社会問題小説・評論板
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- いじめと反省
- 日時: 2015/09/23 17:18
- 名前: 波坂 (ID: DJvXcT4Z)
はじめまして。
小説カキコで初投稿させて頂きます波坂です。
いじめ等の描写が多くなると思います。
誤字脱字の事やアドバイスをよろしくお願いします。
僕は朝霧介斗[あさきりかいと]。中学生だ。
- Re: いじめと反省 ( No.4 )
- 日時: 2015/09/24 20:36
- 名前: 波坂 (ID: DJvXcT4Z)
雪さん感想ありがとうございます!
初めて感想が貰えたので嬉しいです。これからもよろしくお願いします!
『ちょっとこっち来いよ』
そう言われたのは給食が終わり、図書室へと行く予定だった僕にかけられた言葉だった。
相手は理だったので正直行きたく無いがコイツはカーストが高いので仕方なく行った。
僕が空きの教室に入った瞬間にドアが閉められて押された。突然の事に僕は驚いてなすすべなく教室の中央付近に押された。
「よう朝霧」
「……ハァ」
僕は相手に対して非常に失礼ながら溜め息をついた。肘を横腹部辺りに付け手を上げる。つまり、やれやれ。のポーズである。
「で? 用件は何? 僕は図書室に行かないと行けないんだけど」
別に行かなくてもいいがこんなの達といるよりはマシだと思ったので言葉に出した。
「ああ、用件はだな」
理は僕に指を指しながら(マナーって知ってるか?)次の言葉を発した。
「お前今日からサンドバックな」
……何言ってんだコイツは?
「ま、て訳でよろしくな?」
何でよろしくと言う単語に疑問のアクセントを用いるかは置いておく。ぶっちゃけかなりイラッと来たが一応言っておきたい事があった。
「……バカか? 少なくとも有機物と無機物の違いくらい分かるだろ? 砂と人間じゃそこから違うし、第一人間はマンで砂はサンドでバックはバックだろ? 学力は最低限身に付けないと恥ずかしいぞ? 今のお前みたいに」
ちなみに言うが正論だ。人間はサンドにもバックにもなれん。
しかし理は理解していなかったようだ。
「は? 何言ってんの? お前バカだなー!」
「「「「「……………」」」」」
どうやら理意外は分かっていたらしいが流石は理。
「だからな? 大人しく殴られろよ?」
そう理が言うと呆気に取られていた奴もドアを閉めた奴もこっちに来た。
「よし、やれ!」
(僕の腕をがっしりと掴んだのが二人。羽交い締めをしてきたのが一人。取り巻き三人に理か)
「オラっ!」
腹部に殴りかかってきたが真面目に野球部の練習をやっている僕は鍛えた腹筋に力を入れた。
案の定。理の拳はそれほど痛くなかった。
(きっと腹部は諦めて顔面を殴るだろうな)
そして予想どうりに理は顔面を殴ろうとした。
バキッと殴った音がした。
発生源は僕の顔ではなく俺を羽交い締めにしているやつからだが。
やったことは簡単。ただ、首を捻って避けただけ。
羽交い締めの無くなった僕は両腕を力ずくで抜き、突進した。
ドアに。
こういう言葉を知っているだろうか。
『逃げるが勝ち』
僕がハハハと笑いながら逃げるととても悔しそうな声が聞こえた。
- Re: いじめと反省 ( No.5 )
- 日時: 2015/09/26 17:40
- 名前: 波坂 (ID: DJvXcT4Z)
ごめんなさい!一日更新さぼっちゃいました。
これからもこういう事があるかもしれません。
あの後、特に何もなく時間が流れて放課後になった。
いつもなら部活で暗くなるまで練習だが、今日は水曜日という数少ない休みの日だった。
僕は目立たないようにして下駄箱を出て校門を速やかにでる。
こうして早めに帰ろうとするのはさっきの件で理が何かしてくるかも知れないのでこうしている。他の理由もあるが。
僕は今日の出来事を振り返る。
今日は喧嘩を売られて口喧嘩で勝った(はず)。囲まれたので逃げた(はず)。
……これはあくまで僕の予想だが、明日からいじめられるかも……知れない。
理はバカだがカーストが高い。理由はこの学校のお偉いさんが理の親らしい。ちなみにこの学校は私立である。
だから退学とかもさせる事ができるらしいし、喧嘩(殴り合いの意味で)が起こっても一方的にこちらが悪くなる。なんという理不尽かつ不条理な事だ。この親あってことの子ありだな。
俺は対策を立てるために家に帰って買い物に行った。あと明日から学校にあるものを持っていく事にした。
夜も大分明けた。というかかなり開けている頃にピンポーンとチャイムの鳴る音がした。
「レンー。行くぞー」
行くぞ、と言うのは学校の事だがわざわざ言う必要は無い。と言うのも学生服を着て学校以外に出かけるのは滅多に無い事だからだ。
「ワリィ。待たせたな」
「……靴紐ほどけてるぞ」
ガチャリと音をたてたドアから出てきたのは謝罪の言葉を述べるレンだった。靴紐は忘れていたのか慌てて直している。
なぜレンの家の前にいたのかというと、僕とレンと奈手葉はいつも一緒に登校している。俺的には奈手葉は女子と登校した方がいいんじゃないかと思うが奈手葉曰く「介斗やレンといた方が楽しいわ」らしい。
「よし! ナテの家に行こうぜ!」
お前のせいで待たされていたんだが? と言いたかったがレンの耳には念仏も説教も聞かないので言わない事にした。
「遅いわよ」と奈手葉。
「コイツのせいだ」と僕。
「何か文句あるか」とレン。おい、反省しろよ。
「冗談だって冗談」
まあ全てこの一言で終わるのだが。
今は奈手葉の家の前にいるが、奈手葉は家の外で待っていた。すると怒られたので素敵な説得(言い訳)をしていた所だ。
「まあいいわ。行きましょう」
「おう!」
「なぁ……なんで俺が真ん中なんだよ」
これはいつもの事だがこっちは色々あるのだ。モテるレン。綺麗、可愛い(認めた事だ)奈手葉。平凡で高身長の俺。さて? 何が起こるでしょう?
