二次創作小説(紙ほか)

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東方闘機伝(旧作) [ジョイメカファイト]
日時: 2023/06/16 18:39
名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)

この物語はジョイメカファイトのワルロボ四天王が幻想郷へ迷い込む話です。

かつてロボットと暮らし、栄えたある国。ロボットを作らせたら世界一の白ヒゲのリトル・イーモン、黒ヒゲのイワン・ワルナッチという二人の博士がいた。やがて、2人は新たな技術を求め、旅に出て行った。元いた国はいつしかなくなり、発達したロボット工学も人々から忘れられた。ほとんどのロボット達は自分の居場所を見つけに博士と共に旅をした。しかし、ワルロボ四天王、危険度の高いロボットだけが国に残った。忘れ去られた四天王達は自らの意思を持ち、それぞれが静かに暮らしていた。

-忘れられた四天王は幻想へと迷い込む-

※東方機海伝も見てね!(ストーリーに関係はありません)

※注意

・ジョイメカファイトのロボット全てに独自の設定が少しあります。

・ロボットは自我を持っています。

・東方キャラが度々悲惨な目に遭います。《ロボットと少女が戦ってるからね。しょうがないね(無慈悲)》

・シリアス、微グロな描写があります。

・依姫無双ならぬ、鳳凰無双。

以上です。楽しもうね!!

Re: 東方闘機伝 15話 侍と武士、太陽神の決闘 ( No.15 )
日時: 2023/02/11 16:43
名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)

