二次創作小説(紙ほか)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- Re: Dear my princess!
- 日時: 2017/06/25 20:25
- 名前: 電コ (ID: 3i70snR8)
やさぐれ庶民とボンボンとかテニスのお話。
※テニスの王子様二次小説です。閲覧注意。
- Re: Re: Dear my princess! ( No.3 )
- 日時: 2017/06/25 22:35
- 名前: 電コ (ID: 3i70snR8)
早朝のセンター街は店も閉まってて、サラリーマンか制服来たヤツらしか歩いてない。あー、誰かサボるヤツいないかなー。
「亮かよ?」
「よお」
背後から声をかけてきたのは向日岳人だった。こいつは中学ん時、同じテニス部で幼稚舎から一緒だった。高校は氷帝学園に進まず、公立高校に入ったみたいだ。
「お前…金髪超似合ってんな。腹立つ」
「だろ?」
「彼女できた?」
「いねーよ、」
その瞬間、岳人の口角が上がりニヤついたのがわかった。さては彼女できたな。
- Re: Re: Dear my princess! ( No.4 )
- 日時: 2017/07/02 17:36
- 名前: 電コ (ID: 3i70snR8)
あー、教室に入るのやだな。
教室は狭い世界。
「梓!ねぇ聞いた?」
「え?」
「皆島と成海付き合い始めんだって」
え、皆島って誰?成海ちゃんは同じクラスだからわかるけど…
「皆島って誰?」
「皆島大幹だよー!うちのクラスで一番顔面偏差値高いの」
あ、わかった。でも私がかっこいいと思うのは…あいつだ。
「思い出したわ」
適当に笑い話に変えて女子たちでゲラゲラ笑ってると、成海ちゃんが教室に入ってきた。
「成海ちゃん、おは…」
女子の1人、胡桃に腕を掴まれた。
「成海ってさ…男つくんの早くね?」
「マジそれなぁ。ビッチやん」
何人かの女子は成海ちゃんを見てクスクス笑っている。私は苦笑いのようなへにゃへにゃした顔を浮かべた。成海ちゃんはそれに気づいたのかピクっと体を震わせて、自分の席についた。
「成海が可愛かったらうちらも文句言わないけどねぇ?」
「ねー男子!話あるんだけどー!」
クソめんどい。私は口からポロっと出てしまいそうになる。
- Re: Re: Dear my princess! ( No.5 )
- 日時: 2017/07/02 17:46
- 名前: 電コ (ID: 3i70snR8)
今日から本格的な成海ちゃんに対する、いじめのような冷ややかな眼差しのようなものが始まった。
皆、頭がいい。だから表立ったことはせず、雰囲気から彼女を一人にする。たった数分で出来た暗黙の了解。
「ぶっちゃけどこがいいの?」
皆島くんにそれ聞く?!しかもなんで私が胡桃の横にいるの?!
「フツーに、可愛くね?」
はぁ…ダメだわこいつ。
「お前にはあいつ(胡桃)じゃもったいねーわ笑」
ほかの男子まで。なんなの。亮が…あいつがここにいたら皆島に怪訝そうな顔をしてくれるのに。私は否定も肯定もせず、口角を緩めていた。
「ねぇ、梓もそう思うよね?つか、ぶっちゃけ成海に睨まれてるし。皆島と話すとさー」
「うん。そうだね」
「うわー怖い怖い」
皆島、否定しろよ。私の目が笑っていないことに誰一人気がつかない。
だけど、不意に視線を感じた。一番後ろの窓際の席から。
- Re: Re: Dear my princess! ( No.6 )
- 日時: 2017/07/02 18:04
- 名前: 電コ (ID: 3i70snR8)
洒落たカフェで、オレンジジュースのグラスをカラにした。学校サボった。街をブラブラしてたら何だか知らない女子中学生にナンパされた。
「氷帝の…宍戸くん?」
グレーのセーラー服で、なんだか見覚えのある奴だと思ったら…
「橘妹かよ」
「正解」
下をぺろっと出して指先でハートマークを作った橘妹は俺の手を引き、カフェに引きずり込んだ。
で、今に至る。
「お兄ちゃんね、定栄高校なの」
「あ、頭いいんだな」
風の噂で聞いてたけどよ。
「なんでグレちゃったのぉ?」
「ほっとけ」
中等部の時も頭は良くなかった。テニスの推薦もあったけど、親に学力で入れって言われて受けたところ全滅して、大好きなテニスも辞めさせられて。昔から厳しかった親に反発したら、ここまで来た。それまで1度も周りの大人の言うことは全部聞いてきた。
それに疲れた。あとは色々。
「こないだ忍足くんに会っちゃった。綺麗な彼女連れてたよ」
「お前の情報源はどっからくんだよ」
ふふっ。と笑われるとこっちも何も言えねー。
「宍戸くん、梓さん元気?」
「梓…」
俺は無性に黙ってしまった。苦しかった。
- Re: Re: Dear my princess! ( No.7 )
- 日時: 2017/07/02 18:13
- 名前: 電コ (ID: 3i70snR8)
昼休み。売店に行ってくると皆に嘘を吐いて、一人で屋上に来た。そして、皆の中に成海ちゃんはいなかった。不意に風が私の頬を滑った。日本晴れの午後は気持ちがいい。
「あ」
思わず声を出してしまった。白石くんだ。白石蔵ノ介。大阪からの転校生と聞いている。白石くんはこれまた無気力そうに、地べたに胡座をかいた。一瞬、私の方に目線を向け更に遠くに胡座をかいた。避けられてる…?
さっき、私の方を見てきたのは白石くんだった。表情を変えず(死んだ目)、目線がぶつかったのはまぐれかもしれない。気にすんな自分。めんどくさい。