二次創作小説(紙ほか)

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東方闘機伝(旧作) [ジョイメカファイト]
日時: 2023/06/16 18:39
名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)

この物語はジョイメカファイトのワルロボ四天王が幻想郷へ迷い込む話です。

かつてロボットと暮らし、栄えたある国。ロボットを作らせたら世界一の白ヒゲのリトル・イーモン、黒ヒゲのイワン・ワルナッチという二人の博士がいた。やがて、2人は新たな技術を求め、旅に出て行った。元いた国はいつしかなくなり、発達したロボット工学も人々から忘れられた。ほとんどのロボット達は自分の居場所を見つけに博士と共に旅をした。しかし、ワルロボ四天王、危険度の高いロボットだけが国に残った。忘れ去られた四天王達は自らの意思を持ち、それぞれが静かに暮らしていた。

-忘れられた四天王は幻想へと迷い込む-

※東方機海伝も見てね!(ストーリーに関係はありません)

※注意

・ジョイメカファイトのロボット全てに独自の設定が少しあります。

・ロボットは自我を持っています。

・東方キャラが度々悲惨な目に遭います。《ロボットと少女が戦ってるからね。しょうがないね(無慈悲)》

・シリアス、微グロな描写があります。

・依姫無双ならぬ、鳳凰無双。

以上です。楽しもうね!!

Re: 東方闘機伝 20話 人里の決闘 ( No.20 )
日時: 2023/01/04 22:18
名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)

-人間の里-

慧音と妹紅が四天王と戦う瞬間、霊夢と魔理沙が飛んで来た。

魔理沙「二人とも!人里は無事か?」
慧音「他の人間はみんな避難した。後はあのロボット達を倒すだけだ。」
霊夢「ダチョーンとラーじゃない。」
ダチョーン「うぉぉ!?魔理沙もいるのかよ!」
ラー「すまんな、お嬢さん方。こっちもホウオウ様の命令で動いてるモンだからね…俺様は手加減無しで戦うぞ!」
妹紅「よし、ぶっ倒してやるよ!」

四人の人妖と二体のロボットが睨み合う。

ジオーン「待てーい!!」

その時、また新しいロボットが走って来た。

慧音「あれ?お前はさっきのロボットか?(ボコボコを破壊した張本人)」
霊夢「あの胴体どこかで見たような…(ジオを破壊した張本人)」
ジオーン「俺達はお前らに倒されたジオとボコボコを合体して復活したのさ!」
魔理沙「なんか劣化版みたいな見た目してるな。」
ジオーン「ウルセェ!俺達の恨みを味わえ!!」

