二次創作小説(紙ほか)

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銀魂−collect−
日時: 2018/06/24 17:07
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

幼い頃に両親を亡くした少女、花咲 千尋(15歳)
彼女は様々な人物に支えられ育てられた。

そんな彼女のかぶき町での暮らし。

将軍暗殺へ続く物 >>01-07
幕間 >>08
親切者たちは過去を持つ >>09-11
真選組が去る日 >>12-25
急に飛んで世界を救うまで >>26-28

第19訓仲間が来るタイミングは遅れることもある ( No.19 )
日時: 2018/06/22 21:41
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

「チッ!」

永倉はこの数に舌打ちした。
早約10分が経ったがまだ数が減ったようには感じなかった。

「永倉さん!」
「新八、将軍様を!」

永倉は何が何でも将軍を優先させた。
彼にとっては仕事の方が最優先だったからだ。

「将軍様、一つ言わせてくれ」
「…何だ?」

片膝をついて彼は口を開いた。

「俺たちがここまでやる意味を考えろよ」

 ◆

夜兎によく似た種族がいた。
種族のほとんど戦闘狂であり怪力だという。

夜兎が月の兎なら彼らは秋の兎、秋兎だという。

「ってのが俺たちのことだな」
「なるほどー…って申し訳ないけど私が不利だということは
 変わりそうもないわ」

夢月の丁寧な説明を聞いて危険度が変わるわけがなかった。
その説明を聞いている間に水月のほうは近くの木に背を当て
眠りについていた。

「おーい水月…クソッ起きそうもないな。みっちゃ〜ん」

水月がすぐに右手を振り上げ夢月を殴り飛ばした。
彼は何本もの木々を薙ぎ倒してやっと止まった。

「起きてる。みっちゃんと呼ぶな」

その怪力と夢月の回復力の高さに千尋は舌を巻いた。

「ッ!?」

水月は振り向きざまに大きな鉄扇を振るった。金属同士がぶつかる音が
した。

「なるほどな。お前も真選組、か?」

千尋の前に立ったのは体中に包帯を巻いた男、山南悠助だった。

「山南さん、大丈夫なんですか!?そんな体で…」
「ん?あぁ、大丈夫だよ。俺よりもっと重傷な人も
 近くにいるし」

山南はそう言うなり千尋の両肩に手を置き屈んだ。
真上を鉄扇が通り過ぎる。

「…アイツの言う通りホントに人間ってのはぁ、脆い玩具だな」
「確かにお前らにとっては玩具だろうけど。その子どもに
 一撃喰らわせられるのはどこの誰かな?」

大きく跳躍し振り上げた本の角で水月の脳天を殴りつけた
千尋。

「だ、団長!ハァ、言わんこっちゃねえ」

水月は俯きざまに笑みを零した。
顔を上げると同時に山南の腹を鉄扇で殴り付けた。

「ちょっ、山南さ—「おっと行かせると思うか?」」

千尋の襟首を掴みひょいと彼女を夢月は持ち上げた。
それも片手で軽々と。

第20訓敵は別の敵に狙われてたりする ( No.20 )
日時: 2018/06/22 22:04
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

「あ、オイ馬鹿!暴れんな!!」

足を振り上げ勢いをつける。ブランコを漕ぐように千尋は
動き回っていた。

「暴れないでとか言ったらもっと暴れるけど!?
 当たり前じゃん!!拉致られたら何が何でも逃げるもん!」
「馬鹿か!?俺たちは良散ってねえよ」
「じゃあわいせつ!?こんな女子を弄ぼうとした強制わいせつ!?
 余計逃げるのを頑張るよ!?」

そんなことを口にしていく彼女に仕方ないと夢月は首を
掴んだ。

「よし、これで暴れないな。暴れたら分かるだろ?」
「ここで、死んで…たまるか!!」

彼女の言葉に少し二人は動揺した。
「(マジで言ってんのかコイツ。勝てねえくせに…
 死ぬのも怖くないってか?)」
「(威勢は良いが、震えてるな。だけどなぜアイツは
 諦めない?)」

