二次創作小説(紙ほか)
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- 東方闘機伝(旧作) [ジョイメカファイト]
- 日時: 2023/06/16 18:39
- 名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)
この物語はジョイメカファイトのワルロボ四天王が幻想郷へ迷い込む話です。
かつてロボットと暮らし、栄えたある国。ロボットを作らせたら世界一の白ヒゲのリトル・イーモン、黒ヒゲのイワン・ワルナッチという二人の博士がいた。やがて、2人は新たな技術を求め、旅に出て行った。元いた国はいつしかなくなり、発達したロボット工学も人々から忘れられた。ほとんどのロボット達は自分の居場所を見つけに博士と共に旅をした。しかし、ワルロボ四天王、危険度の高いロボットだけが国に残った。忘れ去られた四天王達は自らの意思を持ち、それぞれが静かに暮らしていた。
-忘れられた四天王は幻想へと迷い込む-
※東方機海伝も見てね!(ストーリーに関係はありません)
※注意
・ジョイメカファイトのロボット全てに独自の設定が少しあります。
・ロボットは自我を持っています。
・東方キャラが度々悲惨な目に遭います。《ロボットと少女が戦ってるからね。しょうがないね(無慈悲)》
・シリアス、微グロな描写があります。
・依姫無双ならぬ、鳳凰無双。
以上です。楽しもうね!!
- Re: 東方闘機伝 30話 再戦 ( No.30 )
- 日時: 2023/01/06 09:48
- 名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)
-雲海-
朝日が昇る頃、レジェンドはアシュラと会っていた。
アシュラ「む、レジェンドじゃないか。」
レジェンド「貴様を倒すために来た。戦いを始めるぞ。」
アシュラ「…なるほど、あの時の決着をつけてやるよ!」
かつて、レジェンドとアシュラは、城を守るロボットの座を争っていた。武士道精神を持つレジェンドとアシュラの戦いは引き分けで終わり、ワルナッチ博士の独断でレジェンドは砂漠に移された。今、レジェンドはその時の因縁を晴らすために戦う。
アシュラは機動力を活かして、レジェンドに近づき、ドリルやアームで間髪入れずに攻撃する。レジェンドがガードを解いた所で必殺技を放った。
アシュラ「ここだ!《ドリルハリケーン》」
横向きに回転しながら突進する。レジェンドに直撃して吹っ飛ばす。
アシュラ「オラオラオラァ!《ビートドリル》」
起きあがろうとするレジェンドに高速でパンチを入れる。気絶したレジェンドに「アシュラスロー」で投げて、追撃する。
アシュラ「あの時も今も、俺の方が勝っていたようだな!」
勝ち誇ったようにアシュラは叫んだ。しかし、戦いはまだ終わっていない。レジェンドは「ニーアタック」で詰め寄って来る。
アシュラ「来たな…その攻撃は読めていたぞ!《アシュラニードル》」
ドリルとアームを上に飛ばし、撃墜する。
アシュラ「覚悟!《ドリルハリケーン》」
アシュラは突進で勝負を決めようとする。しかし、レジェンドは「トルネードエナジー」で反撃した。
アシュラ「何ぃ!?」
レジェンド「貴様は昔から攻撃が成功するたびに浮かれて動きが鈍る…今もそうだ。やはり拙者の方が優っていたようだな!」
「ソニックスロー」で投げ飛ばし、ヒールプレスで追撃する。
アシュラ「うぉぉっ!?」
突然の反撃に迎撃も出来ず、攻撃を喰らい続ける。よろめいた所でレジェンドの「トルネードエナジー」が放たれた。アシュラの頭部にアッパーは直撃し、炎で上空に吹っ飛ばされた後、爆散した。