白玉楼前の大階段の1番上、門をバックに戦いが始まろうとしていた。

ラー「妖夢、レジェンド。今回のルールは無い!どちらかが戦闘不能になるまで戦いは続けろ!」

レジェンド「では、妖夢殿。始めましょうか。」
妖夢「はい!」

妖夢の後ろから半霊が出てくる。

ラー「なんだそれ!?」
妖夢「私は半人半霊の種族。片方生きてて片方死んでいるんですよ。」
ラー「中途半端だなぁ…」

妖夢は腰から刀身の長い刀を取り出し、レジェンドに叫ぶ。

妖夢「魂魄家の名にかけて、本気で行かせてもらいます!妖怪が鍛えたこの楼観剣に斬れぬものなど…あんまり無い!」

ラー「切れない物あるのかよ…」

レジェンド「魂魄家か…拙者はワルロボ軍団のために戦う!超強力のアッパーでお陀仏されろ!!」

二人が一気に階段を降りながら、相手の出方を伺う。

ラー「俺様がせっかく決闘場所を選んだのに…着いて行こう。」

その後をゆっくりとラーは追うのであった。

妖夢が刀でレジェンドに斬りかかる。

レジェンド「《ヒールプレス》」

レジェンドは高速で真上に飛び、妖夢の真上から飛び蹴りを放つ。すぐさま妖夢は刀で防御する。

妖夢「う…こんな技で負けるか!」

レジェンドの足を刀で跳ね返す。レジェンドと妖夢は踊り場に着地する。

レジェンド「この技は通用しないか…なら!」

「ニーアタック」を妖夢に放つ。間合いに入った。

妖夢「《人符・現世斬》!」

妖夢は刀を振り、斬撃を飛ばす。しかし、間合いに入られたため、レジェンドには当たらなかった。

妖夢「魂符…きゃぁぁ!」

スペルカードを放とうとする妖夢をレジェンドが掴み、「ソニックソロー」を喰らわせた。勢い良く飛ばされ、妖夢は階段の1番下に落ちた。

妖夢「痛た…まだまだ!《畜趣剣・無為無策の冥罰》!」

縦に飛ばされる斬撃がレジェンドに飛んで行く。

レジェンド「飛び道具か…ならば、《ニーアタック》」

斬撃を交わしながら、下に降りて行く。近づいた所で足払いをして、妖夢の体勢を崩す。

妖夢「しまった!」
レジェンド「勝負あった!!《トルネードエナジー》」

妖夢が立つ地面の真下から、レジェンドのアッパーと共に、螺旋状の炎が舞い上がる。アッパーは刀を飛ばし、炎は妖夢を焼いて行った。

妖夢「うぐっ…まだ…まだやられる訳には…」

短刀の白楼剣を取り出して、起き上がる。

レジェンド「…これも勝負。トドメを刺してやろうぞ!」
妖夢「えぇ!?…そこまでは…」
レジェンド「覚悟ォォォ!《ニーアタック》」

飛び蹴りが迫るが、妖夢は避ける気力も無く、立ち尽くしていた。


しかし、飛び蹴りが当たることはなかった。


ラー「やめろ!!たわけぇぇぇぇぇぇ!!《ビョーン》」

ニーアタックするレジェンドを横から突進で思いっきり突き飛ばした。その光景を妖夢は呆然と眺めた。

妖夢「え…?」
レジェンド「ラー様!何を…」
ラー「誰が殺せなんて言ったァァァ!」
レジェンド「ギャァァァァァ!!」

ラーはガッシャグルグルビョーンのコンボでレジェンドを間髪入れずに攻撃する。

レジェンド「ですが…ルールは無いと…」
ラー「はぁ?俺が言ったのは戦闘不能!気絶するか降参するかで決めろアホ!《ウリャウリャ》」

レジェンドを揺さ振り、思いっきり地面に叩きつける。レジェンドは爆散した。      (ショウソ!!)

ラー「全く、甲冑見たいな見た目してるくせして防御力が脆い奴め…甲冑は飾りかよ!」
妖夢「ラーさん?」
ラー「あ、妖夢さん!こんなに怪我しちまって…他に痛い所は無いか!?」
妖夢「はい、大丈夫です。そんなに焦らなくても大丈夫ですよ…」   

-白玉楼-

文「ロボット軍団ですか…素晴らしいですね!」
ホウオウ「博士の無念を晴らすんだ。」
文「では、早速作ってきますね!」

文は高速で飛んで行った。

しばらくして、幽々子とホウオウの元に、落ち込んでいるレジェンド、手に火傷を負った妖夢、キレているラーが戻ってきた。

幽々子「妖夢!?どうしたの?」
妖夢「いや…モロに技を喰らってしまって…」
ラー「すみません!俺様が提案したばかりに…おい!レジェンドも謝れ!」
レジェンド「面目無い…つい、本気で戦ってしまって…」

その時、ラーとレジェンドの前にホウオウが一瞬で立つ。

ホウオウ「馬鹿野郎共が!!《ホウオウアッパー》」

ラー&レジェンド「うぎゃァァァ!!」

ラーとレジェンドが吹っ飛んだ。ホウオウの少し前に爆散して倒れた。

ホウオウ「俺の幻想郷征服には、無意味な攻撃は含まれない!」

ラー「無意味…?」

ホウオウ「今回の征服作戦は一つ。-博麗の巫女-と戦うことだ。」
幽々子「あら、霊夢と戦うため?」

ホウオウは、3人に説明を始める。

ホウオウ「まず、四天王ロボ以外のワルロボを一斉に幻想郷のあらゆる所に送り込み、破壊活動を始める。」
レジェンド「なら、住民の反撃は絶対ですね。」
ラー「それなら、俺様が迎え撃てますぜ。」
ホウオウ「新聞で警告はした。攻撃してきたら反撃しろ。だが、何もして来ない奴を攻撃する事は許さない。」

ホウオウはラーとレジェンドを見つめ、真剣に語った。

ホウオウ「今回はロボット同士では無く、人妖との戦いがメインになるだろう。極力、気絶させて制圧しろ。」
レジェンド「…つまり、死者を出すなと言う事ですか?」
ホウオウ「そうだ。これまでに起きた幻想郷の異変は誰一人、死亡者が出ていないらしいからな。」
幽々子「そうね。異変も首謀者の興味本位とか気まぐれだからね。」
ラー「幽々子さんは興味本意で異変を起こしたんだよなぁ…」
幽々子「あの木が満開になったらどうなるんだろってね。」

