BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- 【ハイキュー!!】頂の景色を夢見て【BL短編集!】
- 日時: 2015/06/22 22:00
- 名前: レム* (ID: vWi0Ksv5)
「得意とか苦手とか身長とか、そんなの関係なくて。ただ俺は、好きだからやってんだ」
◇
ということでこんにちは!!
レム*です。
今回は、他のサイトで投稿したものや、これから投稿しようとしてるもの……
あとは、短すぎて投稿できなかったやつとか……
そういう小説を投稿したいと思います!!
最初に言わせてもらいます!!
健全文です!!←
書けるけど書きません!!
私未成年!! ダメ、絶対!!←
でも´q`ホモォです!!←
全力でホモォです(
リクエスト受け付けてます!!
ただ答えられないかもしれないかな!!(
【目次】
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- Re: 【ハイキュー!!】頂の景色を夢見て【BL短編集!】 ( No.8 )
- 日時: 2015/06/13 15:19
- 名前: レム* (ID: sSv6cHIH)
『両片オモイ。』
——突然だが、俺は月島が好きだ。
いつも馬鹿にされるし上から目線だし(実際背は俺より高いけど)ムカつくし……
でもなぜか、いつの間にか好きになっていた。
男同士だし、言えばきっと気味悪がられる。
だから俺は、今の関係を保とうと必死だった。
放課後、同級生の女子に告白された。
本気で好きだという様子だったが、それでも俺は断った。
好きな人がいるから、と。
その後の練習は、あまり集中できなかった。
ふと、蜂蜜色の髪が目に映る。
「王様何ジロジロ見てんの。気持ち悪い」
気付いたら目線は月島にいっていたようで、体に熱がこもったのがわかった。
「う、うるせぇ!! ぼーっとしてただけだ」
もちろんと言うべきか、山口に嫉妬している時だって、数えきれないほどある。
自分が山口だったらと、どれだけ思ったことか。
「ホント王様大丈夫? さっきからボール外しまくりだけど?」
本当に心配だ、というように目を細め、顔をしかめる。
「うっせ。今日は調子悪ぃんだよ」
「あっそ。精々頑張ってよね」
ちなみにもう時間だけど、と一言付けたし、帰っていった。
ある日、俺は思いきって月島を俺の家に来ないかと誘った。
全力で拒否されると思ってたのだが、案外簡単にOKを貰えた。
「月島、行くぞ」
「分かってるから。山口、僕ちょっと王様の家に行くから、今日一人で帰って」
「オッケーツッキー! じゃ、また明日ね!」
月島は山口に別れを告げ、俺のあとにヘッドフォンをつけながら着いて来た。
数分歩くと、俺の家が見えてくる。
小さくただいま、と言って、中に入るよう月島に促した。
部屋に入り、荷物を置く。
「飲み物持ってくっから、適当な場所座ってろ」
◇
僕は珍しく王様に誘われて、王様の家にいる。
なんか意外に片付いてる……
これじゃあいじるにいじれないなぁ、なんて。
「……ほら」
王様が飲み物を持って戻ってきた。
「王様って案外部屋綺麗なんだね。王様のことだからもっと散らかってるかと思ったよ。本気で」
なんて、率直な感想を並べていると、王様は何か怒った様に呟いた。
「…………んで……」
「は?」
聞き取れなくて、思わず聞き返した。
「……っなんで、俺ばっか……俺ばっか、苦しまねぇといけねんだよ」
王様がいきなり意味不明な事を言い出した。
というかもう、意味不明どころか気味悪いよね。
って、泣いてる……?
「ちょっと王様。なんで泣いて…………っ!?」
僕が言葉を言い終わる前に、いきなり押し倒された。
「……お前……やっぱ、俺の……事……嫌い……なの、か……?」
「は? ちょ、王様何言ってんの?」
やめてよ。
それじゃあ僕が。
僕が王様を思う気持ちを——
「いつもいつも……悪口言っては嘲笑って……そんなに……そんなにっ!! 俺の事……嫌い、なのかよ……!!」
——違う。
違う……
王様が嫌いなんて、そんなこと……
「……好きな気持ちは裏返しって、よく言うでしょ」
「——え?」
意味がわからない。
そう言いたげに、王様の目は僕を捉えた。
「嫌いなわけ、ないデショ!? 僕なんて、影山の事好きで好きで堪らなくて? 僕みたいな庶民なんかに……全然届かない相手だし。ていうかまず、影山モテるじゃん。しかも僕達男同士だから、いつも……いつも……!! 悪口言って嘲笑って、気持ち誤魔化して!? 影山なんかより僕が……一番大変なんだけど……鈍感もいい加減にしてよね!!」
◇
「っ!?」
——月島が、俺を好き?
