社会問題小説・評論板
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- ナニイロセカイ(半実話)-完-
- 日時: 2017/10/16 10:34
- 名前: 雪姫 (ID: O62Gt2t7)
赤。青。黄。世界はさまざまな色に染まっている。
あなたのはナニイロセカイ___?
。○ 。○ 。○ 。○ 。○ 。○ 。○ 。○ 。○ 。○ 。○
スレ設立日2017/9/15〜10/15完結
*肌寒い秋の日の出来事_。[>>07]
*サクラ色の世界 [>>08]
*静寂の世界 [>>09]
*空気の世界 [>>12]
*寄生虫の世界 [>>16]
*裏切りの世界 [>>17]
*一人の世界 [>>18]
*空想の世界 [>>19]
*オレンジ色の世界 [>>20]
*嫉妬の世界 [>>21]
*敵となった世界 [>>22]
*ハートの世界 [>>23]
*砕け散った世界 [>>24]
*肌寒い秋の日の出来事_。[>>25-26]
*その後の世界 [>>27]
*あとがきの世界 [>>28]
。○ 。○ 。○ 。○ 。○ 。○ 。○ 。○ 。○ 。○ 。○
- 裏切りの世界 ( No.17 )
- 日時: 2017/10/08 09:16
- 名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: IkQo2inh)
キーンコーンカーンコーン。
授業が終わりを告げるチャイムが鳴ります。
「じゃあ出した宿題をちゃんとやってくるのよー」
はーい。とクラスメイトのみんなの声。担任の先生の授業でした。国語でした。本を読むのが好きなわたしは国語は得意科目といってもいいです。
幼い頃から絵本が大好きで今では漫画の方がメインとなっていますがたまに小説も読んでいます。
活字を無性に欲する時ってありますよね。
そんなときは本屋さんの中古本コーナーに行って新し本との出会いがないか探して回ります。それがすっごく楽しいです。
学校に漫画は持って来たらいけないので小説を持参すると盗まれたり、貸したのに帰って来ないなんてことになると困るので、自習と復習を兼ねて先ほどやった国語の教科書を開きます。
机の上にうつ伏せになって自分の世界に入り込むのも良いですが、本を開いて物語の世界に飛び込むのもまた楽しいです。物語の世界ではわたしはなんにだってなれるから。
勇者にも、可愛い幼馴染にも、悪の魔王様にだって、なんにだってなれます。だから今日は自分の世界ではなく物語の世界へと_
「——ちゃん」
また来ましたじゅっちゃんです。目の前に仁王立ちして嬉々として話しかけて来たのは旧友のじゅっちゃん。
入ったばかりの中学校生活、お互いクラスにまだ友達を作れていません。だからじゅっちゃんは旧友であるわたしに話しかけます。
—まるで従来からの親友のように。それが当たり前のように。
休み時間になると決まって現れます。鬱陶しいと感じますがまあわたしもそれを邪険にできるほど気も強くないので、笑顔で答えぎこちのない何が楽しいのか分からない会話をします。いいえ、一方的に話して来るじゅっちゃんの話をそうなんだぁとあいづちするだけです。
キーンコーンカーンコーン。
「鳴っちゃった〜。じゃあまたね〜」
休み時間が終わった事を告げるチャイム。終わった。終わってくれたのはいいけど、わたしの休憩時間も終わってしまった。全然読めなかったな…教科書。
—でもそんな苦痛な時間も長くは続きません。だってじゅっちゃんですよ?
二週間たったある日の朝。
「でさ〜」
「うんうんっ」
「本当!?」
楽しそうにクラスメイトの子達と話すじゅっちゃんの姿。そうか友達出来たんだね。良かったねじゅっちゃん。なんだかわたしまで嬉しくなってきます。
あまり人と関わるのは好きではない。皮肉な話しですがクラスにじゅっちゃんしかいなかったのはわたしも同じこと。彼女が居なくなってしまったらわたしはぼっち確定。それは困ります。主にグループ分けの時に。
だから勇気を振り絞ってじゅっちゃんに話しかけ
「………」
ぇ。
「あ〜〜〜おはよ〜〜〜」
横を素通りされて教室に入って来た友達Bの元へ駆け寄って行って抱き合い楽しそうに話しています。
納得。わたしの心が判断した結論、それは納得、漢字二文字。ひらがな四文字。
だってじゅっちゃんという女の子はそうゆう子だから。
家はそこそこお金持ちでいろいろ恵まれているのに欲しがりさん。わたしが持っている物を全て奪い取っていく小悪魔さん。旧友と呼んだのもその理由あって。
裏切り者のじゅっちゃん。彼女にとって嘘をつくのは呼吸するのと同義語。裏切るのだってそう。
お馬鹿でお人好しのわたしはこうなると分かってていっつもじゅっちゃんに無償の供与をしてしまう。
そして用済みになったら捨てられる。使い捨ての駒。
—こうしてわたしはクラスから孤立しました。最初から分かっていたこと。
それでもやっぱり現実は辛いものがあります。
どうか神様、先生様、わたしに気持ちの整理をする時間を下さいな_?