アシュラ「馬鹿な!レジェンドがここまで強くなっていたとは…!!」
レジェンド「ここで修行もしたからな。拙者は城に行ってくる。」
アシュラ「そうか…まぁいい。後でもう一回やるぞ!」
レジェンド「あぁ、ホウオウ様に勝ったらな。」
アシュラ「健闘を祈る!」
アシュラに見送られ、レジェンドは城を目指して歩いた。その頃、ジェルも戦っていた。
-雲海-
レジェンドとスーパーザコとは少し離れた所でジェルはネイと戦っていた。《ドロロンパ》で透明化して、攻める。
ネイ「くっ!どこに消えた!」
ジェル「ここだぜぇ〜!」
混乱するネイを後ろから足払いで転ばせて、ダメージを稼ぐ。
ネイ「ここか…それともこっちか!《ネイカイテンアッパー》」
昇竜攻撃を連続して放ち、牽制する。しかし、透明化しているジェルはタイミングを見計らって《ジェルスロー》を決めた。
ネイ「ギャァァァ!」
ネイが爆散する。透明化したジェルは終始、優勢に戦って勝利したのだ。
ネイ「クッソ〜!覚えてろ!」
諦めたネイは逃げ出した。ジェルは優越感に包まれながら、城に向かって歩く。
ジェル「俺だって強いんだ!ホウオウにも勝ってみせるぞ!」
自信満々で走り始める。朝日が完全に昇った頃、レミリアはレオと戦い始めていた。
続く…
- Re: 東方闘機伝 31話 好戦的な吸血鬼とロボット ( No.31 )
- 日時: 2023/01/06 11:24
- 名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)
-雲海-
レミリアは朝日を忌まわしそうに睨みながら歩いていた。しばらくすると、レオが立ちはだかった。
レミリア「あなたがあの城を守る-上位互換-ロボットのようね。」
レオ「…いかにも!俺の名はレオだ!」
レミリア「レオね…私は紅魔館の当主、レミリアスカーレットよ。」
レオ「レミリアか…覚えた。」
片膝を揺らし、レオは戦闘状態に入っていた。
レミリア「そこを退いてさっさと通しなさいよ。」
レオ「駄目だ!俺は侵入者を撃退するためにここにいるからな!」
レミリア「暑苦しい奴ね…朝は嫌いだわ。本気で殺してあげる!私の連続攻撃に耐えられるかしら?」
レミリアは持ち前の素早さでレオに接近して、肉弾戦を始めた。鋭い爪は、レオの装甲に鈍い音を掻き立てている。
レオ「連続攻撃…?怒涛の攻めとはどういう物なのか、見せてやろう!」
レオはレミリアの振るう拳を軽々と掴んだ。
レミリア「…何!?」
レオ「俺に挑んで来た奴はどいつもこいつも最初は威勢が良かった…最初だけは。」
レミリアに軽くパンチして、距離を取った。
レオ「スカポン以外に俺を突破した奴はいない…お前は俺に勝てるかな?《フライングレオキック》」
膝パーツを青白く光らせながら、レミリアに突進する。レミリアはレオの戦い方を見極める。
レミリア「甘いわ!《必殺・ハートブレイク》!」
巨大な光の槍をレオに投げ飛ばす。レオは高くジャンプして、レミリアの隙を突いて「ファルコンアタック」で急降下する。レミリアは後退して避けると、何かを確信したかのように笑う。
レミリア「フフ…あなたの戦法は把握したわ。こっちの隙を突いて一気に攻め込むタイプね!」
レオ「見れば分かるだろ。相手が怯んだ所を一気に叩き込んで一気に勝負をつける。その速さについて行けない奴は負けるんだ。」
レミリア「その速さに追いつくまでよ!《夜符・デーモンキングクレイドル》!」
紅いオーラを纏い、レオに体当たりを仕掛けた。
レオ「…一気にと言っても、そうやってただただ技を連発すれば言い訳じゃあない。《リニアアッパー》」