……答えは俺が浮く。
- Re: いじめと反省 ( No.6 )
- 日時: 2015/09/27 08:59
- 名前: 波坂 (ID: DJvXcT4Z)
あの後一人で下駄箱に行った。
下駄箱においていたはずの上履きを取り出した。
「……まぁ予想はしていたが」
取り出した上履きはビショビショにぬれていた。全くこんなことして何が楽しいのだろう? 利益はゼロだし僕が不利益だ。
濡れた上履きを履くわけにもいかず、取り合えず体育館スューズを履いて職員室へ向かった。
あの後、担任に許可を取った。
そして今は教室にいる。
「何かあったのか?」
レンは僕が遅い時間に教室に入ってきた事を気にしているだろう。
「特にねぇよ」
別にそれほどの事でも無いので俺は話さなかった。
ああ、何てやつなんだ。
僕がそう思ったのはその日の休み時間。
要約すると、理から宿題をこれから押し付けられる羽目になった。
やらないといじめをクラスに広げるとか言ってきた。全く。そんなこと考えるからただでさえ頭のキャパティシィが少ないのに勉強に使う分が無くなるんだ。
波坂です。
もうすぐ小説内の時間が飛びまくるかも知れません。
- Re: いじめと反省 ( No.7 )
- 日時: 2015/09/28 22:57
- 名前: 波坂 (ID: DJvXcT4Z)
宿題を押し付けられ始めて二週間が経った。その間もいろいろあった。
「ちょっとこいよ〜」
そして、また名前を呼ばれた。
今では理から名前を呼ばれるとゴキブリを見たような嫌悪感がする。名前を呼ぶなよ気持ち悪い。
仕方なく行った場所は男子トイレ。十人程の男子生徒がいる。
「クラスに広められたくなかったら……大人しく殴られよっ!」
ゴッと音がした。
なぁに。俺が殴られた音だ。最近コイツらからリンチを受ける事がある。
俺の心が折れないのはコイツらを心底見下しているからだ。
見下してはいけない。なんて事はコイツらに対しては微塵も思わない。理なんて俺やレンと同じ部活なのに俺やレンと違ってレギュラーどころか代打にすら出してもらえない程だ。
勉強に関してもコイツらはゴミ。平均点を下げる屍達だ。(俺はそこそこいい方だ)
だからいつかコイツらに復讐する。
もちろん合法的かつ確実に。絶対俺に顔を合わせられない位に。
「……なんか楽しいか」
俺の殴られながら発した一言の呟きに理はこう答える。
「はっ! お前らみたいな平民は俺みたいな優れた選ばれし者のストレス発散する為の物でしかねーんだよ!」
……コイツはバカなのか? いや、聞くまでもない。バカであり馬鹿である。虎の威を借る狐だ。だが言うなら虎の威を打ち消す程の何かがあればコイツは何になるんだろう?
俺はとても楽しみだ。俺を虐めるコイツらが絶望する表情が見れる時を!
