社会問題小説・評論板

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私が存在する理由
日時: 2011/12/31 16:40
名前: 不登校少女I. (ID: b1TZiT7s)

初めまして。
不登校少女Iと申します。
省略してもらっていいですよ。

いきなりなんですけどお礼を…。

「私が存在する理由」を
開いて下さりありがとうございます。
良ければこれから下に続く話にも
目を通して下されば嬉しいです。

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-
他人の不幸を、笑って喜んでいる人々に
幸せは訪れるのですか。

どうして人の不幸を笑ったり
できるのですか—?

私には理解できないのです。
人の不幸を願う人々の気持ちが。
そして理解しようとしていないのです。
人の不幸を笑う人々の気持ちを。

なぜ、そこまで人を追い詰める事ができるのですか。
平気で、ヘラヘラ笑いながら。
そこまで人が嫌いですか。
そんなに人が気に入らないですか。

自分を大切にして自分じゃない誰かのことも
—大切にしようと思わないのですか。
,

*目次*

PROLOGUE↓
>>2 ...
—————
*「姉妹」>>9 >>10 >>13 >>14
*番外編「姉妹」>>18
*「自分」>>21 >>24 >>28 >>29 >>33
*「親友」>>36 >>41 >>52 >>58 >>







Re: 私が存在する理由 ( No.29 )
日時: 2011/12/14 20:34
名前: 不登校少女I. (ID: b1TZiT7s)




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そして放課後—。
戸惑いながら、そして、
篠崎さんに見つからないように教室を出ようとした。
「あ、中山…ちょっと、まじで行くつもりなの?」
廊下をほうきで掃いている篠崎さんに見つかった。
「ひっ…」
お化けを見たみたいな声が出てしまった。
「やめなよ。見つかったらどうなるか分かってるの?」
「そんなの…わかってます…。でも…」
「でも…何?」
肺の隅々まで行きを吸い、

「しっ、篠崎さんにはわからないんだよ!!!
傍観者じゃないっ!!ずっと、ずっと…どんな思いしてたか…。
情けないの!!何も言えない自分が!!
篠崎さんに…私の気持ちなんて、………分からないでしょうっ?!」
「えっ、ちょっ中山……」
ほうきを片手に佇む篠崎さんの前を横切り走っていく。
駅まで全力疾走する。
時々空を見上げて立ち止まって。
それを繰り返しながら駅に着いた。

「あ、雪帆、こっちこっちー」
傍から見れば、普通に仲の良い仲間みたいな集団。
でも、蓋を取れば本当の仲が見えてくる。
「じゃ、説明するね」
「…う…ん」
静かに頷き、私は平井さんの話を聞いた。

「まず、あのお店の入り口付近にあるカバンがあるじゃない?」
「…うん…」
そのカバンは、ピンク色で肩からかけるカバンだった。
「その3つ横にある、ベージュにフリルがついてるやつあるでしょ?」
「あ…うん」
「それ…取ってきて」
ゆっくりと唾を飲み込む。

「じゃ、いってらっしゃーい」
ドンと肩を押されて、脅されるがまま、
私はそのお店へとはいって行った。
店に入ると、可愛い店内とそれに似合う曲。
そして、「いらっしゃいませー」と
若い女の人の声が店内に響く。

「……」
ゆっくりとそのカバンを手に取る。
あたりをキョロキョロと確認して、駅の方を見ると、
そこに平井さんの姿はなかった。
「平井さん…」
少し探すと、ちょうど店の入り口付近に平井さんの姿があった。

早くとせかして手まねきする平井さん。
「………」
どうしよう。
取るの。
取るの?
お金も払ってないのに。
無断で。
どうするの。
見つかったらどうなるの。
捕まる。
親に連絡される。
学校にバレる。
私は…
どうしたらいいの。

手に力が入り、冷や汗がダクダクと
出ているのが自身でも分かる。
「……」
大丈夫。
大丈夫。
見つからない。
でも、
これは犯罪。
許されない。
ただ事で…
すまされない。

でもそうしないと、明日からも…。
「…っ」
誰にも見られないように、
ゆっくりゆっくりと制服のブレザーの下に入れる。
「……」
そうして、誰にも見つかっていないのを確認すると、
店内を静かに出て行った。

「ナイスッ!雪帆ぉ」
「おつかれさーん」
そうして、この日はこれで終わり、
私はホッとして家に帰った。
でも、まだこれは、
"地獄"の始まりにしか過ぎなかった。


Next...