突進するレミリアに思いっきりジャンピングアッパーを決める。
レミリア「うぐっ…!」
レオ「調子乗るなよ!吸血鬼!《ファルコンアタック》」
アッパーで飛び上がったレオはそのまま急降下してレミリアに技を放つ。「フライングレオキック」間髪入れずに追撃して追い詰めた。
レオ「これを怒涛の攻めというのさ!」
倒れたレミリアに向かって叫ぶ。しかし、レミリアは何もなかったかのように立ち上がって、レオを睨みつける。
レミリア「…あなた達ロボットは投げ技を入れて、四つしか必殺技を持っていない見たいね。」
レオ「何ぃ!?」
レミリア「ジェルに教えてもらったのよ。もうあなたは三つの技を出した。パターンは覚えたわ。」
レオ「なんだと!《フライングレオキック》」
レオはレミリアに飛び蹴りを再度放つが、タイミングを見極めたレミリアに防御された。
レオ「…お前!」
レミリア「やっぱりこう来たわね!《紅符・不夜城レッド》!」
周りに大量の弾幕を放つ。レオは対応出来ず、攻撃をモロに喰らった。
レオ「うわぁぁぁ!!」
レミリア「まだあるわよ!《必殺・ハートブレイク》!」
さっきは避けられたが、怯んでしまったレオはガードする事も出来ず、槍が直撃した。
レミリア「これで決めるわ!《夜王・ドラキュラクレイドル》!」
強化された突進技でレオに追撃する。レオは倒れ込み、爆散した。
レオ「…これで負けるのは2回目だ。」
レミリア「ジェルがいなければ勝てていたわね。」
レオ「いや、攻撃を見極められたんだ。いなくても負けていただろう。」
レミリア「さて、城に行ってくるわね。」
レオ「…待て。」
レオはパーツを組み直してレミリアを止める。
レミリア「どうしたのよ?」
レオ「お前が俺に勝てても、ホウオウ様には勝てない。今の攻撃は全て突破されるだろうな。」
レミリア「そんなに気が弱かったら負けるに決まってるわ。」
レオ「心の問題とかじゃない!ホウオウ様はどの攻撃にも対応できるんだからよ。」
レミリア「ま、注意しとくわ。」
レミリアは城に飛んで行った。レオは心配そうにレミリアを眺める。
レオ「…死ぬなよ。」
-ワルナッチ城前-
ワルナッチ城が目の前に見える周辺の雲海。雲に低い鉄柵が刺さっていた。フランは城まで飛んで来たのだが、一体のロボットを見つけて舞い降りた。
フラン「雲に柵が刺さってるなんて不思議〜」
ワイ「お、侵入者だな?」
フランの目の前には一つ目のロボットが立っていた。
ワイ「俺の名はワイだ。」
フラン「へぇ〜、私はレミリアの妹。フランドール・スカーレットよ。」
ワイ「レミリア?ああ、あの吸血鬼の妹か。」
フラン「あなたも咲夜を攫いに紅魔館に来たのよね?」
ワイ「そうだぜ…はぁ〜眠ぃな。」
フラン「随分とマイペースね。」
ワイ「できる時にサボって、侵入者が来たらブチのめすだけなんだよ。」
フラン「私を今からブチのめすっていうの?」
ワイ「あー、そうだな。今から本気出す。」
半開きの目に、闘争心がこもった。フランはその変化を見逃さない。
フラン「やる気になったようね。」
ワイ「そうだ…俺はそこらのロボットとは格が違う。」
フラン「確かにジェルに比べたら強そうね。」
ワイ「こんなにも面倒くさそうな俺が城の警備につけたか分かるか?」
フラン「そんなの知らない。」
ワイ「それはな…」
ワイはフランを見つめ、戦闘態勢に入った。
ワイ「相当な実力を持ってるからさ。そして、二つ名だってある。」
フラン「二つ名があるの?私は-悪魔の妹-って呼ばれてるけど。」
ワイ「悪魔?そうは見えないな。俺は-発狂王-って呼ばれているが。」
フラン「発狂?そうは見えないよ?」
