社会問題小説・評論板

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いじめっ子といじめられっ子と傍観者と偽善者
日時: 2012/10/28 17:42
名前: はこりんご (ID: mJV9X4jr)

はじめまして、はこりんごです!

コメントとかアドバイスしてもらえたらうれしいです。
絶対返事します。

荒らしなどはやめてください。




 登場人物

杉沢 夢   (すぎさわ ゆめ)

赤石 栗香  (あかいし りか)

畑井 加奈  (はたい かな)

光達 沙奈  (ひかりだ さな)

渚羽 琴音  (なぎさわ ことね)

高杜河 七海 (こうずか ななみ)

南野 香菜李 (みなみの かなり)

陸野衣 千夏 (りくのえ ちなつ)




プロローグ
>>1

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第二章
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 お客様
うさ(。+`・∀・)b様
フレア様
麻衣様
エリア様
灰歌音 麗歌様
エルセ(かの)様

Re: いじめっ子といじめられっ子と傍観者と偽善者 ( No.8 )
日時: 2012/10/21 01:46
名前: はこりんご (ID: mJV9X4jr)

歩いて、歩いて、ただ歩いた。

誰にも会いたくなかった。

自分がみじめでもっといやになるから。

ここはどこだろう?と思いながら、ただ歩く。

帰りたくない。帰りたい。2つの感情がまざった。

足が痛い。心が痛い。

「たす‥‥‥‥‥‥‥‥けて、誰か‥‥‥‥‥‥」

泣きながら、誰にも聞こえないような声でつぶやいた。

もう、誰でもいいから声をかけてほしい。
ただ、『もう大丈夫だよ、よく頑張ったね。』って言ってほしい。

私の一番望んだ言葉。

「ねぇ。誰か!」

消えてしまえと思うぐらい残酷な世界。
目をつぶって見て見ぬふりする傍観者。
いい人ぶって結局裏切る偽善者。
そして、人を傷つけて生きていくいじめっ子。

ただ、普通に生きたかった。

もう、幸せなんて贅沢は言わないから、ただ。
いじめを止めてほしかった。

「こんなところで何やってるの!?」

聞こえた声は、とてもあたたかかった。

「お‥‥‥‥母さん‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥?」

お母さんは驚いた顔で私を見ている。

私もきっと同じような顔をしているだろう。

「なんで!学校は!?」

お母さんはそう言うと私が泣いていることに気がついた。

お母さんはおどおどしながら、
でも、確かにおこっていた。

「わ‥‥‥‥私‥‥‥
 学校で‥‥‥‥‥栗香に‥‥‥‥‥
 いじめられてるの‥‥‥‥‥。
 ずっと言えなくてごめんなさい。
 でも、お願い、助けて。」

お母さんはビックリした顔をしていた。
しかし、すぐに悲しそうな顔で涙を流した。

「つらかったね、夢。
 もう大丈夫よ‥‥‥‥今まで頑張ったね。
 もう、お母さんがいるからね」

涙が止まらなかった。

さっきまで残酷だと思っていた世界が、今はすごく輝いて見える。

「お母さん!お母さん!お母さん!お母さん!」

ただそう叫んで泣いていた。

お母さんは私の頭をやさしくなでて、
ただこう言った。

「大丈夫。大丈夫だよ。」

声が出なかった。涙があふれた。
立つこともできなくて、しゃがみこんだ。

朝からずっと歩いた。残酷な世界から逃げるため。

でも、こんなとこまで来なくても、家に帰れば。
私の望む世界が待っていたんだ。

ただ、お母さんにすべてを言えばよかったんだ。

とても簡単で、しかし。
とても難しいけど相談するって、すごいことだな。
とただそう思った。

私の右手の傷は少しずつふさがっているように思えた。

昔つけた。消えない傷。

Re: いじめっ子といじめられっ子と傍観者と偽善者 ( No.9 )
日時: 2012/10/21 02:40
名前: はこりんご (ID: mJV9X4jr)

