BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- とりあえず、ダイヤBL
- 日時: 2015/08/01 05:32
- 名前: 蓮恋 (ID: z5Z4HjE0)
- プロフ: http://ダイヤのBL
こんにちは!!!!!
あー、カキコ超久しぶりです!
以前とは違う名前でやってるから、知り合いも気づかんかも…。
まぁ、いーや。
えーと、改めまして。蓮恋です!
ここでは、亮春中心にダイヤのBL色々書いていこうと思ってます!
亮春、降倉、哲純…等が基本。春っちは絶対的受けで亮さんは絶対的攻めです!動かしません!趣味が合わない方は、ご遠慮下さい。
他のアニメも書けるものは有りますが、書けなかったらno!と言うし、文才は欠片もありません。ご了承願います。
では、start!
…しかし、カキコ、変わったなぁ。
- Re: とりあえず、ダイヤBL ( No.1 )
- 日時: 2015/08/01 06:04
- 名前: 蓮恋 (ID: z5Z4HjE0)
- プロフ: http://ダイヤのBL
両方想い
【春市視点】
「……ハァ」
隣で栄純君が溜め息を吐いた。
ここは食堂。周りはいつものようにざわついていた。
「どうしたの?栄純君」
僕は首を傾げ、聞いてみた。栄純君がチラリ、と僕を見たあと、また溜め息を吐く。
「……いやぁ…」
「?何かあったんでしょ?御幸先輩と」
図星なのか、栄純君の表情が強張る。この子は何でも顔に出てしまう。
「………不安、なんだよ」
「不安?」
「……うん」
僕は首を傾げた。
御幸先輩と栄純君は野球部なら誰でも知ってるバカップルだ。というか、青道高校の者なら知らない者はないだろう。いつでもラブラブだ。
ムカつく位に。
一切の危うさも見せない二人。なのに、栄純君は何が不安だと言うのか。
「何が、不安なの?」
柔らかく聞いてみると、栄純君は「大したことじゃ無いんだけどさ」と前置きをしてから、口を開いた。
「俺じゃ、ダメなんじゃないかって」
「……えぇ?」
僕は更に首を傾げる。
栄純君は三度、溜め息を吐いた。
「ほら、御幸って、モテんじゃん?女子に」
「うん…まぁね」
「その中には当然、可愛い子も居るわけで」
「はあはあ」
「……だから、その…俺なんかで良いのかな…って」
「……………つまりは、役不足なんじゃないかってこと?」
栄純君は小さく顎を引き、項垂れる。
成る程。合点がいく。
確かに、ああいうモテる彼氏を持つと、こうやって不安になるのかもしれない。
浮気とか、自分で良いのか、とか。
「……けど、それは…ないんじゃない?」
僕は呟いて、栄純君を見る。栄純君も顔をあげた。
「御幸先輩は御幸先輩で幸せそうだし。今のところ嫌がらせとかもないんでしょ?」
「え……うん」
「なら、皆が認めてるって事じゃない?全然釣り合ってるし、寧ろ、栄純君ほど適役は居ないと思うな」
僕は意図的に口角をあげてみる。
栄純君はうーん、と短く唸った後、
「そぅ、だよな」
とざわめく食堂で呟く。そして、笑顔をこちらに向ける。
「そうだよな、春っち!うん、俺、考えすぎてたのかも!」
「うん。そうだね。珍しく、無い頭使って」
「なにをー!」
僕が冗談目かして言うと、栄純君も怒ったように言ってくる。けど、顔は晴れ晴れとしていた。
「けど、お陰で悩み吹っ飛んだ!ありがとな、春っち!」
満面の笑みが眩しくて、前髪に隠された眼を細める。
悩みが解決したらしい栄純君は、ご飯を勢いよく掻き込み始めた。
本当は、こんな風に恋愛相談に乗りたいんじゃない。乗ってほしいのだ。
誰かに聞いてほしい。僕の、恋の悩み。
『……お前…来るなって言ったよね?』
脳裏に冷たい声が過る。
あの人に、僕は嫌われているのだ。
数々の拒絶の言葉が物語っている。
鬱陶しいのかな。そんなに、嫌いなのだろうか。
僕は栄純君に憧れている。
恋を実らせた、栄純君を。
だって、僕は実ってないから。
好きな人………兄貴に、嫌われてるから。
続く。
何だこりゃ。駄作で続くんかい。
すいません、お目汚し。一旦切ります。
- Re: とりあえず、ダイヤBL ( No.3 )