ワイ「どっちもどっちって事さ。」
ワイとフランの苛烈な戦いが始まる。
続く…
- Re: 東方闘機伝 32話 最終鬼畜発狂兵器-我威- ( No.32 )
- 日時: 2023/01/08 01:00
- 名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)
-ワルナッチ城前-
フラン「キャハハハハハ!ワイ!防御ばっかじゃ勝てないわよ!」
狂気が満ちた紅い目を見開きながら、ワイにパンチや蹴りで猛攻を加えた。
ワイ「うるせぇなぁ…あらよっと。」
一瞬の隙をついてフランを軽く足払いして転ばせる。
ワイ「ほら、来いよ悪魔の妹さん。」
フラン「うるさい!」
挑発しながら攻撃を軽々と避けていく。
フラン「当たれ当たれ!」
弾幕や槍を至近距離で放つが、いなされてしまう。ワイは痺れを切らしたのか、足払いで転ばせたフランの首を掴む。
フラン「うぐっ…!」
ワイ「…うるせぇんだよ…さっきから狂ったように攻撃しやがってこの餓鬼が。」
冷徹な声でフランに詰めた。しかし、倒れているフランはここぞとばかりにワイの目を思いっきり殴り飛ばし、立った。いきなりの攻撃でワイは5メートル程仰け反った。
フラン「私は姉様みたいに挑発に乗らないわ!引っかかったのは貴方のようね!」
ダウンして頭部が落ちたワイを侮辱する。しかし、ワイは頭部を治しながらも平然としていた。
ワイ「…後一回か。」
フラン「一回?」
ワイ「後一回、お前が俺をダウンさせたら分かるさ。」
フランの猛攻を戦闘が始まった時から面倒くさそうに受けていたワイだが、一瞬見せた暴言からは只者では無い雰囲気が漂っていた事をフランは知っている。
フラン「貴方ってさぁ、心の奥底に私みたいな狂気を隠してるの?」
ワイ「…なぜ聞くんだ。」
二人はゆったりとした雰囲気で話しているが、今もフランは攻撃を続けており、ワイも防御していた。
フラン「さっき私を倒して話かけた時、一瞬だけ雰囲気が違かったもん。」
ワイ「あぁ、そうか。」
まるで妹の言葉にかったるそうに相槌をうつ兄の会話のようだが、まだ攻撃は続いている。しかし、ワイがフランの拳を正面で防御した時、フランの目から光が消えた。殺意が浮き出ている。
フラン「…もう飽きたわ。じゃあね。《禁忌・クランベリートラップ》」
ワイを囲むように弾幕が放たれた。ワイは頭部を落としながら吹っ飛んだ。
フラン「さ〜て、城に入ろっと!」
さっきまで殺意を醸し出し、獲物を捕らえるような鋭い眼光は消え失せ、フランはいつもの無邪気な顔に戻った。
しかし、戦いは終わらなかった。
ワイ「…待て。」
すでに頭部を直したワイがフランの後ろに立っていた。瞳は心なしか、さっきよりも黒い。
フラン「あれ〜、まだ立つんだ。じゃ、もう一回《禁忌…」
ワイ「ぶ っ 潰 し て 殺 る ! !」
突然の怒号と同時に金属が擦れたような不協和音が鳴り響く。フランは思わず顔をしかめる。
フラン「キャッ!」
ワイの怒号は城の中にいる咲夜とホウオウの所まで聞こえた。
-ワルナッチ城-
咲夜「…今のは何!?」
ワイの怒号にいつもは冷静な咲夜も取り乱す。
ホウオウ「…遂にワイが-発狂-したか。」
咲夜「発狂?」
ホウオウ「さっきこの城を守るロボット達を言ったろ。」
咲夜「あの八体のロボットね。」
咲夜は攫われたとは思えない程の待遇を受けていた。ホウオウもレミリア達を誘き寄せるだけで、危害を加えるつもりは微塵もない。
ホウオウ「ワイは2回ダウンして後が無くなった時に覚醒する。昔からそうだ。スカポン達を何回も追い出してきたからな。」
咲夜「それだけ強いのね…」