霊夢の目の前にジオーンが飛び出した。

ジオーン「喰らえ!《ダダコネアタック》」

両手とエネルギーボールを振り回して大暴れする。霊夢はとっさにお赦い棒で防御する。

ラー「コラァ!不意打ちは卑怯だぞ!正々堂々戦えぇ!」
ダチョーン「しょうがねえなぁ、俺も加勢するぞ!」

ラーを置いてダチョーンは魔理沙に接近する。

魔理沙「お、来たな!」
ダチョーン「今回は本気でやってやるぜぇぇぇ!《アフリカンスラッシュ》」

爪を模したアームで魔理沙に連続攻撃を繰り出す。魔理沙は間一髪の所で交わした。

魔理沙「おっと、次はこっちから行くぜ!《恋符・マスタースパーク》!」

八卦路からダチョーンに一直線に極太ビームが放たれた。

ダチョーン「危ねぇぇぇ!その手に持っている物が武器か!《ワイルドダッシュ》」

ビームを避けると、弾幕の隙間を高速で突進しながら交わし、間合いに入る。

魔理沙「うわぁっ!やべっ!」
ダチョーン「オラァ!《サバンナスロー》」

魔理沙を首に引っ掛けて担ぎ、後ろに放り投げる。放り投げられた魔理沙は手から箒を離してしまった。

魔理沙「箒が!」

急いで取ろうとするが、すかさず`ラー`が「ビョーン」で突進してくる。八卦路も弾き飛ばされる。

ダチョーン「よっしゃぁ!これで攻撃手段は魔理沙にはもう無いぞ!」

ダチョーンが勝ち誇ったように喋るが、魔理沙は全く動揺していなかった。

魔理沙「八卦路が無くとも、弾幕は放てるぜ?《儀符・オーレリーズサン》!」

魔理沙の周りに複数の球体が浮かぶ。球体は一斉に弾幕をダチョーンに放った。

ダチョーン「イッテェ!やったなこの野郎!《ワイルドダッシュ》」

霊夢「その技は読めてたわよ。《夢符・封魔陣》!」

魔理沙の前に出た霊夢がダチョーンに真正面から弾幕をぶつけた。

ダチョーン「ギャァァァァァァ!!」

ダチョーンは爆散して地面に倒れた。

霊夢「何が四天王ロボよ。弱いじゃない。」
ジオーン「舐めて掛かると死ぬぞ?《ジオーンナゲ》」

いつの間にか、霊夢の後ろに回ったジオーンは霊夢を両手で掴み、投げ飛ばす。しかし、霊夢は空を飛ぶ程度の能力を持つ。投げ技は効かなかった。

ジオーン「ダニィ!?」
霊夢「調子乗ってんの?」

霊夢の能力は空を飛ぶこと、つまり無重力。地球の重力も、如何なる重圧も、力による脅しも、彼女には全く意味が無い。身も心も、幻想の宙をふわふわと漂う不思議な巫女である。相手がどんなに強大だとしても、彼女の前では意味をなさない。それは、投げ技が強力で生命線であるジョイメカファイトのロボット達には特に有効に働いているのだ。投げられても浮遊してダメージは無効化できる。

霊夢「さっさと終わらせるわよ。《夢想封印》!」
ジオーン「オーマイガーッ!!」

色とりどりの大きな光弾がジオーンに降り注ぐ。ジオーンはなす術も無く爆散し、ダチョーンと共に、地面に転がった。

ジオーン「畜生!」
慧音「二人ともありがとう。後はあのロボットだけだな…」

目の前に立つのはラー。ダチョーンとは違い、四天王の気質が漂っている。

妹紅「私が蹴りをつけてやるよ。ラー。」
ラー「俺様をそいつらと同じにするなよ!《ビョーン》」

妹紅に向かって突進する。妹紅はすかさず避けて、火炎弾を放った。

ラー「《グルグル》」

周りのアームを回転させて、飛んで来る弾を弾き返した。

妹紅「弾幕を防いだか…なら、近距離戦で!」

ラーに一直線に近づく。

妹紅「これでも喰らえ!《不死・凱風快晴飛翔脚》」

炎を纏った飛び蹴りを放つ。しかし、妹紅はラーの恐ろしさ、四天王ロボとなった理由でもある特徴を知らなかった。

ラー「今…格闘戦に切り替えたな?《ガッシャ》」

アームを伸ばし、空中の妹紅を掴むように攻撃する。

妹紅「ぐっ…!」
ラー「まだあるぞ!《ビョーン》」

怯んだ妹紅に突進技を放ち、隙を与えずに攻撃する。連続して技に当たった妹紅の体をアームで掴み、《ウリャウリャ》をする。

妹紅「ぐあっ!」

投げ飛ばされた妹紅はうずくまる。

慧音「妹紅!」

慧音が倒れている妹紅に近づく。気を失っているようだ。

魔理沙「なんだあいつ…妹紅が近づいた途端、物凄い速さで技を当てていったぞ!」

四天王ロボその2・ラー。その名に恥じない戦いを見せつけた。ラーは自分から攻める技が「ビョーン」しか無い代わり、迎撃に特化した必殺技を持っている。防御力も他のロボットより高く設計されていた。そのため、ワルロボ達からは-鉄壁の太陽神-と呼ばれていた。

ラー「ダチョーンは元々、ワルナッチ博士がイーモン博士のロボットがどのくらいの物かをデータ収集させるための実験機だった。俺様はそのデータをもとに作られているから、そこらのワルロボとは格が違うぞ!」
霊夢「…要するに、飛び道具に弱いんでしょ?」
ラー「えっ…?あ、そうか(察し)」
霊夢「ほら、これで倒せるでしょ。《夢符・封魔陣》!」
ラー「ちょっとま…ギャァァァ!!」