- 日時: 2015/08/01 07:12
- 名前: 蓮恋 (ID: J/brDdUE)
- プロフ: http://ダイヤのBL
両方想い 2話
【春市視点】
あれは、つい先日の、練習の後。
グラウンドで練習をしていたら、いきなり雨が降ってきて、皆は急いで練習を切り上げた。
けど、僕はバットを振る手を止めなかった。
兄貴に、追い付くために、雨なんかで休んではいられなかったのだ。
酷い雨だった。
雷まで鳴ってて、雨は地面を抉るかのように激しく降っていた。
打ち付けられる冷たい雨の中に、あめなんかよりも冷たい視線を感じた。
背中を百足が這ったみたいな感じがして、冷や汗が雨と共に落ちていく。ぞわっとした。
バットを振る手が硬直し、バットが地面に落ちた。
「なにしてんの?お前」
声を聞いただけで、恐怖に身体を支配された。なのに、身体の内には熱い喜びが全身を駆け巡っていた。
息が荒くなった。
ギギギ、と音がしそうなほど固まった首を無理に動かし、動かない身体に鞭打って振り向くと、其所には冷徹の笑みを浮かべた兄貴が立っていた。
「なに、してんの、お前」
今度はいやにゆっくりと、質問を繰り返す。
ゴクリ、と唾を飲み込んだ。
声が出ない。出せない。
兄貴の声に、眼に、何よりも怒りに満ちた態度に、僕は恐怖の底を見た気がした。
内は悶えるように熱いのに、外はひんやりと冷たくて、変な感じがした。気持ち悪い。嬉しい。怖い。泣きたい。
「……………ぁ、にき……」
僕の声は、激しく振る雨に掻き消されたかもしれない。多分、普通の人なら聞こえない。けど、兄貴は見逃してくれなかった。
細い、殆ど瞑った眼が、鋭くなる。
その眼が、落ちた木製バットに注がれ、口元がぐにゃりと歪む。
「…こんな、無意味なこと、続けてるの?」
フッ、と兄貴が鼻で哭らうのが聞こえた。
無意味、という言葉が耳について、反論したくなったけど声が出ない。
いきなり、兄貴の尖った眼が僕に向けられる。
「……お前、何でここに来た?」
「…………………え」
兄貴の言葉が、刃となって胸を突き刺す。口から出たのは、言葉でも声でもない。傷から漏れた、血。
「昔から俺の真似ばっかりして。何で、俺の後ばかり追うわけ?」
兄貴の言葉は、刃以外に意味を成さないみたく、僕を傷つけた。
何で、兄貴の後を追うか?そんなの…。
憧れてるから。
………好き、だから。
けど、言えない。
言ったら、余計に嫌われるだろう。
怖かった。これ以上、兄貴が遠くなるのが。
嫌で嫌で、堪らなかった。
兄貴のため息が聞こえて、思わず下を向いたとき、兄貴の言葉がまた、僕を傷つけた。
「……お前、来るなって言ったよね?」
クルナッテイッタヨネ?
それは、僕に対する拒絶としか取れなかった。
涙が滲む。下唇をギリッと噛み締める。握った拳がわなわなと震える。
再び兄貴は鼻で哭らい、室内へ戻っていった。
冷たい雨は、僕の心を悟ったようにしとしとと静かに降り続けていた。
「………ん、……と…ん」
誰…?聞き覚えの在る声。
誰かが名前を呼んでる…。
「……小湊君!」
「…………えっ!?」
いきなり大声で名前を呼ばれて、ハッと現実にかえる。
目の前には心配そうな降谷君の顔があった。
「…どうしたの?」
「……………え、いや、ごめん。何でもないよ」
「……そう?」
まだ心配そうな表情の降谷君に元気そうに頷くと、いくらか安心したのか降谷君が部活に行こう、と急かす。
いつのまにか授業は終わっていて、部活に行く支度をしたり帰り支度をする生徒がちらほら伺える。
僕は降谷君を先に行かせ、溜め息を一つ吐く。
悲しかった。兄貴の眼には、冷たさだけじゃなく見下しの意味も見て取れた。
哀しくて、悔しかった。
でも、話しかけられて、嬉しかった。
よく、兄貴が解らない。
まだ青道に入って1ヶ月半だけど、兄貴のことは、解ってるつもりだった。
のに、兄貴は青道で過ごした2年間の間で、僕の知らない、別人になっていた。
怖くて、解らなくて、哀しくて、悔しくて、遠く感じて、恐かった。
涙を押し殺しながら、僕は部活にいこうと支度を始めた。
続く。
亀さん更新だったり、ほったらかすこともあるかもです。覚悟!