエンド・エージェント。オリキャラ募集中! ( No.6 )
- 日時: 2017/04/03 15:50
- 名前: カシスオレンジ (ID: n1ZeCGPc)
市古は東 優と言う頭もルックスも性格も野球能力もよい完璧人間と会う。だが二軍。市古は東に恐る恐る練習場で挨拶をする。
「東さん、初めまして市古です」
「市古?随分珍しい苗字だね」
「はい...」
「まあナマーズは個性的なメンバーがほとんどだからすぐには馴染めないかもしれないけど頑張って」
「ありがとうございます」
東 優。若い頃はどんな些細な事でもすぐに怪我をしていたが、現在は怪我をする事はない。チームに貢献したい為か怪我を恐れないプレイが目立つ。
成績は一軍のトップレベルだが二軍にいる理由は無理をさせ過ぎない為と言う一軍監督の意向らしい。ただそれが逆効果となり東は現在一軍になろうとかなり無理をしている。すると餅田に似たメガネが市古を叱る。
「話す暇があるなら練習するでやんすよ新人!」
「餅田さんすみませんでした」
「それはオイラと似てるメガネでやんすね。引退した湯田さんが言ってた通りでやんす。オイラは具田幸太(ぐだ こうた)でやんす。顔が似ているのは大体...」
「餅田さんじゃないんですか?」
「餅田もビックリしてたでやんす。まあ細かい事は気にしないでマヨネーズでも食べるでやんす」
「は?」
具田幸太。元大神ナマーズの選手。数年前に怪我で引退。現在は二軍コーチとして活躍。メガネ。
湯田浩一(ゆだこういち)。元大神ナマーズの選手。五年前に引退。メガネ。
市古は餅田の元へ行き具田について聞く。あまり時間を持たずに餅田は考え、嫌味な顔をして呟き始める。
「さっぱり訳が分からないでやんすよ!まあオイラが一番カッコイイと思うでやんすけど!」
「顔が同じなんですから誰も変わらない気が...」
「後、具田さんから完成されたプラモデルを買って来いとか」
「ああ、具田さんはマニアでやんすからね。オイラは興味無いでやんす。プラモデルのガンダ—ロボとか!」
「いや餅田さんの趣味趣向については聞いてないんですけど」
その後市古はミルキー通りへ行く。ミルキー通り。ナマーズ二軍球場の近くにある通り。開発が進められていたが現在は打ち止め。中途半端に工事されたビルが目立ち治安も少し悪い。マニアショップがある。
市古は夢で指定された場所に向かう。崩壊したビルの中で一人の女性はスマートフォンを操りながら市古を見る。
「貴方はダレですか?」
「オレは市古。貴方は?話し方に違和感があるから外国人か」
「この場所は誰かの紹介では無いと来られないはずです。ヒーロー達がこの場所を?んー貴方はヒーローの知り合い?でもそういう情報は来てませんね。つまり貴方は私と取引及び協力をしたい訳ですか!何だかいつもと逆の立場な気がします」
女性は市古を見ながら考え込む。
「いや、あの、ちょっと好奇心でたまたま」
市古は嫌な予感を感じその場から逃げようとするが、二人の化け物が市古の目の前に現れる。
「お前、ミーナちゃんに何してるカニ!」
「カニ!?」
「此処でミーナ以外の人間と会うとはな...フ、フグ」
「フグ!?」
「フグ男。駄目だカニ。もっと怪人っぽくしないと駄目カニ」
「うるさいな。お前はやる気出しすぎなんだよ。口癖が無くても怪人としては成立するだろ」
目の前に現れたのはカニのデザインをした全く怖くないきぐるみのようなキャラクターとフグのデザインをしたこれまた全く怖くないきぐるみのようなキャラクターが目の前で立ち塞ぐ。カニとフグは市古を拘束。女性は質問する。
「どうしてここが分かったんです?」
「信じてもらえないかもしれないが夢でこの場所を見たから。それよりこの化け物達は?」
「どんな良い訳だカニ!しかもオレ達の事を化け物呼ばわりだカニ!怪人よりも酷い悪党だカニ!」
「ユメですか。具現化の一種かもしれません。それかオカルト」
「こいつはきっとジャジメントの工作員だカニ!」
「今のジャジメントはそんなコトをしないはずです。世論は荒れてますが」