ホウオウ「俺は勝ったら本気で征服するつもりだ。」

ホウオウから電子音が鳴る。

ホウオウ「ワルロボを全て起動した。今は朝方だが、昼前には侵略が始まるだろう。」
幽々子「とうとう始まりね。」
ホウオウ「他の四天王ロボに征服の知らせを通信した。」
ラー「俺様も共犯者かぁ…」
レジェンド「幽々子殿、拙者達を懲らしめに来る巫女が来るだろうが、気にせず。」
幽々子「いいのよ。楽しくなってきたわね!」

かつて、ワルナッチ博士が目論んだロボット軍団を使った征服作戦。その無念を晴らすべく、ホウオウによる幻想郷征服作戦が始まる。

続く…

Re: 東方闘機伝 16話 ワルロボ異変の始まり ( No.16 )
日時: 2022/12/11 20:35
名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)

新聞を完成させた文は幻想郷の隅々に、ワルロボ軍団の知らせを届けた。

-人間の里-

文「号外!外の世界から来たロボット達の幻想郷征服が始まりますよ!   さて、次々!」

文は里に新聞をばら撒き、他の場所に向かう。人々は新聞を見て、不安そうにざわつき始める。里の近くまでワルロボが迫っていた。

-紅魔館-

美鈴「あれは…射命丸さん?」

門の前に文がやって来た。

文「はい!新聞どうぞ!それでは…」

文は美鈴に新聞を渡すと、山の方に飛んで行った。

美鈴「…これは!」

美鈴は新聞を片手に館の中に入り、全員を呼ぶ。

レミリア「人妖諸君に警告する。俺は最強のロボット軍団を率いて幻想郷を征服する。抵抗する者は容赦無く叩き潰す…あのホウオウとか言うロボットが異変を起こすと?」
美鈴「はい、この館にも攻めてくるでしょう。」
咲夜「あのロボットが征服?さすがの霊夢も、勝てるのかしらね…」

話していると、咲夜にガーボーグが近づいた。

咲夜「ガーボーグ?…………うぐっ!」
ガーボーグ「…すみません。咲夜さん。」

ガーボーグが鉄球で咲夜の腹部を叩いたのだ。気を失った咲夜を背負う。

レミリア「ガーボーグ!?」
ガーボーグ「ホウオウ様から命令が入りました。私の任務はこの館の制圧に変更されました。許してください…レミリア様。」

ガーボーグが話すと同時に、2体のロボットが窓を破って入って来る。咲夜を抱える。ガーボーグの前に立った。

ガーボーグ「こうでもしないと、戦う気にはならないでしょう。」
レミリア「…久しぶりに暴れられるわね。」

レミリアは紫色に光る槍を片手に浮く。

美鈴「私も援護します!」

大広間でロボットと紅魔館メンバーの戦いが始まる。

-妖怪の山-

はたて「文!一体これはどういうことよ!」

新聞を見て、文に叫ぶ。

文「言葉通りですよ。この山にもロボットが攻めて来るんですよ。さて、他の所にも配らないとね。
はたて「久々の異変だし、私も手伝うわ!」

山の中腹を飛ぶ二人には、山に飛んでくるロボット達が見えた。

-守矢神社-

早苗「神奈子様、諏訪子様!これを…」
神奈子「あのホウオウが異変を?」
諏訪子「ま、迎え撃つまでよ。」

神社の前には、何体かのワルロボが来ていた。

-永遠亭-

輝夜「あら、妹紅。永遠亭に来るなんて珍しいわね。どうしたの?」
妹紅「新聞は見たろ?」
輝夜「あれね!ホウオウが征服するって。」
妹紅「あいつの仲間と戦ってみたくてな、ワルロボは幻想郷の至る所に来るらしいぞ。」
輝夜「あなた以外と戦うなんて久しぶりよ。」

