二次創作小説(紙ほか)
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- 銀魂−collect−
- 日時: 2018/06/24 17:07
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
幼い頃に両親を亡くした少女、花咲 千尋(15歳)
彼女は様々な人物に支えられ育てられた。
そんな彼女のかぶき町での暮らし。
将軍暗殺へ続く物 >>01-07
幕間 >>08
親切者たちは過去を持つ >>09-11
真選組が去る日 >>12-25
急に飛んで世界を救うまで >>26-28
- 第1訓 髪の色なんて関係ない ( No.1 )
- 日時: 2018/06/11 20:50
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
「来てやったぞ〜千尋ー」
銀時は千尋が住む家の戸を開きそう声を上げた。
だが返事は一つもない。
「可笑しいですね。いつもなら返事ぐらい来るのに」
「いないアルか?」
新八と神楽は見える範囲にいないことを確認する。
綺麗に片付けられている。流石としか言いようがないのかどうか。
「千尋ちゃんは出かけてるよ?銀」
銀時のことを『銀』と呼ぶ人物。後ろを振り返ると
夜色の髪をした青年がいた。
「小松、いたのか」
小松帯透(こまつたいとう)だ。
「うん、まぁ少し前だけどね。その時に千尋ちゃんが
出かけるって言ってたから…両親を失ったとは思えないよね」
小松は目を細め微笑む。その微笑みが悲しそうに見えた。
「千尋ちゃん、どこ行ったんですか?」
「さぁ?僕もそれは知らないよ。聞けばよかったって少し
後悔してる」
「まぁ元気なのは良いことじゃね?こんなところで引きこもりに
なられても面倒だし」
◆
「最近暑いな」
服の袖を捲り手で扇ぐ一人の男が呟いた。
「そうですね。ハァ、こんなときに仕事なんて…。山南さん
俺の仕事全部やってくれません?」
山南悠助、真選組第二の副長で常識人である。そのことは
誰もが分かっており究極のアホ集団の中でもかなり人気だ。
暑がる二人の胸にひんやりとした物が触れる。
「お、千尋ちゃんじゃないか。こんな暑い日にどうしたんだ?」
「これ、どうぞ」
彼女が渡したのはラムネだった。ひんやりとしていたので
買ったばかりなのだろう。
「いいのか?」
「うん、私も持ってるから」
千尋はラムネを見せた。
「…ありがとう千尋ちゃん」
千尋がいなくなった後、山南はラムネを一口飲んだ。
「不思議だな…」
山南はそう呟いた。
「何がですか?惚れちゃったんですか彼女に」
ニヤニヤ笑いながら沖田は山南に迫る。
「暑いから離れろ、惚れてもねえよ。年の差考えろ。
両親が死んだことショックなのにあんなに元気で…
嬉しいだけだ」
- 第2訓 過去と変わらないところもある ( No.2 )
- 日時: 2018/06/11 21:09
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
万事屋銀ちゃん、今日そこには千尋に加え銀時にとっては
懐かしい友人が訪れていた。
茶色の髪に紺色の和服を着た男、久坂玄紀だ。
「銀ちゃんの友人アルか?」
「あぁ、昔のだけどな。それと久しぶりだな久坂」
銀時は久坂にそう言った。
「そうだな。お?その子が銀時の知り合い?」
久坂の興味は銀時から千尋に移った。
「あぁ、ほら千尋。挨拶しとけ」
「え?うん。えっと花咲 千尋です」
久坂は微笑み彼女に「よろしく」といった。
「そういえば久坂、この辺に住むことにしたってホントか?」
「うん、気に入ったから」
千尋が帰った後、少し真剣になり彼女に起きたことを
彼に話した。
「…そっか。彼女には両親がいないのか。だから銀時たちが
彼女を世話したり?」
「まぁ僕たちだけじゃないですけど。真選組とかも彼女のことを
世話してます」
「じゃあ俺もたまには相手してあげなきゃな。大人として、さ」
久坂はそう言って照れくさそうに笑った。
「相変わらず変わらないな」
「そうか?」
『相手してあげなきゃな。先輩として』
そんな言葉を昔の久坂から銀時は聞いたことがあった。
- 第3訓 完璧なんていない! ( No.3 )
- 日時: 2018/06/13 18:49
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
数人の侍たちが一人の男に同時に斬りかかった。
「ふっ!」
隻腕の男はそのひと振りで全員を倒して見せた。
不意打ちも彼、伊庭一郎の前では意味を為さなかった。
◆
「あ、の〜…なんで僕まで?」
水色の髪をした若い男、伊庭一郎は先を歩く近藤と土方に
そう聞いた。
「用心棒だよ用心棒、ほらさっさと行くぞ」
近藤たちにはある人物に出会ってしまうんじゃないかという
気持ちが伊庭には少し嫌な予感が過っていた。
◆
一方、銀時たちは先代の将軍である徳川定定に嵌められ牢屋にいた。
「まさかアンタまでいるとはね、千尋」
沖田は牢屋にいる千尋を見てそう言った。千尋は片手を頭の後ろに
回し苦笑した。
「いやぁ私まで借り出されるとは思ってなくて。この歳で牢屋
デビューなんて」
そのうち彼も消え代わりにそよがやってきた。
彼女は語り始めた、伝説の花魁の話を…。
「あ、そよちゃーん。それ取ってそれ!」
千尋は牢屋越しに指差した。彼女はそこに落ちていた鍵を
拾った。
同時に扉が開き見知った顔の人物が現れる。
「処刑は早朝だって…ほらよ。そよ様、そこ牢屋を開けてやんな」
山南は顎を使い牢屋を示した。
彼も抱えていた武器等を全て渡した。
「お前らは子どもまでこんな戦いに巻き込むのか?」
「違います。頼まれて決めたのは私です。自分で決めたことに
今頃後悔したって意味はないでしょ?」
千尋はそよの手を握った。
「私の方が少し年上、私にはお姫様を守る義務がある!」
「千尋ちゃん…!」
「おーい、二人とも行くぞ!」
銀時に呼ばれ二人は真選組の人々の間を駆け抜けた。