「オレはジャジメントが所有している大神ナマーズの選手だ。まだ二軍だけど」
「野球選手でカニか!?懐かしいカニ。昔はオレもバットを持って..」
「手がハサミなのにバットを持てるんですか?」
「ハサミは取り外し可能カニ!」
女性は市古をあっさり解放する。
「身元を調べてみましたが貴方はただの野球選手の様です。ジャジメントの反乱分子かと思いましたが彼等は私に構う程ヨユウはありませんしね。それに聞きたい事もありますし」
「良かった...」
「私は武内ミーナとモウします」
武内ミーナ。日本語を話す褐色の女性ジャーナリスト。
ジャーナリストとしては超一流で、世界各地で数々の有名スクープをモノにしている。インターネット上には彼女の活動を支援する団体まで存在する。
彼女にとってのジャーナリズムとはまさしく真実と正義を追究する事に尽き、純粋にこれを追い求める理想家である。
格闘技など、職業柄必要な最低限の各種技能は身につけているが、どれもその道のプロに敵う程ではない。
社会の為に命をすり減らすタイプ。
「オレはカニ怪人。カニ男って呼ぶカニ」
「フグ怪人。フグ男だ」
カニ怪人。フグ怪人。かつてこの地域でネオ・ワルクロ団と言う悪の軍団を結成していた悪者。ただし、彼等以上の本当の悪、ジャジメント等により影が薄くなりネオ・ワルクロ団は崩壊。
ただし、二人の言う悪は正義を貫こうとする者達に夢を与える事。
正義の証明に必要な、悪と言う存在を誇りに思っており正義は必ず勝つ為、正義とのヤラセはちょっと妥協して必要悪を演じている。
「夢が指示した場所に彼女達がいたがたしかにジャーナリストならオレの秘密を...いやたかが夢だ...偶然だろ?」
「はい、偶然とは言えナマーズの選手に会えたのは幸運です。アポ取りが面倒だったので」
「それで聞きたい事は?終わったら、返してくれるのか?」
「勿論です。ではナマーズの世論調査であまり良いと言えない結果が出ましたがどう思います?」
「まあジャジメントのせいで世界中が大混乱に陥りジャジメントショックって呼ばれる程の財政危機が起こりリストラや反乱デモが相次いでいるね」
市古はナマーズについて武内に流す。
「それじゃ引き続き此処へ来て色々情報を教えて下さい。その代わりに貴方の調べたい事を調べますので」
「そうか...」
市古と武内は連絡先を交換する。市古は苦笑いしながらカニ怪人とフグ怪人に向かう。
「君達はどうしてここに?」
「ヒーローを通じてミーナちゃんにある人物の捜索を協力してるカニ」
「捜索?武内さんは探偵なのか?」
「違うな。ある人物が行方不明になった原因に裏社会が一枚噛んでるかもしれないからだ」
「それは誰なのかは...」
「教える理由は無いカニ!それにきっと知らないカニよ」
「まあオレもそんなに興味無いから、オレにも手伝える事があったら協力するよ」
「分かったカニ。さっきは無礼をして申し訳無かったカニ」
「怪人が謝るのか?」
「一般人には仏の様に正義の味方には鬼の様にがオレ達のポリシーだカニ!」
「そ、そうなのか...」
市古はアジトを後にしてビルに映し出された巨大液晶パネルで報道しているニュースを見る。
「ジャジメント日本支部、大神社長は会長不在の状態で会長代理を任命されました。経緯は他の海外支部の状況が苦しく支部自体の見通しも難しく唯一日本支部のみが安定を保っており会長代理に任命されました。ただし、これにより大神派と大神反対派の派閥に分かれると予測され、さらに大きな混乱の火種になる恐れがあります。直、ジャジメントの経営は火星等の宇宙開発と野球チームのみに絞る模様」
「......大丈夫なのかよ、オレのチーム」
そして開幕戦へ。
二軍のメンバーとして市古と餅田と東が選ばれる。二軍コーチの具田と二軍監督の水木は気合いを入れる。
「これで勝てなきゃオレ達は世間の笑われ者以下だな」
「とにかく勝つでやんす!一軍が負けても二軍が圧倒的な差で勝てば責任を一軍の奴等に押し付けれるでやんすよ!」
「良いのかよ、それで!」
そこで市古は柿元雄平と言う選手に出会う。