竹林は既にロボット達が包囲していた。

-博麗神社-

魔理沙「霊夢!」

新聞を片手に魔理沙が箒に乗ってやって来た。

霊夢「どうしたのよ。そんなに慌てて…」
魔理沙「見ろ!あのロボット達が異変を起こすらしいぜ!」
霊夢「面倒臭いわね…私と解決しに行こうってわけ?」
魔理沙「もちろんだぜ!」
霊夢「…いいわ。このまま黙って征服されたくないしね、行くわよ。魔理沙。」

霊夢と魔理沙は空に飛び、ホウオウを探しに行く。ホウオウの目論見は成功したのだった。

-白玉楼-

文「ホウオウさん!」

文が白玉楼に戻って来た。

文「新聞は配りましたよ!霊夢さんも異変解決に乗り出すでしょう。」
ホウオウ「ありがとう…うまくいったな。」
ラー「でも…ホウオウ様。ここは?」
ホウオウ「白玉楼の制圧は無しだ。戦う気も無いしな。」
幽々子「ホウオウ。ここにいない方がいいんじゃないの?」
ホウオウ「そうだな。他のワルロボが全滅したら、俺が戦いに行く。それまで、俺は逃げておこう。ラー!来てくれ!」
ラー「あ、はい!幽々子さん。少し行って来ますね!!」

ジェットパックを使い。上空に飛び立つ。

幽々子「霊夢は感がいいからね。ワルロボもみんな戦うことになるでしょう。」

-幻想郷の上空-

幻想郷の真ん中に位置する空を飛ぶ。すると、目の前にスキマが現れた。

紫「久しぶりね、ホウオウ。異変を起こすなら、私も協力するわ。」
ラー「幻想郷の管理者がそれでいいのかよ…」
ホウオウ「ありがとう。早速だが、人里周辺の上空に城を作れるか?」
紫「城?」
ホウオウ「そうだ、外の世界にあるワルナッチ城をそのまま持って来てくれないか?」
紫「できるわよ。ほら。」

ホウオウの後ろに巨大なスキマができる。中からはワルナッチ城が出て来た。幻想郷の真ん中にワルナッチ城が天空にそびえ立つ。

ラー「おぉ!!懐かしいな!」
ホウオウ「あの頃と変わらないな…お、塔も建っているのか。」

雲の上に浮かぶワルナッチ城。その下に城に繋がる砂漠の塔があった。塔の周りにあった草原は、砂漠に変わる。

ホウオウ「ワルロボ四天王を集めるか…って、八雲はもういないか。」

紫はスキマにもう戻っていた。

ラー「ん?なんか来ましたぞ?」

ジェットパックを使い、ダチョーンが飛んで来た。

ダチョーン「通信受けて駆けつけたっス!」
ホウオウ「よし、ダチョーン!人里を制圧するワルロボ達の指揮を取れ。ラーもその後を追うんだ。」

ホウオウの指示を聞くと、ダチョーンとラーは人里に向かった。

ホウオウ「さて、ガーボーグに塔に来るよう呼ぶか、城にも警備ロボット達を…」

ホウオウは城に入り、侵入者を迎え撃つ準備をした。

-博麗神社上空-

霊夢と魔理沙が飛んですぐ、スキマから紫が出てきた。

霊夢「紫?どうしたの?」
紫「異変の首謀者はわかってるでしょ?」
霊夢「多分ホウオウね。」
紫「その通りよ。人里の上空の城にホウオウはいるわ。がんばってね♪」

スキマはすぐに閉じた。

魔理沙「なぁ…霊夢。」
霊夢「何?」
魔理沙「一回ホウオウと戦ったんだが、絶対に近づかせるなよ。ホウオウが間合いに入ったら勝ち目は無い。」
霊夢「大丈夫よ!あんたも自信持ちなさい?」
魔理沙「本当に強いんだぜ!」
霊夢「とりあえず、そこら中で暴れてるロボット達を倒さないとね。」

