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【ハイキュー!!】頂の景色を夢見て【BL短編集!】
日時: 2015/06/22 22:00
名前: レム* (ID: vWi0Ksv5)

「得意とか苦手とか身長とか、そんなの関係なくて。ただ俺は、好きだからやってんだ」



 ということでこんにちは!!
 レム*です。

 今回は、他のサイトで投稿したものや、これから投稿しようとしてるもの……
 あとは、短すぎて投稿できなかったやつとか……
 そういう小説を投稿したいと思います!!

 最初に言わせてもらいます!!
 健全文です!!←
 書けるけど書きません!!
 私未成年!! ダメ、絶対!!←

 でも´q`ホモォです!!←
 全力でホモォです(

 リクエスト受け付けてます!!
 ただ答えられないかもしれないかな!!(


【目次】

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Re: 【ハイキュー!!】頂の景色を夢見て【短編集】 ( No.3 )
日時: 2015/06/09 16:46
名前: レム* (ID: sSv6cHIH)
プロフ: 迷ったけどクロ月でいきましょうか!!

『体温』


 ジリリリリリリリリリリリリリリ!!

 朝、けたたましい目覚ましが鳴る。
 あーうるっさ。
 ていうかそっちの方が目覚まし近いじゃん。
 そう思い、一緒に寝ていた相手に足を出した。

 しかし一向に目覚ましは止まず、それどころか、投げ出した足にはなんの感覚もなかった。
「おい蛍!!」
 耐えきれなくなった俺は、叫びながら布団を剥いだ。
 だが既にそこには、見慣れた青年の姿はない。
 ……あれ、彼奴意外と朝弱くなかったっけか?


「ずいぶんとお早いお目覚めですねぇ」
 リビングにはもう彼の姿があった。
 コーヒーの入った、黄色いラインの入っているマグカップを持ち上げ、「いりますか?」と聞いてきた。
 その声は、寝起きだということを差し引いても、明らかに渇れていた。
「もちろん」
 俺がそう言う前に、蛍は棚へと向かっていた。

 俺のマグカップは蛍と色違いで、黒いラインの入った物だった。
 同棲を始める前、俺が見つけて買ってきた。
 もちろん蛍は林檎みたいに赤い顔で首ぶんぶん振ってたけど。

 なんて物思いに耽っていると、蛍がゴホゴホと咳をし始めた。
 それもかなり苦しそうで。
「おい蛍っ!? 大丈夫か!?」
 近付いて触れようとすれば、手で制された。
「大丈夫……で、す」
 いや絶対大丈夫じゃないだろその顔。

「バァカ。デコ借せ」

「はっ……? 何言って__っ!?」
 蛍が文句を言い終わる前に、額と額で熱を測る。
 どうやら俺の額は冷たかったらしく、ビクっと肩を揺らした。


「はぁ……お前何してたワケ?」
「へ……?」
「熱、あんだけど」
 俺がそう言えば、蛍は目を丸くした。
 そんなに珍しいことなのか……
 ……まぁ、いい。

 ヒョイっと蛍の体を持ち上げる。
「なっ……!! 黒尾さん、何して……」
「ん? ……姫抱き」
「そんなことわかってます! 仮にも190近いですし、体重だって重__」
「バーカ。軽いよ」
 うん、軽い。
 本当に自分より背の高い奴だとは思えない。
 絶対俺の方が重いってーの。

「今日は、全力で甘えさせてやる」



 先程まで寝ていたベットに寝かせる。
「黒尾さん、僕は大丈夫__」
「じゃ、ないだろ。いいから黙って寝とけアホ」
 乱暴に蛍の頭をくしゃくしゃと撫でると、少しムスッとしたが、気持ちいいらしく目を細めた。
 その顔に口が緩む。
 あー……可愛いわー……
「大人しく寝てろよ?」
「……わかってます」


 キッチンに向かった俺は、粥を作ろうと試みる。
 ……が。
「どうやって作るんだし……っ」
 料理初心者舐めんな。
 調理実習と母さんの手伝いでしかやったことねぇよ。