弾幕を浴びたラーは簡単に爆散した。

-10分後-

慧音「妹紅、大丈夫?」
妹紅「あぁ、さっきは連続技に驚いたけどな。」

妹紅が目を覚ました。人里の人間も徐々に里の中に戻って来ていた。

ラー「ひ…ひでぇ。」
霊夢「アンタらが先に攻めて来たのが悪いでしょ?」
ダチョーン「そうだけどさ…手加減ってあるじゃん?」
霊夢「手加減ってなんだぁ?」
魔理沙「さて、ラー。ホウオウはどこにいるんだ?」
ラー「…負けたし、話してやるよ。里から見て北側、砂漠に塔があるからそれを登って行け、その上にホウオウ様が待つワルナッチ城がある。」
霊夢「そういえば、飛んでいる時に遠くに砂漠が見えたわね。」
慧音「私は里に残るぞ。妹紅も本調子じゃ無いしな。」
妹紅「まだ背中が痛むから休ませてもらうよ。霊夢達なら行けるだろ?」
魔理沙「当たり前だぜ!よし、早速砂漠に…」

魔理沙と霊夢が砂漠に飛ぶ直前。

ラー「おい待て!」

ラーが二人を引き止めた。

霊夢「どうしたの?」
ラー「塔にも俺様達と同じく、四天王のロボットがいる…」
霊夢「あー、ガーボーグとか言う奴ね。」
ラー「ガーボーグは俺達と比にならないくらい強い…全盛期の時はホウオウ様と同等の強さを持つ-恐怖-の四天王ロボだからな…」

ラーはそう言うと、ダチョーンやジオーンと一緒にパーツを直し、城へと逃げていった。

魔理沙「ガーボーグか…あの一つ目の奴かぁ。」
霊夢「考えてもしょうがないわ。行きましょ。」

二人は砂漠に向けて飛び立った。ガーボーグの脅威的な強さも知らずに…

続く…

Re: 東方闘機伝 21話 そして、砂漠に残るのは? ( No.21 )
日時: 2023/02/12 20:07
名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)

-鋼鉄の砂漠-

人里から見て北の方に出来た砂漠、-鋼鉄の砂漠-。ガーボーグが砂漠の真ん中にある塔を守っていた。

霊夢「幻想郷に砂漠ができるなんてね…」
魔理沙「霊夢、ロボットがいるぞ!」

話しながら飛ぶ二人の真下に何体かのワルロボがこちらを見ていた。

ギガント「人間がいたぞ!」
ガラック「おい、シェンロン。」
シェンロン「言われなくてもわかってるぜ?《ヤケツクイキ》」

龍の形をした頭部のモノアイから、霊夢に向かって炎を吐き出した。

霊夢「危なっ!いきなり攻撃してくるなんて…」

霊夢と魔理沙は三体のロボットの前に降り立ち、睨む。

ガラック「げっ!ちょっと待てぇ!そんな怖い顔すんなよな…?仲良くさ!」
魔理沙「お前達が先に攻撃したんだろ!」
ガラック「それはそうだが…」
シェンロン「お前らが砂漠に侵入したから迎撃しただけさ。」

ギガント「そうだよ(便乗)」

ギガントが前に歩む。

ギガント「いきなりで悪かったな。だが、俺達だってこのままお前達に先に行かれちゃ困る…-ジョイメカファイト-で決着つけようぜ!』
霊夢「上等よ。」

霊夢もギガントのように前に出た。

魔理沙「さっさと弾幕で倒してやるぜ!霊夢」

魔理沙が八卦路を構えた。

ガラックとシェンロンは後退りする。

ガラック「も…もうやるのかぁ!?もっと平和的に話合いとかで…」
シェンロン「燃えてきたぞぉ!おい、ガラック!お前はギガントと俺の戦いを見とけよ〜」
ガラック「…へい」

