二次創作小説(紙ほか)
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- 東方闘機伝(旧作) [ジョイメカファイト]
- 日時: 2023/06/16 18:39
- 名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)
この物語はジョイメカファイトのワルロボ四天王が幻想郷へ迷い込む話です。
かつてロボットと暮らし、栄えたある国。ロボットを作らせたら世界一の白ヒゲのリトル・イーモン、黒ヒゲのイワン・ワルナッチという二人の博士がいた。やがて、2人は新たな技術を求め、旅に出て行った。元いた国はいつしかなくなり、発達したロボット工学も人々から忘れられた。ほとんどのロボット達は自分の居場所を見つけに博士と共に旅をした。しかし、ワルロボ四天王、危険度の高いロボットだけが国に残った。忘れ去られた四天王達は自らの意思を持ち、それぞれが静かに暮らしていた。
-忘れられた四天王は幻想へと迷い込む-
※東方機海伝も見てね!(ストーリーに関係はありません)
※注意
・ジョイメカファイトのロボット全てに独自の設定が少しあります。
・ロボットは自我を持っています。
・東方キャラが度々悲惨な目に遭います。《ロボットと少女が戦ってるからね。しょうがないね(無慈悲)》
・シリアス、微グロな描写があります。
・依姫無双ならぬ、鳳凰無双。
以上です。楽しもうね!!
- Re: 東方闘機伝 10話 妖怪山の戦い ( No.10 )
- 日時: 2022/11/28 21:44
- 名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)
-妖怪の山-
犬走椛「あれはなんだ…?」
山の警備を担当する白狼天狗、椛は山に飛んで来る物体を見つけた。それは、紅い装甲を纏ったロボットだった。
椛「四肢が切れている?そんな事より、止めなければ!」
山に入って来たからには迎え撃たねばと、椛はその物体へ接近する。
ホウオウ「ん?誰だあれ。」
ジェットパックを切り、山の中腹に降り立つ。目の前には剣を持つ白髪の女性がいた。
椛「この山に何の用が有って来た!答えろ。」
ホウオウ「この山にいる妖怪はすごい強いと聞いてな、ぶっ飛ばしに来た。」
椛「私はこの山の監視者。犬走椛!このまま通すわけには行かない!」
ホウオウ「めんどくせえな、ちょっと寝てもらうぞ。《ホウオウクラッシュ》」
ホウオウが飛び蹴りで間合いを詰め、椛の腹部に強烈な拳を叩き込んだ。
椛「ぐ…がはっ…!」
椛は意識を失った。ホウオウは倒れそうになる椛を抱え、近くの木に椛を寄りかけた。
ホウオウ「悪いな、監視者なら上にもっと強い奴がいるだろ?」
ホウオウがまた飛ぼうとするその時、横から物凄い勢いで何かが飛んで来た。
ホウオウ「何だお前!《ホウオウキャノン》」
音速で放たれる超高速のホウオウキャノンは`何か`を撃ち落とす。しばらくして、木々の奥から見慣れた人物が出てきた。
文「ホウオウさん。何するんですか〜!」
ホウオウ「射命丸か…てっきりコイツの追手だと…」
文「あぁ、椛ですね。あなたが?」
ホウオウ「ちょっと気絶してもらっただけさ。」
文「そうですか…所で、この山に何をしに来たんですか?」
ホウオウ「強い奴をぶっ飛ばしに来た。」
文「…私もこの山の天狗として、あなたをこのまま放っておけませんね。」
ホウオウ「どうするつもりだ?」
文「あなたをこの山から追い出す。手加減するから全力で来なさい!」
ホウオウ「…上等だ。 -殺してやる-」
文とホウオウが睨み合う。ホウオウはキャノンの準備をする。そんな中、文は考える。