「……うむ、流石グッグパット(某料理サイト)だ」
 我ながら美味しい。
 ……いつも蛍に作ってもらってたしなぁ。
 ホントなんでも出来る奴だ。


「けーいーくーん」
 ゴンゴンと荒くドアを叩く。
「どうぞ」
 小さく蛍は返事を返してくれた。
 中に入ると、ベッドで本を読んでいる蛍。
「……寝ろって言わなかったか?」
「大人しくはしてますよ」
「……」
 デスヨネー。
「……ほれ、粥だ」
「……え。黒尾さんが作ったんですか?」
 さぞ驚いた様に、目をぱちくりさせる。
「んだよ。嫌なら食べなくても__」
「嫌じゃありません。むしろ……嬉しい、ですよ」
 小さかったが、聞き取れた。
 途中でそっぽを向いたけど、顔、隠しきれてないし。
 耳も真っ赤。
 かーわいー。

「そうかそうか! 蛍君は黒尾さんにお粥をつくってもらって嬉しかったのかっ!!」
「んな……っ!! う、うるさいです! 今すぐ地獄に堕ちて帰って来てください!」
「それは難しいかな!?」

 少しだけ、こんな日がずっと続けばいいな、なんて。

「んじゃ、あーん」
 スプーンで掬い、口元まで持っていく。
「はっちょっ、そこまでやってもらうのは__」
「言ったろ? 甘えさせてやるってな」
「う……」
 蛍は再び顔を赤くし、渋々スプーンへと口を近付ける。
「んっ……熱……」
「あ、すまん」
「あっそういう事じゃなくて、えっと……だ、大丈夫ですからっ」
 なぜか慌てて、いつもより少し大きい声を出す蛍。
 ま、明日には治るか。

「じゃ、片してくるわ」
「…………」
「大人しくしてろよー」
「……あ、あの。黒尾、さん」
 ぎゅ……っと、蛍が俺の服の裾を掴む。
「ん? なんだ?」
「…………さい」
「え?」
「……は、早く戻ってきて下さいっ!!」
「っ!」
 上目使いに俺を見る目は、少し涙が浮かんでいて。
 ……風邪引いてる時、人肌が恋しくなるって本当なんだな。


「甘えさせて……くれるんでしょう?」
 にっこりと笑う。
 ……あーくっそ。
 反則だろ、それ。

「もちろんだ。5分で戻ってくる」
「3分」
「…………頑張る」

 いつもお前は、俺の言いたいことをわかってくれる。
 不器用な俺を、支えてくれる。
 強い君も、弱い君も。
 優しい君も、怖い君も。
 可愛い君も、格好いい君も。
 全部全部大好きだから。

「その顔、俺以外に、見せんじゃねぇよ」

「……当たり前じゃないですか」


Re: 【ハイキュー!!】頂の景色を夢見て【短編集】 ( No.4 )
日時: 2015/06/09 17:14
名前: レム* (ID: sSv6cHIH)

『生きてる意味ってなんですか?』


 『あんたなんか産まなきゃよかったっ!』
 『その余裕って感じの目とか、うぜぇんだよ!』



 僕が生きてる理由はなんだろうか。
「ツッキー?」
「……あぁ、山口」
「どうかした?」
「……いや、何も」
 こいつもきっと、本当は僕を信じてなんか——いない。

「……ただいま、帰りました」

 家に入り、そう小さく呟く。
 聞こえていようがいまいが返事はない。
 たいして変わらないのだから、別にどうでもいい。

「あら、帰ってたの」
 リビングに入れば、僕の最も憎む人。
「……今、帰りました」
「そう。……バレーはやめた?」
「……いいえ」
 こいつは僕がバレーをやっていると、やめろやめろと言う。
 どうせ部費がどうとか言うんだろうけど。
「まだやめてないの!? ずっとやめろって言ってるでしょう!? ……これだからあんたなんか産みたくなかったのよ。死ねばいいのに」
「……」
 死ねばいいのに、か。


 僕の母親は、僕を毛嫌いした。
 父親が死んだとき、僕はその場にいた。
 父さんがトラックに轢かれたのは、僕のせい。
 僕を庇った父さんは、あっけなくトラックに潰された。
 
 『全部、あんたのせいよ!!』

 憎むだなんて言うけれど。
 それは僕の身勝手。
 悪いのは全部僕。

 死ねばいいのに。
 母親の口癖は、もっと僕を息苦しくさせた。
 僕が死ねば、母さんは楽になれる?
 僕が生きてるせいで苦しむ人達は、幸せになれる?
 ……だったら、だったら。
 ……死んでもいいかな、なんて。