どうやら、シェンロンとギガントだけが好戦的らしい。ガラックは離れて見守る。ギガントは霊夢と…魔理沙はシェンロンと一対一で戦う事になった。

霊夢「じゃ、始めましょ。」
ギガント「そうだな、ぺちゃんこになるがいい。」

格闘戦が始まった。霊夢は身軽な体で左右に動き、弾幕をぶつける。

霊夢「そんなに遅かったら当たらないわよ!」

超近距離パワー型ロボットであるギガントはその重さゆえ、足が遅い。霊夢の次々と放つ弾幕も全て正面から浴びていた。

霊夢「これで終わりね!《神霊・夢想封印》!」

長い時間、弾幕を放った霊夢は遂にスペルを使い、無数の虹色の光弾がギガントにぶつかる。爆発であたりは砂煙が舞った。

霊夢「ふん、防御力だけはあったようね。」

しかし、勝ち誇った霊夢の目の前、煙の中からは、無傷のギガントが立っていた。

霊夢「嘘でしょ…」

ずっと弾幕を当ててもなお、ダメージは入っていなかったのだ。

ギガント「さて、こっちの番だな。《ショルダータックル》」

さっきの遅い動きが嘘のような速さで突進攻撃を繰り出す。霊夢は反応する事も出来ずに真正面から突進を食らった。

霊夢「…がはっ…うぇぇっ…!」

胃液を吐いて、よろめいた。

ギガント「無理も無い。俺の突進は走ってきた車を正面から粉々に砕く程の威力があるんだからな。《サイクロンプレス》」

青白く光ったギガントが、上空に飛び上がり、回転しながら霊夢にのし掛かる。倒れた霊夢を鉄球で突き飛ばした。

霊夢「ぐふっ…うぅ…」

うめきながらも霊夢は立ち上がった。空中に飛んで、距離を取ろうとする。

ギガント「俺が耐えた分、お前にやり返すからなぁ!《ショルダーバルカン》」

両肩の重りを空中に向けて殴るように放つ。霊夢の腹部に何発か直撃した。

霊夢「あがっ…」

空中から砂の上に落ちる。立つ事しか出来無かった。

ギガント「これで最後だ。《パイルドライバー》」

勝ち誇ったように霊夢を両手で掴み、頭から地面に叩きつけようとするが…

ギガント「なんだ?」

その瞬間、持っていたはずの霊夢が消えていた。

ギガント「嘘だろ!?さっきまで持ってたはず…」
霊夢「人間だからって舐めない事ね。《霊符・夢想封印》!」
ギガント「ぐわぁぁぁぁぁ!」

それまでのダメージが蓄積していたのか、不意打ちを喰らったギガントは呆気なく爆散した。

霊夢「痛っ!」

ギガントに勝った霊夢だったが、直前に喰らった攻撃で既に満身創痍だった。残った力で弾幕をぶつけたのはいいが、無理矢理動いたため、霊夢は気を失って倒れてしまった。

ガラック「だ…大丈夫か!?」

少し遠い所から見守っていたガラックが霊夢に駆け寄った。

ガラック「内蔵が何個か破けてる…ギガントの奴、本気でやったな…」

ガラックがオロオロしていると、後ろから二つの足音が近づいてきた。

ガラック「シェンロン!?」

ガラックが振り向くとそこには、無傷の魔理沙とボロボロになったシェンロンがいた。

シェンロン「ヤベェぞこいつ…めっちゃ強えぇ…」

ガラックの見てない所で決着が付いていたのだ。

シェンロン「魔理沙とか言ったな…その腕ならホウオウ様討伐も夢じゃないぞ。」
魔理沙「マジか?でも、シェンロンもなかなかやるじゃんって……霊夢!!」

その時、魔理沙が倒れている霊夢に気づいた。魔理沙の声に霊夢も気ずく。

霊夢「ま…魔理沙?」
魔理沙「何があったんだよ!」
霊夢「ちょっと油断しただけ…うぐっ…!」

立ち上がった霊夢だが、思った以上に体が傷ついていた。

ガラック「それは…ギガントの奴が…」
魔理沙「お前がやったんだな!《恋符・マスタースパーク》!」
ガラック「ちがあぁぁぁう!!」

爆散してギガントがその場に居なかったせいか、勘違いした魔理沙はガラックに容赦無く攻撃した。

シェンロン「魔理沙!戦ったのはギガントだ!」
魔理沙「え?…なんかごめん。」
ガラック「フザケンナァァァ!」

ガラックの体は爆散して、魔理沙の前にあったのは顔だけだった。

魔理沙「だけど…この怪我はどうするんだよ!」
ガラック「…それは…」

ガーボーグ「俺に任せろ。」

全員が後ろを振り返る。そこには、いつの間にかガーボーグがいた。

ガラック「ガーボーグ様!?」
シェンロン「何故ここに…」
ガーボーグ「話は聞いた…待ってろ。」

ガーボーグは胴体の部分から緑色の粉を取り出し、霊夢に振りかける。すると、霊夢の傷は何も無かったように消えた。

霊夢「ん?体が…」

何事も無かったかのように、霊夢の傷は消えていた。

魔理沙「え!?さっきの粉はなんだったんだぜ?」
ガーボーグ「あれは、ホウオウ様が永遠亭…?とかいう場所から授かった薬らしい。」
魔理沙「そうか…ありがとう。」
ガーボーグ「礼はいらん。まだ敵同士だぞ。」