文の頭の中(…やっちゃった〜!私だって幻想郷では結構強い部類だけど、ホウオウさんの`殺してやる`って言葉…あれガチですね。このまま挑んだら完全に殺されますね。しかもホウオウさんは強い敵と戦いに来た…こっちから勝負挑んじゃったし、今更和解は…)
ホウオウ「…何考えてんだ?」
文「いや、別にたいした事では…」
ホウオウ「まぁいい、さっさと戦うぞ。」
文「避けられますかね?《風神・風神木の葉隠れ》!」
自分を包み込むように吹く葉っぱは文の全身を隠し、消える。ホウオウの周りから葉っぱ型弾幕が飛んで来る。
ホウオウ「面白い攻撃だな…《ホウオウアッパー》」
アッパーによって、とてつもない風圧が地面から上に放たれる。弾幕は塵のように消えた。ホウオウの背後から文が姿を表す。
文「なかなかやりますね。《旋風・鳥居つむじ風》!」
ホウオウを挟み込むように二つの小型竜巻が突進する。たちまち、竜巻の中にホウオウが包まれた。
しかし、何事もなかったように竜巻の中からホウオウが文に歩み寄る。
文「え?竜巻が効かない!?」
ホウオウ「鉄で出来てるんでな、あのぐらいの風じゃびくともしないぞ。」
文「予想以上ですね。なら、《旋符・紅葉扇風》!」
ホウオウの真下から突風が吹く。ホウオウは20m程、真上に飛ばされる。
ホウオウ「ガーボーグみたいな投げ技だな。」
文「《突符・天狗のマクロバースト》!」
空中のホウオウに四方八方から弾幕が飛んで来る。
ホウオウ「…これは避けられないな。」
弾幕を浴びるたびにホウオウの装甲に火花が散る。損傷を受けているようだ。
文「いくら鉄で出来たロボットでも高速弾幕は効くようですね。」
ホウオウ「俺も弾幕飛ばせるけどな。《ホウオウキャノン》」
一気に三つのキャノンを文に撃つ。文は軽々と避けるが、三つ共追尾弾。旋回したキャノンは文の背中の羽を抉り取った。
文「私とした事が…少し油断しましたね。」
目の前にはホウオウが立つ。文は言い放った。
文「…降参します。」
ホウオウ「何?」
さっきまで真剣な顔をしていた文の顔は笑みで溢れていた。
文「ホウオウさん…手加減しましたね?」
ホウオウ「…どうして分かった。」
文「さっきのホウオウさんの弾幕。私の体では無く、羽を狙いましたよね?」
ホウオウ「それがどうした。」
文「この山の強い敵と言っても、あからさまに傷つけるような事はしないでしょうね。」
ホウオウ「…まぁな、俺が恨んでいるのは月の人間共だ。そいつらと戦うまでの腕試しに過ぎない。だから極力、弾幕の`避け`に集中して戦おうと思っている。」
文「あなたが見境無く殺さないと分かってますからね。天魔様に合わせる事はできませんが…守矢神社に行って見たらどうでしょう?」
ホウオウ「守矢神社?」
文「はい、この先にある神社です。霊夢さんと同じく、巫女をしている人がいて…」
ホウオウ「ありがとう、じゃあな。」
ジェットパックでホウオウが飛び立った。
文「待ってください!そこには神が2人もいて…」
文の言葉を聞きながら、神社へと向かう。
文「まぁ…大丈夫でしょう…」
文は椛を背負って、自分の家へ戻った。
ホウオウ「神か…戦ってみたいな。」
ホウオウの前には一つの神社が佇んでいた。神と機械の戦いが始まる。
続く…
- Re: 東方闘機伝 11話 鳳凰の闘志 ( No.11 )
- 日時: 2022/12/02 17:37
- 名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)
-守矢神社-
ホウオウ「ここが守矢神社か…神はどこだ?」
神社の鳥居をくぐり、正面から神社へと入る。奥の方に巫女のような人がいた。ホウオウが巫女に歩み寄る。
ホウオウ「…こんにちわ。」
東風谷早苗「あ、こんにちわ…って、参拝客…ですか?」
守矢神社の巫女。東風谷早苗だ。
ホウオウ「ロボットだ。ちょっとここの神と戦いに来た。」