「少し、出かけてきます」

 そう言うと、走って家を飛び出した。
 住宅街を抜けて。
 坂ノ下商店を抜けて。
「はあ……っはあ……っ」

 ——烏野高校。

 吸い込まれる様に、屋上へと走った。

「…………着いた」
 なんとなく見慣れた風景。
 チームメートと見た風景。
 偽りの友情のはずなのに。
 なぜかそれが心地よくて。

「くそっ、くそっ、くっそぉ……っ!!」

 涙がボロボロと溢れ出てくる。

「なんで……。いらないのに、ただの、偽りなのに……っ!!」

 もっと一緒にいたい。

 馬鹿みたいに楽しそうな日向とか。
 目付きが悪くて、でもバレーが好きな影山とか。
 いつもうるさい西谷さんとか。田中さんとか。
 ゴツいくせに乙女趣味な旭さんとか。
 お母さんみたいな菅原さんとか。
 いつもみんなをまとめてくれる主将とか。
 僕のそばで笑ってくれる山口とか。

 死のうって決めたはずなのに、なぜか涙が止まらなくて。


「月島!!」
「月島ボゲェ!!」
「つーきーしーまーっ!!」
「馬鹿月島!!」
「月島!」
「月島」
「月島ぁ!!」
「ツッキー!」


 なんでいつも貴方達は。
「なんで……いるんですか……っ!!」
 僕の支えになってくれるんですか。

『仲間だからに、決まってんだろ!!』

「——本当、馬鹿みたい」

Re: 【ハイキュー!!】頂の景色を夢見て【短編集】 ( No.5 )
日時: 2015/06/10 17:36
名前: レム* (ID: sSv6cHIH)
プロフ: 短編と中編の間。クロ月です!! 流血注意!!

『僕達が生きるのは』episode1

 ガラガラと音をたて、真っ白なドアが開いた。
「……よ、ツッキー」



 僕は、小さい頃から持病持ちだった。
 治ると言われていたためあまり気にすることもなかった。
 ——でも、高校1年の終わり。
 僕は急激に病状が悪化し、練習中に倒れた。

 医者によれば、もう短いんだとか。
 別に苦しくもなかった。悲しくもなかった。
 ——いや、でも多分、唐突すぎて、頭が追い付いてなかったんだろうけど。

 それから一週間が経った今——
 今更かもしれないけど、苦しいと感じた。
 あの時の自分が、信じられないくらいに。

 思いの外自分は、烏野の人達に洗脳されていた様で。
 バレーのできない生活は辛かった。
 いつも、見舞いに来てくれる。
 それだってなぜか、嬉しく感じたんだ。
 ……まぁ多分、今までがひねくれてたんだろうけど。

 どうでもいいかもしれないけど、寿命のことは言ってない。
 それどころか、兄ちゃんや母さんにも言ってないけど。
 まぁどうせいつかわかるだろうし……僕から言うのもなんか嫌だ。

 今は入院生活中。
 なんだかんだ昔からよくあったことだけど、ここまで長く、重いものは初めてだった。



「今日も来たんですか、黒尾さん」
 ニシシと笑うトサカ頭を見ていい放つ。
 酷い、と言いながらも笑っているのが不思議だ。マゾなのか。
「良いだろー!! ツッキーだって俺が来てくれて嬉しいく」
「黙れトサカ」
「酷い!!」
 うわーんと泣き真似をする黒尾さんが可笑しくて、つい笑ってしまった。
「あ、ツッキーが笑った!!」
「なんですか。失礼ですよ」

 確かに嬉しいのだと思う。
 黒尾さんにこれだけ尽くされて……
 ——ドクンと、心臓が脈打つ。
 なんだろう。
 山口とは違う。
 兄ちゃんや、母さんや、父さんとも違う。
 黒尾さんが笑っていると、自然と僕も笑顔になる。

「ツッキー? 大丈夫?」
「あ、は…………っ!?」

 ——ドクン

 さっきと違う。
 もっと重くて、苦しくて——
 何かが込み上げてくる感覚がした。
 身体中が熱い。
 動けない。

「ツッキー!?」

 次の瞬間、やけにリアルな音と共に、赤い液体が口から出てきた。
「……くろ、お、さ……なー、す、こー……る……」
「もう呼んだ!! 喋るな!!」
 未だ咳は止まらず、血と共に口から吐き出される。

「蛍、大丈夫。絶対、大丈夫だから——」

 その言葉を最後に、僕の意識はプツリと途絶えた。

Re: 【ハイキュー!!】頂の景色を夢見て【BL短編集!】 ( No.6 )
日時: 2015/06/11 15:54
名前: レム* (ID: sSv6cHIH)