ガーボーグは塔に帰ろうと歩き出す。

ガーボーグ「…後もう一つ言う事がある。」
霊夢「もう一つ?」
ガーボーグ「今の強さじゃ、ホウオウ様には敵わない。下手したら宇宙の塵にされるぞ。」
魔理沙「どうすればいいんだ?」
ガーボーグ「幻想郷に残っているロボット達と戦え…そして、俺を倒せ。それだけだ。」

ガーボーグは去っていった。

魔理沙「敵わない…か。」
霊夢「里以外の場所にも行ってみましょ。」
魔理沙「そうだな。」

二人はさらに強くなるため、他のワルロボを倒すべく、砂漠から去っていった。しばらくして、体を治したギガントが戻ってきた。

ギガント「あれ?あの二人は?」
ガラック「もう行ったよアホ!」
シェンロン「お前のせいでガーボーグ様が来たんだぞ!」
ギガント「は?」
シェンロン「人間を傷つけるなってホウオウ様が言ってただろぉぉぉ!《ゲンリュウケン》」

昇竜拳をギガントに浴びせる。

ギガント「ギャァァァァ!」

ギガントは爆散して、またパーツを直す羽目になったのだった。

-ワルナッチ城-

ガーボーグに攫われた咲夜が目を覚ました。気がつくと、城の広間の椅子に、自分が座っていたのだ。

ハンゾー「目を覚ましたようだな。」
咲夜「…貴様!」

突如、反抗したガーボーグと共にいたロボットだ。咲夜はナイフを持つ。

ハンゾー「さっきは悪かった、咲夜殿。拙者達は危害を与えるつもりは無い。」
咲夜「ロボットの言う事が信じられると?」
ホウオウ「無理も無い。突然の事だもんな。」

外からホウオウが入って来た。

ハンゾー「ホウオウ様。交渉はどうでしたか?」
ホウオウ「輝夜のおかげで薬は作ってもらえた。ガーボーグに渡している。」
ハンゾー「そうでしたか、では、拙者はこれで。」

ハンゾーが門を開けて、外に出ていった。広間にはホウオウと咲夜だけがいた。

咲夜「なんで私を攫った?」
ホウオウ「紅魔館の主とその妹がいたろ?結構強いらしいから、お前を囮にしたんだ。」
咲夜「ふん、お嬢様をおびき寄せるなんて、自分から墓穴を掘るような物よ。」
ホウオウ「それでいいんだ。強い奴と戦って、俺は更なる高みを目指すんだからな。」

ホウオウは階段を登り、上に行く。

ホウオウ「そうだ。ワルナッチ城は特殊な雲海の上に浮かんでいるんだが、地上に降りなければ、好きなところに行っていいぞ。」
咲夜「分かったわよ。」

咲夜は早速、外に出て行った。

ホウオウ「…霊夢はまだ来ないのかなぁ。」

戦いたくてうずうずするホウオウであった。

続く…

Re: 東方闘機伝 22話 スカーレット姉妹の冒険 ( No.22 )
日時: 2023/01/02 16:39
名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)

-紅魔館-

広間に来たフランは、倒れているレミリアに駆け寄った。

フラン「どうしたの!お姉様!」

レミリアの腕が動く。少しして起き上がった。

レミリア「フ、フラン?」
フラン「何があったの!?」

レミリアはロボット達の事をフランに話す。

フラン「咲夜が攫われたの!?」
レミリア「そうよ、あのロボット達が担いで…」
美鈴「お嬢様!」

美鈴が二人のもとに走ってきた。

美鈴「咲夜さんがどこにいるか、分かりました!」
レミリア「どこなの?」
美鈴「人里から見て、北の方角に砂漠があります。この上に咲夜さんが閉じ込められているであろう城があります。」
レミリア「城ねぇ…よし、早速行くわよ!」
パチュリー「私も行くわ!…うっ…」

パチュリーが咳き込む。

レミリア「パチェ、大丈夫?」
パチュリー「うぅ、喘息が最近悪化してて…」
フラン「なら、私が代わりに行くわ!咲夜を攫ったロボットは許さない!」
美鈴「でも、今は太陽が出ていますよ。」