早苗「神と戦いに?………残念ですが、それはできません。《秘法「九字刺し》」
早苗は腰から札を取り出すと、針状の弾幕をホウオウの真上から放つ。
ホウオウ「《ホウオウアッパー》…神はどこだ?」
アッパーで針は全て吹き飛んだ。何事も無かったように、質問を繰り返す。
早苗「…私を倒さなければ、神奈子様と諏訪子様には会わせま…」
ホウオウ「今この神社にいるって事だよな。」
早苗「………。」
ホウオウ「何か言え、困るのはこっちだ。俺はただただ強い奴と戦いに来たんだ。」
早苗「なら、私に勝ってからにしてください!」
早苗が空中に浮かぶ。周りには弾幕が浮いていた。
ホウオウ「戦う気になったか、いいだろう。俺はワルロボ四天王その4・ホウオウだ。ワルナッチ博士の最高傑作さ。」
早苗「私は風祝の早苗、現実神の末裔…守矢の巫女に名をかけて、あなたを追い出します!《奇跡・神の風》!」
神社の真ん中で竜巻が舞い起こる。風に乗って、竜巻状の弾幕が高速で飛んでいる。
ホウオウ「こりゃすげえな…ガーボーグには及ばないがな。《ホウオウキャノン》」
爆風と共に、高火力のキャノンが撃たれた。竜巻をその勢いで消し去り、早苗めがけて飛んで行く。キャノンはとっさの回避で避けられた。
ホウオウ「なかなかやるんだな、人間も。」
早苗「当たり前ですよ!《秘術・グレイソーマタージ》!」
星型の弾幕が高速でホウオウに放たれる。ホウオウは全ての攻撃を受けた。装甲に火花が散る。
早苗「《開海・モーゼの奇跡》!」
早苗はホウオウの真上に瞬間移動した。水を纏ったお祓い棒を叩きつけようとする。ホウオウはすかさず避けるが、棒が地面に当たった瞬間、ホウオウまで真っ直ぐと大波が押し寄せた。波の衝撃で、階段の頂上から下まで転げ落ちた。装甲は砂埃で汚れていた。
早苗「まともに弾幕を喰らって吹っ飛んでしまうなら、神奈子様や諏訪子様に敵うわけがないですよ!」
ホウオウ「…黙れ、ふざけやがって…殺してやる。」
早苗「殺すなんて物騒な…この弾幕ならロボットだって破壊できますね。《妖怪退治・妖力スポイラー》!」
早苗の周りから妖気が集まる。凝縮された妖気は早苗の手の先に気弾となって固まる。手をホウオウに向けた。
早苗「この神社に害なす者は許しません!」
手から気弾が放たれた。ホウオウの頭部に直撃し、大爆発する。追い討ちをかけるように早苗は炸裂弾を放つ。階段の下は煙に包まれている。
早苗「それにしても、あのロボットなんだったんでしょうね?」
独り呟きながら、中央へ戻る。
その瞬間。階段の方から金属音が鳴り響く。
早苗「…え?」
鳥居の下には、ホウオウが立っていた。その目は殺意にこもっている。
早苗「まだ壊れてないんですね…《奇跡・白昼の客星》!」
ホウオウに大量の弾幕が直撃する。しかし、倒れる気配が無かった。
ホウオウ「こんなに弾幕を当てても、効かないなら、他の四天王ロボに勝てるわけ無いな。」
早苗は青ざめた。言葉通り、ホウオウの装甲は無傷だった。砂埃だけが装甲に残っていた。
早苗「奇跡・客星の…」
ホウオウ「遅い。《ホウオウクラッシュ》」
高速の飛び蹴りが早苗に放たれた。ホウオウは早苗の正面まで一気に距離を縮める。
ホウオウ「じゃあな、-死ね-」
早苗「なっ…!!」
強烈な拳が早苗の腹部へ届く。確実に腹部を貫通する威力だ。
早苗(こ…殺される…)
早苗の体は恐怖に染まっていた。目を瞑り、覚悟する。
しかし、痛みは感じられない。もう腹部は貫通しているはずだった。恐る恐る目を開けると、拳は腹部ギリギリで止まっていた。
ホウオウ「…勝負は着いた。スペルカードルールってのは、意味の無い攻撃が禁止なんだろ?」
足の力が抜ける。恐怖心で呼吸が乱れていた。
早苗「…負けました…」
早苗は降参した。
ホウオウ「さて…その神はどこにいるんだ?」
洩矢諏訪子「ここにいるよ〜」