「市古君じゃないですか」
「どうも、挨拶遅れまして...」
「いえこちらこそ。こんな時期だからこそ共に頑張りましょう」
「は、はい。でも自分後輩なのに敬語って..」
「良いんですって!それより早く兄さんと一緒に活躍したいですね」
「ああ、お兄さんって柿元晃平(かきもとこうへい)さんですよね?ファンなんですよ」
「何だか自分の事の様に嬉しいですね」
柿元雄平。柿元晃平とは兄弟で弟。50の才能に100%の努力ができる人間。 練習後にグラブやシューズなどの野球用品の手入れは日課。サッカーが野球の次に好き。
ただし現在は不調で一軍登録を抹消され二軍に。それでも彼は一軍目指して練習を続ける。
また、市古の隣にいた餅田が笑いながらある人物の元へ行く。
「市古君はドラフト六位だったやんすよね。ドラフト五位の彼もいるでやんす!」
「餅田さんが前から言ってた開拓分校出身の下山君か?」
「まあ最初はオイラと同じ混黒高校に通ってたでやんすが...」
そして下山は市古の元へ嬉しそうに駆け寄る。
「やあ、餅田君。此処では先輩だからさん付が良いのかな」
「そうでやんすね」
下山直人。甲子園で優勝をした事のある。市古と同じ新人であり同じ大卒。餅田とは同い年だが餅田は高校卒業後すぐにプロの選手になっている為餅田は先輩に当たる。三倍努力を信条としている。
本当に三倍努力をする人。この中で多分一番野球を楽しんでいる。
- Re: ハッピーエンド・エージェント。感想&オリキャラ募集中! ( No.7 )
- 日時: 2017/04/03 15:54
- 名前: カシスオレンジ (ID: n1ZeCGPc)
大神ナマーズは見事勝利。水木と具田はベンチで安心する。
「後は一軍監督だけだな」
「大丈夫でやんすかね?」
「大丈夫だ。これまで大丈夫だったんだから。選手の調子が良かった頃に限っての話だが。まあ後にも先にもこれ以上良い監督はいないから...」
選手のベンチでは喜ぶ市古を余所に選手達はそれぞれで考える。東は球場の端で軽くバットを握る。
「駄目だ。もっと活躍しないとこのチームに貢献出来ない。昔怪我してた分、取り戻さないと」
柿元はベンチでシューズを磨く。
「...兄さんはこんな気持ちだったのか」
下山は市古と徒歩で試合の帰りの途中、寮へ向かう中語る。
「これから練習するかい?」
「もしかして三倍...?」
「四倍にした方が良いかな?ボクは才能がある人に嫉妬するんだ。君も才能があるのかな?」
「いや......はい、一緒に練習するよ」
「ボクは一生かけて才能がある人を追いかけて追い抜きたいんだ。ただ、ゆっくりと楽しみながらね。ボクは才能がある人ともっと出会いたい」
「オレも頑張るよ」
一軍の開幕戦ではナマーズの試合はガラガラ。それでいて相手チームのファンからのブーイングが鳴り響く。
一軍監督は古沢小一郎(ふるさわしょういちろう)。
性格はやや気弱で押しに弱いが、自身の危機や、チームの為には一肌脱げる人物。そのため周りから信頼はされているが、信用はされていないという微妙な立場の人。しかし面倒見がとてもいい人なので皆からは慕われてる。
最新式の家電製品(特に液晶機器)に目がなく、他人に見せびらかし自慢するが、彼自身もその性能をまったく理解できていない場合が多い。
「ファンは相変わらずあいつと数人だけか......」
ナマーズの応援は数人。その内の中でもひと際目立つファンがいた。
今田勝蔵(いまだかつぞう)。
大神ナマーズがドリルモグラーズという名前の時代からのかなりの古参ファン。
大神ナマーズは数々の所有する会社の変更等で名前が変わっている。
順にドリルモグラーズ、プロペラモグラーズ(愛称で登録名は変わっていない)、大神モグラーズ、大神ホッパーズ、そして大神ナマーズ。
「頑張れ—!ナマーズ!お前等は悪くないんだぞー!何だよ、皆、ナマーズの事を悪物扱いしやがって......!」
大神ナマーズキャプテン、諸星須賀男(もろぼしすがお)は悲しそうな顔をする。
「今シーズンで引退するオレを出迎える雰囲気では無さそうだな...当然か」
