社会問題小説・評論板
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- ナニイロセカイ(半実話)-完-
- 日時: 2017/10/16 10:34
- 名前: 雪姫 (ID: O62Gt2t7)
赤。青。黄。世界はさまざまな色に染まっている。
あなたのはナニイロセカイ___?
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スレ設立日2017/9/15〜10/15完結
*肌寒い秋の日の出来事_。[>>07]
*サクラ色の世界 [>>08]
*静寂の世界 [>>09]
*空気の世界 [>>12]
*寄生虫の世界 [>>16]
*裏切りの世界 [>>17]
*一人の世界 [>>18]
*空想の世界 [>>19]
*オレンジ色の世界 [>>20]
*嫉妬の世界 [>>21]
*敵となった世界 [>>22]
*ハートの世界 [>>23]
*砕け散った世界 [>>24]
*肌寒い秋の日の出来事_。[>>25-26]
*その後の世界 [>>27]
*あとがきの世界 [>>28]
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- 空気の世界 ( No.12 )
- 日時: 2017/10/05 11:02
- 名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: KACJfN4D)
キーンコーンカーンコーン。
休み時間が終わった事を告げるチャイムが鳴りました。
「じゃあまたあとでね」
と、手を振りじゅっちゃんは自分の席へ戻って行きました。
教室の外にいた人たちがぞろぞろ入って来て自分の席についていきます。ああ…やっぱり四十人は多い。
全員席に着いたあとから、あたりを見まわしてみると、ちらほら見知った顔もいました。まあ、じゅっちゃん以外全員、顔と名前だけ知っているというだけですけどね…。
数分後。やってきた担任の先生と思われる先生が教室に入って来ました。女の先生でした。見た目年齢でいうと三十代後半か四十代くらいでしょうか?
これはあとから知った話なのですが、先生もまたわたしたちと同じくらいの子供を持つお母さんらしいです。自分の家庭もあって大変な先生さんです。
一通り説明みたいなことが終わり次に行う事と言ったら、新しい先生 クラス 定番ネタ 自己紹介タイムです。
わたしが一番嫌いな時間の始まりです。地獄の一丁目です。
なんで自己紹介なんてしないといけないのでしょう。別にみんなのことなんて興味ないです。みんなもわたしのことなんて興味ないはずです。逆に興味津々なんて言われたらドン引きです。
前の子達が軽々と自己紹介していきどんどん自分の番が迫ってきます。
ああ…嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。この世界からどうにかして逃げられないかな。
頭が痛い?
お腹が痛い?
おトイレに行きたい?
それっぽい理由を色々考えて案を出してみたけど、どれも微妙です。
「宜しくねー。じゃあ次は—さん!」
時間オーバー。タイムアウト。時間切れです。わたしの番が来てしまいました。
椅子から立ち上がります。
みんなの目線がわたしに集中します。見ないで お願いだから わたしを見ないで_
「綺麗な瞳」
「……ぇ」
緊張で頭の中が真っ白になったわたしに先生がかけた言葉は意外なものでした。
「—さん。貴方とっても綺麗な瞳をしているわね。翡翠色の瞳なんて初めて見たわ。……もしかしてハーフ?」
「ぇ……あ…はい」
「やっぱり!」
どんなーどんなー。見せて見せてー。みんなが騒ぎ出します。初めてパンダを見たちびっこのように。ああ…うるさい。うるさいです。
椅子に座り直してわたしはまた机にうつ伏せになり、瞼を閉じて自分の世界にこもります。
「恥ずかしがり屋さんなのかな〜?」
「あはは」
外の世界からわたしをからかう声が。聞こえない。聞こえない。わたしには何も聞こえません_。
だからわたしに話しかけないでくださいっ。わたしは空気でいいですから…。
- Re: ナニイロセカイ(半実話) ( No.13 )
- 日時: 2017/10/05 11:03
- 名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: KACJfN4D)
自己紹介ネタは当然嘘です。
頭の中が真っ白になって何も言えなかったのは本当です。