ホウオウの後ろにはいつの間にか、少女が立っていた。ホウオウはその姿を見て唖然とする。
ホウオウ「は…?あれが神?ふざけてんのか!!」
早苗「諏訪子様は八百万の神なんですよ。」
ホウオウ「違う!俺はそういう事聞いてるんじゃねぇ。あの姿で神っておかしいだろ!?」
八坂神奈子「あら、新しい信仰者か?」
諏訪子の隣に、もう一人の神が舞い降りた。
ホウオウ「お前らが守矢神社の神達…だよな?」
神奈子「そうよ、私は山の神だ。」
ホウオウ「本当かよ…」
早苗「この幻想郷では常識に囚われてはいけませんよ!」
ホウオウ「そ…そうか…もういい。」
諏訪子「あれ、さっき私達と戦いたいって聞いたから来たんだけどね。」
ホウオウ「いや、良心回路が痛むからやめる。」
諏訪子「まさか、少女だから戦いたくないの?優しいね。」
ホウオウ「どう見ても、子供じゃんか。」
諏訪子「これで1000年は生きてるんだから。」
ホウオウ「…《ホウオウキャノン》」
諏訪子の横をキャノンが高速で横切った。地面を削りながら飛んで行き、爆発を起こした。
ホウオウ「もう帰る…」
ジェットパックを起動し、山から逃げるように飛び去った。
神社は静寂に包まれる。
諏訪子「神奈子…感じたわよね。」
神奈子「バッチリね…相当の腕前だったわ。」
ホウオウキャノンの威力を見て、二人はホウオウの実力が自分達と同等か、それ以上だと悟った。
早苗「大丈夫ですか?」
神奈子「心配かけてすまなかったね…」
3人は神社の中へと入って行った。
-人間の里-
ホウオウは人間の里上空を飛んでいた。
ホウオウ「他に強い奴はどこだろうな…竹林に戻ってみるか。」
迷いの竹林へ飛んで行く。ホウオウはこれから、幻想郷の実力者達と壮絶な戦いを繰り広げるのであった。
続く…
- Re: 東方闘機伝 12話 鳳凰と魔法使い ( No.12 )
- 日時: 2022/12/06 21:59
- 名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)
-迷いの竹林-
ホウオウは妹紅を探しに、迷いの竹林に戻って来た。奥に小屋が見える。
ホウオウ「あそこか。」
小屋の方に進む。扉をノックすると案の定、妹紅が出て来た。
妹紅「ホウオウじゃん。どうした?」
ホウオウ「妖怪の山行って戦ってきた。」
妹紅「全くダメージを受けてないな。誰と戦ったんだ?」
ホウオウ「山の警備と射命丸、守矢の巫女と戦ったぞ。神は…やめた。」
妹紅「え?どうして戦わなかったんだよ。」
ホウオウ「あの諏訪子とか言う奴、実年齢も分からない位の子供だったしよ…あいつが神だってのは信じられなかった。」
妹紅「ここはそういう所だぞ…」
ホウオウ「まぁいいだろ。もう一回聞きたいんだが、他に強い奴っているか?」
妹紅「他か…一応、弾幕ごっこでは霊夢とか魔理沙が強いぞ。」
ホウオウ「あの二人か。」
妹紅「あの二人が組めば、どんな異変も解決するしな。」
ホウオウ「霊夢は俺が勝負持ちかけた瞬間、逃げたけどな。」
妹紅「そうか…なら、異変を起こしてみればいい。」
ホウオウ「異変?」
妹紅「自分の能力を使ったりして、幻想郷の正常性を破壊するんだ。」
ホウオウ「どうやればいいんだ?」
妹紅「例えば、幻想郷を紅い霧で囲ったり、月をすり替えたり…とりあえず、困るような事をすればいいんだよ。」
ホウオウ「…分かった。ありがとな。」
妹紅「待て、あと一つ言うことがある。もしも、故障した時は、河童達に頼むといい。」
ホウオウ「ありがとう、またな。」
ホウオウはジェットパックで空に飛ぶ。また、妖怪の山に戻るのだった。
-妖怪の山-
妖怪の山の麓、とある河童に会いに行った。
河城にとり「なんだあれ?」
空から紅いロボットが落ちて来た。
ホウオウ「お前が河童か?」
にとり「そうだけど…え?ロボット!?」