今はちょうど正午が過ぎた所だった。時計の針は二時を示していた。

レミリア「大丈夫よ、そろそろ曇るからね。」

運命を操る程度の能力の能力を持つレミリアは度々、未来予知出来るのだ。

美鈴「そうですか…」
レミリア「美鈴はパチェの看病を頼むわ。」
美鈴「はい!」
レミリア「フラン、行くわよ。」
フラン「咲夜を助けに行こう!」

レミリアとフランが外に出て、鋼鉄の砂漠へと飛び立った。

-鋼鉄の砂漠前-

砂漠の少し前の平原を駆けるように、スカーレット姉妹は低空飛行する。しばらく進むと、二体のロボットがいた。

スケーター「お、アイツ倒した方が良さそうだな。」
ジェル「任せとけ…って、飛びながら突っ込んでくるぞ!」
レミリア「邪魔よ!《冥符・紅色の冥界》!」

赤い弾幕がスケーターとジェルを襲う。

スケーター「ギャァァァァ!!」
ジェル「ッチ!ウゼェ弾幕だな!《ドロロンパ》」

スケーターが爆散する中、ジェルは姿を消した。
飛行をやめ、降りてきたレミリアとフランの背後に回る。

レミリア「後一体どこかにいるわね…」
フラン「どこにいっ…きゃぁぁぁ!」

ジェルはフランを掴み、「ジェルスロー」で投げ飛ばした。

レミリア「フラン!?」
フラン「いてて…」

ジェル(フフフ…驚くのも無理は無い。俺の必殺技《ドロロンパ》はどんな奴にもバレない技だ。逆に、俺の必殺技を知った時は、すでに終わっているんだ!)

ジェルは内心そう思いながら、「ジェルキック」をレミリアに向けて放つ。

レミリア「痛っ!こっちか!」

レミリアは必死に弾幕を放つが、全てジェルの反対方向に飛んでいた。

ジェル(よし、今だ!《ジェルツイスター》)

ジェルはレミリアに再び攻撃する。しかし、自分のアームを誰かが掴んで放てなかった。

ジェル「何ぃ!?」
フラン「ふふ…見〜つけた。」

ジェルの後ろには、狂気に満ちた目を見せるフランの姿があった。ジェルは観念して、透明化を解除する。

ジェル「な…なんで見えるんだぁ!?」
フラン「特別に教えてあげるわ、私は `ありとあらゆるものを破壊する程度の能力`を持ってるんだけど、物には壊れやすい-目-って言う場所があって、それを私は自分の手に持ってきて自由に破壊できるの。」

ジェル「…それでどうやってわかるんだよ。」
フラン「あなたは体を透明化したけど、私にはあなたの-目-が見えるから、おおよその位置を把握する事ぐらいできるのよ?」
レミリア「よくやったわね!フラン!」
ジェル「畜生…それで、俺は破壊するのか?」
フラン「このまま破壊してもつまんないしね…そうだ!咲夜を助けるために仲間になろうよ!」
ジェル「仲間だってぇ!?」
フラン「今ここで破壊できるのよ?」
ジェル「はい…ついて行きます…」

ジェルはジェットパックを起動し、曇った空の下、飛び立つスカーレット姉妹の後を追ったのだった。

続く…

Re: 東方闘機伝 23話 ワルロボ軍団の敗走 ( No.23 )
日時: 2023/01/02 19:07
名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)

幻想郷の各地に散らばったワルロボ達。しかし、幻想郷の少女達も負けじと反撃する。

-妖怪の山-

スター「チクショー!早すぎるぜ!」
ホバー「化け物だぁ!」

文「これでも手加減しているんですよ〜《旋風・鳥居つむじ風》!」

文の放った竜巻に巻き込まれ、二体とも爆散する。妖怪の山では、スターとホバーが暴れていたが、文に難なく撃退されてしまった。

-魔法の森・アリス邸-

アリス「あなたもホウオウの命令で来たの?」

アリスは紅茶を飲みながら、目の前に座る一体のロボット。オールドに質問した。

オールド「いや〜、そうなんっスよ。俺は好戦的じゃないスけど、命令されたからには逆らえなくて…アリスさんも凄いっスね。俺のショベルアーム攻撃を悉くいなすモンですから…」