ホウオウ「ワイだって、流石に俺に勝った事は無い。ダチョーンだって負けなかった。」
咲夜「でも、ダチョーンとラーは霊夢達にもう負けたんじゃ…」
ホウオウ「今は弱そうに見えるが、あいつらだって四天王。全盛期の頃は上位互換ロボットも蹴散らしていたんだぞ?」
咲夜「そうなのね…ガーボーグは?」
ホウオウ「ガーボーグもまだ強いが、全盛期と比べると鈍いな。何故、俺だけが全盛期と同じ位の強さでいられるかは知らないが…」
咲夜「確かに、ホウオウだけは圧倒的に強いわね。」
ホウオウ「ワイは発狂すればいつでも四天王並みの強さになる。だから昔は他のワルロボから二つ名で恐れられていた…」
ホウオウから真剣なオーラが漂う。
ホウオウ「その二つ名は-発狂王-のワイだ。」
摩多羅隠岐奈「ほぅ、中々強そうじゃないか。」
ホウオウの横にいつの間にか出来た扉から出てきたのは、幻想郷を作った賢者の一人。隠岐奈だった。
咲夜「あ、貴方は誰?」
隠岐奈「紅魔館のメイド長か…フランと会ったことはあるんだが。」
咲夜「フラン様とですか!?」
隠岐奈「とある異変のために一回会った事があるのさ。」
ホウオウ「待て待て、お前は誰だ。」
咲夜と隠岐奈の前にホウオウが割って入る。
隠岐奈「これは失礼。私は幻想郷を作った賢者の一人、摩多羅隠岐奈だ。」
ホウオウ「スキマ野郎と同じような奴か…」
隠岐奈「ふっ、スキマ野郎か。面白いネーミングセンスしてるじゃないか。」
ホウオウ「そりゃぁどうも、何しにきたんだ。」
隠岐奈「紫から聞いたぞ。新しい異変はロボット達の仕業…珍しいな。規模が大きいじゃないか。」
ホウオウ「博麗の巫女-霊夢-と戦うためさ。」
ホウオウは隠岐奈に異変を起こした理由と思惑を伝えた。
隠岐奈「確かにこれほどの規模なら霊夢も来るだろうな。」
ホウオウ「もう城の前まで来ている。上位互換ロボットも次々に突破されているんだ。」
隠岐奈「そうか…ん?あれはフランじゃないか!」
窓から見た先には、ワイと戦うフランがあった。
隠岐奈「久々に見たな…まぁいい。私はこれで失礼するよ。」
扉を閉めて帰っていった。扉も徐々に消えていった。
ホウオウ「…なんだったんだアイツ。」
-ワルナッチ城前-
一方その頃、ワイの発狂攻撃が続いていた。
ワイ「それで終わりか?フランッ!!《スラッシュアタック》」
完全に激昂したワイはフラン以上の猛攻をフランに畳み掛けた。スラッシュアタックが腹部に直撃する。
フラン「ふぐっ…!」
意識を朦朧とさせながら、ゆらゆらと飛んで避けようとする。
ワイ「待てコラァ!逃げんなよ!《バルカンクロー》」
空中のフランを難なく撃墜する。先程までの余裕はフランから消え失せていた。今のフランは何十分もワイの攻撃を喰らい続けている。
フラン「や…やめてぇ…」
さっきまで元気だったフランは声が掠れる程弱っている。容赦無く照りつける太陽光がフランに拍車をかけていたのだ。
フラン「あ…暑い…痛い…」
太陽光で弱体化する吸血鬼にとって、太陽の照りつける天空での戦いは地獄でしか無かった。しかし、ワイの猛攻は終わらない。
ワイ「あぁん!?聞こえねぇよ!調子こいてるからこうなるんだよ!《ワイスープレックス》」
動けないフランを地面に叩きつける。しかも、一回だけでは無かった。起きあがろうとするフランを何回も投げつけたのだ。
フラン「…許して…私の負けよぉ!」
フランの言葉にワイの動きが止まる。目は戦闘前の状態に戻った。
ワイ「……分かった。敗北を認めんだな?」
フラン「…認める。」
ワイ「じゃ、さっさと帰れ。」
ワイは胴体から粉末を取り出し、倒れているフランにかけた。すると、ボロボロだったフランの体は元に戻り、傷も無くなっていた。