こうして、霊夢とワルロボ軍団の壮絶は戦いが幕を開けたのだった。

Re: 東方闘機伝 17話 吸血鬼と鋼鉄の刺客 ( No.17 )
日時: 2022/12/13 16:47
名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)

-紅魔館-

レミリア「ガーボーグ!咲夜を離しなさい!」

広間で、ガーボーグとレミリアが睨み合った。ガーボーグにはワイとハンゾーが横に、レミリアには美鈴が横にいた。メイド妖精たちは全員逃げてしまった。

ガーボーグ「…もうこれはいらないな」

頭部からディスクを取り出し、放り投げる。ガーボーグの中にあるレミリアへの忠誠心は良心回路と共に消えた。ガーボーグの目から艶が消え、かつて塔を守った時のように、戦闘態勢を取る。

ガーボーグ「…ガガッ…貴様らのような邪魔者は徹底的に潰さねばならない。」
レミリア「へぇ、私を殺せるとでも?」
ガーボーグ「その姿でも、何百年も生きている化け物には変わりない。化けの皮を被った怪物め。」
レミリア「確かに私は500年は生きてるわ。」
ワイ「あぁ…そうか。眠いなオイ。さっさと倒すぞ…ハンゾー。」
ハンゾー「うむ、拙者もあの吸血鬼の話には飽きてきた。さぁ、ガーボーグ様。」

ガーボーグは咲夜を担ぎ、高速で逃げ出す。あまりの速さに、レミリアが狼狽える。

レミリア「卑怯な奴ね!」

レミリアは紫色の槍-グングニル-をガーボーグに投げ飛ばす。しかし、槍は弾かれ、ガーボーグに逃げられてしまった。

ワイ「ガーボーグ様の邪魔だけはさせないぜぇ?」

眠たそうな一つ目ロボット、ワイは胴体から二つの鍵爪のようなパーツを出して攻撃する。レミリアは飛んで、軽々と避ける。

レミリア「そんな不意撃ちが効くとでも思ったの?」
ワイ「何言ってんだ…ただの罠さ。」
ハンゾー「隙あり。《カスミオトシ》」

レミリアは背中をハンゾーの鍵爪で掴まれ、思いっきり地面に叩きつけられた。

美鈴「レミリア嬢様!…よくも!」

飛び蹴りを空中からハンゾーに向かって放つ。

ワイ「甘いなぁ…眠気が酷いぜ。《バルカンクロー》」

ワイの背中から二つの爪のようなパーツが交互に放たれる。美鈴は連続して腹部を刺され、落ちる。

美鈴「ぐっ…これくらい!」

弾幕を放とうとするが、もう遅かった。

ハンゾー「勝負あり。《ダブルスラッシュ》」

鋼鉄で出来た鍵爪は美鈴の腹部を貫いた。

美鈴「…っ!!がはっ…」

短時間に連続して被弾したからか、美鈴は倒れ込んでしまった。

ワイ「妖怪だしな…これくらいでいいだろう。」
ハンゾー「…すまぬ、美鈴殿。恨んでくれても結構。」

美鈴「…待て…」

力を振り絞って喋る。

ハンゾー「ん?まだ動けるか…」
ワイ「ほっとけ、逃げるぞ。」

2体のロボットは紅魔館から立ち去った。

レミリアは幸い、怪我していなかった。強く打ち付けられたが、ハンゾーは手加減していた。

しばらくして、地下から階段を駆けて広間に一人の吸血鬼がやって来た。
レミリアの妹、フランドール・スカーレットは広間の光景を見て、呆然とするのであった。

続く…

Re: 東方闘機伝 18話 里を襲う部下と`先生` ( No.18 )
日時: 2022/12/18 21:55
名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)

