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【リクエスト】小説 デュラララ腐
日時: 2015/05/03 23:54
名前: IA (ID: 5kOzRZ6l)

どうも、IAです。
このスレはリクエストされた小説を書く為のスレです!なので、いろんな設定の小説が出てきます。
まだ、そんなに書いていませんが…。
全力で書くので、リクエストがあれば、どんどん書き込んで下さい。いつでも、受け付けてます。

目次 ※増えるごとに最新します。
1.【廃病院跡地が廃病院になる前の話】
2.【カルマの坂】
3.【堕天使と天使】 更新中…

では、お楽しみください!

Re: 【リクエスト】小説 デュラララ腐 ( No.17 )
日時: 2015/04/06 16:46
名前: IA (ID: 5kOzRZ6l)

ある時代、ある場所。乱れた世の片隅。
少年は生きる為、「盗み」を覚えていった。
その少年の名は「臨也」という。薄汚い白い服に、少年の彼には大きすぎる半ズボン。上下共々、至るところが破けており、その格好からは少年の生活が目に見えるようだった。しかし、身なりからすればそう見えてしまうが、彼の顔つきは美形そのもので、孤児とは思えない程の美少年だった。
そんな彼は路地裏で独り、ナイフを持ちながらたたずんでいた。
彼が思うは一つだけ。
「俺は別に人を恨んじゃいないさ。俺を捨てた親だって、俺を見て嗤う奴らだって。これからも、俺を嗤えばいい。
 でも、お前らが思った通りにはならない。俺はずっと見てるだけだ。
 まぁ、何が言いたいのかって言うと」
「お前らの笑みは長くは続かないってことだ」
少年はニヤリと不敵な笑みを浮かべた。

晴れた青空に、さえずる小鳥達。今は昼過ぎ。大通りには、小奇麗な服装をした貴族達が歩いている。
少年、臨也は路地裏でじっとそれを見ていた。
「ん〜...今日はどの貴族のものを奪おうか」
顎に手を当てながら、うんうんとうなる。
ふと、彼の目の前を一人の小太りの男が通った。その男は、臨也を見るなり鼻で笑うと、そのまま素通りしていく。
「よし。アイツに決めた」
臨也はポンッと手を鳴らすと、ナイフを懐にしまい込む。
このナイフは自ら振るうものではないが、一応護身用として持っているのだ。
そして蟻の巣のように張り巡らされた路地裏を使い、あの男を先回りする。
こっそりと顔を覗かせると、そこにはこちらへ歩いてくる男の姿があった。
臨也はしゃがみこみ、男をじっと待った。
大通りと路地裏では日光の当たり加減がまるで違う。そこから、一歩踏み出せば、まさに別世界へ移動するような感覚だろう。路地裏で生活する者にとっては、次元の違う異世界。貴族にとっては、用の無い世界。
誰一人として、別世界に足を踏み入れる者はいないのだが...。
臨也は、男が目の前を通った瞬間、男に向かって飛びかかった。
少年は違ったのだ。
「うおっ!?」
臨也は男の持っていた紙袋を強引に引っ張ると、それを奪い取る。
「んの...クソガキっ...!」
男もそれだけでは引き下がらない。
臨也の髪を引っ張り、自分の方へ引き寄せる。
「いっ!...くそっ」
臨也は痛みに顔を顰めながらも、懐からナイフを取り出し、男を浅く切りつけた。
男はあっさりと手を離し、短い悲鳴をあげる。そして、臨也を追いかけようとするが、醜く太った大人達などには決して追いつけない速さで駆けてゆく。
まるでそれは、風のよう。
臨也は後ろを振り向き、にっと笑うと路地裏に逃げ込んだ。
「俺がどれだけ食べ物を得る為に走ってきたと思ってんだろうねぇ...。
 お前らが追いつける訳ないじゃないか」
臨也はにこにこと笑顔で話す。この笑顔だけを見れば、ただの無邪気な少年なのだが...。
男から奪った紙袋の中には、パンが二つと林檎が一つ。それにワインが一本入ってあった。
「うーん...俺はワインは飲めないんだよね。苦手だし」
ふと、臨也は自分の横に倒れこんでいる老人がいるのに気付く。
老人はよろよろと起き上がると、物欲しそうにワインを見つめた。
「...これ欲しいの?いいよ、あげる。どうせ飲めないし」
「いいのか...?すまないなぁ...」
老人は枯れた声で礼を言うと、臨也からワインを受取る。
「そうだ...。ヌシに聞きたいことがある...」
「何?」
「何故外の世界に出たがるのだ...?そこには私達の居場所ないだろう」
老人が言う「外の世界」とは大通りを過ぎた先の事だろう。
臨也は一瞬間を置き、答えた。
「別に出たい訳じゃないさ。ただ、生きる為だよ」
それは本心だった。
確かにそれだけでは無いのかも、しれないが。
ただ純粋に食べるために、生き抜く為に物を盗る。
それは穢れ無き「罪」といえるだろう。
「ま、でも。死んでもいいかもね。
 死んだ後に行ける、地獄と天国がここよりもマシなものだったらだけど」
臨也は老人に別れを告げると、光の当たらない家に帰ろうとする。
それが、家なのかは彼自身も分からないが。
歩きながら、臨也はぽつりと独り言を呟く。
「神様ってやつはとんだペテン師だね〜。人は皆平等だって、笑える」
少年が口にするようなことではないことを呟くと、彼は闇の中に消えていった。