諸星 須賀男。かつて問題児として大神モグラーズ時代に入団。それから一度も移籍やトレードも無く大神ナマーズでプレイをしていた。
怪我も無くベテランの今でも調子が良いらしい。だが今年で引退を決意している。
「寂しいって感じてる場合じゃないか」
市古と餅田はテレビでナマーズの中継を見る。
「...複雑だよな。チームとしては活躍して欲しいけど一軍に上がりたいから活躍して欲しくないって言う」
「まあどっちに転んでもオイラ達はハッピーエンドが待ってるでやんすよ。ククク...」
一軍コーチが二人の男性を連れてやってくる。
「良い仕上がりだ...惚れぼれする...もっと近くへ」
「鬼鮫さん...」
鬼鮫 清次(おにざめ せいじ)。
コーチとしては有能であり、何人もの名選手を育て上げている。
その実態は男色家。色物以外の何者では無い。
「そう一言、呟くだけで良い。やらないか。と...!」
二人の男性の名前は輝星也(かがやきせいや)と官取孝弘。彼等は被害者。何かを失っている。
「......」
「......」
また、坊主の選手が叫ぶ。
「このオレッ!天道翔馬(てんどうしょうま)はこの試合に勝って見せる!オレは通算20勝しないと......練習練習......うあああああああ!!」
天道翔馬。星英高校出身で四回甲子園に出場したエリート。だが、あるライバルにより敗北した事で自分に自信が持てなくなり、決して叶う訳の無い目標を叫び過度の練習を続けている。
「天道が駄目だったらリリーフはお前だ。芦沼大喜」
「はい、分かりました...!」
芦沼大喜。
嘗て、彼も問題児で性格がクズで、ある選手と揉めていたが和解し改心する。現在は諸星と共に二軍の面倒を見ている。
東は市古達に向かう。
「......個性的な人達ばかりって本当なんですね」
「まあ、皆良い人だよ...多分」
- Re: ハッピーエンド・エージェント。感想&オリキャラ募集中! ( No.8 )
- 日時: 2017/04/03 16:11
- 名前: カシスオレンジ (ID: n1ZeCGPc)
ナマーズの開幕戦はボロ負け。大神は中継を見ながら社長室を後にし、会議室へ行きジャジメント幹部と話す。会議室は大きい机が部屋を占めていた。ドアから一番遠い所に大神は座っていた。
「現在の経済戦争の様子は?」
「それよりナマーズの件ですが、どうやら柿元晃平(かきもとこうへい)の暴力事件で謹慎中の事と、倉刈明(くらがり あきら)の野球賭博による不祥事と越後竜太郎のメジャー行きによる戦力不足だけが負けた原因ではないようですね」
柿元晃平。ナマーズの一軍選手。ただ数日前に暴力沙汰を起こし謹慎中。
倉刈明。ナマーズの一軍選手。10億の借金を背負いながらも野球選手として頑張っていたが騙されて野球賭博と言う不祥事により野球界から追放される。
越後竜太郎。ナマーズの一軍選手。今シーズンからメジャー行き。
「それは嫌味か?ボクはその程度で屈すると?」
「すみません。では会議を始めましょう。九百龍が反ジャジメント派に武器を送り込んでいるらしいですね。中には超能力者とか」
九百龍。中華系の資本グループ。かつてジャジメントに全面降伏されたがジャジメントの超能力者、アンドロイドの失業対策、つまり喧嘩相手が欲しいからという理由で存命を許される。
「だが、九百龍の力はほぼ無いと言っても良いよ。ましてや超能力者等は先天的なケースで無ければ現時点では超能力と認めるのは不可能のはずだからね。超能力開発に必要なしあわせ草の流通は遮断して全て処分したはずだから」
しあわせ草
その由来は古く、太平洋戦争末期の日本帝國海軍占領下のしあわせ島と言う島にまで遡ることが可能。
その島に自生していた『草』について、、帝國海軍の駐留部隊によって人体実験が行われており、以下の通りの薬効が報告されていた。
身体能力の大幅な増強(陸上経験の無い軍人がベルリンオリンピックの記録を破る)
強度の中毒性・禁断症状
人種による効果差(日本人には効果があるが、原住民、ドイツ人には効果が無かった)