でも虐めのキッカケになったっぽいのは瞳の色が翡翠だからじゃないです(;^ω^)
髪型が爆発、アフロ?みたいだったからです笑
あとハーフでもないです。生粋の日本人です。
- Re: ナニイロセカイ(半実話) ( No.14 )
- 日時: 2017/10/06 02:34
- 名前: マユ (ID: qXcl.o9e)
髪型と云えば、妹の同級生の子は天然パーマなんですけど、やるきの問題で嫌われているらしいです。
いやいや、テストがもう死にました。受験生らしい点数が取れないでしょう。悲しいです。ナウ。
- Re: ナニイロセカイ(半実話) ( No.15 )
- 日時: 2017/10/06 09:18
- 名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: eetvNq3l)
>>14
やるきの問題で嫌われるってどんな問題?(-""-)"
最近のイジメられる理由ってよくわからないですね…。
あははは…(;^ω^)
学校行けないのとテストの点は別問題ですからね…。
私も家に引きこもってた頃はゲームばっかりしてて、勉強なんて全然やってませんでしたし笑
苦手科目は一点でも取れたらやった♪ みたいな?(;^ω^)
- 寄生虫の世界 ( No.16 )
- 日時: 2017/10/06 09:50
- 名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: eetvNq3l)
- プロフ: http://www.kakiko.info/upload_bbs3/index.php?mode=image&file=685.jpg
地獄の一丁目 自己紹介タイムが終わりました。わたしの中学校生活が早くも初日でオワリました。
「じゃあ班でわかれて話し合ってねー」
今度は四人、一つの班にわかれて話し合いです。班での役割とか自分達で話し合って決めてねっとのことです。
班のメンバーは隣に座っている黒メガネをかけた背の高い真面目系の男の子とその後ろに座っているのほほんとした平均的な背丈の男の子。
わたしの後ろの席に座っていた、幼稚園の頃仲が良かった女の子。ふぅちゃん。小学校は違ったから会うのは幼稚園の卒業式ぶりだね。久しぶりふぅちゃ…
「………ハァ」
凄く重たいため息。六年ぶりに再開した幼馴染は別人でした。仲の良かったあの頃のふぅちゃんはもうどこにも居ませんでした。不機嫌そうな顔をしてわたし達を見ています。
目を合わせるのが怖くてわたしは他の男子二人に視線をうつしましたが二人もふぅちゃんと同じように、不機嫌な顔でそっぽを向いています。
ああ。班のメンバーすら失敗した…。周りの他の班からは楽しそうな笑い声が聞こえてきます。どんどん役割が決まっていってるみたいです。
でもわたしたちの班は…
「………」
「………」
「………ハァ」
わたしも含め班のメンバーはみんな消極的人ばかり、積極的に仕切る人がいないからみんな沈黙。此処だけ静寂な世界。聞こえるのはふぅちゃんの重たいため息ばかり。
みかねた先生が「じゃあ先生も手伝うから一緒に決めようか?」とありがた迷惑のお節介根性まる出しで手伝ってくれてその場はなんとかなりました。
わたしは役割の中でも比較的ラクなものをやることに成功しました。そこだけは死守しました。面倒くさい役割は全部ふぅちゃんが嫌々引き受けてくれました。誰かが絶対にやらないといけないから。
話し合いが終わってすぐの休み時間。
「本当っムカつく!!」
いつものように机にうつ伏せになって自分の世界に入ろうとすると背中から聞こえてくるふぅちゃんの怒鳴り声。首は動かさず、耳だけ傾けます。
仲のいい友達に愚痴るふぅちゃん。
「なんで私がこんなのやらないといけないのっ」
……ごめんなさい。
「班の奴ら全然喋んないしっ」
……ごめんなさい。
「黙ってればいいってもんじゃないよね!! 話し合いに参加しろっての!」
……ごめんなさい。……ごめんなさい。……ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
「本当だよねー」
背中から聞こえるふぅちゃんの怒号とその友達の声がわたしの心に鋭い刃となって突き刺さります。
幼い頃から他人と話すのが苦手。
ちょっとしたことですぐに泣いてしまう 泣き虫さん。
集団行動なんて無理。 人混み紛れてそのまま消え去りたい。
話し合いの場はいつも積極的なリーダータイプの人にお任せ。おんぶにだっこ。わたしは寄生虫。
優秀な人に寄生する事でしか生きられない寄生虫なんだ。