窓の外に広がる青空を眺め祈ってみたけど効果はありませんでした。
今日もいつもと変わらない日常が始まります。
- 一人の世界 ( No.18 )
- 日時: 2017/10/09 10:56
- 名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: B0dMG1jJ)
旧友に裏切れらたわたしはクラスから孤立しました。
休み時間も一人で読書を楽しむか一人自分の世界に沈むかの二択。
移動教室の時は一人俯きとぼとぼと歩ます。いわゆるぼっちです。
—ですが悲しい事ばかりでもありませんでした。
ぼっちになったことでわたしは特殊なスキルを身につけることが出来たから_それは
ぼっちはぼっちを探すのが上手くなる。です。
同じぼっちどうしなにか感じ合う波長というものがあるのかもしれません。新しい中学校生活が始まってまだ一ヶ月が経とうとするある日。見つけまして魂の友(ソウルメイト)となりそうな女の子を。
眼鏡をかけて黒髪三つ編みおさげの本を持った姿がとても画になる文学少女
<白うさぎ>
小学校は違ったからはじめまして。
彼女もわたしと同じくクラスに友達がまだいないみたい。他のクラスには小学校の頃からの友達がたくさんいるみたいだけど、人見知りする派で口下手なところにはなんだか同じ匂いを感じます。
勇気を振り絞って話しかけてみても
「……ぁうん」
口下手同士会話は全く弾みません。とゆうより言葉のキャッチボールってなんでしたっけ? と聞きたくなるほどのぎこちのない会話。それでもあきらめず何度も何度も彼女にアタックし続けました。
移動教室の時、グループ分けの時、休み時間の時、隙さえあればとにかくアタックあるのみっ。
最初はぎこちのなかった会話。すぐに終わってしまった言葉のキャッチボールも少しづつ続いていくようになって
……やっと撒いた種から芽が出ようとしたある日
とある授業で四人でひとつのグループを作らないといけないことがありました。
わたしは当然、白うさぎに話しかけま…
「白うさぎちゃん、こっちおいでよ」
「え…でも」
「いいからっ」
申し訳なさそうな顔をする白うさぎをわたしの目の前で堂々と奪い去って行った犯人は
<じゅっちゃん>
わたしの旧友。かつての親友だった女の子。
そこそこお金を持った両親の元に生まれた物に恵まれた女の子。
持っているものはみんな可愛くて誰からもちやほやされているのに、それでも足りない欲しがりさん。
わたしから全てを奪い取ってしまう悪魔の子。
じゅっちゃんが作ったグループは彼女を入れて三人。四人グループだと一人足りない。二人グループだと自分がはぶられるじゃあ…そうだ、わたしが仲良くしている大人しい白うさぎがいるじゃんっ。
——目を付けられ狙われた白うさぎは小悪魔に狩られてしまいました。かわいそうに。
少しだけ見えた希望の光は闇に覆い隠されました。闇へと消え去りました。
わたしはまた一人の世界に沈むことにしました。
- 空想の世界 ( No.19 )
- 日時: 2017/10/11 07:12
- 名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: emG/erS8)
毎日必死に頑張って撒いて水を与えて大事に育てていた種
でもその種は目が出る前に刈り取られてしまいました。旧友の手によって。
また一人ぼっちになってしまったわたしは逃げました。
—だって此処 教室にいたって辛い事しかないから
目を閉じて 耳を塞いでいても 聞こえてくる 雑音。ヒソヒソと小声で話しているつもりだろうけどその声は全てわたしの心に無数の刃となって突き刺さっています。
—痛い。痛いです。お願いですからやめてください。
どんなに心の中で強くお願いしても 聞き届けてもらえませんでした。
だからわたしは逃げ出しました。何処でもいい。此処じゃない場所なら何処でもっ
校舎内。
校内。
意味もなく。目的もないまま歩き続けます。彷徨い続けます。
—ここは何処?