ただし、実際には人種差は存在せず日本人以外にもその効力は発揮される。これは戦時下であり、日本人以外の実験標本が殆ど集められず(ドイツ人のデータがあるのは、実際に少数のドイツ海軍が太平洋で活動していた為可能だった)、他のデータが取れなかったため「日本人にのみ薬効を確認」という形になった。
分かりやすく言えば、超能力の元であり具現化の元を創る為に必要な草であり違法薬物。
さらに副作用が作用を越え身体に重大な危害を与える事になる。
ほとんどジャジメントが所有していたが現在は全て処分している。
また世間はしあわせ草の事は知っており恐怖の対象になっている。使い方を間違えなければ医学に役立つ時もある。
超能力
生まれながらに持つ先天的な超能力としあわせ草の作用になる後天的な超能力に分かれる。
ただし能力の覚醒、暴走があり想像以上あるいは以下の超能力を発動出来る。しかし人体に有利に働く超能力だけでは無い為無意味な超能力や有害な超能力が発動する事もある。
超能力者
過去、ジャジメントにより数億人の超能力者が生み出された。いずれも寿命は一年ほどになるが。強力な能力を持つ者は数千人に昇る。
「超能力者リストに載っている人物はほぼ死んでいるはずですが」
「ほとんどが最後に暴れながら死んで行ったよ。これ以上に生きている超能力者がいるとは思えないね」
「超能力者をユキシロから流した可能性はありますか......?」
ユキシロ。雪白晴継をトップにした大企業であり、独自の情報網を駆使した情報収集能力に優れた組織。
詳しい事は全て秘密。現在、裏社会で大きな権力を持っている。
「それはあり得ないね。ユキシロの得意分野は情報採集と暗殺。その分野に関しては考えが甘い超能力者よりも恐ろしい。わざわざ超能力開発をする理由も無い。サイボーグならあり得るかもしれないけど」
「流石に何もしない訳にはいきません。騒動の鎮圧だけではもはや混乱を抑えるのは...」
「ボクは混乱を抑えたい訳じゃない。混乱を切り抜けたいんだ。これ以上死者を出す事は許さない。超能力者の流出源をただちに見つけるんだ」
「はい...」
大神はある人物がいる相談室へ行く。
名前は秋山 正道(あきやま まさみち)。男性。かなりの高齢でしわと白髪で白ひげを蓄えている。
「秋山さん。オオガミ退社以来ですか?」
オオガミ。嘗てジャジメントと全面戦争をした世界最大の企業。創始者は大神社長の父親。大神美智男(おおがみ みちお)。アンドロイド、サイボーグの技術がかなり高い。オーバーテクノロジーを所有している。ジャジメントを乗っ取りツナミグループを設立。その後、ツナミからジャジメントと言う名前に変える。
分かりやすく言えば、オオガミと戦争していたジャジメントとツナミから名前を変えたジャジメントは全く別の組織と言う事になる。
秋山正道。ジャジメント相談役。元オオガミ幹部。
オオガミ立ち上げの時から関与していた古参。世界最大の企業の際、裏社会にまで関わってきた人間。
だが、前大神社長が死亡した事実を知るとツナミ設立と共に退社。
現在まで老後を穏やかに過ごしてきたが大神が秋山を相談役に引き抜く。
「裏社会に顔が通じる人は貴方が最適だと思いますよ」
「こんな老いぼれにも出来る事があれば協力しますよ...社長。ただ、貴方が思っているより裏社会は深いですよ?」
「今までボクや裏社会を支えてくれた一人の人間が教えてくれてますから大丈夫です」
「貴方は前社長とはまた違う魅力を持ってますね。これからも頑張って下さい」
「はい...」
大神は相談室を後にし廊下で部下に出会う。ジャジメントの現在の派閥は混乱を切り抜けようとする穏健派である大神(大神本人は信頼していた部下だった犬井派と発言)派とその対応に意義を唱えているのがオオガミ派。ジャジメントに吸収されたオオガミの人間達である。直接的な戦争は無いが、オオガミ派は大神社長の暗殺を狙っている可能性がある。
そして大神はオオガミ派リーダーが秋山だと予想している。
部下は質問する。
「ならば、何故秋山を相談役に?」