フラン「えっ!?」
ワイ「ホウオウ様が永遠亭とか言う場所でもらった薬らしいぞ。ほら、治ったんだからさっさと帰れ。」
フラン「ふぅん…じゃあね。」
ワイに背を向けて歩き出す。
ワイ「はぁ〜、また発狂しちまったよ…相手が敗北を認めるまで止まんねぇからなぁ。」
フラン「…とでも思ったの?」
ワイ「ん?」
フランが背を向けたまま片手を握る。その瞬間、ワイが爆散した。
ワイ「…お前…クソォォォォォォォォォォォォォォォ!!」
爆散したワイは物凄い叫び声を上げていった。フランだけがその場に立っている。
フラン「フフフ…ハハハハハ!負けるのは貴方さ!!」
狂気に満ちた目で城に飛んでいく。やはり、フランは悪魔の妹であった。
続く…
- Re: 東方闘機伝 33話 突破された上位互換軍団 ( No.33 )
- 日時: 2023/01/09 09:15
- 名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)
-ワルナッチ城-
隠岐奈が去った後もホウオウと咲夜は会話していた。
咲夜「そういえば、どうして月の都に入る事が出来たの?」
ホウオウ「は?」
咲夜「都が位置する月の裏側は、幻想郷に似た特殊な結界で守られていて、紫のスキマとか、幻想郷で作ったロケットでしか行けないのよ?」
ホウオウ「結界ぃ?そんなもの破壊して入ったに決まってるじゃないか。」
咲夜「破壊!?…待って、その前に月の裏側は機械や人間がそう簡単に入れる所じゃないのよ?」
ホウオウ「俺は誰からも忘れられたんだ…幻想郷に似た結界だって、入れるんじゃ無いのか?」
咲夜「…そこまでは知らないわよ。」
しかし、ホウオウは気づいていなかった。自分が都に入った時に能力を手に入れた事を…
-ワルナッチ城前-
フランとワイが戦い始めてから、別の戦いが続いていた。妖夢とハンゾーの一騎討ちだ。
ハンゾー「お主、中々やるな。」
妖夢「貴方もね!《人符・現世斬》!」
妖夢は斬撃を繰り出しながら突進する。ハンゾーは「ジェットスライド」で妖夢の横を滑り抜けた。両者とも一歩も譲らまいと接戦を繰り広げている。しかし、容赦なく切り掛かってくる妖夢の動きが若干鈍くなった。ハンゾーは持ち前の機動力で一気に接近する。
ハンゾー「喰らえ!《トモエスープレックス》」
妖夢を掴み、後ろに投げ飛ばす。しかし、妖夢はすぐに起き上がってハンゾーに攻撃をお見舞いする。
妖夢「隙あり!」
ハンゾー「ぐぉぉ!?」
投げ技を放って油断していたハンゾーは思わぬ不意打ちに対処できなかった。
妖夢「これで決める!《人鬼・未来永劫斬》!!」
ハンゾーを攻撃で中空に上げ、目にも止まらぬ速さで切り刻む。最後に強力な一撃を叩き込んだ。
ハンゾー「ギャァァァ!!」
ハンゾーは空中で爆散して飛び散っていった。妖夢は刀をしまい、城を目指す。
妖夢「他の人達も勝てたかなぁ…」
-ワルナッチ城前-
これまた別の場所で戦いが始まろうとしていた。魔理沙とガイアンの戦いだ。
魔理沙「あ〜あ、城までロボットとは戦いたく無かったのに会っちまったぜ。」
魔理沙は箒を片手にガイアンの前に立つ。
ガイアン「フハハハハハ!軽々とぶっ飛ばしてやる!」
両手の鉄球を柵に叩きつけて威嚇する。柵の形は捻じ曲がっていた。
魔理沙「うひゃぁ、相当なパワーがあるな…」
ガイアン「近寄ったが最後…お前は肉塊になるだろう!」
魔理沙「だったら私はお前を鉄屑にしてやるぜ!」
ガイアン「そりゃ面白え!《ガイアンストレート》」
高速で魔理沙に向かって突進する。鉄球を前に繰り出して攻撃するが、魔理沙は顔面に当たる寸前でなんとか避けた。