-鋼鉄の砂漠-

幻想郷の真ん中にある人間の里、里から見て北の方向に、天空にそびえる城が出来た。雲海の真下には砂漠が広がっていた。紫がホウオウの頼みで外の世界から持ってきた土地だ。砂漠の真ん中にある`塔`の目の前に、ワイとハンゾー、そして、咲夜を抱えたガーボーグが戻って来た。

ガーボーグ「咲夜さんは城に運べ。」
ハンゾー「御意。行くぞ、ワイ。」
ワイ「はいよ。」

ハンゾーとワイが塔を登って行った。ガーボーグは塔の前に立ち、門番を始めていた…

-人間の里-

里では、ザコとボコボコが暴れていた。2体のロボットを前に、人達が逃げ惑う。

ザコ「おらぁ!俺たちはワルロボ軍団の尖兵だ!《タメパンチ》」

ザコは青白く光る拳を地面に叩き付ける。里の真ん中で砂埃が舞った。もちろん、抵抗しない人間を傷つけるわけでは無く、ただの脅しであった。その時、寺子屋から、上白沢慧音が騒動に駆けつけた。

慧音「なんだあいつらは!?」
ザコ「む、里の人間か…」
慧音「人じゃぁない、人妖の上白沢慧音だ。」
ザコ「慧音か…反抗する気が無いなら失せろ!抵抗しなければ攻撃しない!」
慧音「多くの人間が怯えているんだ!黙って見てられないわ!」
ボコボコ「お!戦う気か?ならボコしてやるぜぇ〜!!《ハリケーンボコボコ》」

ボコボコは逆さまになって、慧音に突進攻撃を仕掛ける。

慧音「当たるか!《産霊・ファーストピラミッド》!」

ジャンプでボコボコの突進を交わし、目の前にいるザコに向けて弾幕を放つ。

ザコ「うぉぉぉぉ!?」

弾幕をガードするザコから連続して金属音が鳴る

ザコ「今、攻撃したな?これなら本気で戦える!《シンクウタメキック》」

慧音が空中から地面に戻る所を狙ってキックを放つ。蹴りは慧音の腹部に直撃し、吹っ飛ばした。

慧音「こっちも本気で行かせてもら…ってうわぁ!」

慧音が吹っ飛んだ場所にはボコボコがいた。

ボコボコ「あ〜らよっとぉぉぉ!《ボコボコナゲ》」

ボコボコは慧音を掴み、後ろに軽々と放り投げた。しかし、尻もちをつく程度で、ダメージは一切無かった。

慧音「両方とも、技の火力が低くないか?」
ザコ「う、うるせー!これでも真面目にやってんだからな!」
慧音「まぁいい、さっさと蹴りをつけてやる!《野符・武烈クライシス》!」

さっきよりも激しい弾幕がボコボコとザコに襲い掛かる。

ボコボコ&ザコ「ギャァァァァァァァ!!」

ガードは意味無く崩れ、2体のロボットは爆散した。

慧音「…いや、弱くない?」

ザコ「くっそー!」

体を直したザコは突如、後ろを振り向いて叫んだ。

ザコ「先生!やっちゃってください!!」
慧音「先生?」

すると、奥の方からもう一体のロボットが歩いて来た。それは、他のロボットより一回り小さく、両手に鉄球を吊り下げる紫色のロボットだった。

ジボル「…負けてしまったようだなぁ。」

半開きの目を擦るそのロボットの名はジボル。かつて、イーロボ達が始めて苦戦したワルロボだった。小柄な見た目に対して、圧倒的なリーチを持つ攻撃、投げの間合いから、ワルロボ達の間で先生と呼ばれるロボットだ。