『人は皆、平等などと、何処のペテン師のセリフだか知らないけど』

Re: 【リクエスト】小説 デュラララ腐 ( No.18 )
日時: 2015/04/06 16:56
名前: IA (ID: 5kOzRZ6l)

久しぶりに更新しましたw
今回は臨也だけでしたが、次回には静雄もでてきますよ!
カルマの坂って結構、ボカロの「六兆年と一夜物語」って曲に、
似てますね。物語的にw
...良い曲だったってことですw
では、次回もよろしくお願いします〜

Re: 【リクエスト】小説 デュラララ腐 ( No.19 )
日時: 2015/04/06 17:44
名前: 中二病 (ID: Exk/SR5W)

おもしろかったですぅ!確かに「六兆年と一夜物語」に似てますよね。

続き 楽しみにしてます!!

Re: 【リクエスト】小説 デュラララ腐 ( No.20 )
日時: 2015/04/06 20:54
名前: IA (ID: 5kOzRZ6l)

そして月日というものは、どんどんと過ぎていき、気がつくと丸一年が過ぎていた。
いつも通り奪ったものを抱いて逃げる途中、すれ違う行列の中の少年に目を奪われ立ち尽くす。
その少年は悔しそうな顔つきで貴族の前に立つ。どうやら、遠い街から売られてきたのだろう。貴族と少年の後ろには見慣れない格好の大人が二人。貴族と大人達は何かを話しているようだった。
臨也は少しだけ近づくと、聞き耳を立て、話しを盗み聞きしようとする。
「この少年は少し困りものですがね...」「ほう。しかし役にはたつんだろう?」
「はい!もちろん!力仕事をまかせれば...もう」「ふむ、買った!」
臨也は、気がつけばぎりっと歯を噛みしめていた。
...あれ?俺、もしかして怒ってんの?
初めての感情に自問自答を繰り返す。
すると、貴族の一言が臨也に届いた。
「だが...親にも嫌われた『バケモノ』か...。話によると家のレンガ作りの壁に穴を開けたそうじゃないか。それは本当かな?『バケモノ』」
それが臨也の聞いたあの貴族の最後の言葉だった。
それはその少年が貴族の男を、握りしめた拳で盛大にブン殴ったからだ。
「え」
さすがの俺も動転する。
「あぁ、そうさ...。俺はバケモンだ。否定はしねぇ...。
 だがな...否定はしねぇが、俺にだって我慢の限界はあんだよ」
「俺の名前は...静雄だ!よく覚えとけ!」
少年、静雄は叫び声を上げると、隣にいた異国の男を睨みつける。
しかし、その目には涙が浮かんでいた。
「ああああああああっ!!」
静雄は絶叫すると隣の男を殴った。
男は跳ねながら、やがて民家の家の壁に激突する。そして、ピクリとも動かなくなった。
「っはぁ、はぁ、はぁ...」
少年は肩で息をするが、ぱたりと倒れこんでしまった。
「え...嘘ぉ...」
臨也は苦笑いをする。
でも、これで彼が奴隷として売られることは無くなった...ハズだった。
静雄が倒れこむと同時に、それを遠くから見ていたあの貴族の使用人が走ってきた。するとその使用人はずるずると静雄を引きずると、手錠をし、馬車の中に連れ込んでしまった。
「あっ...」
俺は反射的に手を伸ばす。
当然のことながら、その手はいくら伸ばしても届かず、ついに馬車は見えなくなってしまった。
「くそ...」
俺は歯軋りをすると、脇目も振らずに駆け出した。
そして路地裏に入る。
臨也はしゃがみこむと頭を掻き毟った。
入り混じる怒り。それは生きてきて、一度も感じた事の無かった感情だった。疑問符が浮び上がり、彼を惑わせる。たった数十分見ただけの、たった先ほど会ったばかりの少年に何を思っているのだろうか。
しかし、その清らかな身体に穢れた手が触れていると思うと自分の怒りを抑えられなかった。
俺には、そんな彼のような力も無ければ、アイツらのような権力も無い。助けたとしても、彼に理想も思想も与える事は出来ないのだ。
「この感情は何なんだ...!?」
分からない。分からない。
少年には、到底分かり得ないだろう。
何故なら、臨也は人に愛されたことが無かったからだ。親からも捨てられ、人には見捨てられ、愛されたことなど一欠片も無かったからだ。
それでも臨也はあの少年に...愛されたかったのだ。
同じ者同士なら分かり合えると、愛する事ができるとそう思ったのだ。
「俺が出来る事...!」
臨也は決めた。
自分がするべきことを。

『神様がいるとしたら、何故俺らだけ愛してくれないのか』

Re: 【リクエスト】小説 デュラララ腐 ( No.21 )
日時: 2015/04/06 20:59
名前: IA (ID: 5kOzRZ6l)

どうもです!!
いつもいつもコメントをありがとうございます!感謝感激ですよ!!
次回もよろしくお願いします!


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