ホウオウ「そうだ。お前に頼みがあって来た。」
にとり「頼み?」
ホウオウ「俺の中に他のロボットのデータが入っている。そのデータをもとに、ロボットを作って欲しいんだ。」
にとり「何体作ればいいのさ。」
ホウオウ「28体で頼む。」
にとり「ロボットが依頼かぁ…よし!作ってみよう!」
ホウオウを基地に案内した。
-基地内部-
妖怪の山の間欠センターの近くにある基地までやってきた。中で、データの解析が進んでいた。モニターには、いろんな形をしたホウオウのようなロボットがいる。
にとり「どれもカッコイイじゃん!」
ホウオウ「俺が幻想郷に入る前の仲間だ。」
にとり「これなら、明日には全て作れると思う。」
ホウオウ「分かった。ありがとう。」
にとり「あなたの頭部にGPSをつけたから、完成したら送るよ。」
ホウオウ「それじゃ、またな。」
ホウオウは魔法の森へ飛んで行った。
-魔法の森-
ホウオウは様々なキノコの胞子が漂う森に入った。森の中をひたすら進んで行く。
ホウオウ「この森を荒らせば、誰か来るだろう…《ホウオウキャノン》」
キャノンを無差別に数発飛ばす。森の真ん中から木々を薙ぎ倒して行く。
-10分後-
ホウオウ「このくらいじゃ無理か…」
ホウオウだけで、森を荒らす事は出来なかった。幻想郷でもかなり広い魔法の森。到底、一体のロボットが破壊できるような所では無い。しかし、ホウオウの行動は、決して無駄では無かった。
アリス・マーガトロイド「…誰?」
森の奥から一人の少女が現れた。切り株に座るホウオウの視線が少女に向かう。
ホウオウ「お前こそ誰だよ。」
アリス「私はアリス・マーガトロイド。この森に住む魔法使いよ。」
ホウオウ「そうか、俺はワルロボ四天王その4・ホウオウだ。幻想郷に入ってきたロボットさ。」
アリス「分かったわ…とりあえず、こっちに来て。」
ホウオウ「おう。」
二人はアリス邸へと向かう。
-アリス邸-
居間の椅子に座り、話し始める。
ホウオウ「悪いな、わざわざ家の中に入れてくれるなんて。」
アリス「いいのよ。ホウオウは何をしていたの?」
ホウオウ「この森を荒らして異変を起こそうとしたんだ。」
アリス「どうして異変を起こそうと?」
ホウオウ「俺はここに来て、強い奴と戦う事にしたんだ。異変を起こせば、霊夢とかが飛んでくるんだろう?」
アリス「それはそうだけど…森を荒らすのは私も迷惑がかかるし…」
ホウオウ「それは済まなかった。そろそろここから出るさ。」
アリス「そう…」
その時、玄関からノックする音が聞こえる。
魔理沙「おーいアリス!面白い奴連れてきたぜ!」
アリス「分かったわ。 ホウオウ、ちょっと待ってて。」
ホウオウ「いや、アイツとなら会った事がある。」
アリスの後ろをホウオウが着いて行く。アリスが玄関を開けると、魔理沙の横には、ダチョーンがいた。
アリス「キャァァァァ!何よそれ!?」
ダチョーン「ギャァァァァ!いきなり騒ぐなよ!」
魔理沙「私と一緒に住んでるロボット。ダチョーンだぜ!」
アリスの後ろからホウオウも出て来る。
ホウオウ「お前の方がうるせぇぞ!《ホウオウキャノン》」
ダチョーンに向かってキャノンを放つ。叫び声を上げながら、ダチョーンが3m程吹き飛んだ。
魔理沙「あ、ホウオウもいたのか!元気だったか?」
ホウオウ「まぁな…」
ダチョーン「痛ってぇなこの野…ホウオウ様ァァァァ!」
ホウオウ「よう、また会ったな。ダチョーン。」
ダチョーン「ここにも来たんですね!いや〜ホウオウ様の装甲はいつ見ても綺麗っすね!」
アリス「魔理沙…あなたもロボット持ってたのね。」
魔理沙「アリスだって、ホウオウ持ってるだろ!」
ホウオウ「俺はアリスの所有物になった覚えは無い。それより…ちょうどいい所に来たな。魔理沙。」
魔理沙「どうした?」
ホウオウ「お前と弾幕ごっこがしたくてな。」
