二次創作小説(紙ほか)

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銀魂−collect−
日時: 2018/06/24 17:07
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

幼い頃に両親を亡くした少女、花咲 千尋(15歳)
彼女は様々な人物に支えられ育てられた。

そんな彼女のかぶき町での暮らし。

将軍暗殺へ続く物 >>01-07
幕間 >>08
親切者たちは過去を持つ >>09-11
真選組が去る日 >>12-25
急に飛んで世界を救うまで >>26-28

第9訓親切者は大抵ツライ過去を乗り越えている ( No.9 )
日時: 2018/06/17 19:25
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

「はぁぁ?山南の過去が知りたいだと?」

近藤と土方は二人して首を傾げた。

山南悠助の過去を知りたい、そう数人のメンバーが
言って来た。

「まぁ…いいんじゃないか?トシ」
「近藤さん…分かった。だけどこれ1回だけだぞ?それと
 俺たちが話したことは心の中にしまっておけ、いいな?」

 ◇

真選組結成前。
江戸。

「黎介、おいで。黎介」

彼は元々山南黎介という名前を持っていた。
なぜ改名しているのかはこの後だ。

彼は両親にとても愛されていた。

今と同じように背も低く、色白で愛嬌のある顔をしていた。
そういう容姿が良い、そう思う人もいるだろう。
だが世の中そう甘くない。

「なんでこんなチビが俺たちよりも」
「見てよあの子、私たちより小さいわよ」

いつも通り竹刀を持ち鍛錬しに行く途中だった彼の耳に
そんな言葉が飛んできた。

「黎介」

道場で竹刀を振るっていると母の声が聞こえた。

「母さん!」
「黎介。また虐められていたの?」

その言葉を聞き少し反応に困った。

「…大丈夫だよ母さん」

そう言うと彼女は彼を抱きしめた。

「お母さんが護ってあげるからね、黎介」
「え?うん…」

「ここにも道場があったのか…」

何人かの男たちが中に入って来た。

第10訓どんな人も死ぬときは死ぬ ( No.10 )
日時: 2018/06/17 19:49
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

彼は母の前に立ち竹刀を構えた。

「すまんすまん、驚かせて。だがそんな——ッ!?」

彼の刃は男、近藤の頬を掠った。

「(なっ!?さっきのを避けられた)」
「黎介、話を聞いてあげましょう」

母に言われてはしょうがないと彼は力を抜いた。

「それでここに何の用ですか?」
「君の剣術は素晴らしい、並みの鍛錬をしていないことが分かる」

「彼は剣道の皆伝なのよ。私の自慢の息子です」

「息子!?ははぁ、随分と可愛らしいですね…。それと貴方の
 その手紙、少し見せてください」

彼女から土方は紙きれを奪い封筒を破り捨てた。

その内容を聞き彼らは目を丸くした。

「『山南、自身の死か息子の死か、どちらか選べ』だと?わざわざ
 手紙 で予告してくるなんてな」
「ど、どういうことなんですか!?母さん!!なんで俺には…
 何で俺に教えてくれなかったんだ!?」

「…ごめんなさいね。でももう私は長くないから」
彼女はそう言って微笑んだ。

「言ったじゃない。私は貴方を守るわ。そのためなら私は
 喜んで死にましょう。喜んで毒も呑みましょう。
 
 いい?黎介、貴方は優しい。その心を大事にしなさい。
 時には心を鬼にして相手を叱りなさい…そして
 人を、命を大事にしなさい」

「か、母さん…母さん!!!」


第11訓死んだ人は帰ってこない ( No.11 )
日時: 2018/06/17 20:45
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

「じゃあ今の悠助って名前は局長たちが?」

山崎はそう聞いた。

「あぁ、彼を守るためにはそうするしか思いつかなくてな」
「まぁ本人が名乗ってだからいいだろ…さぁ仕事だ、仕事」

 ◇

「沖田さん、土方さん。お仕事の帰りですか?」

「千弦さん?夫は家出ですか?」

沖田はニヤニヤしながらそう言った。もちろんからかっただけだ。
千弦はハリセンで沖田を叩いた。

「ンもう!からかうのも程々にしてください!それに
 千歳さんは家出なんてしません!」

千弦は長い黒髪を結い直した。

「あーいつも将軍様と一緒にいる人か」
「あ、そうだ。二人ともおにぎりを作ったので一緒に食べませんか?
 お茶も出しますよ。千尋おいで。私は準備をしてくるから」

「おーおー、一段と大きくなったな千尋」
「こりゃ千弦さんに負けず劣らずの女になりそうだ」

二人は彼女を見てそう言った。

今、千弦の美しい笑顔はない。でも今は千尋の美しい笑顔が
ある。

 ◇

「今も千弦さんが生きてたら…」

土方はそんな想像をした。

「土方さん、大丈夫ですか?」

「あぁ」

第12訓他の場所で必ずフラグ乙 ( No.12 )
日時: 2018/06/18 17:43
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