通っていた小学校よりもずっと大きな中学校。まさかの迷子になってしまいました。
辺りを見渡しても木しかありません。上を見上げても緑の木の葉と青い空しかありませんでした。
どうしよう……とまたあてもなく彷徨い歩いていると校舎を見つけました。
古びた木材で出来た校舎。もう何年も使われていないのかな あちこち穴が開いていたり 苔やつたが絡みついています。
—耳をすませば 遠くの方から生徒達の楽しそうな笑い声が聞こえてくる。暑い夏が始まったことを告げる蝉時雨。
此処でならゆっくりと出来るかもしれない。と考えたわたしは旧校舎に入って行くことにしました。
中は思っていた通りのボロさであちらこちら床が抜けています。木の床は一歩足を踏み出すたびに、ギィと音をたてて今にも抜け落ちそうで怖いです。
とりあえず手短にあった空き教室に入って、放置されていた椅子に座りました。
—ふぅ。やっとこれで一息つける。
そう。思っていたのに
「先客ですか〜珍しい」
誰かが入って来ました。茶色い髪を少し遊ばせたような、ただの寝ぐせのような男の子でした。
背は小さく童顔なのでわたしよりも上なのか同い年なのかよくわかりません。
「何をしているんですか〜?」
それはこちらの台詞です。と、思ったけど初めてあった男の子にそんなことを言う勇気なんてものわたしはありません。
無言で下を見つめます。それを彼はどう捉えたのかは分かりませんが
「あぁ。いきなり名乗りもせず質問とは〜失礼でしたね。僕のことはチェシャ猫とでも呼んでください〜」
—チェシャ猫? アリスの?
「そうですよ〜」
自分の事をチェシャ猫と呼んでなんて変な子。まあ確かに猫みたいな瞳は猫っぽいですが…。
彼は一人でペラペラ話します。饒舌な人。お話に興味なんてないのに、彼から目を離せない。ずっと釘付けで耳を傾けて聞きいれてしまいます。まるで夢でも見ているかのようなそんな気持ちになります。
彼の話が一番盛り上がってきたところで
キーンコーンカーンコーン。
休憩時間が終わったことを告げるチャイムが鳴りました。
「おっと〜もう終わりですか〜。これからが面白い所でしたのに〜」
残念そうに言う彼。いえ本当に残念です。このまま授業をサボってでも聞いていたいくらいに素敵なお話でした。でもそんなことはわたしの良心が許しません。サボるなんて不良がやることです。生真面目のわたしがそんなことするなんて許されない事なのです。
—夢の時間は終わり。覚める時がきた。
「ではまた〜」
手を振る彼と別れてわたしは戻りました。地獄の世界に。
- オレンジ色の世界 ( No.20 )
- 日時: 2017/10/10 16:28
- 名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: i8PH9kfP)
わたしには小学校の頃からずっと虐めてくる男子がいます。一年生の頃から飽きずに毎日ずっと—
「ようアリスちゃん!」
今日もですか。彼はの名前は
<ダイヤのキング>
移動教室で教室を歩いるわたしに話しかけて金と茶と黒を混ぜたようなごちゃまぜ色のトゲトゲの髪型をしたフィリピンと日本人のハーフの男の子。耳にはピアスまで付けています。宗教的な物で生まれた時から開けているそうです。そんなのわたしには知った事ではないのですが……。
「無視? アリスちゃん」
チャラ男と言うわけではありません。わたしの脳内ではそうインプットされていますが、彼は不良です。ガキ大将。あの猫型ロボットが出て来るご長寿アニメのガキ大将みたいな子です。
でも顔はイケメンといわれる部類らしいです。日本人にはだいたいハーフという種族はイケメン/美女に見えるらしいです。
奇跡的にクラスは別の彼。よくここまで不良&問題児を集めましたねっと逆に褒めたくなるようなそのくらすで皆のまとめ役学級委員長をやっています。
—小学校の頃から中学校を卒業する日までずっと。
それも相まって彼の女子人気は爆上げ。ファンの子は沢山います。
どうしてそんな大人気のイケメンさまがわたしのような日陰者にちょっかいを出すのでしょうね? 話しかけてきてもいつも無視してスルーしているのに。六年間ずっと。
—意味が分からない。
「あー、アリスちゃんだー!!」
はぁ。あなたもですか……。
親分がやることなら当然子分もやります。真似します。あぁ気持ちが悪い。胸焼けがして吐き気がします。もうこんなやり取りを六年間ずっとやっていたらいい加減うんざりしてきます。
小学校頃やっている子だけならまだしも、中学からは他の小学校からの来た子達も混ざります。ようは数が増えてわたしではどうする事も出来ない状況の出来上がりです。
「「「わいわいわい」」」
楽しそうにはしゃぎ喜ぶ男子達とは真逆に疲れ切りうんざりだとため息をつくわたし。
その苦労をわかってくれる人。なんてものは誰もいません。誰に話しても、誰も聞いてくれませんでした。
—両親でさえも。
同級生の間では人気№1のダイヤのキング。彼の事が好きな女子は沢山います。そうゆう噂をよく耳にしましたし、告白してふられている姿をよく見かけたし、本人から自慢げ話として聞かされました。
—だからなんですか? それがわたしに何の関係があるというのですか?