魔理沙「よし!受けて立つぜ!」
アリス「二人共…無茶はしないでね。」
ダチョーン「良く分からないけど、ホウオウ様!頑張れぇ!」
魔法の森の中、鳳凰と魔法使いの戦いが始まった。
続く…
- Re: 東方闘機伝 13話 夕焼けの森の中 ( No.13 )
- 日時: 2022/12/09 23:16
- 名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)
-魔法の森-
魔理沙とホウオウが戦うことになった時、すでに夕方となっていた。
それはかつて、ジオーンが戦ったような場所だった。
魔理沙は箒に乗り、八卦路を構える。
ホウオウ「始めようじゃねえか…弾幕ごっこって奴を。」
魔理沙「喰らえ!《恋符・ノンディレクショナルレーザー》!」
空中に飛んだ魔理沙は、回転するレーザーと星形の弾幕をホウオウに放つ。しかし、ホウオウは魔理沙を超える高さまで、勢い良くジャンプした。
ホウオウは月面のように、地上でも重力を無視したジャンプができる。空中で小型の「ホウオウキャノン」を何十発も撃つ。
魔理沙「おっと…危ない危ない。」
魔理沙は慣れた手つきで箒を操縦し、キャノンを避けながら地面に着地したホウオウにスペルカードを放つ。
魔理沙「《星符・ドラゴンメテオ》!」
真下に向かって極太のレーザーを放った。ホウオウは「ホウオウクラッシュ」ですかさず避け、ジェットパックを起動する。
魔理沙「なかなかやるな!」
ホウオウ「お前もな…魔理沙。」
木々の上で、高速機動戦が始まった。「ホウオウキャノン」と弾幕が連続して放たれた。二人が上空で激闘を繰り広げている。
ダチョーン「はぇ〜すごいっスね。あの箒ってあんなに早く動けるんだなぁ…(ヤムチャ視点)」
アリス「そうね。箒の機動力を活かして、火力技で一気に決着をつけるのが魔理沙の戦い方よ。弾幕はパワーってね。」
ダチョーン「弾幕はパワーっスか…」
アリス「いや、私は弾幕は頭脳だと思ってるわよ。」
ダチョーン「まじスか!なら俺は…弾幕は数っス!」
アリス「数ねぇ…それは違うかしら。」
ダチョーン「え?」
アリス「弾幕ごっこって言うのは、その弾幕の美しさも求められるのよ。だから、むやみやたらに数で押すのは良くないのよ。」
ダチョーン「難しいっスね…弾幕ごっこって。」
二人が話している間も空中では戦いが繰り広げられていた。
魔理沙「そろそろ決めるか!《恋符・マスタースパーク》!!」
さっきより一回り大きい極太ビームがホウオウに放たれた。
ホウオウ「う…なんだこれは!?」
自分を丸々飲み込めるビームに驚く。ガードしているホウオウから、金属音が連続して響き渡る。その高火力に装甲が悲鳴をあげているのだった。
ホウオウ「ずっと当たってるのはまずいな…なら!」
ホウオウはガードをやめ、ビームを真正面から受け止める。ホウオウは吹き飛ばされ、何本か木を倒しながら、数十m離れた地面に倒れる。その姿を見て、魔理沙は満面の笑みを浮かべ、八卦路をポケットにしまった。
魔理沙「よし!ホウオウに勝ったぜ!」
ダチョーン「ホウオウ様が負けた!?」
アリス「ホウオウはスペルカードが無いし、当たり前だと思ったけどね。」
ダチョーン「違う!そういう事を言っているんじゃ無いっス!」
魔理沙「え?」
ダチョーン「俺たちはジョイメカファイトのルールが組み込まれているっス…だから…」
ホウオウ「さぁ、第二ラウンドと行こうか…」
魔理沙達の後ろには、無傷のホウオウが立っていた。仮面のような頭部から、闘志に燃えた目が見える。
ダチョーン「魔理沙さん!ホウオウ様は後2回ダウンさせる必要があるっスよ!!」
魔理沙「そうなのか!?…ま、簡単に倒しても面白く無いけどな!」
