社会問題小説・評論板

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カケラ
日時: 2011/09/02 17:03
名前: 海月 (ID: 5obRN13V)

どうもこんにちは、海月と言います。

この話が、名前を変えてから初投稿です。

海月は学生のため更新が非常に遅いです。



登場人物&プロローグ>>1
第1章・>>2>>5>>8>>13>>14
第2章・>>15>>16>>17>>18>>23>>24

Re: カケラ ( No.15 )
日時: 2011/08/29 17:26
名前: 海月 (ID: 5obRN13V)

—隠し事編—




あの日から3カ月がたった。

愛美はクラスのみんなとも馴染んでいった。

やはり一番愛美のそばにいたのは、環、亜子、俊介、穣、皓我の4人だった。




そんなある日の休み時間。






「安藤環ちゃんいるー?」

環の名前が廊下のほうから呼ばれる。聞き覚えのない声だった。

愛美が廊下をみると3人の女子生徒が環を探しているようだった。

上履きの色が違うことから2年か3年の先輩ということが分かる。

「……あ、はい。私…ですけど」

環が先輩のもとへ近づく。


「ちょーっと来てくれるかなー?環ちゃん♪」


何、アレ…。呼び出しって、本当にあったんだ…。

愛美は環のことが心配になり、亜子たちのほうを向く。

正義感の強い亜子なら環のことを助けに行くと思ったからだ。

だが、亜子は俯いていた。

「…亜子……?」

亜子の様子がいつもと違う風に感じられた。

亜子だけではない。穣も、皓我もだ。俊介はいたって冷静に本を読んでいる。

「え、あぁ…何、愛美?」

はっとして愛美に笑いかける亜子。

その笑顔が偽りだということに愛美は気がつかない…。

「いや…その…環、大丈夫かなって…」

「環?あぁ、あの先輩なら大丈夫。中学の時も仲良かった先輩だし。ねっ?」

ねっ?と穣たちに話しかける亜子。

「おう。戸田先輩が毎日のように教室に来てなー」

「そうそう。すごかったな…」

穣と皓我はそう話しているが…。

愛美には、何かを隠しているとしか思えなかった。

それに、先輩と環のあの態度…。とても仲がいいとは思えなかった。

疑問を残し、休み時間は過ぎて行った———

Re: カケラ ( No.16 )
日時: 2011/08/29 17:26
名前: 海月 (ID: 5obRN13V)


環が連れてこられたのは教室に最も近いところにある女子トイレ。

ベタだな、と思いつつ先輩の後についていく環。

「ねぇ、私の顔覚えてる?」

トイレに入ってすぐに2年の名前も知らない先輩3名が環の顔を覗き込む。

真ん中の化粧の濃い人がどうやらリーダーらしい。

「…知りませんけど」

しれっと言う環に先輩はますます怒った。

「はぁ!?中学ン時、あんたに虐められたんだよ!」

「そうそう。まさか高校同じだとは…。今度はこっちがアンタを虐めてやるよ!」

くすくす笑いながら先輩3名は環を残し、トイレから出て行った。

「……笑わせないで」

そう呟いた環は愛美の前では見せたことの無いような歪んだ顔をしていた…。





環がトイレから戻ってくると、真っ先に声をかけたのは愛美だった。

「環、大丈夫だった!?」

愛美は環への不安と亜子たちへの不信感で気が狂いそうだった。

「え、あぁ、うん。普通に」

環は愛美を安心させるように微笑む。だが、環にとってそれは環に対す
る不信感へと変わるものだった。

「……そっか」

「?」

環は愛美の態度が気になったが、深く追及するつもりはなかった。

「愛美嬢?そんな顔してたら俺様心配しちゃう」

穣が愛美の顔をのぞきつつ、こんなことをいう。こんな言い方でしか励
ませられないが、これは彼なりの励まし方だ。

「…穣…うん…」

やはり、愛美には元気がなかった。そんなこと眼中に入れていない人物が2人。

1人は亜子。さっきからしきりに携帯電話を弄っている。2人目は俊介。いつものごとく読書をしている。

ちなみに今日読んでいるのは『人間失格』。



ぎくしゃくしたまま休み時間は終わり、授業開始を知らせるチャイムが鳴った。

Re: カケラ ( No.17 )
日時: 2011/08/29 17:27
名前: 海月 (ID: 5obRN13V)

