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- 【リクエスト】小説 デュラララ腐
- 日時: 2015/05/03 23:54
- 名前: IA (ID: 5kOzRZ6l)
どうも、IAです。
このスレはリクエストされた小説を書く為のスレです!なので、いろんな設定の小説が出てきます。
まだ、そんなに書いていませんが…。
全力で書くので、リクエストがあれば、どんどん書き込んで下さい。いつでも、受け付けてます。
目次 ※増えるごとに最新します。
1.【廃病院跡地が廃病院になる前の話】
2.【カルマの坂】
3.【堕天使と天使】 更新中…
では、お楽しみください!
- Re: 【リクエスト】小説 デュラララ腐 ( No.22 )
- 日時: 2015/04/06 22:39
- 名前: IA (ID: 5kOzRZ6l)
少年は夕暮れを待って剣を盗んだ。
その剣は大きく、彼の背丈には当然合わなかった。
そのおかげで逃げる途中にはとても不便だったし、走るのが遅れ、一度捕まりこれでもかという程に殴られた。節々という節々が悲鳴をあげ、「もう、やめてしまえ」と囁く。「たかが他人の為だ」と。
それもいい。やめてしまえばどれだけ楽になれるのか。
でも、そうはいかない。
「何処だ...あの馬車っ...」
臨也はこの地域を中心に盗みをしていたので、大体の土地勘は持っていた。
「っ...!」
足がもつれて転んでしまう。膝をすりむいたようで、膝からは血が滲み出ている。
貴族達はそれを見てただ、嗤う。嗤う。
臨也は血をぐいっと拭うとまた、走り出した。
人目など気にしている場合ではなかったのだ。
「うっ...!」
横からの衝撃。
臨也は衝撃どおりに倒れこむ。
そこには、こちらを見下ろす貴族の姿があった。
「何走ってんだよ。ここが大通りだと知っての行動なんだろうなぁ?」
臨也はそれを無視して立ち上がる。
...この手の邪魔はいくらでも受けてきた。
「オイ、聞いてんのか!?」
貴族の男が少年を蹴り飛ばそうとしたとき、臨也は静かに避け、剣の柄で男の顎を思い切り押し上げた。
「ぎっ」
意味不明な叫び声を上げながら倒れこむ男。
「...あ、コイツ...!」
臨也は思い出した。この男が、静雄に殴られた異国の男だということを。
臨也は男の顔に向かってナイフを突きつける。
男は無様にもがくがくと震え、身動きができなくなっていた。
「お前さ、静雄ってヤツ売っただろ?その静雄は何処に売ったのかな...?」
「し、静雄...?あぁ、アイツか。アイツなら、今頃奴隷として...」
ナイフが男の頬を掠めた。
「脅しじゃない。次は首をかっきる」
「わ...!分かった...話すから...」
「アイツならこの大通りを真っ直ぐ行って、坂を上った先だ...」
臨也はそれだけを聞くと、一目散に走り出す。
もう少し、もう少しなんだ...。だから待ってて。
辺りはもうすでに暗くなっていて、道を照らすのは外灯のみとなった。
民家では温かそうな光が漏れだしている。
それに対して、彼を照らす光は無い。あるのは、影のみ。
「ここが...坂か」
少年は坂の前で立ち止まる。
重い剣を持ちながらここを走ると思うと、とても気が遠くなる。しかし、今はそんなことを悩んでいる場合ではない。
臨也は剣を強く握りしめると、坂を駆け出した。
だが、重たい剣をこの疲れた身体で持つというのは子供にとって、重労働すぎた。
その重たい剣を引きずる姿は風と呼ぶには悲しすぎよう。
それでも、諦めずにひたすらに走る。
何処の誰とも知らない、ただ自分に重ねてしまった、少年の為に...
臨也は『カルマの坂』を上る。
『彼を突き動かすのは怒りと憎しみと__だった』
- Re: 【リクエスト】小説 デュラララ腐 ( No.23 )
- 日時: 2015/04/07 09:10
- 名前: 中二病 (ID: Exk/SR5W)
おお!!___のところが気になりますね。。。。。
どうしよう...........気になって仕方ない..............
- Re: 【リクエスト】小説 デュラララ腐 ( No.24 )
- 日時: 2015/04/07 12:34
- 名前: IA (ID: 5kOzRZ6l)
___の部分ですか〜!
さぁ、なんでしょう??皆さんの思った考えがそこに入りますよ!
わたし的には『勇気』かなぁ...なんて。
では、ラスト(多分)ですよ、次回〜
- Re: 【リクエスト】小説 デュラララ腐 ( No.25 )
- 日時: 2015/04/07 16:49
- 名前: 中二病 (ID: Exk/SR5W)
『勇気』かぁ...........
ラスト 楽しみにしてますね!!