魔理沙とホウオウはアリスとダチョーンから離れ、平地となった場所でお互いに睨み合った。距離は5m程。ロボットにとって、能力を最大限活かせる射程範囲だ。
魔理沙「《恋心・ダブルスパーク》!!」
魔理沙の八卦路から、二つのマスタースパークが放たれる。自分を追うように迫るダブルスパークを掠め、装甲に火花を散らしながら、ホウオウは魔理沙に近づいていく。
ダブルスパークが切れた所で、「ホウオウクラッシュ」を放つ。
魔理沙「ま…まずい!!」
箒に乗って、空中に逃げようとする。しかし、ホウオウはもう正面にいる。
ホウオウ「遅かったな。《ホウオウアッパー》」
持ちかけた箒を後ろを吹き飛ばした。八卦路を取り出そうとする魔理沙に「ホウオウキャノン」を構えた。
一瞬の沈黙が過ぎると、魔理沙は両手を上げた。
魔理沙「参ったぜ…私の負けだ。」
逃げる手段を失い、八卦路で反撃できないと悟った魔理沙は降参したのだった。ダチョーンとアリスは少し離れた所で、事の一部始終を見て、呆然としていた。
アリス「す…すごい…相手の間合いに瞬時に詰め寄って、有利な状況に翻す…弾幕は頭脳ね。」
ダチョーン「…ホウオウ様は弾幕使って無いっスよ?」
話す二人の元に、魔理沙とホウオウが歩いてきた。もう日は沈んでいる。
魔理沙「いやぁ〜惜しかったなぁ…あんなに早く間合いに入られるなんて。」
ホウオウ「その箒に乗って、遠くから攻撃していれば勝てたと思うぞ?」
魔理沙「次は負けないぜ!」
アリス「ほら、二人共…もう夜よ。」
魔理沙「そうだな、アリス。またな!」
アリス「またね。」
魔理沙「ダチョーン、帰るぜ!」
ダチョーン「分かったぞ! ホウオウ様!お元気で!!」
ホウオウ「ああ…」
魔理沙とダチョーンは箒に乗って、家に帰る。
月光りが照らす森の中、静寂が訪れた。ホウオウとアリスは月を見つめている。
アリス「そう言えば…ホウオウは、なんで人妖達と戦おうと思ったの?」
ホウオウ「…俺は、元々月にいた。」
幻想郷に辿り着くまでの事を語る。
アリス「月の民に…?」
ホウオウ「そうだ。あいつらは俺を馬鹿にした挙句、ここに飛ばしてきたんだ。まぁ、幻想郷に来た事に文句は無いけどな。」
アリス「でも…いくらなんでも危険すぎるわ。」
ホウオウ「分かっている。だけど…あいつらには一泡吹かせてやりたいんだ。」
アリス「…分かった、そろそろ私も帰るわ。」
ホウオウ「おう、元気でな。」
木々の中を戻って行くアリスの背中を見守った後、ホウオウは森から出た。人里から離れ、適当に歩いていた。
ホウオウ「なんだあれ?」
1時間程歩き、小さな山を歩いていると、庭に巨木の生えている屋敷に辿り着いた。
続く…
- Re: 東方闘機伝 14話 白玉楼での再会 ( No.14 )
- 日時: 2022/12/10 12:55
- 名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)
ホウオウは歩いていると、屋敷に辿り着く。その前に、ある天狗が立っていた。
文「あ、ホウオウさんじゃないですか!」
ホウオウ「お前…どこにでもいるな。」
文「白玉楼に来ていたんですね。」
ホウオウ「まぁな。射命丸は何しに来たんだ?(適当に歩いただけ)」
文「私は幽々子さんの記事を書こうと…」
二人が話している中、ホウオウの頭部からブザーが鳴った。
スピーカー『ホウオウ!頼まれたロボットは完成したよ!あなたのGPS装置には、他のロボットを呼べる機能もあるからね!』
機械的な音で、にとりの声が鳴った。
文「今のはなんですか?」
ホウオウ「河童の奴らに仲間を作ってもらったのさ。俺の中に他のロボットデータは全て入ってるからな。」
ホウオウが頭部の横に手を当てる。
ホウオウ「お、何か出てきたぞ。」
ホウオウの視界に画面が出てくる。色んなロボットが写っている。
ホウオウ「自由に選べるのか…なら、レジェンド!」