「目標は見えていた方が分かりやすいのは当然だからね。それに会社内なら監視も出来る。向こうが不振な動きをしたらすぐに対策を取ってくれ」
「対策?まさかオオガミ派の奴等は放置するつもりですか?」
「このままの状態で切り抜けられるのが一番良い。オオガミ派を切り捨てても恐らくこの巨大企業が存命する限り、また新たな派閥が生まれる。モグラ叩きと言う事だ。ボク等は沼の中に眠っているナマズに向かって草むらで跳ね続けるバッタを見続けていればいい」
「その為にはジャジメントの解体が必須ですか」
一方、秋山はオオガミ派の社員を小さな相談室に集める。
「我々はもう一度、オオガミの栄光を取り戻す。だが、流石は大神社長の息子さんだ。私がオオガミ派派閥首領と気付いている。まあ、そんな証拠をツナミ時代から残していたんだがね。私がオオガミを受け継ぐんだ......」
秋山はそう言って坂田博士と言う人物に連絡をする。
そして市古はミルキー通りの公園で休日を過ごす。
「暇だ...」
すると、一人の女性が複数の男性に囲まれていた。市古の足は竦む。
「やっぱり此処って治安悪いんだな。いやいや、そんな事言ってる場合じゃない。警察を呼ばないと」
すると、女性は市古の方へ向かう。
「へー...アンタ、私を助けないで電話なんかするんだね?」
「いや警察に!」
「最悪。まあ良いわ。普通ならなりふり構わず逃げるもん。まだマシな対応ね」
「あの助けようと言う気持ちはあるんだよ?可愛いし」
「可愛く無かったら助けないの?最低ね。最悪で最低よ」
「褒めたつもりなんだけど!でも、警察には連絡しなければ」
男性達は痺れを切らして叫ぶ。
「何ペチャクチャ話してんだよ。お前は邪魔だ!」
女性は回し蹴りを男性に軽く打ちこみその後手刀で男性の鼻を叩いたりして倒れ込ませる。
「必要なのは警察じゃなくて救急車のようね」
「わ、分かった!」
「冗談よ。そんなにビビらなくて良いよ。無理に助けて邪魔されるより警察を呼んでくれた方が個人的には助かるの」
「貴方は?」
「私は最上 桜子(もがみ さくらこ)。桜子で良いわ」
最上桜子。24歳。ロックな雰囲気の服を好む。勤務中は勿論制服を着ている。性格は男勝りで元不良。中学まで非行少女。高校は親が更生を求めて厳しい寮制の女子高へ。
- Re: ハッピーエンド・エージェント。感想&オリキャラ募集中! ( No.9 )
- 日時: 2017/03/17 19:51
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- プロフ: http://From iPad@
こんばんは!
昨日は、小説の方にコメントありがとうございました♪
嬉しかったです(*´▽`*)
小説、読ませて頂きました。
なんていうか、もちろんいい意味で「本当に二次創作!?」と感じさせられました笑
少しだけ私の話になってしまうのですが、昔二次創作の作品を執筆したことがあるのですが、なかなか上手く書けなくて……(((;°▽°))←
カシスオレンジさんが羨ましいです(o´艸`)
この「ハッピーエンド・エージェント」の元の作品を私は知らないのですが、それでも楽しむことが出来ました!
……実を言うと、まだ全て読み終わっていないのですが何せ読むのが遅いので先にコメントをさせて頂きましたm(*_ _)m
最後に、参照100突破おめでとうございます!
なかなか頻繁には来れませんが、これからも読ませて頂きますね!
応援しています!
更新頑張ってください。
byてるてる522
- Re: ハッピーエンド・エージェント。感想&オリキャラ募集中! ( No.10 )
- 日時: 2017/03/18 16:37
- 名前: カシスオレンジ (ID: n1ZeCGPc)
てるてる522さん、感想ありがとうございます!
ゆっくりでも読んで貰えるとうれしいです。
勿論てるてる522さんの作品も楽しく拝見させて頂きます!
更新、楽しみにしてます。
まだまだ小説を始めたばかりで未熟者ですが宜しくお願いします!