ザコ「アイツ強いんですよ!俺達じゃかなわなくて…」
ジボル「大丈夫だ。私が敵を取ろう。」
ボコボコ「流石センセーや!」
慧音「お前が首謀者か?」
ジボル「違うな、私らは里の襲撃隊の尖兵だ。」
慧音「なるほど…倒す事に変わりは無いな!」

弾幕を飛ばしながら、ジボルに飛び蹴りを放つ。しかし、蹴りは空中で急に止まった。

ジボル「小さいからと、舐めてかかると痛い目見るぞ。《ジボルナゲ》」

蹴りを受け流すようにして、慧音を投げる。慧音は背中から地面に叩きつけられた。

慧音「う…痛た…」

慧音は体勢を立て直し、空中に飛ぶ。遠距離からの弾幕攻撃を図っていた。

慧音「上に行けば攻撃は届かないはず…!」

空に飛んで行く慧音を見ながら、ジボルはため息を吐く。

ジボル「間合い管理が甘い。《スクリューパンチ》」

回転しながら、両腕の鉄球が慧音に一直線に飛んだ。鉄球は慧音の背中を直撃する。

慧音「…ッ!!」

ミシミシ…と背中から音がする。背骨が傷ついたのだろう。慧音は真下に落ちて行く。

ジボル「試合は終わりだ。《アームバルカン》」

上下に鉄球を交互に放ち、落ちてくる慧音を迎撃する。しかし、慧音は、ジボルを強く睨むと同時に、アームバルカンを手で叩き落とす。

ザコ「アームバルカンが!?」
慧音「人妖を舐めるなぁ!《ラストワード・日出づる国の天子》!!」

大量のビームと弾幕が交互に放たれた。ジボルの体はビームに何回も直撃し、ザコとボコボコも一緒に弾幕を浴びた。

ジボル「ギャァァァ!…参ったぁ!」
ザコ&ボコボコ「なんで俺達も!?」

三体のロボットは爆散して、城の方向に逃げた。里に平穏が戻った…

慧音「あれが今回の異変か…なんだ!?」

慧音の後ろから妹紅が走って来た。

妹紅「新聞で見たんだ。里にもワルロボが来ると思ってな。」
慧音「ワルロボ?」
妹紅「アイツらはロボットなんだ。リーダーはホウオウって言うロボットだ。」
慧音「なんでそこまで知ってるの?」
妹紅「それは、何日か前にホウオウと戦ったからさ。」
慧音「ホウオウと…?」
妹紅「ああ、物凄く強いんだ。今回の異変はホウオウが霊夢と戦うために、仲間を幻想郷中に放っているんだ。」
慧音「霊夢を誘き寄せる陽動作戦なのね。」
妹紅「ああ、あのロボ達は、ホウオウを中心にした四天王ロボもいるらしいぞ。」
慧音「四天王ロボ…じゃぁ、あれが四天王ロボなのか。」
妹紅「ああ、そうだ…って、本当に居た!?」

二人の後ろには2体のロボットが立っていた。

ラー「ジボル達はやられたようだな。」
ダチョーン「あの二人がやったようだな!!」
妹紅「お前らがホウオウと同じ四天王ロボか?」
ラー「その通りだ。」

ダチョーン「俺はワルロボ四天王その1・ダチョーン!」
ラー「俺様はワルロボ四天王その2・ラー!」

妹紅「へぇ〜、その1と2か。」
慧音「妹紅と共闘なんて初めてだな。」
妹紅「ああ、勝とうぜ!」

里の真ん中で二人の女性とロボットの対決が始まる。

続く…

Re: 東方闘機伝 19話 ロボット同士のフュージョン! ( No.19 )
日時: 2022/12/23 22:03
名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)