- Re: 【リクエスト】小説 デュラララ腐 ( No.26 )
- 日時: 2015/04/07 21:11
- 名前: IA (ID: 5kOzRZ6l)
辺りは暗闇に包まれていた。
臨也はやっとたどり着いた豪邸の前で立ち止まる。
「ここか...」
やけにぽつりと呟いた言葉が大きく聞こえる。
臨也の身体はもうすでに、ボロボロ。殴られた傷も、蹴られたアザも、疲れきった心も。キシキシと軋む身体に無理やりと「動け」と命令する。
臨也は盗んだ剣を引き抜いた。鞘が音を立てて地面に落ちる。
もう彼の耳には何も届かない。心身共々疲れきっているのもあるが、何より、感情というものに支配されていたからだ。
少年の怒りと憎しみは、大人の様にドロドロとした反吐の出るような嫌気の差すようなものではなく、ただ純粋な怒りに包まれていた。初めて気付いた思いは、いつの間にか制御できない程に育っていて...。
その思いを剣に宿すかのように、臨也は剣を前に突き出した。
「待ってなよ、傲慢な大人達...。
地面に這いつくばって生きてきた、ゴミクズの強さ思い知らせてやる」
この今の状況が全ての出来事を物語る。
怒りと憎しみの切っ先を払ってたどり着いた先、ホールのど真ん中で少年、静雄はたたずんでいた。
辺りを見れば、真っ赤な絨毯と共に人形が転がっているのが分かった。それは臨也が切り捨てた者もいるのだが、この残響を作り上げた張本人は静雄、ただ一人。
剣も銃も何も使わずに、最も生き物らしいシンプルな殴る・蹴るという方法で。
「そこにいんのは、誰だ」
ドス黒い何かを具現化させたような声が響く。
ゆらりと、静雄がこちらを振り向いた。
「...俺は臨也。君が貴族達に仲買いされているのを昼間見つけたんだ」
「ふぅん...じゃあ死ね」
静雄は物騒な事を呟くと、一気に跳躍し、臨也の目の前に現れる。
「がッ!?」
腹に突然すぎる衝撃が加わった。
子供が繰り出したとは思えない程の力。
臨也の身体は抵抗することなく、吹っ飛ばされ、壁に激突する。
背中に激しい痛みが伴った。
「実はなぁ...俺はもう長くはもたねぇんだよなぁ。腹は痛ぇし、頭はズキズキするしよぉ...!
あああああぁぁあ!!ムシャクシャする!」
「...ってことで、一発殴らせろ」
...理不尽すぎるだろ。
今の言動を聞くと、俺は腹いせに殴られたということになる。
「冷めたよ...」
今までの思いが冷めた。
俺はニヤリと笑った。
やっぱりダメだったな...。コイツ理不尽すぎるし、何考えてるか分かんないし。挙句の果てには、大人ですら一発でノックダウンさせるようなパンチ繰り出してくるしさ...。はっきり言えば、面倒くさくて、大嫌いだ。友達にもなれそうにないや。
臨也は剣を手から離した。
それは、遠くから見れば、子供の戯れにしか見えないだろう。彼らは本気のケンカをしているが。少年達は正直すぎる子供心の中で「大嫌い」という三文字を浮かべていた。本気でケンカできる相手にこそ、本音を言える。このゴミ箱のようなところにいる思いを吐き出すことができる。会ったばかりで犬猿の仲になってしまう彼らにこそ。
嘘と真実。光と影。白と黒。
互いがいるからこそ、自分が存在できるかのような。それに似た関係になっていた。
「はぁ、はぁ...。何なんだお前...」
静雄は肩で息をしながら呟く。
「別に何なんだって言われても、俺だってしか言いようないんだけど?」
ふと、静雄がパタンと倒れこんだ。
「...?シズちゃん?」
「てめぇ、シズちゃんって誰の事だよ」
「どう考えても君しかいないでしょ」
「ふざけた名前にすんな、...ってか、てめぇ誰だよ」
今気付いたのか...!しかも、今更...。
臨也はひとつ溜め息をつくと、「臨也」と必要最低限の言葉を話した。
「よし...臨也。俺を殺せ」
「え?うん。...えっ?」
その言葉は子供の臨也を戸惑わせるには充分だった。
「それって...」
「言っただろ、俺はもう長くねぇって。あいつら、容赦なく銃ぶっ放しやがった」
静雄の額にうっすらと、血管が浮び上がった。
そういえば今気付いたが、静雄の服はてっきり返り血を浴びたものかと思ったのだが、実際は彼の血だったということを思い知らされる。
「あんなヤツの手で死ぬくらいなら、お前の手で死んだ方がまだマシだろ」
突然静雄が咳き込む。
その手には真っ赤なものが付着していた。
「俺がとどめをさせってこと?...ふざけんな。俺もアイツらと同じになんのは嫌だね。悪いけど、イエスとは言えないな」
「...別に違うだろ。お前と貴族らは違う。俺が殺してくれって頼んでんだ。何も...」
「話は終わりだ。俺はシズちゃんを殺さない」
その時、盗んだ剣が目の前に突きつけられた。
「俺だって死ぬのはゴメンだ。でもよ、こんな意味の無い時間を過ごして、自分を嫌いになんのは、それよりもゴメンだ。
だからよぉ...。もう、言わねぇ。俺を、殺してくれ...!」
これ以上に頼まれて、断る理由が何処にあろうか。
自分は...!自分は...!
少年は壊された魂で微笑んだ。
「っ...!殺された後で、俺を恨むなよ...シズちゃん」
「はっ...。それはどうかな?臨也君...」
『最後の一振りを少年に......』