社会問題小説・評論板

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私が存在する理由
日時: 2011/12/31 16:40
名前: 不登校少女I. (ID: b1TZiT7s)

初めまして。
不登校少女Iと申します。
省略してもらっていいですよ。

いきなりなんですけどお礼を…。

「私が存在する理由」を
開いて下さりありがとうございます。
良ければこれから下に続く話にも
目を通して下されば嬉しいです。

,
-
他人の不幸を、笑って喜んでいる人々に
幸せは訪れるのですか。

どうして人の不幸を笑ったり
できるのですか—?

私には理解できないのです。
人の不幸を願う人々の気持ちが。
そして理解しようとしていないのです。
人の不幸を笑う人々の気持ちを。

なぜ、そこまで人を追い詰める事ができるのですか。
平気で、ヘラヘラ笑いながら。
そこまで人が嫌いですか。
そんなに人が気に入らないですか。

自分を大切にして自分じゃない誰かのことも
—大切にしようと思わないのですか。
,

*目次*

PROLOGUE↓
>>2 ...
—————
*「姉妹」>>9 >>10 >>13 >>14
*番外編「姉妹」>>18
*「自分」>>21 >>24 >>28 >>29 >>33
*「親友」>>36 >>41 >>52 >>58 >>







Re: 私が存在する理由 ( No.9 )
日時: 2011/12/10 14:21
名前: 不登校少女I. (ID: b1TZiT7s)


,


例え何であっても、
人は人を傷つけてはならないのです。
そして、思いやる気持ちを持つことを忘れない事も
また、大切なことなのです。

それが今の人々にないものであったとして、
人がどう変わって行くのか。

これは、1人の"少女"が経験した、
—儚い姉妹の物語。



「お姉ちゃん。おかえりー」
「あ、葉月、ただいま」
また…笑ってない。
家のドアを開けるまで、お姉ちゃんは…
絶対に笑ってなかった。

「ん?どうしたの?葉月」
「あ、ううん…別に…」
「そっか…」
呟くように言うと、お姉ちゃんは私に笑顔を向け、
自室に入って行った。

「お姉ちゃん……」
私は薄々気づいていた。
お姉ちゃんが学校でいじめに遭っていることを。
確信している訳ではない。
が、この状況を見ていればなんとなくそんな気がするのだ。

この前、お姉ちゃんが大切にしていたシャーペンが
無くなったと焦って探していたとき、私は友達と外で遊んでいた。
そのとき、公園のごみ箱にお姉ちゃんの持っている
シャーペンを見つけたことがあった。
だけど、お姉ちゃんのシャーペンじゃないかもしれない。
そこまで気にする事もなく、私はあの日を終えた。

そしてまたある日、お姉ちゃんはズブ濡れになって帰って来た。
「トイレ掃除で扱けて水をかぶった」とか
何とか言って笑っていたけど、私は何となく気づいていた。
「水を"かぶった"」訳ではなく、
「水を"かぶせられた"」のではないか。と。
私は、その日を境にお姉ちゃんの顔色を確認するようになった。

時々、泥まみれになって帰って来たり、
カバンに付けていたお気に入りのぬいぐるみの右手がもげてたり、
それでもお姉ちゃんは、「泥団子投げをやって馬鹿した」、
「こけて右手が取れた」っていつも笑ってた。
が、お姉ちゃんの発言とその物の状況からすると、
いつも矛盾している。

それから、少し経ったある日。
私は少し気になってお姉ちゃんの部屋に入った。
その日はお姉ちゃんが出かけていたため、私には好都合であった。
そして、机の中・タンス・カバンと色々調べて、最後にブレザーに
手をかけたとき、ポケットの中に紙が入っていた。
その紙を開くと「しね」の二文字が赤いペンで書きとめられている。
赤い文字は何かで濡れて、少しにじんでいた。
そして私は確信した。

お姉ちゃんは、
—いじめに遭っているということを。


Next...