突然襲って来たオールドを迎撃し、話を聞く。

アリス「他の仲間はどうしたの?」

オールド「仲間っスか…あちゃ〜、ほとんど負けてますね。まぁ、俺らはホウオウ様が幻想郷の住民の強さを測るためでもあるし、捨て駒のようなモンですからね〜。」

アリス「そう…大変ね。」

無茶振りを強いるホウオウに振り回されるオールドを可哀想だと思ったのか、アリスは自分の家にオールドを招いていた。

オールド「でも、注意した方がいいっスよ。ワルナッチ城にはまだ八体のロボットがいますからね。」
アリス「八体のロボット?」
オールド「ホウオウ様からは昔の話、聞きましたよね?」
アリス「あぁ、イーロボ達の事ね。」
オールド「城を守る八体のロボットはイーロボに対を成す存在。-上位互換-ですからね〜。イーロボでも強かったのが、ワルナッチ博士がさらに強化したもんで…まぁ、スカポンには敵わなかったっスけどね。」

ワルロボ軍団は敗走し、幻想郷を攻めるロボットも減っていった。しかし、まだ一体のロボットは倒されていなかった。ザコ呼ばわりされ、あっけなく倒されて来たザコが、本気を出す。

続く…

Re: 東方闘機伝 24話 ザコの特訓 ( No.24 )
日時: 2023/01/02 20:48
名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)

ほとんどのワルロボが敗走してから一週間。霊夢と魔理沙はワルロボがいなかったため渋々、茨木華扇に修行を頼んだ。アリスは、オールドとゆったりとした生活を送っている。里でもワルロボの話題は既に消え、平和だった。紅魔館でもレミリアとフランは一旦帰り、城に攻め込む作戦を練っていた。ワルナッチ城でもかつてのようにワルロボが警備し、ホウオウは咲夜に自分が何をしてきたかを語った。ガーボーグは塔の門の前に立つだけだった。

しかし、一つだけ変わったことがあったのだ…

-命蓮寺-

人里の外れにある寺、命蓮寺。門を越えた敷地内には灯篭が並ぶ石畳の参道があり、本堂や鐘などが置かれている。

変化したのは命蓮寺であった。

ザコ「これ無理だろ!?避けられるわけが無いぃぃぃ!!」
聖白蓮「逃げてしまっては、自分の敗北を克服できませんよ?」
ザコ「畜生!」

寺の敷地内で、ザコが次々と放たれる弾幕から逃げていた。事の発端は一週間前…

-一週間前-

倒されたザコは、里の外れを元気無く歩いていた。

ザコ「はぁ〜、俺はいつも、威勢だけか…」

かつて、イーロボにコテンパンにされ、幻想郷でもあっけなくやられ、ワルロボ軍団最弱のレッテルを貼られてしまったザコは自分の情けなさに悔しがっていた。

ザコ「…ここは神社か?」

しばらく歩いていると、命蓮寺に辿り着いた。門をくぐり、興味本位で中に入る。
参道を一人の妖怪が箒で掃除していた。

幽谷響子「あ、参拝者かな? こんにちわ〜!!」

物凄く大きな声がザコの聴覚機関に入る。

ザコ「うぎゃー!ウルセェ!《タメキック》」
響子「ぎゃ〜!」

繰り出された突進タメキックは響子を吹っ飛ばした。

ザコ「…なっ!!」

ザコは驚く、自分のタメ技を喰らう者がいなかったからだ。

ザコ「か…勝てるかもしれない!」

ボコボコにされて、失いかけた闘志が燃えたぎる。

響子「やめてよね!《響符・マウンテンエコー》!」

波動のような弾幕がザコに直撃する。

ザコ「ギャァァァァ!!」

ザコのメンタルは次こそ粉々になった。

響子「なんだろうこれ…そういえば、幻想郷にロボットが来たとかって新聞にあったかも!」

爆散したザコは、興味を持った響子に拾われ、寺の中に運ばれた。

ザコ「…ここはどこだ?」

拾われて、パーツを組み直したザコは寺の中にいる事に気がつく。

ザコ「あの時、参道で倒されて…」
聖白蓮「大丈夫ですか?」

一人の女性がザコを心配する。

ザコ「あぁ、大丈夫です。ロボットなんで。」
聖「なら良かったわ。そういえば、新聞でワルロボが攻めて来るとかって書いてあったけれど、もしかして何か知ってますか?」
ザコ「話すと長くなるけどな。」