あの、月島が。
手が届くわけないと思っていた、あの月島が。
「……ホントに、俺が好きなのか?」
信じられなかった。
「馬鹿。同じ事、二度も言わないし……!!」
耳まで赤く染めて、口元を手で隠す。
……可愛い……
あの月島を、俺が——
考えるだけで、胸が高鳴った。
「月島……大好きだ。その…………愛してる」
その言葉は永遠だと、君に誓う。
- Re: 【ハイキュー!!】頂の景色を夢見て【BL短編集!】 ( No.9 )
- 日時: 2015/06/13 09:56
- 名前: レム* (ID: sSv6cHIH)
- プロフ: 一応葦月です!!
『不老不死と消えない悲しみ』episode1
今まで何度も聞いてきたお経が、耳に響く。
——あぁ、まただ。
また、一人になってしまった。
大好きな人が笑顔で写る遺影を眺めながら、俺は心の中で呟いた。
俺は死ねない。
いまも、これからも、ずっと、俺は独りなんだ。
◇
俺は、死ぬことができない。
俗に言う、不老不死というやつだ。
しかし、不老不死ではあるが、不死身ではない。
普通の人間の様に、怪我をすれば痛みだってあるし、風邪だって引く。
ただ、どんなに大きな怪我をしようとも、死ぬことはなかったのだった。
俺は、そんな体で数えるのも嫌になるほどの年月を過ごしてきた。
それは、同時に大切な人……愛していた人との別れを、必ず迎えるということでもあった。
そしてまた俺は、独りになった。
「赤葦君……来てくれてありがとう……」
「……いえ」
目を真っ赤に泣き腫らした女性が、俺に声をかける。
確か、この人は亡くなった友人の母親だ。
あまり話したことはないのだが、確か写真を見せてもらったことがあったっけ。
——大学に通い始めて、初めての友人だった。
その彼が一昨日、亡くなったのだ。
……まだ、20歳だった。
この間みんなで、誕生日を祝ったばかりだった。
そんな彼が一昨日、交通事故で呆気なく逝ってしまったのだ。
人間なんてそんなものだ。
儚いだの尊いだのと人は言う。
ただその人間が死ぬ環境をつくっているのは自分達ではないか。
人は醜い。
自分のやったことを認めない、そんな自分勝手な生き物なんだ。
——俺は、まだ心の整理もできないまま、葬式に出席していた。
他の友人や親戚もそれは同じらしく、皆、まるで魂が抜けたようだった。
俺は、は何度も何度もこんな場面を見てきた。
でも、何度見ようと、経験しようと、慣れることなんてありはしなかった。
……ただただ、悲しみだけが心の中に居座った。
『大切な人ほど、失う時の悲しみも大きい』
そんなこと、俺が一番知っている。
周りと距離を置いた時期もあった。
それでも人との関わりを完璧に断つことなどできず、大切な人が一人、また一人とこの世を去っていった。
- Re: 【ハイキュー!!】頂の景色を夢見て【BL短編集!】 ( No.10 )
- 日時: 2015/06/13 09:59
- 名前: レム* (ID: sSv6cHIH)
『不老不死と消えない悲しみ』episode2
友人の死をきっかけに、俺は大学を辞め、一日一日をまるで屍のように過ごした。
「……屍、か」
それは、自分の一番求める姿だった。
いくらなろうとしても、俺にはできない。
それは、わかっていることだった。
「……死にたい、なぁ……」
俺が小さく呟いたと同時に、遠くの方で、高校生らしき集団がとても楽しそうに笑いあっているのが見えた。
……高校か……もう一度行ってもみても、いいかもしれない。
俺は、約60年前に高校を卒業している。
当時の友人達は、もうほとんど残っていない。
……3年間、短いけど、俺には丁度いいかもしれないな。
そこからは早かった。
高校は一度出ているが、それは60年前の話だ。
流石にいろいろと変わっているだろう。
中学生の受験資料を買いあさり、勉強に励んだ。
何十年ぶりかに取り組んだ勉強は少々難解だったが、目標を見つけた俺は、その難しさも楽しかった。
そして無事に高校に合格。
高校名は……梟谷学園。
一度校門をくぐれば、部活勧誘の嵐。
どこの部活も、目が真剣すぎて少々恐ろしい。
そんな中に、ひときは大きな声で勧誘する部活があった。
「ヘイヘイヘーイ!! バレー部入ってくれーっ!!」
「ちょ、木兎うるさい!」
「このくらいやらないとみんな来てくれないだろ? あっ! 君どう? バレーやらない!?」