『僕達が生きるのは』episode2


「——え?」
 思わず、自分の耳を疑った。

「蛍の余命があと僅かって、どういうことですか!!」

 珍しく叫んだ。
 部活を引退して以来と言ってもいいくらい、俺は気が動転していた。
 必死に気を落ち着かせ、もう一度椅子に座り直す。
「……やはり、話していなかったのか……」
「それは、どういう?」
 医者は一息ついて、俺の目を見据える。

「彼にはもう、話したんだ。でも彼は、それを話さなかった」
「……っ」
「彼も焦っているんだ。今まで治ると思われていたのに、いきなりだったから」
「そう、ですね。……ありがとうございました」
 半ば無理矢理話を終わらせると、早急に部屋を出る。
 その白い扉が、まるで自分を表しるように思えて、虚しかった。

「そんなに俺達は——頼りねぇのかよ」

 そっと呟いたその言葉は、空へと消えた。



 真っ白な病室に、無機質な機械音が響く。
 ベットに横たわる蛍は、穏やかな寝息をたてていた。
 ただ今は、その機械音と寝息が、蛍の生きてる証なんだ、って。

 生きてるかなんてわからない。心臓が見えるわけでもないし。
 でも、例え体が生きていても、心が生きてなければ、それは生きてると言えるだろうか。

 笑っているから、今ここにいるから生きている。
 それは、本当だろうか。
 まるで自分が自分では無いように、感情を押し殺していても、それは生きてるのだろうか。
 自分に、そっと、問いかけてみる。

『生きてるの? 昨日も今日も、本当に俺は、生きてたの?』

 ……ふと、違う声が聞こえたような気がした。
 体がまるで、『違う』と言っているような。


 ——薄々感じてはいたんだ。
 日に日に蛍は衰弱し、細くなっていった。
 大きめの服で隠してはいたが、それでも骨はどんどん細くなっていく。

 ……怖かったんだと思う。
 大好きで大好きでたまらない蛍が、いなくなってしまうことが。
 動かなくなる日が来ることが。

 俺は、信じることができなかった。
 自分の好きな人を。
 全部自分の勝手で見ないふりして、放っておいた。
 本当に馬鹿だと思う。

 ——でも。
 これからじゃ遅いかもしれないけど、今更かもしれないけど。
 それでも、もう一度君を信じよう。
 絶対死んだりしないって。
 もう一度俺の前で笑顔を、君のバレーを、見せてくれることを。

Re: 【ハイキュー!!】頂の景色を夢見て【BL短編集!】 ( No.7 )
日時: 2015/06/12 18:27
名前: レム* (ID: sSv6cHIH)

『僕達が生きるのは』episodefinal


「……死ぬって、どういう感じなんですかね」
 ふと、思ったことを口にしてみた。
「やめろよなー、縁起悪ぃ」
「すみません」
 あの日以来、僕の体は思うように動かなくなった。
 人の手を借りなければ、何もできない。

「……死のうなんて、思うなよ」
 ふと、黒尾さんは言った。
「そんなこと思うわけないじゃないですか」
 ……口にしようとしたその言葉を、飲み込む。
 その言葉に、確信なんてなかったからだ。
 自分に嘘を吐いて話すことを、僕は拒んだ。

 ——気付いたんだ。
 自分自身に嘘を吐いて話すことが、生きることが、実はどれだけ悲しいことなんだろうって。

「なぁツッキー」
「……なんです?」
 黒尾さんは僕の頭に手を置く。

「俺達ってさ、きっと、誰かに必要とされてるから生きてるんだよな」

「……それは、どういう?」
 黒尾さんは手を離し、今度はしゃがんだ。

「多分、多分だけどさ。誰かが必要としてくれなかったら、すぐに死んじまうと思う。でもさ、例えどんなに辛いことがあったって、その人は、自分を必要としてくれてるんだって。きっと、だから俺達は生きてるんだよ」

 何か、糸が切れたような気がした。

「……そうですね」
「俺には、蛍が必要なんだ」
「……そんなの、知ってますよ。昔から」
「そりゃあどうも」

 上手く生きるなんて難しい。
 まず上手な生き方なんて誰も知らないし、わからない。
 人それぞれ、思うことも、感じることも違う。

 だから。
 だからこそ、僕ら人間は、助け合って生きていく。

 今日も明日も明後日も、僕はずっと、生き続ける。


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