Re: 私が存在する理由 ( No.10 )
日時: 2011/12/10 14:56
名前: 不登校少女I. (ID: b1TZiT7s)



,


その時、部屋のドアが開き、お姉ちゃんがビックリした様子で私を見た。
「…何してるの?」
「いや…えっと…その、マンガ…借りたくて…」
咄嗟に出たものが、床に散らばっているマンガだった。
「そうなの。じゃあ、貸してあげるから」
ほほ笑むお姉ちゃんの顔には、どこか疲れた顔が混じっていた。

私は、静かに自分の部屋に戻ってベッドに寝ころび考えた。
お姉ちゃんがいじめれているという証拠は日常にあり過ぎていた。
制服の泥に、公園のごみ箱のシャーペン。
カバンのぬいぐるみ、ズブ濡れになって帰って来たお姉ちゃん自身。
そして「しね」と書かれた紙。
その他もろもろ。私はいっぱい見てきた。
お姉ちゃんは私に隠しているのだろうか。

その時、枕そばにあった携帯がブーブーとバイブ音を立てて鳴った。
「誰だろ…」
時刻は6時を過ぎていた。
友達にしては遅すぎる。じゃあ誰?
ディスプレイを見ると、白く光る電子の文字で堅く"お姉ちゃん"と書いてあった。
「何でお姉ちゃん…?」
不思議に思いながらもメールを開く。
するとそこには、

12月10日 18:32
—————————
From/お姉ちゃん
Sd/ありがとう
—————————

恐る恐る下へやっていくと、
本文に

—————————
バイバイ

  −END−

と、一行だけ、カタカナ4文字が並べられていた。
「…どういうこと…?」
理解できずに、その日の夜を迎えた。

お姉ちゃんは、静かに食事を済まし一連の流れのようにお風呂に入った。
そして、
「葉月ー」
と私を呼ぶ声が聞こえた。
「一緒にお風呂はいろうよ?」
思わず「え?」と聞き返してしまった。
だってあまりにもビックリして。
いつもは一人で静かに入るお姉ちゃんが私を呼ぶなんて。

「別にいいよ」
とりあえず承諾し、私もお風呂に入った。
湯船につかり、お姉ちゃんと向き合う形で座る。
「……」
「……」
微妙な空気が流れる。そして2分ほど経つと、
「ねぇ、葉月?」
お姉ちゃんが口を開いた。
「な、何…?」

「あのさ、あのマンガ楽しかった?」
「え?」
「今日貸したマンガ」
マンガ??
なんだ、てっきり6時頃のメールの話かと思った。
「あ、うん。おもしろかった」
読んではないけど、とりあえず話を合わす。
「だよね。主人公の花火の誓くんカッコいいと思わない?」
「うん。カッコいい」
それから10分ほど経ち、お姉ちゃんは先に上がった。
「…じゃ、さき行くね」
お姉ちゃんはそういうと、バスタオルを首からかけて自室へと戻った。

私は静かに湯船から出て、体をふき、パジャマに着替えた。
なんとなく気になって、お姉ちゃんの部屋のドアを静かに少し開けると、お姉ちゃんが部屋の隅で泣いていた。
ビックリして、私はそのまま自室へ向かった。

驚いた。
ビックリした。
声が出るかと思った。
部屋の隅にいたお姉ちゃん。
ビックリしたのは、泣いていたからではない。
お姉ちゃんのすぐそばには、まだ刃先の良いカッターナイフと
血のついたティッシュ。
そして、傷まみれの手首。

「…お姉ちゃん…」
私は見てしまった。
お姉ちゃんが、リストカットをしているところを。


Next...


Re: 私が存在する理由 ( No.11 )
日時: 2011/12/10 17:06
名前: 音異羅 ◆XuYU1tsir. (ID: f4Q8EoDG)

リストカット・・
怖いよ・・;

でも、そういうことしてる人はいるんだよね

現にうちもしてたし
なんか満たされるって言うか・・・
でも、スッキリした感じになるんだよね

メールのバイバイって何だ?

Re: 私が存在する理由 ( No.12 )
日時: 2011/12/10 18:18
名前: 不登校少女I. (ID: b1TZiT7s)


≫音異羅様.