聖にザコは、ワルロボ達の事を話す。

聖「そうなんですか…大変でしたね。」
ザコ「まぁな…そういえば名前はなんて言うんですか?」
聖「私は聖白蓮。この命蓮寺の住職です。」
ザコ「そうか、俺はワルロボ軍団の尖兵。ザコだ。」
聖「ザコ…ですか。」
ザコ「別に俺は名前を嫌ったりはしてないぞ?」
聖「でも…」
ザコ「いいんだよ…所詮、俺は名前の通りザコ。悪い事だってして来たんだし、かませ犬なんだからさ…」
聖「…納得できません。」
ザコ「え?」
聖「人も妖怪も神も仏も全て同じ…平等です。あなたはやられっぱなしで悔しく無いんですか?」
ザコ「………悔しいさ。」
聖「なら、特訓しましょう!」
ザコ「…えぇ?」
聖「私が特別に修行してあげます。見返してあげられるよう、がんばりましょう!」

こうして、ザコの惨状を見離せなかった聖は、寺でザコを修行させる事にしたのだ。
———
ザコ「くっそ〜、弾幕で近寄れないな…ん?」

ザコは気がついた。一週間前から、弾幕の対処の練習をしていて、毎回逃げ回るだけだったが、逆にこっちから弾幕を出して妨害すればいいのではないかと。

ザコ「やってみるか!喰らえ!」

ザコは、青白く光るアームに力を入れて、聖に向けて構える。

ザコ「《ザコウェーブ》!」

赤い炎のような弾が聖に飛んで行く。弾は聖に直撃した。

聖「…これは!?」

弾幕を止めて、ザコの元に近寄る。

聖「今の技は?」
ザコ「俺は、タメ攻撃を得意とするんだけど…今までアームを直接ぶつける事だけしかやってなかったんだ。でも、弾幕を見てると、このタメたエネルギーを射出できるんじゃ無いかな〜って。」
聖「良かったじゃないですか!これで弾幕には多少対応でできるようにはなりましたね!」
ザコ「そ、そうですね!」
聖「次は、スペルカードを使った弾幕です。スペルカードは少し前に説明しましたね?」
ザコ「あぁ、分かるぜ!」
聖「では、《魔法・紫雲のオーメン》!」

さっきより、密度の高い弾幕が放たれる。ザコは冷静に見計らって、避け続ける。

ザコ「こうやって避けるのか!コツは掴めたぞ!」

飛び道具を出せるようになったザコは自信も湧き、スペルカードも軽々と避けられるようになっていった。

-三日後-

命蓮寺で修行してから一週間と三日が過ぎた頃、寺の住民とも弾幕ごっこを度々やってもらい、新しい技と実力を身につけていった。
今は、村紗水蜜と弾幕ごっこをしている所だ。

村紗水蜜「喰らえ!《転覆・道連れアンカー》!」

特大アンカー弾をザコに飛ばす。ザコはこれまた新しく身につけた技「ザコキック」で回避する。

水蜜「は…早い!なら、これでどうだ!《幽霊・シンカーゴースト》!」

半透明の水蜜がザコを追いながら、弾幕を飛ばすが、全ていなすようにザコは避け切った。スペルが切れたところで、「ザコアッパー」を水蜜にお見舞いする。

水蜜「きゃぁ!?」

水蜜は参道に尻餅をつく。

響子「勝負あり!ザコの勝ち!」
聖「良かったわね!ザコ!」
水蜜「最初より物凄く強くなったね。」

ザコ「いやいや、あなた達のおかげですよ!」

ザコは恥ずかしそうに照れる。

聖「大丈夫ですよ。私達の弾幕を軽々と避け、反撃できる程になったのも、あなたが努力し続けた結果です!」

聖は寺の門を開ける。

聖「あなたに教えられる事は全て教えましたよ。でも、本当にもう出るのですか?」
ザコ「…聖さん達のお言葉には甘えたいけど…俺はリベンジしたいんだ!」
聖「そうですか…達者で!」
ザコ「ありがとうございましたぁ!!」

ザコは命蓮寺から久しぶりに出た。短い間、修行に付き合ってくれた聖達に感謝しながら…

ザコ「俺はもう雑魚じゃないんだ!やってみせるぞ!」

寺での修行を頭の中で整理して、人里に駆け出す。あの時負けた、屈辱を塗り替えるために…

続く…


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