魔理沙「危ねぇ!殺す気かよ!」
ガイアンの両手は鉄球で出来ている。生身の人間が喰らえばひとたまりもないだろう。
ガイアン「オラオラ避けてみろ!《ハンマーヘッド》」
魔理沙に突進で近づいた後、頭突きを繰り出す。魔理沙は後退して避けると八卦路を構えた。
魔理沙「悪いが終わらせてもらうぜ!《魔砲・ファイナルスパーク》!」
八卦路から極太ビームが放たれる。ビームは至近距離にいたガイアンの全身を完全に覆っている。
ガイアン「うぉぉぉ!根性だ根性!《ガイアンストレート》」
装甲に大量の傷がついても尚、突進をし続ける。そして、ビームが消えたと同時に魔理沙に掴みかかった。
魔理沙「やべっ…!しまっ…」
ガイアン「オラァ!!《パワークラッシュ》」
魔理沙を持ち上げてジャンプし、地面に思いっきり叩きつけた。
魔理沙「がはぁっ…!」
頭部を強く打ち付けたせいか、激しいめまいに襲われ、体が思うように動けない。
ガイアン「よっしゃぁ!このまま蹴りをつけ…うぐっ!?」
魔理沙のファイナルスパークを浴びる中、無理矢理突進したガイアンも、装甲の損傷が激しくて動けなかった。
魔理沙「…あいつも動けないのか!」
ガイアンが動けない事を理解した魔理沙は再度、八卦路を構える。弾幕を一発でも当てればガイアンは爆散するだろう。
魔理沙「………」
しかし、八卦路を構えたまま魔理沙は動かなかった。
ガイアン「どうした…撃ってこいよ。」
ガイアンはヒビの入った鉄球を見つめながら呟く。
魔理沙「いや、お前を攻撃する事はできない。」
ガイアン「…何故だ…攻撃すれば勝てるんだぞ?」
魔理沙「もう動けないんだろ?私は無理に爆散させたくない。」
ガイアン「…お前!」
魔理沙「スペルカードルールには相手への過剰な攻撃が禁止されてるんだぜ?」
ガイアンは魔理沙の言葉に強く心を打たれた。
魔理沙「どうした?震えてるけど…」
ガイアン「うぉぉおォォォぉぉん!!」
ガイアンが目からオイルを出しながら泣き喚いた。
魔理沙「ど、どうしたんだよ!?」
ガイアン「お…俺様の事を思って言葉を投げかけてくれるなんて…うぉぉぉん!」
魔理沙「だから落ち着けって!」
魔理沙は突然の事に慌てながらガイアンを慰めた。
ガイアン「俺様にぃ…ヒック…優しくしてくれる…うっぉおん!…奴はぁ…あぁぁん!…ホウオウ様とワルナッチ博士とお前だけだぁ〜!」
魔理沙「そ…そうか。」
ガイアンはワルロボの中でカエン以上に感情的なロボットだった。
魔理沙「わ…私はあの城に用があるからもう行くぞ。」
ガイアン「了解したァ!俺様は応援するぜぇー!!」
鉄球をブンブン振りながら飛んで行く魔理沙を見送った。
魔理沙「すげぇ情熱的だったな…」
城はもう間近だった。
-ワルナッチ城前-
魔理沙と少し離れた所で霊夢はスカポカーンと遭遇していた。
霊夢「アンタが上位互換ロボット?」
スカポカーン「そうやで、ほな戦いますかぁ。」
スカポカーンが喋ると同時に霊夢は容赦無く、《夢想封印》を放った。
スカポカーン「うわぁ〜最初っから必殺技とか血の気が荒いな〜。」
霊夢「私はさっさと城に行きたいのよ。アンタに構ってる暇は無いの!」
スカポカーン「…なんだ、今から城に行っても俺はかまわへんで。」
スカポカーンはあっさりと城に行く事を承諾した。
霊夢「え?…侵入者を迎え撃つんじゃ無いの!?」
スカポカーン「もう俺以外のロボットはみ〜んな突破されてるで。もう戦っても意味ないねん。」
霊夢「そうなの?」
スカポカーン「今言っとるやろ。今、俺が戦っても他のロボットはもう負けてるねん。平和的に行こうや。」
霊夢「なら、私はもう行くけど…」