ホウオウが叫んだその時、空から一体のロボットが立ったまま落ちて来た。頭部の黒いスクリーンに、一線の光が灯る。
レジェンド「ん?なんだここ…ってホウオウ!?」
ホウオウ「よう、久しぶりだな。」
白い甲冑のようなロボット、レジェンドが来たのだ。
文「えぇ!?ホウオウさん!四天王ロボ以外は外の世界にいるんじゃないんですか?」
ホウオウ「そうだが、にとりが…なんとかネットワークかなんやらで、記憶の複製をしたらしい。」
文「河童達の技術力には驚かされますねぇ。」
ホウオウ「そうだな。ちなみに、データはスカポンが俺を倒した所まで記憶しているし、問題無いな。」
レジェンド「…拙者は、オリジナルの複製ですか?」
ホウオウ「オリジナルと変わり無いぞ。自信持て。」
レジェンド「わかりました!」
文「そういえば他のロボットはどうしたんですか?」
ホウオウ「にとりが基地に置いているらしい。呼べばそこからジェットパックを使って飛んでくる仕組みだ。」
レジェンド「お二人方、目の前にある屋敷は?」
ホウオウ「ちょっと待て、今、俺が記憶している幻想郷のデータを全ワルロボに送る。」
ホウオウがそう言った瞬間、小さな電子音が鳴った。
レジェンド「本当だ!ここは白玉楼前ですか…」
ホウオウ「俺の幻想郷に関する記憶は全て送った。これで説明は省けるな。」
レジェンド「そうですね。」
3人は早速、白玉楼の中に入る。庭には、妖夢とラーが木刀で修行していた。縁側にいる幽々子が、ホウオウに手を振る、
幽々子「あら、こんにちわ。」
ホウオウ「こんにちわ。」
妖夢「あ、ラー!お客さんが来たようですよ。」
ラー「客…ってホウオウ様にレジェンドじゃないか!後、新聞記者。」
レジェンド「これは四天王ロボのラー様、久しぶりですな。」
ラー「ここには四天王ロボしかいないはずじゃ…」
ホウオウ「ある河童に頼んで作ってもらった。」
妖夢「甲冑のような見た目ですね…あの…」
レジェンド「どうしましたか?妖夢殿。」
妖夢「私と一戦交えてもらえませんか!」
レジェンド「主を護るため、己の実力をつけるため…いい心がけですな。その願い、受けて立ちましょう!」
文「…なんか本当の武士みたいですね。」
ホウオウ「ワルナッチ博士はロボットの見た目に合わせたAIをつけているからな。」
ラー「おい、ここでやるのは危ない。俺様の後に続け!」
ラーは屋敷の敷地から出て、手招きする。その後をレジェンドと妖夢が追う。
屋敷にはホウオウ、文、幽々子だけが残っていた。
文「さて、幽々子さん。取材をしたいのですが…」
幽々子「ごめんね。私はプライベートを撮って欲しくないの…」
文「そ…そうですよね!」
ホウオウ「なんで弱腰なんだよ。あれの何が怖いんだ?」
文「わ〜!幽々子さんに失礼ですよ!」
ホウオウ「失礼?このぐらいいいだろ。」
文「幽々子さんは死を操る程度の能力…下手したら私も死んでしまうんですから!!」
ホウオウ「俺、ロボットだから`死`の概念がねぇんだよ。」
幽々子「まぁ、ロボットだったら通用しないけどね。」
文「そうですか…なら、ホウオウさんは今後何をするか教えてくれませんか?」
ホウオウ「俺か…」
ホウオウはワルロボを全て集める事に成功している。ホウオウは博士が失敗した事を思い出し、告げる。
ホウオウ「…俺は、最強のロボット軍団を連れて、幻想郷を征服する!!」
3人の中の雰囲気が変わった。
文「つまり…異変を起こすんですか?」
ホウオウ「その通りだ。」
幽々子「面白そうね!私も異変を起こした事が合ったわね…」
幽々子が嬉しそうに喋る。
ホウオウ「射命丸。この事は記事にするんだよな?」
文「はい、そうですが…」
ホウオウ「なら新聞に書いとけ、人妖諸君に警告する。俺は最強のロボット軍団を率いて幻想郷を征服する。抵抗する者は容赦無く叩き潰すとな!!」
続く…