二人は幾度も戦争に参加してきた。

二人を恐れる人々は勝利を諦め死を確信し気力が失せていった。
だが千尋は何が何でも逃げようとしている。

「面白いな」

水月は掌で彼女の右頬を思い切り引っ叩いた。
それだけで彼女の体は地面に何バウンドかし放り投げられた。

彼女は右頬を抑えた。

「イッテテテ、親にも殴られたことないのに…」
「威勢は良いがやはり同じか。だがその威勢は面白いな」

千尋の胸倉を水月は掴み地面に叩きつけた。
それは彼女の意識を刈り取るには十分だった。

「…」
「あーあ、割とあっという間でしたね〜」
「予想はしてただろ?」
「まあね」
「夢月、あの山南とかいう奴は?」
「あーそいつは…」

夢月は片手で彼の顔面を鷲掴みした。

「邪魔しないでくれよー?会話の」
「千尋ちゃんに…何をしたんだ?まぁ予想はできてるけど…
 この代償は結構重いですよ?」



「大…丈夫です。山南さん!!」
「なっ!?しまっ——」

同時に周囲から行脚僧のような服装をした男たちが現れた。

「どうやら俺たちは嵌められてたらしい」


第21訓倒れたと思ったら倒れてない生命力 ( No.21 )
日時: 2018/06/23 15:05
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

「服装的に相手は天照院奈落、かな?消えたと思ったんだけど…
 とりあえず」

山南は刀を横に振るい敵を薙ぎ払った。

水月や夢月たちも襲い掛かってくる敵を確実に倒していった。

「…大丈夫だろうけどやっぱり心配だなー…」
「千尋ちゃん、多分無事だよ銀時はね」

「話してるところ悪いが離す暇があるなら手足動かせ」

水月はそう言った。
千尋はそれを聞き真っ先に出口へ走っていった。
が、山南は彼女についていかなかった。

「…いいのかよ、アイツ死んじまうぜ?」
「死なないよ千尋ちゃんは。それにこの辺にはすでに
 真選組が集まってきているし…君たちは捕まらないように
 する方が良いんじゃない?」
「ばっ!余計なお世話だ!」

 ◆

森を抜けるとそこには倒れている二人がいた。

「銀さん!」

辺りに人の気配は無し。

それが分かって彼女はホッとした。
二人とも出血量が多いが大丈夫そうだ。

「千尋ちゃん!!」

神楽や新八たちが全員集合した。

「無事アルか?」
「とりあえずね、それに…味方になってくれたみたい」

森から出てきたのは山南と水月、夢月だった。

「っと!そんな身構えんなよ、特に夜兎を相手にするなんて…
 それにその銀髪男が死んでもいいのか。それに100%味方に
 なったわけじゃねえよ」

「あれ?コイツら秋兎族アルか?」
神楽は二人を指差した。

「神楽ちゃん知ってるの?」
「夜兎族同等の戦闘力を持つ種族。大昔に夜兎と戦争をして
 降参した。だけど夜兎同等ぐらいの怪力を持つ…
  
 だったはずだ」

神楽の代わりに説明した人物のほうを全員が見た。

首の辺りまで包帯を巻かれた松原がそこに立っていた。
隣には傷だらけの島田たちも。

「松原、それに島田や近藤さんたちも…」
「よぉお互い無事だったみたいだな」

第22訓努力しても報われない時だってある ( No.22 )
日時: 2018/06/23 17:06
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