霊夢は少し呆れながら、飛ぼうとする。
スカポカーン「ちょい待ち、一つ忘れてた。」
霊夢「何よ?」
スカポカーン「ホウオウ様には気をつけた方がええで。」
霊夢「…分かったわ。」
霊夢はスカポカーンに背を向けたまま城に飛んで行った。スカポカーンはその背中を見守った。
スカポカーン「さて、お笑いの修行に入りますかぁ。」
-ワルナッチ城-
レジェンド、スーパーザコ、ジェル、霊夢、魔理沙、レミリア、フラン、妖夢の8人が城にとうとう辿り着いた。
レジェンド「みんながご無事で何よりです。」
スーパーザコ「よっしゃぁ!みんな勝てたんだな!」
魔理沙「もちろんだぜ!」
レミリア「これがホウオウの城ね…」
霊夢「さっさと中に入りましょ。」
8人は城の中に入った。ホウオウとの決戦が迫る。
続く…
- Re: 東方闘機伝 34話 いざ、月面へ ( No.34 )
- 日時: 2023/01/09 23:40
- 名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)
-ワルナッチ城-
8人は城の中を歩き進む。しばらくして広間に出た。そこには、咲夜とホウオウが立っていた。
レミリア「咲夜!大丈夫?」
咲夜「…レミリア嬢様!」
咲夜はホウオウの側から離れ、8人の横についた。
魔理沙「ホウオウ!リベンジに来たぜ!」
霊夢「この異変に決着をつけに来たわよ!」
ホウオウ「やっと来たか…霊夢。」
霊夢「アンタとは戦いたくなかったけどね…」
ホウオウは横にいるロボット達に視線が行った。
レジェンド「ホウオウ様…下剋上に来ました。」
ホウオウ「別に呼び名はホウオウでいい。」
スーパーザコ「ホウオウ!俺はお前を倒して四天王になるぞ!」
ジェル「俺も反旗を翻しに来た!」
ホウオウ「こんなにも相手がいるなんて嬉しいぞ!」
強すぎるが故、本当はほとんど実戦経験の無いホウオウは戦いを楽しみにしていた。ホウオウは壁に付いているボタンを使って、大型のロケットを出した。
魔理沙「あのロケットは!!」
それは、月面に霊夢達が行った時に乗っていたロケットだった。しかし、木製では無く灰色の金属で出来ていた。
レミリア「どうしてここに…」
ホウオウ「俺が月面にいた時にコイツの残骸を見つけてなぁ…データを元に復元させた。」
ホウオウが叫ぶ。
ホウオウ「決戦の舞台は月面だ!!」
霊夢「えぇ!?」
ホウオウ「このロケットで月に行くんだよ!』
魔理沙「でも、今は昼間だぜ?」
霊夢「そうよ。しかも、私は行きたくないからね。」
ホウオウ「何ぃ!?」
霊夢「砂漠とこの城を幻想郷から出してくれるなら考え無くも無いけど。」
ホウオウ「ふざけんな!この城をどうやって解体しろって言うんだ!」
紫「私がやるわよ〜。」
スキマから突如、紫が出て来た。
霊夢「もしかして…紫が城を幻想郷に!?」
紫「スキマを使って持って来たのよ。」
霊夢「紫ぃぃぃぃぃ!!」
-3時間後-
紫の手によって、ワルナッチ城と鋼鉄の砂漠は外の世界に戻され、元の平原に戻った。
-博麗神社-
ホウオウ達は神社に戻っていた。
紫「霊夢、ホウオウの願いを聞いたら?」
霊夢「でも…月に行く必要はあるの?」
ホウオウ「それもそうだが、俺は月人にも用があるんだ。ロケットを動かせるのはお前だけだ!」
霊夢「しょうがないわね…」
霊夢の神卸によって、住吉三神が召喚された。あたりはもう暗くなっており、満月が昇っていた。
紫「じゃあ、気をつけてね。」
霊夢「分かってるわよ。みんな、動かすわよ!」
紫以外の9人がロケットで月に飛んで行った。紫は不気味な笑みを浮かべ、呟いた。
紫「あの-姉妹-達に一泡吹かせてね…」
続く…