二次創作小説(紙ほか)
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- Re: Dear my princess!
- 日時: 2017/06/25 20:25
- 名前: 電コ (ID: 3i70snR8)
やさぐれ庶民とボンボンとかテニスのお話。
※テニスの王子様二次小説です。閲覧注意。
- Re: Re: Dear my princess! ( No.13 )
- 日時: 2017/07/08 07:16
- 名前: 電コ (ID: 3i70snR8)
1ヶ月前、亮と別れた。
理由は…亮がほかの女子に行ったから。
イマイチ亮本人にはピンと来てなかったみたいだから、相手方の女子に騙されたか引っかかったかだと思う。
自然消滅気味だったし、亮グレたし、良くわかんなくなった。
「は?俺なんかしたかよ?」
「槙村さんいるじゃん」
「あいつはちげーよ、あいつはただの…」
槙村さんとは、槙村ゆりはという氷帝学園高等部の女子。ギャル。私は何度もLINEで攻撃されている。Twitterでも亮とのやりとりや、2ショットが沢山載せられているらしい。忍足侑士が言ってた。
「もういいよ」
何口ごもってんの、亮。あーむしゃくしゃする。冷静になれないまま別れを告げてしまった。亮は渋々頷き、1年8ヶ月の長いんだか、短いんだかわからない歳月が終わった。
別れてから1ヶ月経った今、周りの人は亮に手がつけられなくなっていると耳にした。
槙村さんとつるんでから喧嘩三昧、おうちに帰らず、らしい。
亮は優しかったはず。
- Re: Re: Dear my princess! ( No.14 )
- 日時: 2017/07/08 07:35
- 名前: 電コ (ID: 3i70snR8)
半年の記念日に湘南あたりの砂浜に遊びに行った。
1日遊び疲れたはずなのに、砂浜と海を見て笑顔で、白いロングワンピースの裾を持ち上げながら走る梓は可愛いかった。なんでモデルにならないんだろう。不思議で仕方なかった。時々俺の方を振り返って手招きする梓に連られて、俺もあとを追う。
地平線に赤く沈む夕陽を写真に撮ろうと思って携帯を構えていたら、梓が振り返った。
その瞬間、俺はシャッターを押した。
美人すぎ…携帯のカメラに向かって振り返り気味に微笑む梓と、夕陽。
「お前動きすぎー」
「亮が遅いんだよ」
「うるせー!」
梓に追いつき、手を引いた。
「梓、…す…き…だぁーもう!」
好きの二文字も言えない俺はヘタレだな。向かい合った梓は、真っ赤になる俺を見て笑っている。
「亮、大好き」
梓の言葉で恥ずかしいとか、良くわかんなくなって、梓の後頭部を寄せてキスをした。ながいやっぱり慣れない。顔を離すと俺は思いっきし梓を抱きしめた。
「苦しいよ」
俺の胸元でごもごもしてる。世界一大好きな人。
だった。
いや、今でも好きだ。
夢の中。
- Re: Re: Dear my princess! ( No.15 )
- 日時: 2017/07/14 22:39
- 名前: 電コ (ID: 3i70snR8)
「俺は身長がねぇからよ、どーしてもスマッシュが相手のコートに沈んでかないんだ」
「あー!フットワークのクセ治んねー!左足だっつーの」
「畜生っ、ライン外したぁ」
亮はテニスのことばかり考えてる。練習さぼったクセに。
1月26日は私の誕生日だ。亮は私のためにこの日だけ練習を休み、私と一緒にいてくれるらしい。
「跡部くんに見つかったら殺されるねー」
「大丈夫だって!つか、はいこれ」
交差点のど真ん中で手渡された、小さな紙の袋。立ち止まるとすぐ頭に雪が積もりそうな日だった。
「開けていい?」
「おーよ」
包を開けると、ブレスレットが入っていた。細く、綺麗なビーズが散りばめてある。可愛い。
「あ、ありがとう」
センスが良すぎ、亮にしては。なんだか嬉しい。
「まぁ…お前のその顔だと、不満はねぇようだな…俺も、良かった」
亮が私より頬を赤らめた瞬間、青信号が点滅し始めた。亮と私はまた手を繋ぎ、急ぎ足で向こう側の道路へ駆けていった。
「さみぃ、くっついて」
私のつないだ手を引き寄せてお互いの肩がぶつかるような形になった。そこから腕を絡ませる。全然寒くなかった冬。
そして私は今日も
覚めたくない夢から覚めるの。
- Re: Re: Dear my princess! ( No.16 )
- 日時: 2017/07/24 22:45
- 名前: 電コ (ID: Mm9jHYga)
「白石ー、おはよ」
「お、う」
誰やこいつ。あ、松阪だった気がする。クラスメイトのフルネーム覚えてないわ。
「冷たーい、ねー梓ぁひどくね?」
「そうだよね!折角可愛い胡桃が挨拶してるんだから…」
フォロー下手やで。段々声小さなってる。体格のいい松阪胡桃の横に並んでいる梓と呼ばれた女子はまた顔が死んでいた。童顔なのに身なりだけは大人っちゅーか、繕ってるに近い。女兄弟に囲まれて育った身としては、多少女子を見抜く力が備わる。
「胡桃って、皆島くんと仲いいよね」
「やめてよ梓!成海嫉妬深いから私、妬みの対象になっちゃう!」
そんで松阪は、皆島の背後に隠れる。
「梓ウケるー」
「やばいやばいw」
女子と笑い合っている。面倒や、席着こ。
- Re: Re: Dear my princess! ( No.17 )
- 日時: 2017/07/25 22:56
- 名前: 電コ (ID: 3i70snR8)
「おい、宍戸。24ページ読め」
俺のお昼寝タイム…英語の時間。返事の代わりに舌打ちをして、教科書を開く。あ、逆だわ。
「あい…おっふ、おっふん…ごーとぅー…ざ、ちゅー」
クラスに笑いとどよめきが起こった。寝ぼけて呂律が回らない俺は状況が理解できない。
「チャーチだよ」
は?ナニイテンダ。隣の席の槙村が、俺の教科書のchurch(しーえいちゆーあーるしーえいち)と書かれた単語を指さした。あ、これで奴ら笑ってたのか。
「あんたの彼氏バカすぎぃ〜」
「やめてよ〜」
だれが…お前なんかの彼女になったんだよ。
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放課後。
「宍戸、今日ゲーセン寄ってこぜ」
「おーよ!」
久々(3日ぶり)にクラスメイトとオールの予感。ってな訳で5人で校門を抜ける。
「なぁ、彼女。いるぜ」
「お熱いねぇ」
俺を見つめている、槙村。校門を抜けた先で立ち止まっている。
「やめろって。おら、行くぞ」
「亮…帰ろ?」
俺の目の前に走ってきた。明らかに怪訝そうな顔をして、無言で通り過ぎた。