「きゃあっ!?」

さよはある船の上で悲鳴を上げた。
辺りには生々しい死体がたくさん転がっていた。

「君がお姫様か。見つからないと思ったらそんなところに
 隠れてたんだね」

彼女を囲んでいたのはたくさんの夜兎族。
そのうちには神威も含まれていた。

「いやぁ、さよ様!探しましたよ」

上から一人の男が飛び降りさよに目線を合わせるように
屈んだ。

「ま、松原!?」
「俺だけじゃない」

松原は親指で後ろを指差した。

そこには数人の夜兎を倒し息を吐く沖田が前に
立っていた。

「松原!姫様のこと頼んだぞ後、こぼれたのも任せた」
「人使いが荒いな。そこは嘘でもここは俺に任せろって
 言うもんだぜ?」

二人は同時に笑い沖田はそのまま刀を握り突っ込んでいく。

「原田様!どうか私に構わず沖田様のほうへ!」
「行かねえよさよ様。あのな将軍様も狙われてるってのに
 姫様も守れないようじゃ親切者の名が、真選組の名が
 廃るってもんだ」

松原は口に溜まった血を吹き出し前を見た。

カバーできない人数もかなりいてどちらも押され気味だった。

「(なんだ?急に攻撃が止んだ)っ!?」

大量に血を流したせいで彼は突然倒れた。

「し、しっかりしてください松原様!松原様」
「おう。安心してくれよ、さよ様。生きてるから」

さよは松原を手当てした。

「…俺はさよ様のことを頼まれてんだ。ここで死ぬか」
「ま、松原様(ドカーンッ」

近くの壁に沖田が投げ飛ばされた。
同時に船が崩れてきた。

「残念、すごく楽しいところなのに」
「何言ってんだ団長。一旦退くぞ」

夜兎たちが消えそこにはさよたちが残された。


第13訓敵を呼ぶなら餌になれ ( No.13 )
日時: 2018/06/18 18:50
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

今、銀時たちは囮をしていた。
自分たちが将軍に化けて敵を誘い込む、というものだったが…。

「っだ〜〜何だよ。折角ここまでしたのに全然敵が来ねえじゃねえか」
「オラオラァ!もっと団子持ってくるアル」
「神楽ちゃん、ホントよく食べるね。ってこっちもか…」

全員の視線が大柄な男のほうへ向いた。

「いつ持参したんだよ…島田」

土方は呆れながら彼にそう言った。
彼の名は島田魁(しまがさきがけ)、怪力の持ち主であり
見ての通り大柄で甘党。

「へ?いつも何も今だけど?」
「食べ過ぎ!ってかあれ?山南さんは?」

千尋は辺りを見た。ここまでの間、山南悠助の姿は
見ていなかった。

「サンナンは別の仕事だ」

山南をサンナン通り呼ぶ人物は一人しかいない。
栗色の短髪に白い鉢巻を巻いた男、永倉新哉。

「そうだったんだ」

「「「敵さん出てこーい!!!」」」

銀時、神楽、新八はそう叫んだ。

「千尋、アイツらは馬鹿なのか?何普通に敵呼んでんだよ」
「私が知るわけない」

永倉の質問に千尋は溜息を吐いて答えた。

「おーい本気で来てるぞ奴さん」
「千尋あんまり離れんなよ!」
「分かってる」

 ◆

別の場所で…。

「山南さん、これって…」

山崎は山南に数枚の紙を渡した。

「これは…千弦さんと千歳さんが書いた手紙?」
「その二人って…千尋ちゃんの両親!?」

その手紙にはそれぞれ誰宛てか書かれていた。
勿論その中には山崎や山南の名前もあった。

【山南さんへ

千尋がお世話になっています。私たちがいない間、千尋は
どうですか?迷惑をかけていませんか?
暇なとき良ければ千尋の相手をしてあげてください。

どうか貴方たちだけは長生きしていますように…。

千弦】


「…山南さん」
「大丈夫、行こう」


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