昔。私は一度だけ。
リストカットをした。

栗香にいじめられてすぐ。
はじめてシツケをされた日。

カッターで自分を傷つけた。

心が痛かった。
でも、少し楽になった気がした。

その時の消えない傷。
誰にも言えなかった記憶。
リストカット。


家に帰るとお母さんにすべてを話した。
リストカットのことや、お金を盗んだこと。

お母さんは泣いて、しかし。
最後まで話を聞いてくれた。

「あのね。きちんと夢に言ってないことがあったの。今言わね。」

そう言うとお母さんはうつむいて静かに話しだした。

「昔。お母さんはいじめにあっていて‥‥‥
 じきに不登校になってしまった。
 そんな時、幼馴染だったお父さんが助けてくれたの。
 お父さんは、
 『もう大丈夫だ。よく頑張ったな。』
 って言ったの。
 お母さんは涙が止まらなかった。
 それがきっかけでつきあいだして、結婚したの。」

私はどうしたらいいかわからなかった。
お母さんもいじめにあっていた。

私と同じだった。
同じ。味方。仲間。

何もかもが明るく、輝いているように思えた。

Re: いじめっ子といじめられっ子と傍観者と偽善者 ( No.10 )
日時: 2012/10/21 02:52
名前: はこりんご (ID: mJV9X4jr)

今日は頑張って学校に行くことにした。
昨日は休んでしまったが今日は頑張れると思った。

お母さんも一緒だとわかったから__________

「いってきます。」

そう言うとお母さんはにっこりわらい、私の頭をなでた。

私は学校へむかった。

今日は遅刻ではない。

学校に近づくにつれて生徒が増えてくる。
足が動かなくなる。学校に行きたくない。もう、無理。

「あっ!夢ちゃん♪来たの〜?
 残念!昨日は夢ちゃんいなくていい1日だったのに☆」

栗香はそう言って、わらっていた。

私は今にも泣きそうだった。

「おはよう」

急に背後から聞こえた声はとても懐かしい声だった。
そう、この声は__________加奈。

私はおどろきを隠せないような顔で振り返る。

しかし、加奈は私にあいさつをしたのではなかった。

栗香におはようと言っていた。

「あっ♪加奈!」

栗香はわらってそう言い。
耳もとで私に小さくつぶやいた。

「私と加奈、親友なんだ♪」

私は絶望した。

学校なんて来るんじゃなかった。
と思った。

結局こうなると言うことはわかっていたはずだった。
しかし、悲しかった。

加奈は栗香たちのところへいったんだ。
私を裏切り。そして、いじめっ子になるんだ。

「あっ!夢。おはよう!」

やさしくてかわいいその声で。昔みたいに加奈はしゃべった。

私は今にも泣きそうだった。悲しみが止まらなかった。

しかし、その声は嘘なのだろう。
加奈も私をいじめるのだろう。

もう限界だ。

「一緒に教室までいこっか♪」

私の手を強く、強すぎて手が真っ赤になるぐらいにぎり、
加奈は教室に入る。

私は自分の席へ座る。

机は落書きでいっぱい。黒板も。

「じゃまでしょ?切ってあげる」

そう言って加奈はいきなり私の髪の毛を切りだす。

息ができないぐらい、苦しかった。

心が痛い。

「いや!」

私はとっさに加奈をつきとばした。
加奈はしりもちをつき、私をにらむ。

それと同時に栗香が手をたたいた。

もう、あれをやることはみんな知っていたらしい。

やることも、これまでよりひどかった。

私を押さえつけると背中に何か固いものをたたきつける。

痛い。しかも。やっているのは加奈。
くるったようなえみで私を何か固い物でなぐる。

「はははははは!楽しい!」

加奈はもうくるっている。
だって。わらってるけど。泣いてるじゃないか。

それでも栗香はたかみの見物。

私はまた、生きている意味を見失った。

栗香は、いじめを楽しんでいるのだろうか?

もし、楽しんでいるのなら。
栗香は本当に人間なのだろうか?