いつの間にか人の波に流されて、バレー部の勧誘スペースの前まで来てしまっていたらしい。
耳元で叫ばれると、耳がいたい。
ヘイヘイヘーイ、という謎の掛け声をかけていた、銀髪の……木兎さん? という人が俺にまで声をかける。
……バレーかぁ……
バレーは60年前に経験済みであるが、なんせ何十年ぶりのバレー。
それに加えて、この木兎という人への絶対的な不安感(というか不信感)。
正直に言うと不安しかなかった。
繋ぐスポーツ、バレー……ね。いいかもしれないな。
「……はい。入部します。よろしくおねがいします」
俺がそう言えば、木兎さんとやらは目をキラキラと輝かせ、またあの変な掛け声と共に、他の部員に自慢しにいった。
なぜだか、ものすごくこれからが不安だ。
俺の不安の原因が分かるまで、あと少し。
- Re: 【ハイキュー!!】頂の景色を夢見て【BL短編集!】 ( No.11 )
- 日時: 2015/06/13 10:02
- 名前: 理沙 ◆R56jBpqpac (ID: FpNTyiBw)
文才の神様はここですか^ω^)ニュッ
いやあ月島さん受けに興味はあったけど近づかなかった私がどっぷりはまりましたよ責任をとっ(((((
凄い素敵な文をお書きになるんですね……素晴らしいお方だ……。
これからも無理なく頑張ってください。応援してます(*´ω`*)
- Re: 【ハイキュー!!】頂の景色を夢見て【BL短編集!】 ( No.12 )
- 日時: 2015/06/13 10:03
- 名前: レム* (ID: sSv6cHIH)
『不老不死と消えない悲しみ』episode3
月日は流れ、俺は2年になった。
バレーにも慣れ、喜ぶべきか、副主将に選ばれた。
——そして今日は、2度目の夏合宿に参加していた。
「黒尾! 久しぶりだなぁ!」
「おぉ、木兎。あいかわらずうるせぇな」
「なにをう!?」
黒尾さんにからかわれ、木兎さんが怒りだすという光景は、今年で3年目に突入した(俺は二年目だが)。
まったく、進歩のない……
これが主将だなんて信じられるだろうか。
まぁ事実だし、信じるも何もないのだが。
騒ぐ木兎さんを見ながら、深いため息をついた。
「木兎さん。そんな分かりやすい挑発に引っかからないでください。黒尾さんもこの後が面倒なんでほどほどにしてください」
「あかーし!?」
「おー、流石木兎の保護者だな」
「黙れトサカ。……ていうか、こんな大きい子供作った覚えないです」
「あ、あかーしぃ……」
「トサカって、ひでぇなぁ」
木兎がしょぼくれモードに入る前に、黒尾さんは退散。
しょぼくれモードに入りかける木兎さんを(仕方なく)慰め、体育館に向かった。
◇
「ツッキー来ねぇなぁ……」
「腹でも壊してんのかな?」
「……」
夜、いつものように集まって練習しようとしていた、俺と黒尾さんと木兎さん。
しかし、いつもならこの中に月島が加わっているのだが、今日は一向に現れない。
……っまさか、何かあったんじゃ……
長年の勘というものだろうか。嫌な予感がする。
「……黒尾さん、木兎さん。調子が悪いので、今日はもう休みます」
嘘をつくのは嫌だが、この際仕方がない。
「ええ、あかーし大丈夫か!? ゆっくり休めよ!」
「お大事にな〜」
見送られながら、体育館を出る。
そして、出た瞬間に、全力で走りだした。
きっと、自分を知っている人が今の自分を見れば、驚いて止めにくるだろう。
しかし、今は月島の無事を確かめなければ。
月島が行きそうな場所探したが、一向に見つからない。
「一体……どこに…………っあ!?」
高校の真ん前の道路。
そこに、見慣れた蜂蜜色は倒れていた。
急いで駆け寄り、月島に声をかける。
幸い息はあるようだが、周りには月島の血と思われる液体が広がっている。
「月島! 月島っ!」
体を激しく揺さぶる。
本当は良くない事だけど、今はこれ以外に月島を起こす方法が見つからない。
「あんまり……揺らさないで、ください……」
しばらく揺すっていると、月島が弱々しい声で俺を止めた。
「月島!? 大丈夫!?」
ほっと、思わず肩を撫で下ろす。
しかしすぐに月島が心配で、気を入れ直した。
「……とりあえずここは邪魔ですから、動きましょうか」
体についた血をそのままに、月島は立ち上がり歩道に入る。
俺も黙って、月島の後を追った。
「——僕、死ねないんですよ」