博麗神社から飛び出した霊夢と魔理沙はホウオウを見つけに、まずは人間の里に向かう。

霊夢「あんたとこうやって異変を解決するのは久しぶりね。」
魔理沙「そうだな…あっ!霊夢!あれ見ろよ!」

空を飛ぶ二人の前に、一体のロボがジェットパックで真下から飛んで来た。

霊夢「ワルロボのようね…」
ジオ「その通りだ、俺はジオ。お前ら二人の捕縛をホウオウ様から任命されて来た。」
魔理沙「捕縛?ホウオウ直々に来てくれればいいのに。」
霊夢「戦いたく無いわよ。めんどくさいし…」
ジオ「俺は興味と命令の両方を思って来た。俺に負けるくらいじゃホウオウ様の相手にはならないからな。」
魔理沙「お手並拝見しに来たわけか…」
ジオ「そうだ。弾幕ごっことか言う奴で戦うンだろ?さぁ来い!!」

霊夢「しょうがないわね。邪魔するなら倒すまでよ。」
魔理沙「じゃ、私は見てるからな。」

霊夢とジオが睨み合う。

ジオ「俺のエネルギーボールで木っ端微塵にしてやるぜ!!《ジオウェーブ》」

頭部の後ろにある二つのエネルギーボールをアームで圧縮し、一つの巨大なエネルギーボールを霊夢に向けて放った。エネルギーボールは弾足が遅く、霊夢に少し動かれただけで避けられた。

霊夢「そんなのじゃ当たらないわ。こうやるのよ!」

封魔針、お札をジオに向けて大量に放つ。その瞬間、ジェットパックの出力を上げ、ジオはさらに上へと飛んだ。

ジオ「そんな事分かってんだよ!《ジェットストリーム》」

重力に逆らうように逆弧を描くような軌道で突進する。霊夢に下から高速でパンチを放つ。

霊夢「やるじゃない。」

接近するジオのパンチを軽々と避ける。

ジオ「まだあるぞ!《ジオクラッシュ》」

直立するジオは二つのエネルギーボールを使って連続攻撃を行う。霊夢は射程範囲に入っていた。お赦い棒を使って、なんとか防御する。

霊夢「危ないわね…そろそろ決着をつけましょう。《夢符・封魔陣》!」

霊夢の周りから出てきた巨大な弾がジオの多方向から放たれた。

ジオ「ギャーーー!」

弾を避けられず、一気に弾幕を浴びたジオは爆散しながら落ちて行った。

ジオ「クソォ!覚えてろよ!」

パーツを組み直し、人里の方へ逃げて行った。

魔理沙「あいつ人里の方に逃げたぞ!」
霊夢「早く追いましょう。もしかしたらワルロボが里を襲っているのかも!」

二人は人里に高速で飛んで行く。

-人間の里-

ボコボコ「やばいなぁ…ザコはもう逃げちまった。」

ボコボコはパーツがバラバラのままで里のすぐ近くで倒れていた。パーツを自力で直したザコはもう逃げてしまっている。だが、そこに新たなロボが駆けつけていたのだ。

ジオ「あの赤服野郎(霊夢)!今度は負けない…ってボコボコ!どうした?」

霊夢から逃げたジオはバラバラになったボコボコを見つけた。

ボコボコ「ジオ!パーツを直してくれぇ!」
ジオ「大丈夫かよ…それなら!俺達のパーツを合体させた方がいいんじゃないか?」
ボコボコ「え?」
ジオ「俺はさっき巫女にやられてよ…頭部の損傷とかが激しいんだ。だからお前の部品と接合して一体のロボになろうぜ!」
ボコボコ「合体か!強くなれるかもなぁ…よし!ジオ!」
ジオ「準備は万端だ!」

合体!!

ジオとボコボコは互いの壊れていないパーツだけを取り付け、2体で一体のロボットへと生まれ変わった。装甲の青い染みは紫色に染まった。ジオの胴体、ボコボコの頭部と手足が接合されたロボットとなった。

ジオーン「俺らはジオーン!俺達の恨みを存分に味わえ!」

意気揚々とジオとボコボコが…いや、ジオーンは人里へと戻って行った。

続く…


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