Re: 私が存在する理由 ( No.30 )
日時: 2011/12/15 17:28
名前: 音異羅 ◆XuYU1tsir. (ID: f4Q8EoDG)

いえいえ^^


そんなことしたら、余計に脅すネタが増えるだけなのにねー・・・

Re: 私が存在する理由 ( No.31 )
日時: 2011/12/15 18:27
名前: 不登校少女I. (ID: b1TZiT7s)



≫音異羅様


雪帆馬鹿ですよねー((おい作者
脅す平井もどうですよね(笑)


Re: 私が存在する理由 ( No.32 )
日時: 2011/12/15 18:55
名前: 音異羅 ◆XuYU1tsir. (ID: f4Q8EoDG)

雪帆ちゃん馬鹿だね((

脅すのも悪いと思うけどね^^
ってか、なんで脅すのかな?

Re: 私が存在する理由 ( No.33 )
日時: 2011/12/15 19:31
名前: 不登校少女I. (ID: b1TZiT7s)



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次の日、重たい体を無理矢理起こして、
私は準備に取り掛かる。
「…万引き…しちゃった……」
私……。
自身の手を見る。
「どうしよう…」
ばれたら…。
顔が引きつるのが分かる。

「大丈夫。見つからないよ」

用意を済まし学校へ向かうと、
いつもよりざわついている校内。
「…??」
何も知らない私は教室へ足を踏み入れる。
すると、
「あっ犯罪者が来たよ〜」
「万引きとかサイッテー」
「ありえねぇよ。もうウチらに関わんな」
…どういう…こと…?

黒板に目をやると、
一面に"中山雪帆は万引き犯"と大きく記されている。
「…平井、さん……」
「話かけんなやばーか」
……どうして……。
「…して……」
「ああ?んだよ?なんか文句—「ねぇ……どうして?!」
手に力が入る。
「…はぁ?」
とぼけたように返す平井さん。
それでも私は怯まずに言い返す。

「どうして、簡単に人を裏切れるの!?私にはわからないよ!!」
「うざいんだよ!!お前が!」
「それは平井さんたちの勝手だよ!!私を嫌いでも別にいい!!
でもそうやって…簡単に人の気持ち踏みにじったりできるのは…
どうしてなのよぉっ!!!!!」
真正面を向くと、平井さんが相当怒った様子で片手を振りあげる。

「っ!!!」
きつく目を瞑り、体に力が入る。
—パァンッ

教室に乾いた音が鳴り響く。
「……?」
痛く…ない?
「…」
恐る恐る目を開けると、目に入ってきたのは、
堂々とした背中。
そう、篠崎さんだった。

「へー。あんたもやればできるんじゃん」
ニッと口角をあげた篠崎さんの唇は、
先ほど叩かれたせいか、切れて血が出ていた。
そして、その血を左手でふきとると、
「平井、私を口止めしなかったのが大きなミスだったんだよ」
「っ…—
「自分がやったことを認めろ。平井。お前は…
「るさい…うるさい…黙れ黙れ!!!」
取り乱す平井さんを複数の女子たちが止める。

「行くよ、中山」
私の手首を握ると、篠崎さんは勢いよく教室を飛び出した。
「ど…どこ…に…行くんですか…?」
脅える私のおでこにデコピンを入れる篠崎さん。
「イタッ…」
「相変わらず敬語なんだな。タメでしゃべりな」
篠崎さんはやけに命令口調。
それが何でなのかは分からない。

「えっ…っと……どこ…行く…の?」
「屋上だよ」
「えっ!?…い、いいんですか?」
「タメ使って!それと、屋上いいのいいの!ほら早く」
そうして走って屋上に着くと、
「よくできたね。中山」
と笑顔で振り返って言う篠崎さん。
それに私は「え?」と聞き返したしまった。

「ホントはもっと前から中山のこと気になってたんだよ。
ってゆうか気にくわなかった?っていうのか?弱弱しいし、
言い返さないし…腹立ってきちゃって…」
「篠崎…さん?」
「ごめん。本当は守るつもりでいたんだよ。
私はこう見えてもクラスの委員だし、ずっと1人でいる中山見てると…
さ……」
あはははと笑いながら言う篠崎さん。
そんな言葉を聞いて、目からボロボロと涙があふれた。

「え!?何で泣くんだよ!」
「違う…違うの…。嬉しくて…」
「…雪帆……」
「…うっ…ひっく…」
声を上げて泣く私を、温かい手でなでる篠崎さん。

「これから私たち、友達だぞ」
そう言うと、ポケットの中から
「はい、これ」
と不器用に縫われた手作りのぬいぐるみを渡された。
「何…?これ……」
「クマのぬいぐるみ…」
それが何ともクマに見えなくて、
私は声を上げて笑ってしまった。


END





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