私には、悪魔のように思えた。

Re: いじめっ子といじめられっ子と傍観者と偽善者 ( No.11 )
日時: 2012/10/21 03:02
名前: はこりんご (ID: mJV9X4jr)

加奈がわらう声と私の叫び声がまざっておかしな空間を作り出していた。

加奈は私の水筒で私の背中を力いっぱいたたいていた。

私は水筒でなぐられた痛みを忘れるぐらい、心が痛かった。

もう死にたい。そう思った。

私の右手の傷は1つじゃ足りないようだ。

私はもう抵抗なんてしなかった。

ただ、涙をこらえ。

加奈との思い出を忘れようと必死だった。
もう思い出したくなかった。
悲しくなって。死にたくなって。おかしくなるから。
でも、加奈との思い出は消えてはくれなかった。

そんな時、栗香が手をたたいた。

加奈は私の水筒をゴミ箱に投げ捨て。
今度はライターをとりだし、私の荷物をすべて焼いた。

あの写真も。火の中。
私はお母さんの言葉をキレイごとだと思った。
だって、何も解決していないじゃないか。
何も大丈夫なんかじゃない。

いじめはやまない。
栗香がいなくなっても。
私が自殺しても、ターゲットを変更して。
まだいじめは続くだろう。

現実を恨んだ。

「これも焼いたら?」

栗香が私の腕をつかみそう言った。
私も焼くということだろう。
焼かれたら痛いのだろうか?
苦しいのだろうか?
しかし、今以上の苦しみはないと思った。

こんなに苦しいのだから。

死にたいぐらいなんだから。

今より苦しいなんて考えられなかった。

「でも‥‥‥」

「栗香‥‥‥‥冗談でしょ?」

とりまきたちもあたふたしている。

しかし加奈はくるったえみを見せ。
確かにこう言った。

「それ、いいね♪」

私は、さっき考えていたことを一瞬で否定した。

さっきより苦しかった。

加奈は私のことを嫌いになったのだろうか?
私は死んでもいいと思っているのだろうか?

でも、もしもそうなら、加奈。
喜んで、私もそう思ってるから。

Re: いじめっ子といじめられっ子と傍観者と偽善者 ( No.12 )
日時: 2012/10/21 03:15
名前: はこりんご (ID: mJV9X4jr)

私を火の中にいれようと加奈は私の背中をけった。
よろけた私は火の中に入りそうになった。
だが、なんとか無事だった。

目の前で燃える写真は、昔の宝物。

今はもう、どうでもいい。

お父さんもお母さんも、栗香も加奈も。どうでもいい。

「栗香!さすがにまずいよ!」

とりまきが止める。

そして、チャイムがなった。

しかし、先生は来なかった。
そのかわり、知らない男の人が入ってきた。

その人は私を見て顔を真っ青にした。

「どうした杉沢!何があった!?」

どうやら、新しい先生のようだ。

あの先生はどうしたんだろう。
私があんなこと言ったから教師をやめたのだろうか?
それともたんなる休みだろうか?

先生も普通は驚くような光景だった。
髪の毛は切られ、教室でカバンが燃やされているんだ。
普通は驚く。
でも、それなら前の先生は普通じゃなかったのだろうか?

先生は無言でとにかく火を消した。

「誰がやった?」

みんな何も答えなかった。

しかし、数人がとっさに栗香を見てしまった。

「赤石がやったのか?」

栗香は自分はやっていないと主張した。

そんな時、加奈が手をあげたて言った。

「私がやりました。」

その瞬間、時間が止まったように思えた。

加奈は無表情のまま無言で教室を出て行った。

先生は加奈を追いかけ、私はたちつくす。

そこで栗香はわらってこう言った。

「加奈がいてよかった。
 あの先生、熱血すぎるから。
 みんな、加奈が主犯だった。ってことにしてね♪
 まぁ。裏切り者はいないと思うけど‥‥‥‥‥‥
 だって。裏切ったら、
 ターゲット変更しないと♪」

栗香はそう言って、クラスメイトをおどした。

そして自分の席に座ると小説を読みだした。

クラスメイトはとまどいながらも席に座る。

私は水筒をゴミ箱から出して、
ちらばった私の髪の毛をほうきでキレイに掃除した。


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