そうなんですか。
リストカット…。
分かります。
落ち付きますよね。
何て言うか、
傷口から流れる血を見てると
生きてる感じがして。

メールのバイバイは、
のちの文で分かりますよ。


Re: 私が存在する理由 ( No.13 )
日時: 2011/12/13 21:31
名前: 不登校少女I. (ID: b1TZiT7s)


,


「葉月ー。葉月ー。寝てるのー?」
電気も点けずボーっとベッドに座っていると、
不思議に思ったのか、帰宅直後のお母さんが部屋をのぞいた。
「あ、お母さん…おかえり…」
12時前に帰宅する母の職業が何かは知らない。
「なんだ、起きてるんじゃない。電気付けなさいよ」
そう言って、お母さんは電気のスイッチを押す。
眩しく光る電球の光に目が少し眩む。

「お姉ちゃん、もう寝てるわよ。葉月も遅いんだからもう寝なさい」
え!?…お母さん、お姉ちゃんの部屋を……。
「お母さんっお姉ちゃん…」
「…え?お姉ちゃんがどうかしたの?」
疲れた様子で顔を向けるお母さん。
「あ、え…ううん。何でもない。おやすみ」
そうして、点けた電気を消して布団にもぐりこむ。

頭の中でグルグルと回る言葉。
お姉ちゃん、寝てるの?
どういうこと?お母さんは知ってたの?
お姉ちゃんがリストカットしてたこと…。
もう何が何だか分からない。
疲れた頭で考えても何も浮かばない。
そうして、疲れていたせいか私は深く眠りについた。

それから何時間経っただろうか。
時刻を見ると長針は3を刺し、短針は35分を刺していた。
「まだ3時じゃんか…」
てっきり朝かと思った。
ふとドアの方を見ると、ドア部分の下から廊下の光がもれていた。
「…こんな時間に…」
ゆっくりとドアを開けると、ドアは静かに開いた。

ドアの向こうで、洗面所にお姉ちゃんは突っ立っていた。
パジャマの袖を捲り、左手の痛々しい傷をなでる。
俯いていてよく分からなかった。でも、
顔から大量の滴が流れていることは分かった。
お姉ちゃんは、左手首を右手で強く握り、その場に座り込み静かに泣いた。
「………」
それを黙って見ていると、お姉ちゃんが視線に気づいたのか
こちらの方に目線を向けた。
ビックリしたように眼を丸くして、そしてお姉ちゃんは笑顔を作った。

「何してるの…、葉月」
「お…お姉ちゃんこそ…何で洗面所に…」
お姉ちゃんは少し考えると、再び笑顔を作り、
「遅いからもう寝なよ。葉月」
そうして、私は肩をグイグイと押されて、従うままに部屋に入った。
そのとき、お姉ちゃんが小さい声で
「ありがとう。ばいばい」って言った気がした。
驚いて後ろを振り返ると、お姉ちゃんはもう自室に戻っていた。

「どういうこと…?」
ベッドの上の小さい電気を点け、私は携帯を開いてメールボックスを出した。
どんなつながりがあるの…?
メールと今の言葉は何か"「意味」がある"よね…?
そんな事を考えていると、ウトウトと再び眠気が襲ってきた。
私はそれに耐えられずに眠りについた。

次に目が覚めると、時計は午前10時を回っていた。
「え!?10時?!」
驚いて目が覚め、ドアを開けるとお母さんの靴はもう無く、仕事に行ったようだった。
「…お姉ちゃん…」
気がかりになり、少しお姉ちゃんの部屋をのぞいた。
すると、
       、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
お姉ちゃんが"部屋の壁にもたれかかって目を閉じていた"。
そのすぐそばには、血のついたカッターナイフ。
そして一枚の紙切れ。床に広がっている大量の血。
「お姉ちゃん?」
呼んでも返事は無く、揺すっても起きる気配は無く。
まさに"死んでいる"ようだった。

「ちょっと、お姉ちゃん…バツの悪いおふざけは止めてよ…」
私がお姉ちゃんに歩みよってもお姉ちゃんは、
あの優しい笑顔を向けてくれなかった。
「ね…ねえっお姉ちゃんっ!?」
どんなに揺すっても起きてくれないお姉ちゃんの手を握ると、
冷たかった。
そして、手首から流れ出る血を見て私は確信した。
お姉ちゃんは…

—死んでいる。


Next...



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