後日…悲報が全国で流された。

徳川茂茂の死——。

「‥‥‥」
そして彼女の手にはある紙があった。

それもこの前出会った秋兎からのモノだった。

 ◆

「水月…ホントにあんなので千尋って奴は来るのかよ?
 結構賢そうに見えたぜアイツは」
神霧は両手を頭の後ろに回し上を見上げそう言った。

「来るだろ。多分だから彼女が来たら誰もこの部屋に来るな、
 緊急時以外」

『了解しました!』

全員がそう声を出した。
その中で水月は聞き逃さなかった。

「オイお前か?今、舌打ちした奴は…」

全員の背筋に冷や汗が流れ出す。全員の中にはもちろん神霧も。
水月はその部下を強制的に立たせた。

そして右の拳を振り上げる。

「へぶっ!?」

部下の顔面に彼の拳がめり込みドアの近くまで吹き飛ぶ。
立とうとするも水月が素早く馬乗りになり顔面を何度も殴り付けた。

「ふ、副長…止めたほうがいいのでは」
「そりゃあ分かってるがよ…お前らも口には気をつけろよ。
 千尋って奴から聞いたが地球には口は災いの門とかいう
 言葉があるらしいからな…」

彼の怒りに触れた相手は無事では済まない、例え部下であってもだ。
そしてそれを止めることができる人物がいるとしたら神霧ぐらい
だろう。

「あ、の〜〜〜〜…」

扉越しに申し訳なさそうな声がした。

水月は気を失った部下を他の部下に任せその場には水月と
神霧だけが残った。

「ちょっとこの扉重くない!?全く動かないんだけど!?
 ビクともしないんだけど!!」

神霧は少し溜息を吐いて扉を開けた。

「さ、流石です…」
「何が流石です、だよ。まぁお前じゃ地球人程度の力じゃ
 重くて開けられないか。でもお前、よく来たよな…。
 普通罠かも、とか思わねえのかよ」
「その時はその時、臨機応変に対応するまでだから」

「花咲千尋、こっちに来い。席は用意してある、とびっきりのな」

水月は少し微笑んだ。嘲笑ではない心からの笑みだった。





第23訓ちょっかいも程々に ( No.23 )
日時: 2018/06/24 10:28
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

「うお〜〜〜!!すごい桜も咲いてるんだね!!」

窓からは綺麗な満月と桜が咲いていた。
その景色を千尋は眺めていた。

「そういえばよ千尋は母さんとかいるんだよな?」
「え?いないよ?」
「は?いやいやちょっと待て!ってこたぁ、両親は死んだのか?」

「まあね。詳しくは私も知らないけど」

さっきまでの顔は一気に暗くなった。

「なぁみっちゃ——ぐぉッ!!」

みっちゃんと呼ぼうとした神霧の顎に水月のアッパーが入り
神霧は天井にめり込んだ。

「ひょえ〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「安心しろ。神霧はああ見えても堅い。すぐ戻ってくる」

「それお前が言うか?」
天井の近くにある棒(手摺?)に片手だけで捕まっていた神霧は
そこから飛び降りた。

「俺たち秋兎族は夜兎族よりかは少し戦闘では弱いかも
 知れないが回復力はこっちのほうが圧倒的に上なんだよ。
 って前説明したような気がしたんだけど…まぁいっか」

刹那、重たい扉が丸ごとこちらに飛んできて千尋は目を伏せた。
目を開けると粉々の扉が床に。そして神霧は突き出した拳を
引っ込めた。

「何事だよ。随分と派手な登場だな、殺人僧侶共」

同時に千尋が念のためと持ち歩いていた携帯が鳴った。
銀時からだ。
「はいもしも『千尋、テメェどこにいるんだ!!』どこって…
 水月さんたちのところ、だけど…」

二人が天照院奈落を相手している間に二人は連絡し合っていた。

『お前、そいつらと仲良くなったのか!?ならとりあえず手を貸せ!
 人手が必要なんだ!場所は黒縄島だ、良いな!?』
「あ、え!!」

連絡が切れた。
一方の水月たちのほうも手間取っていたが退けることが
できるたらしい。
傷はないが服が所々破けていた。

「はぁ、面倒臭かったぜ。アイツら人数ばっか多くてよ。
 で、どうしたんだ真剣な顔して」
「…二人にお願いがあるんだけど」

千尋は彼らにさっきの連絡で分かったことを説明した。




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