—亜子視点—

あの先輩は…私たちが中学の時に成敗した…。

多分、皆も気づいてる…。俊介も、先輩の声を聞いた時微妙に反応していた。

同じ高校だったとは…気がつかなかった。

多分今頃環相手に啖呵切ってるんだろうなぁ…。もしも先輩たちが環を苛めるようなことをすればこっちは倍以上で返してあげるけどね。



…しかし、愛美があんなに環が連れて行かれたことで落ち込むとは思わなかった。

呼び出しなんて、中学の時何回もされて慣れたから私たちは何とも思わなかったんだけど…。

それだけ環が愛されている、っていう事なのかな。

…それにしても。あの心配の仕方は前にも見たことがある。前に何度か、中学生の時に。

未来…。アンタはもう私たちの横には居ないのにね。愛美が未来に見えて仕方ないんだ。

未来…本当のことを教えて…。


私はカーディガンのポケットの中に入っている携帯電話を取り出す。そしてフォルダに入っている、中学の入学式の時に皆で撮った写真を探す。

この写真を見ていると何故か落ち着く。それは私と、環に挟まれてピースをしている、榊 未来の存在が大きいんだと思う。




でも。


未来は、もう戻ってこない。


未来は苛められて、引っ越した。




未来が苛められたのは中学校2年生の時。未来だけクラスが離れていた。

環と皓我が1組で、私が2組。穣と俊介が3組で、亜子だけが5組だった。亜子はあのギャル…春菜ちゃんと同じクラスだった。

亜子は、クラスメイトとは仲がいい感じだったけど私たちに見せるような笑顔では無かった。

私も適当に友達作って、それなりに楽しくやってた時期だった。

亜子はいろいろなグループを転々としていて、いつも亜子と一緒にいる子が違かった。

これは亜子が亡くなった後に聞いた話だが、亜子はこの事が原因で苛められていた。

どこのグループに定まる、なんて亜子には決められなくて。

そんな些細な出来事で亜子は苛められるようになった。

亜子は上手く隠していて私たちは全然気がつかなかった。あの時気が付いていたら、と今になって後悔しているのは皆同じだと思う。

私たちを上手く騙した亜子でも両親にはバレてしまい、引っ越すことになってしまったのだ。

その後、連絡を取ろうとしても、携帯電話を解約していて電話番号やメールアドレスが分からないままだった。


そして、その日から私たちは変わった。

学校中の『悪』を成敗し、いつしか学校内最強といわれるほどになっていた。

…と、ここでチャイムが鳴り、授業は終了した。

あ、やば…。ノート何にも書いてないや…。

まぁいっか、皓我のやつ写せば。


To Be Continued…


おまけ
亜子→亜
皓我→皓
俊介→俊 


亜「皓我ーノート写させてー」

皓「お前ノート取ってなかったのかよ!」

亜「うん。考え事してたら授業終わってた」

皓「馬鹿じゃねぇの?」

亜「ほらほら。ノート貸して貸して」

皓「……俺も、ノート取ってねぇんだよ」

亜「…はぁ!?アンタ授業中何してたの!?」

皓「あぁ?授業中に考え事してたお前に言われたくねーよ!」

亜「は?こっちは深刻な問題なんだよ!」

俊「…はぁ。二人とも五月蝿い。皓我は落ち着け。んで、亜子は俺のノート貸してやるから」

亜「マジで!?ありがとー!!」

Re: カケラ ( No.18 )
日時: 2011/08/29 11:20
名前: 海月 (ID: 5obRN13V)

—穣視点—

今、俺様たちは下校してる途中なんだけど…。

なんか、環が元気ない?愛美も元気ないし…。でも、気づいてるはずなのに亜子も俊介も皓我も何も言わないし。俺様どうしよう。

んー…愛美が元気ない原因は分かってるんだけどな。環は原因が分かんないな。

環が先輩に呼び出されたぐらいで落ち込むわけないし。っていうか中学の時は俺様たちの方が先輩呼び出してたくらいだし。

『学校内最強』っていう呼び名は伊達じゃねぇ、ってことだな。

………環、もしかして……………

まぁ俺様たちのやり方は『苛められたら徹底的に苛めかえす』だもんな。

これを決めたのは環だし。…もしかしてあの先輩に啖呵でも切られたか?

あの先輩もつくづく馬鹿だよねぇ。過去の失敗をまた繰り返すなんてさ。

「…穣。なんか顔ニヤけてる」

おおっと…。俺様ニヤけてた?ホント、俊介にはかなわないなぁ…。読書してるようで、皆のこと見てるんだもん。

「あははー俺様そんなに分かりやすかった?」

そう聞くと俊介は、

「お前の考えてる事なんぞ、顔を見ればすぐに分かる。………啖呵切られたんだろうな、環」

……俺様ビックリしちゃったよ。そんなに顔に出てる…っていうかただ単にそれは俊介が凄いからだよね?

俺様悪くないよね?

それにしても環とか愛美の居る前で「啖呵切られたんだろうな、環」って言っちゃうって…。

俊介ったらだいたーん。

「…変なこと考えるな」

と、バシッって音が頭の方からした。え、何?つーか痛い!え、え、あ、本か。本の角で殴られたのか。…って!

「本で叩いちゃ駄目でしょーが!俺様これでも図書委員なんだよ!」

「はっ、貴様の言う事など…」

き、貴様!?なんか俊介キャラ変わってきてるけど!?

いや、俺様も初期に比べればだいぶキャラ変わってきた—って!そんなことじゃなくて!

「あははは!何、俊介『貴様』って!じゃあ自分の事は『我』?あははははは!」

亜子サン大爆笑中。亜子…そんなに笑える?あぁ…でも、俊介が自分の事を「我」…。

「ぷっ、あははははは!我は無いわ我は!!」

結局俺様も大笑い。それにつられたように環も、愛美も、皓我も笑ってるし。

「…はーっ。すっきりしたっ!」

亜子サンは大爆笑してすっきりしたご様子。まぁ最近大爆笑とかしてないからね!



…話してる間にいつの間にか俺様たちの家の近くまで来ていた。

「あ。んじゃ、また明日」

と、愛美が家の方へ向かう。

「じゃぁね、愛美嬢!良い夢を」

って俺様が言うと、

「うん、穣君も良い夢を」

ってニッコリ笑って返してくれた。やっぱり優しいな、愛美は。

「はー…あんたも相変わらず…」

って亜子が呆れてるけど…これは俺様が認めていない子にしかやらないんだよ?

証拠に亜子とか環にはやったこと、ないでしょ?




…この5人の中で。



一番愛美を快く思っていないのは、



多分俺様だ。





To Be Continued…

Re: カケラ ( No.19 )
日時: 2011/08/29 16:13
名前: 闇のうさぎ♪ (ID: fTKQzVMj)

はじめまして!とっても面白い小説ですね!実は前からみてたんですけどww
どうぞよろしくおねがいします♪
更新がんばってください!


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