「痛い……」
流石に顔面をあれだけ殴られたのだ。痛くないとおかしいだろう。
「大丈夫か?!」
こんな時に心配してくれるのが親友である。レンにはとても感謝している。
「大丈夫だ……多分」
だからこそ、気を遣わせたくない。
「そうか……」
そしてあえて詮索しないレンの性格が有りがたかった。
「大丈夫? 怪我して無いわよね?」
「だ、大丈夫だ。だからそんなに心配そうな顔して顔を近づけるな。近すぎだ」
奈手葉も心配してくれている。僕はいい幼馴染みを持ったものだ。
「おっとごめんね」
そういうとスッと僕の前から体を引いた。
因みにここは僕の家の僕の部屋だ。何で奈手葉が居るのかというと、奈手葉は時々家に来ては俺の部屋に居たりする。僕の親は「月夜ちゃんいらっしゃい! 介斗がくるまで介斗の部屋でまっててね!」とか言う。今回なんてシャワー浴びて部屋に入ったら奈手葉が僕の部屋で色々模索していた。本人曰く「思春期の少年は十八禁の本を隠しているかも」……僕は持ってない!
「で? 今日は何しに?」
僕が要件を聞くと奈手葉が「そうだった」と言って腰かけていた僕のベットから立って話を始めた。
「いや〜私さ〜。観に行きたい映画があるんだけどさ〜行く人がいなくってさ〜。……一緒に行ってくれない?!」
奈手葉はアニメ好きで深夜アニメも結構見ている。恐らく映画もそっち側だろう。時々面白いのを紹介してくれるが……何でワイやねん。
「……理由をどうぞ」
「介斗友達少ないから」
「帰れ」
「嘘、嘘だってば!」
そして僕に執拗に頼み込んでくる幼馴染みを前に、僕は無条件降伏をした。簡単に言うと押し負けた。別に映画が僕も好きなアニメのやつだったからとかそういう理由ではない。
- Re: いじめと反省 ( No.8 )
- 日時: 2015/09/30 17:35
- 名前: 波坂 (ID: DJvXcT4Z)
主人公はイラッと来ると時々一人称が変わります。
それから一週間がたった。
僕はいじめをごく一部から受けたがクラスに伝染していないのでそれほど学校は嫌にはなっていない。
ただ、ごく一部は物凄く嫌悪感がする様になったが。
まあいいさ。着々と復讐材料は溜まっている。せいぜい今は調子に乗るがいいさ。
理響はつまらなそうな表情をして机に座っていた。
理由は簡単。自分がいじめているはずの朝霧がいじめを受ける前とほとんど変わらない生活を過ごしているからだ。
普通なら、少しは影響が出るのだが朝霧には全く効果が出ていない事を理は不満に思っていた。
宿題も押し付けたしリンチもした。嫌がらせも何度かした。
筆箱を隠したらポケットから一式の筆記用具が現れ、その後楽々と見つける。上履きを濡らせば体育館シューズを履いて、わざと他人に見せて「こんなのやるのやつはかわいそうだ」と言っていた。
これではつまらないと理は本格的にいじめを始める事にした。
僕が教室に入って目撃したもの。それはカッターの様なもので削られてボロボロになった僕の机だった。
「…………」
正直驚いた。
まさか物を壊すという自ら負けを認めたような幼稚な行動は予想だにしていなかったので流石は理と内心呟かずにはいられなかった。
「……とりあえず座るか」
これ、結構深く削られている。とても字が書ける状態ではない。
「おはよー」
僕に少し遅れてレンが教室に入ってきた。僕の方に近づき、案の定気がつく。
「……こりゃひでぇな」
「だろ?」
「ふむふむ。これは事件ね」
いつぞやの探偵のようなセリフを吐きながら登場をかましたのは長い髪をいつもどうり下ろした奈手葉だった。
「事件も何もただの器物損壊で終わりだろナテ」
「まぁそれはいいわ。……で、これはどうすんの?」
「先生言うけーを使う」
レン、奈手葉、僕の順で放たれた言葉はどうなったかとどうするかの二つを表した。
その後、先生が来て予備のと取り替えて貰った。よかったよかった。
……で終わらないのが理だ。
「オラッ!」
「ッ!」
僕はまた、リンチを受けていた。痛いが我慢する。手を出せばこちらが悪くなる。言い逃れできない程の証拠を積み上げるまで、手出しはしない。
そのため僕は殴られ屋のように殴られている。
「ふぅ」
(これで終わりか)
僕の少しの安心したのも束の間。
「今日は朝霧のために良いもの持って来たんだぞ!」
嫌な予感しかしなかった。
理はバックから黒い手から少しはみ出る程のサイズの物を取り出した。
「スタンガンだぜ」
この野郎。つけ上がりやがって。
しかしここで手を出せば今までの苦労が台無しなので、おとなしくしている。
理がスイッチを入れる。
バチッと音がした。少し怖くなってくる。
「まあ気絶しない位にな」
そして僕にスタンガンを近付けてー!
「あががががががが!」
「ちょっ。痙攣キモッ!」
「あぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎいいいがががががががが!!!」
「ちょっとマジキモイな」
カチッ
「じゃーなー」
……そういいあいつらはトイレから出て行った。
……いつか絶対復讐してやる!