彼のファンの女子からの視線が痛いです。敵を見る目。
—どうしてこうなってしまったの?
わたしはただ平穏に中学校生活を過ごしたかっただけなのに……なんでこんな目に合わされているの?
どうしてみんなわたしをそんな目で見るの? どうして_?
- 嫉妬の世界 ( No.21 )
- 日時: 2017/10/10 16:58
- 名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: i8PH9kfP)
「アリスちゃんってばー!!」
「お〜い、聞こえてますか〜?」
「あははは」
今日もいつもと変わらずダイヤのキングと日替わり時間替わりでやっているの? ところどころメンバーがチェンジした子分を連れてわたしを付け回します。
—うざい。そして五月蠅いです。
わたしは逃げるように自分の教室に入り、彼らが入って来られないように引き戸を閉めました。
ふぅ。これで一安心と胸をなでおろしたにもつかの間でした。だってこの教室はわたしにとって安堵の出来る場所ではないのだから_。
「アリスちゃん好きだぁぁぁあああ!!」
—はい?
教室に入ってすぐ今度は外ではなく中からの攻撃。犯人は野球部エースの
<坊主>
その名前の通り坊主頭の男の子です。背はわたしと同じくらい。野球部なのにそんなに高くない。
わたしは自分よりも背が高い人が好きです。小学校の頃サッカー部に虐められた経験から、サッカー部の人とPUMA(プーマ)が嫌いです。サッカー部のユニフォームで使われていたから。そして坊主頭はヤクザを連想させるので嫌いです。
—だからごめんなさい。
即答でお断りしました。なのにクラスの人たちからは「ヒューヒュー」と祝福したいのか、からかいたいのか分からない声があがります。
一番最初に駆け寄って来たじゅっちゃんなんて「おめでとう」なんて言ってきました。
いえ。わたしはお断りしたんですよ? 聞いていました。それにどう考えてもこんな堂々とするという事はふざけているだけしょ?
本気じゃない告白に付き合うことは無いです。あなたたちのお遊びに付き合うのはもうごめんです。
—その日 わたしはちゃんと丁寧にお断りした、はずなのに
「アリスちゃん好きだぁぁぁあああ!!」
—次の日も
「アリスちゃん好きだぁぁぁあああ!!」
—その次の日もずっと 毎日 毎時間 彼は愛の告白をします。
もういいでしょ! 鬱陶しい以外の何にでもないですよっ。
クラスの外ではダイヤのキングたちに追いかけまわされて、教室の中では坊主に告白されてクラス全体がからかう。
外も中も地獄。もうこの中学校には何処にもわたしの居場所がなくなってしまいました。
—あ。いや。まだあそこがあった。
「こんにちは〜アリスさん」
……あなたもそう呼ぶの。
わたしが逃げて来たのはやっぱりあの旧校舎 空き教室。先にいたチェシャ猫がわたしを小バカにするように笑っている。少しムカついたけど、それはわたしの話を聞いてもらう事で水に流してあげることにしました。
—こんなにも誰かに会えて嬉しくって、愚痴を言いたくなったのは初めての体験でした。
「ふ〜ん。それは大変でしたね〜」
空返事。ちゃんと話を聞いてくれていたのか分からない返事。でもそれでも良かった。わたしはとにかく誰でもいいから、愚痴を零したかっただけだから。
最後まで言い終わると、チェシャ猫はわたしの目を見つめる。真っ直ぐ見つめられると少し恥ずかしい…かも。
「知ってます〜?」
何を? という代わりに首を傾げる。
「あなたのクラスにいる
<ぶりっこ>
〜さんって、坊主さんに告白してふられたそうですよ〜ご愁傷様ですよね〜」
あははっと人の不幸を面白そうに笑うチェシャ猫。人の不幸は蜜の味ってやつなのかな?
わたしには分からないや。人の不幸を見たり聞いたりしたら、自分まで辛く苦しくなって息が出来なくなるから、出来るだけ聞かないようにしいるの。わたしまで深淵に引きづり込まれてしまうから。
キーンコーンカーンコーン。
また休み時間が終わったことを告げるチャイムが鳴った。
—帰らなきゃあの地獄へ
「お気を付けて〜」
別れ際、チェシャ猫が言ったこの一言「お気を付けて」とはどうゆう意味だろう? 何をどう気を付けろって言うの?